1. ブレードランナー
もし主人公が超人的な活躍でカッコ良く振舞う映画が見たいなら、同じハリソンフォード主演のスピルバーグを見ればいいでしょう。 この映画、もう10回くらい見てます。毎回思うのは、人間が作ったレプリカントの方がはるかに能力が高く、彼らの前ではデッカードは殆ど無力に近い存在です。弱さは人間の象徴なのか? 特に好きなのは、まず街のシーン。そして、ロイの最期のシーン。アドリブだったあの台詞は本当に感動的です。更に、ラブシーン。弱々しいデッカードが女性(レプリカントですが)には強気です。「Say "I love you"」「Say "I want you"」と強い口調でレイチェルに言い、言われたとおりに口にした後、最後にput your hands on meと言います。この時のショーンヤングが最高に可愛くて大好きです。ただ、ショーンヤングはこのシーンの暴力的な感じがイヤだったそうです。 それらを含め、見終わる度に何か感慨深い思いに打たれますが、それもすべて消えていきます、雨の中の涙のように。 [インターネット(字幕)] 9点(2022-09-18 18:51:14) |
2. ゆきゆきて、神軍
この映画は、主人公、奥崎 謙三をヒーロー扱いする目的ではありません。 ニューギニアで起きた当時の不当な処刑を道徳的に告発するものでも当然ありません。 もしドキュメンタリーが正確な記録だけが目的なら、 知らせずに隠し撮りすべきです。 カメラが入ると場に影響を与えます。それは主人公が一番良く知っていて利用しています 黒沢監督の「羅生門」では、真実は藪の中でしたが、 ここではカメラと型破りな奥崎謙三のパワーが、 藪の中状態から多少なりとも関係者が真実を口をします 人類が消してしまいたい原爆の放射能汚染をゴジラが思い出させるように、 日本人が消そうとする戦争の真実を奥崎謙三が思い出させます この映画はそんな日本人の「日本人的」反応を記録した映画です [インターネット(邦画)] 9点(2021-03-14 11:54:30) |
3. 幕末太陽傳
面白いと思った映画でも結構退屈なシーンが幾つかはあるものですが、この映画は本当にだれる箇所が無くラストシーンを迎えます。スピード感のある小気味良いテンポが 素晴らしいです。登場人物のフランキー堺や裕次郎も躍動感があり、まさに活きています。 [DVD(字幕)] 9点(2006-01-21 14:42:51) |
4. 晩春
初めて原節子と組んだ作品。この後家族について似たようなテーマの作品を 小津はとり続けることになります。ただ、本当に言いたかった事は分からない。 「娘を嫁にやる父親の寂しさを表した」。ストーリーは確かにそうかもしれませんが、 そうなのかなあ?この静かな作品は観る度に考えさせられる謎に満ちた映画です。 9点(2004-09-26 13:43:30) |
5. 椿三十郎(1962)
面白い。用心棒とどっちが面白いと意味の無い議論をしたくなるのが ファンの楽しみかも。 9点(2004-09-26 13:29:26) |
6. 用心棒
面白い。見ていて全く飽きない。 色々と監督や評論家が御託を並べる面白くも無い映画を ありがたがって見る人たちがいるが、まず面白くなくっちゃ、映画は。 ストーリーやキャラクター、セリフなど全てが最上のエンターテイメント。 9点(2004-09-26 13:16:35) |
7. 幸福の黄色いハンカチ
《ネタバレ》 余りにも有名なので、黄色いハンカチがあるかないか健さんと同じ気持ちでドキドキしながら見ることはできませんでした。 それでも、実際に見ると感動しました。 洗濯干していた妻が健さんに気づく場面では、当然抱き合って キスくらいするのかなと思ったのですが、健さんは鞄を渡しました。ハリウッドとはちょっと違う日本映画らしい静かな感動でした。 9点(2004-03-05 22:08:26) |
8. 彼岸花
最近、大昔に観た小津の「秋日和」「秋刀魚の味」、そして本作を続けて観直しました。小津の作品は、ある意味ハリウッドの冒険スペクタクルと同じ、絶対に映画でしかありえない映画です。観ていると段々映画の世界の中に入り込んでいくのが分かります。それが心地良いです。 3作ともそれぞれ味がある良い作品ですが、他の2作と比べて本作は「岡田茉莉子ロスト」でした。どうも他2作を見てすっかり岡田茉莉子がお気に入りになっていたようです。監督が彼女を1番バッターと読んだのも納得です、と出ていない女優の話を書いてしまいましたw [インターネット(邦画)] 8点(2023-01-28 18:08:12) |
9. 座頭市血煙り街道
なんか見終わったなぁって満足感がある。勝新はカッコ良く、剣は凄く、娘は可憐で、悪役はいかにもの様式美の時代劇。 雪降るなかでのラストの決闘は見ごたえ充分。 [インターネット(邦画)] 8点(2023-01-14 14:41:21) |
10. 秋刀魚の味(1962)
遠い昔、学生時代に名画座で見た記憶が「魚偏に豊」の台詞で蘇ってきました!当時は短い期間に小津作品を一気に見たので「また同じ話かぁ」という印象で見たことをスッカリ忘れていました。 今小津作品を見直すと毎回同じような話だけれども1つとして同じものは無い。本作では瓢箪先生が秋刀魚のわたのように人生のほろ苦さの象徴です。 [インターネット(邦画)] 8点(2022-12-25 16:30:00) |
11. 秋日和
端正で全く人工的なこの映画を観ていたらいつの間にか入り込んでいたのには自分でもビックリ。そして岡田茉莉子演じる百合子にかなり共感していた。寿司屋の娘という粋な設定、サバサバしているけど思いやりに溢れた温かい心の持ち主。江戸っ子ってこういう感じを言うのかな?小津の映画はいつもの世界、いつものテーマだけど少しづつ違う。本作だとこの百合子かな。 [インターネット(邦画)] 8点(2022-12-11 16:13:31) |
