1. タオの伝説
自分に自信を持てない少年が不思議な世界に飛ばされて、そこは悪い奴によって支配されつつあって、その敵と戦いながら少年が成長し、現代に戻って悪友をちょっとこらしめる──という王道中の王道ファンタジーですが、世界観はかなり狭い。しかし他とちょっと違うのは、香港映画のスタッフを呼び寄せ、5人の"人面カンガルー"にクンフーを使わせるという所です。/これがカワイくないどころか、むしろ気持ち悪かったりして、もう少し愛嬌のある造型にできなかったのかな?と思ってしまうのですが、動きの方は着ぐるみとは思えない俊敏な動きで、なかなかのアクションシーンを見せてくれます。高い場所から10mくらい先の地面へ前方宙返りしながら着地するワイヤーアクションもスムーズに決まっててカッコイイ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2010-07-14 19:07:55) |
2. 富貴兵團
収容所ものの冒険活劇。支配者側が日本軍、被支配者側が中国人ですが、日本を極度に悪く描くようなこともほとんど無く、まぁ普通に楽しめた。/あの『上海エクスプレス』の続編的作品だと思うのですが、話は繋がっておらず、出演者も無駄なところまで豪華だった前作に比べると、“必要なところだけ豪華”になっております。/日本軍役も全員香港の俳優使ってるので、戦闘シーンでは容赦なくクンフーを使ってきます。見てるうちに慣れますが、クンフー使う日本兵との戦闘シーンが冒頭でいきなりあるので面食らいます。/アクション、コメディも良い意味でそこそこで、この辺の香港映画が好きなら納得の出来か。 [DVD(字幕)] 6点(2008-08-06 10:30:55) |
3. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱
ワンチャイの中ではストーリーに筋があって、しっかりしてる方です。監督の主張を、役者に演説させるのではなくストーリーで語る作品というのが個人的には高評価なのですが、これもそういった部分で、教訓や自国民への批判などを説教くさくない程度にうまく練りこんでいるところやドニーの役がただの分かりやすい悪者ではない(粗はありますが)ところも好きです。/ビュンビュンしなる棍やドニーお得意の布棍、ラストの狭い場所での息詰まる攻防など迫力あるものに仕上がっており、傑作と言ってもいい。 [地上波(字幕)] 8点(2007-09-21 20:49:07) |
4. ギャンブリング・ゴースト
サモ・ハンお得意の幽霊ドタバタコメディ。主人公とその父親、幽霊として出てくる祖父の三役をサモ・ハンが演じていて、3人が同時に出てくるシーンも破綻なく繋がっており、丁寧に作られています。昔の彼なら撮ってるうちに収拾つかなくなって、口減らしのために父親辺りが唐突に死ぬ展開になっていたことでしょう…。/観てて面白いといえば面白いのですが、中身の薄いコメディなので他に語る部分が見当たりません。見所といえばビリー・チョウとのラストバトルくらいか…。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-31 15:19:39) |
5. 英雄剣
個人的に実写版ルパン三世でルパンをやらせたい俳優No.1のフランキー・チェンとティ・ロンのW主演の武侠ファンタジー。観てるとどうやら原作があって映画化したのでしょうか、恐ろしく話を飛ばしていくので、「なぜ主人公がここに向かっているのか」「なぜこいつと戦ってるのか」ということで終始「?」がついたままな状態です。さらに主人公の複雑すぎていまいち分かりづらい生い立ちが語られるラスト近くでも、殺されたと思っていた母親がいきなりズビューンとワイヤーで画面に飛び込んできて生い立ちを語り始めるのでさらに「?」が点灯しっぱなしです。アニタ・ユンの可愛さだけが救い。 [DVD(字幕)] 4点(2007-05-29 18:23:48) |
6. セブン
大罪が完成したからなんなの?という感想しか浮かびません。ほんとすみません。 [地上波(吹替)] 5点(2007-05-01 19:36:30) |
7. 刑事ディック キプロスの虎
