1. デッド・カーム/戦慄の航海
《ネタバレ》 「海」という誰の助けも得られない場所における「船」という密室での展開は設定としてはおもしろい。が、犯人役がクレイジーなのはしょうがないとしても、主演の二人も「間抜け」すぎる。こんな犯人を退治するチャンスは何度でもあるにもかかわらず、銃を奪われたり、犯人を捕らえても殺したり海に捨てたりしないキッドマン、色々してもなんと自分の犬に邪魔される始末。人の船で閉じ込められてしまうニール(この設定は余分)。ラストシーンにいたっては、思わず笑ってしまった、照明弾がどうして犯人の口にああ見事に入るわけ??と、演出・プロットともにイマイチながら、音楽を入れるのを極力押さえ、静けさで「海における孤独」を表現しており雰囲気は良かった。 [DVD(字幕)] 4点(2006-09-11 03:42:03) |
2. 殺人ゲームへの招待
《ネタバレ》 この時代にマッチした良い香りがする作品。このコメディを今作っても、この雰囲気は出ないだろう。「大きな家の中に怪しい人物が集まり殺人事件が起こる→誰が犯人か?」というクリスティーやクイーンに見られるようないわゆる本格派推理小説の王道パターンをパロディにしたという点だけでも、センスを感じる。しかも、(DVDでは、)エンディングが3種類も用意されており、それぞれで犯人が違うというのもナイス・アイデアではないか?この3つの結論に矛盾することなく、一つのストーリーが作られているわけであり、コメディ的な側面以外でも、そのプロットは楽しめる作品である。 [DVD(字幕)] 6点(2006-09-10 01:28:19) |
3. バンカー・パレス・ホテル
《ネタバレ》 古くて新しい独特な感覚を持った作品。アンドロイドたちの滑稽なこと、ホテル全体に漂う雰囲気が良いこと、プールやモグラや列車や様々な大道具・小道具に工夫が凝らされていたこと、等々・・・。確かに、プロット自体に特筆するものはないが、見ても損はしない映画である。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-18 02:16:26) |
4. ブレインストーム
《ネタバレ》 この時代の映画(というより古い映画)特有のまったり感、スローペースを味わった。最近の映画は、余分な部分をそぎ落としコンパクト&インパクト重点で目が離せない作りが主流なだけに妙に懐かしい(多分、リメイクしたら90分で納まる内容だろう)。いわゆる臨死体験を見たいというのが一つのテーマであるが、ほとんど「2001年宇宙の旅」のラストと同様で意味なし、映像を楽しめと言われてもさすがに今見ると精度に乏しい。それより、研究所の工場が狂ってしまい自己破壊する描写は、近代SFギャグっぽくコミカルに見えてしまい、その部分の方が見ごたえがあった。出演者は、それぞれ特有のキャラを持ち、マッチしていたと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-05 01:11:46) |
5. ウォー・ゲーム(1983)
《ネタバレ》 いかにもこの時代の映画と感じた。贅肉を極力切り落とし余分な部分のないスリムでシャープな現代の映画に慣れている人は、展開がダラダラしたイメージに思えるかもしれないが、これはこれでまた魅力がある。ラストシーンの「○×ゲーム」は洒落っ気があり、核戦争の緊張感と合間見合って独特の描写であった。見て損はない。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-04 01:40:37) |
6. ヴィデオドローム
《ネタバレ》 やっと見れました、この作品。実にクローネンバーグでした。伝統的ハリウッド映画と真っ向からの対立軸「暗い、湿っぽい、歪んでいる、バッドエンド」に真骨頂たるあのグロテスクさ。この時代の映像だからこその魅力もありますが、この作品と「裸のランチ」は、今の映像技術でリメイクしたらおもしろいと思います。ジェームス・ウッズも良い味出してました。その後も「デッドゾーン」のクリストファー・ウォーケンからジェレミー・アイアンズの2作品等に最新作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のヴィゴ・モーテンセンまで、この監督が起用する主演男優は「一癖」ある役者陣でこだわりを感じます。点数は甘めですが、クロネンバーグ・フリークだからしょうがないということで・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2006-04-28 02:28:36) |
7. ニューヨーク1997
カート・ラッセルはこういう野性味ある武骨な男が一番ハマっていると思う。1981年に16年後を描いた映画だが、古さと新しさが同居して、A級とB級が同居して、ストーリーも破綻と必然が同居して、妙な感覚を持たせてくれる。個人的には、カーペンター映画でも、本人が手がける音楽が好き。単純メロの繰り返しが多いが映画とマッチし耳に残る。 6点(2004-07-18 13:56:14) |