12. ジュマンジ
《ネタバレ》 今の環境に合わない主人公が旅立ち色々な経験をして帰還する、世界中の神話が1つのフォームだとキャンベルが発見し、弟子のルーカスがそれをもとに作ったのがスターウォーズです。 この映画もまさに同じ。飽きずに最後まで楽しめました。子供だましだという意見があるのは、ゲーム終了後に両親も青春時代もすべて失った中年に戻るのではなく、時間が巻き戻って全て振出しに戻ったからでしょう。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-12-03 15:25:56) |
13. グリーンブック
人種差別の描写が緩いと言う人が居るけど多分そうだと思う。でもリアルに知りたければドキュメンタリーでも見てください。 もう1つ。アメリカの差別は醜いという意見にも一言。日本にだって同じように差別はあります。 黒人という人はいないし、白人という人もいない。みんな名前がある個人です。 エンターテイメントにくるみながらも個人と個人が交わり勇気を出せば変わる、というメッセージがとても強く伝わってくる映画です! [インターネット(字幕)] 8点(2022-11-27 11:19:02) |
14. ノスタルジア
大昔しょぼい14インチのテレビで見た時に、今度は絶対映画館で見たいと思いました。未だその望みはかないませんが、VRゴーグル+映画館をシミュレーションするアプリで近い体験が出来ました。顔に少し違和感を覚える以外、目の前に広がる圧倒的な大画面での鑑賞です。 大画面だと、タルコフスキーの製作意図なんか考える暇もなく自分が映画の中に入っている感じです。主人公と同じ視点では決して無く、主人公の後ろに立って見ている感覚です。2次元の画面を遠く離れた所から見ているのではなく、登場人物やモノがとてもリアルに感じられます。景色は、ゲーテを鬱から回復させた眩しいほどのイタリアの色彩とは全く異なり、とてもイタリアとは思えません。 退屈というレッテルがよく貼られるこの映画なのに、あっという間に時間が過ぎていきました。形而上学的な会話を登場人物たちが延々と続けるインテリ風と異なり、小さなストーリーが次々と流れていきます。ふっと笑えるシーンや女性の裸すら出てきます。 ロシアの母なる大地とタルコフスキーの母への想いがシンクロしてできたこの映画、最近なにかと話題になる「ロシア的」とは何かを知りたいと思ったのが観た目的でした。イタリアではなくウクライナで戦争をしているロシア兵はロシアへのノスタルジアを覚えるのでしょうか。それともプーチンが主張するように同じロシアだと感じているのでしょうか。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-24 09:07:27) |
15. L.A.コンフィデンシャル
《ネタバレ》 後半の暴力的でスピーディーな展開は見ていて気持ち良い。やっぱり「暴力でスカッと」は映画の中だけと時節柄、切に思った [インターネット(字幕)] 8点(2022-04-09 11:33:27) |
16. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
ありえない設定ですが、決して特殊効果のSF映画ではありません。時間や老い、人との出会いがテーマです。この映画は、「今ここでこの瞬間を生きる」ことの大切さを語りかけています [インターネット(字幕)] 8点(2022-03-26 11:01:54)(良:1票) |
17. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
ユダヤ人を迫害したナチスを倒した英国ですが、自国では同性愛者を迫害していました そして、ナチスの暗号を解読することで勝利の最も貢献者の一人であるアランチューリングもその犠牲に 社会の多様性について、見ると考えさせられる映画です [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-05 20:15:40) |
18. カフェ・ソサエティ
《ネタバレ》 主人公のボビーの喋りが方が、時々ウディっぽく感じられるけど 似せてるんでしょうか? 人は手に入らなかった方により価値を感じるバイアスがあるので、 ヴォニーをずっと思い続けるのかもしれません。 主人公もそれが分かっていて、夢として愛しているのかも しれませんね、だから「浮気じゃない!」 [インターネット(字幕)] 8点(2021-01-02 22:38:03) |
19. 映画と恋とウディ・アレン
作品は、作者の人格と切り離して評価すべきと考えています しかし、こういうタイトルでドキュメンタリーを作るなら やはり事件に触れないと片手落ちの感じがしました 「6歳には性欲が無い」 「僕は有る」 『アニーホール』より 「年寄りは枯れてて性欲が無い」 「僕は有る」 『これから出る作品』より(多分) [インターネット(字幕)] 8点(2020-12-31 09:36:29) |
20. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 宇宙から地球を見ると意識が変容するらしい。現に、帰還後、宗教家となった宇宙飛行士も多い。 当然行った事は無いが、まるでロケをしたような本作品の宇宙の映像は素晴らしい。スクリーンに浮かぶ地球を見ると、もしかしたら何かが目覚めるかも。 ストーリーは別に海でも山でも成り立つシンプルなものだが、タフで優しく、逆境でもユーモアを忘れず、自分を犠牲にしてライアンを助けるマットにはやはり感動する。 [映画館(字幕)] 8点(2013-12-16 20:59:13) |