おちゃらけ刑事モノですが、仲間の裏切りの結果、ラストでなんともいえない後味の悪さを残して終わります。クンフーシーンは大掛かりなものは無いがそこそこ。暇つぶしにしかならない作品。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-04-09 00:01:22) |
8. ハイリスク
頑張ってはいますけどねぇ、けっこう躊躇せず人を殺すテロリスト集団なんですが、どっちかっつーと部下がおマヌケ集団て感じだし、ブルース・ウィリスのようにヒーヒー言いながらテロリストに立ち向かうふつーのおっさんではなく、マシンガンの嵐の中でも弾の当たらないスーパーマン化したリンチェイなので見ててあまりドキドキ感が沸いてこないし、ジャッキー・チュンによるコメディ要素(という非現実)を入れたために、さらに緊迫感が薄まってしまってます。詰めの甘い、香港映画らしい大雑把さ。やはり『ダイハード』と比べて観てしまいますよねぇ。/テロリストの計画が崩壊し、せめて最後の決着をつけようと待ち構えるところでベートーベンの『運命』は無いわ~。でも、私もこれ見てジャッキー・チュンの見かたが変わりました。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-10 01:51:43) |
9. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地雷鳴
93年の作品でありながら、即興で作ったYMO「ライディーン」のようなオープニング曲と共に、必要な情報のみを急ぎ足で表示していくスタッフ紹介と、いきなり不安感いっぱい。正当な続編ではないものの、まとまりのないストーリーから演出まで、まんまワンチャイテイストなので見慣れた安定感はありますが、逆にお決まりの演出満載で驚きも少なめ。/黄飛鴻役の人はどこから連れてきたのか、この1作のみで他に出演作が見当たらないような方ですが、意外とハマってます。 [DVD(字幕)] 5点(2007-02-04 18:23:43) |
10. マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限
んー、イントロだけ『男兒當自強』をパクったようなメインテーマといい、ワンチャイテイスト作品の亜流という感じ。この辺の荒唐無稽格闘スタイルがあまり好きではないのもあり6点。 [地上波(字幕)] 6点(2007-01-09 00:15:14) |
11. スタントウーマン~夢の破片(かけら)~
《ネタバレ》 映画界でスタントウーマンとして働く女カン(ミシェル・ヨー)にスポットをあてた作品。代わりのスタントを探していた時に居合わせたカンに「お前スタントできるか?」って感じで、チーフのサモ・ハンが率いるアクション班グループに所属することから話が始まります。/しかしこのテのお話しって、いかにリアルな人間像を描くかが大事だと思うのですが、カンが声かけられて「クンフーならできますよ!」といってバク転とか披露する場面で、そこだけリンチェイのワイヤーアクション映画風な速回しになったり、ヤクザと遊園地の船でバトル演じたり、サモ・ハンが部下の喧嘩を仲裁するのにクンフー使ったりと、スタントウーマンを真摯に捉えた人間ドラマを撮りたいのか、娯楽作品を撮りたいのかどっちつかずな印象。/それでも序盤は撮影所でのアクションシーン撮影の裏側的な話なのでけっこう面白いんですよ。このトーンで最後までスタントウーマンとしての泣き笑いなんかを撮ってくれれば、そこそこの作品になったと思うんですが、進むにつれてどんどん本筋とは駆け離れていき、男に騙され、ヤクザもんとの抗争に巻き込まれ、中国へ逃げようと密入国未遂・・・と、わけわからん話に発展していき、最後は密入国手前でヤクザに発見され、そこで1バトルあり、警察官のリチャード・ンがコミカルに助けに現れて「あぁよかったよかった」でエンド─というめちゃくちゃ中途半端な終わり方…。エンディングで「ミシェルはこの作品中のスタントで怪我を負った」などと、動けなくなったミシェルの映像が流れてくるのもなんだか白々しく思えてきます。/アクション班チーフのサモ・ハンが、部下の不始末でお偉方と話をつけたり、みんな連れ立って飲みに出かける面倒見の良さ、仕事では厳しく、それ以外では父親のように振舞う姿は、みんなに大哥(タイコー=兄貴)と呼ばれ慕われる人だけに、実際もこんな感じなのかなぁ――と微笑ましく思います。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-12-15 18:16:06) |
12. エンター・ザ・イーグル
面白いといえば面白い、いかにもユン・ケイらしい作品ですが、パッケージの煽り文句を読んで「あのブルース・リーの娘」に期待した人にとっちゃ物足りなさが残る──というところか。/銃の撃ち合い多めのハリウッドライクな近代アクションで、シャノンによるクンフーシーンはあるにはあるんですけど、アングルが悪かったりアップすぎて状況が分かりづらく、せっかくのベニー・ユキーデとの格闘も迫力不足。「お、スゲー」というシーンもあまり無し。しかし、あのユキーデの冷めた爬虫類系の目はマジコワですね。ラストバトルになって初めてサングラスを取るのはウマい演出だなと思いました。 [ビデオ(吹替)] 6点(2006-11-23 20:50:44) |
13. 双旗鎮刀客
《ネタバレ》 ヤクザが幅を利かせる寒村に許婚を探しに来た内気な少年が、父親から教わった剣術で長渕剛似の達人・一刀仙一味と対決するというお話で、『用心棒』や西部劇辺りが話のベースとなってますが、かなり評価の分かれる作品です。/これを登録する時に、ジャンルに[アクション]を入れるべきか迷いました。だって剣劇なのに肝心のアクションを見せないんですから。どこをどう斬ったというシーンは存在せず、剣をズバッと抜いた瞬間には、敵がふらふら~っと歩いてバタッ─と、殺陣いらずの決闘シーンとなっています。で、驚愕のラストバトル、ここでネタバレしたいけど、したくない~。まぁ軽くコケることは保障します。/村に生きる人々をリアルっぽい視点で撮った趣のある映像なので、この辺りで見るべき部分があるらしく、映像や雰囲気を楽しめる方には高評価なようですが、示唆に富んだエピソードがあるならともかく、ストーリーも終始平板で、最後に取ってつけたように小ズルい奴が出てきて得をするというオチが逆に安っぽい印象(こういうラストにするにはそれなりの伏線がなければ)。観たい方はアクション面は期待しないで観てください。 [DVD(字幕)] 4点(2006-10-01 00:07:28) |
14. ラスト・ブラッド -修羅を追え-
日本人テロリストが賞金のかかったチベットの宗教的指導者を襲撃、危うく難を逃れ、一緒に巻き込まれたアンディの恋人と共に病院へ。輸血が必要となるが、なんという天文学的確率か、2人とも珍しい血液の持ち主で、国内に3人しかいない適合者を8時間以内に見つけないと!しかし先回りして適合者を殺していくテロリスト達!という、クンフー無しの刑事アクション。/で、日本人テロリストというのがもう最高でして、香港の人が演じているだけに日本語で会話するシーンになると腹よじれるほど面白いことになります。上のヤツが下のヤツに命令口調でしゃべっていたのに急に「~してください!」とか。しかも字幕(日本語に字幕が出るのもヘンだが)ではきちんとした会話に直されてます。/アラン・タムが「妻にアラン・タムに似てると言われるんだ」とか、小物を売ってるエリック・ツァンが「レスリー・チャンのブラジャーあるよ~」とか、たまに出てくるパラレルワールドなジョークが面白い。/アクション面はまぁまぁ。街中でのバイク集団とのカーバトルはけっこうすごかったです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-07-20 00:52:15) |
15. MOON44
おー、あったあった。高校生の頃に観た、戦闘シーンが真っ暗でクソおもしろくないSF映画、タイトルなんだったけな~とず~っと心にひっかかっていて、主人公の男優が安っぽいサイコ映画に出てたとこまでで手がかりゼロの状態だったんですが、とある通販サイトで香港女優の「Moon Lee」で検索していたところ、ふと出てきた『Moon44』の文字。これだーー!!十何年越しの再開でした。あ~スッキリした。 [ビデオ(字幕)] 1点(2006-07-14 15:47:01) |
16. 98分署 香港レディ・コップス
サモ・ハン、ユン・ケイお得意の刑事モノ。まぁ語るところといえばラストバトルくらいしか無いんですが、犯罪者が逃げ込んだ船に夜中に潜入したハズが、バトルしながら船外へ出ると真っ昼間というおちゃめさ加減。/船の中の狭い場所でのバトルはなかなか。狭い場所を生かしてジョイス・コウの表情を映しながらカメラがパーンしていくシーンが緊迫感をうまく演出。ここはかっこよく仕上がってます。/ラストのアグネス・アウレリオとの1対1バトルでは、アグネスがフィリピン語でなにやらまくし立ててる(字幕無しで)のが心理的コワさを醸し出していたりと、たまにセンスを感じるところあり。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-06-15 01:07:59) |
17. ドラゴン・バーニング 怒火威龍
《ネタバレ》 序盤のツアーガイドをしているドニーが、ピンクのシャツに紅白ストライプのズボン、アメリカ国旗プリントの帽子という、おもしろすぎる格好に。この格好でスリを追ってミニ自転車でフィリピンの町中を爆走する様は衝撃です。/お宝探しったって…すぐ近所やん!とか、お宝の仏像の前の石段が、よく塀に使われているブロックを加工もせずにそのまま積んであるだけとか、あの病気のお父さんはほったらかしかい!とか、そういった部分で楽しめます。/バトルシーンは低予算にしては頑張ってますが、やはりチープな印象は否めず。最後のNGシーンで浅黒いはずのフィリピン人スタントマンが真っ白な顔でピクリとも動かず、軽トラで運ばれていく姿が忘れられません…。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-11 15:08:26) |
18. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ <外伝> アイアンモンキーグレート
《ネタバレ》 前作ではウォン・ケイインを演じたドニーが今作ではアイアンモンキーに昇格してますが、資金の都合か、前作と比べると格段に安っぽい作りです。/空中で丸太を蹴ったり乗ったり、石を足で粉砕したりの超人系。ドニーお得意の布棍も披露します。格闘シーンは悪くはないんですが、早回しならぬ早送りに近い速さでスピード感を出そうとしているのはやりすぎ。ラスボスの倒し方もエグい。「卑怯だぞ、お前ら」的なことを叫ぶボスに同情してしまいます。ドニーと一緒に戦う人が寺島進に似てます。 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-10 15:14:20) |
19. 詠春拳
ミシェル・ヨー版ワンチャイです。特に豆腐対決(崩したら負け)は、豆腐がブーメランのように戻ってきたりとスゴイことになってます。/ストーリーの大筋は山賊退治ですが、香港映画お得意の勘違い、思い込み、人物入れ替わりからグダグダなオチまで、 香港映画の〈良い〉ところが詰まっていて、何も考えずに安心して観られる内容です。バトル量もけっこう多め。 [DVD(字幕)] 6点(2006-04-14 14:37:25) |
20. ドラゴン電光石火 '98
フィリピンを舞台にした低予算刑事モノ。破天荒な刑事が異国の地で捜査という定番ストーリーだけに、あとはドニーがアクションをどれだけ見せてくれるか―なんですが、銃撃シーンはそこそこ激しいものの、とりたてて褒めるほどのものでもなく、クンフーシーンなどはカット割りが細かすぎ。ドニーがパンチを繰り出す―パンチのアップ―敵が吹っ飛ぶ、というようにいちいち区切って見せるので、一つの流れとしての技の応酬みたいなものを引いた視点で見られるシーンはほとんど無し。/ドニーがバスローブになってくつろいでいるところへ殺し屋が襲ってくるシーン。バスローブ姿で格闘するドニーはちょっと滑稽です。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-24 15:04:43) |