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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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1.  気狂いピエロ 《ネタバレ》 
「ねぇ、ピエロ?」「フェルディナンだ」・・・この不毛なやりとりが幾度となく繰り返される。けど、それがいい。 ストーリーの中の二人の行動の大半が、これといった理由もないままに起きる。けど、それがいいのだ。 お互いに「愛してる」と言ったりする。二人は特に愛し合っているようには見えないのだが。しかし、それがまたいい。 アンナ・カリーナが、客人を背後から不意に瓶で殴りつけて殺してしまう。特にその客人との関係も語られず、既にベッドで倒れている男が誰なのかもわからないのだが。しかし、それがまたいい。 カフェでビールを2杯注文したところに出てきたオヤジ。「10万フラン貸した」「妻と寝ただろ」とくれば、そこからいざこざに発展しそうな感じだが、すぐに消えてしまう。ベルモンドも何事もなかったかのように新聞に読みふける。それがまたいい。後から考えて、あのオッサンはストーリーとは何の脈略もない人だったんだなぁと解ると、その存在が非常に面白く感じられて、見終わった後になって何とも言えない余韻に包まれる。あの男は、最後に登場する、音楽がづっとついてまわるという男と共に、非常に重要な役を演じているのだ。 最初の、A、B、C・・・と、順番に出てくるタイトル画面も最高にカッコイイし、全然荷物を持たないでいるのにいつもオシャレな服なところもいい。ストーリーとはさほど関係ない日記も好き。 ゴッホやルノワールの絵画が挿入されて出てくるのも、突然BGMに合わせて唄いだすのも、カメラ目線でおじいちゃんの真似をするのも、顔を青く塗っちゃうのも、海と空が溶け合った青一色のラストもいい。 要するに、何から何まで最高の映画。 自分の人生に影響を及ぼした映画。 猛烈にどこかに放蕩してみたくなる、そんな映画。 盗んだ車でどこまでも行ってみたいと思ったし、その車で海に突っ込んでもみたい。川の中を歩いて渡ってみたくなるし、銃で人を殺して大金をせしめてみたくなるし、ダイナマイトを顔に巻きつけてみたくなる・・・・・そんな映画。
[DVD(字幕)] 10点(2007-08-19 12:56:43)(良:1票)
2.  ロシュフォールの恋人たち 《ネタバレ》 
同じショットの繰り返しがどうしてこんなにも気持ち良くさせてくれるのでしょうか。 まず初めにドヌーヴが、次にドルレアックが、そしてラストではダニエル・ダリューが子供を迎えに行くシーンでは、まったく同じ位置からのショットでストーリーが展開され、また、町の広場の真ん中の泉を手前にした俯瞰ショットもこれまた幾度となく現れます。その繰り返しのショットが呼び起こすのは、日常の幸福感だったりお祭りの高揚感といった喜びの感情ではないでしょうか。登場人物が皆、喜びを歌にのせて踊るという演出は言うまでもなく我々をハッピーな気持ちにさせますが、それにも増して、この“繰り返し”のショットが自分にとっては一番気持ちの良いシーンであると断言できます。 ストーリーが、これまた素晴らしい群像劇で、歌の中身においても自然な繋がりがあるところも凄くいいですし、歌を唄いながらのダンスのシーンも、あの横長のスコープサイズの画面を、脇役の人物やインテリアやエキストラなど、あらゆるものを画面上に配置して構図を作っている。つまり、これも「シェルブール~」同様、綿密に計算されたカメラワークであると推測できるのです。 そして、日曜日のお祭りで全員が揃っての大団円かと思いきや、ドヌーヴの乗ったトラックにペランが乗り込んでパリに向かうという、何とも粋なエンディング。映画は終わったのに、あの車の中でどんな会話が、どんな歌が繰り広げられるんだろう・・・と想像して、自然とニコニコ顔になってしまいます(^_^) 
[映画館(字幕)] 10点(2007-07-16 16:44:03)(良:1票)
3.  フレンチ・カンカン 《ネタバレ》 
自分は映画に関しては素人同然ですが、エラソーな事を言わせてもらうと“良い映画は最初の10分でわかる”と断言したい(その逆もまた然り、ですが・・・)。うまく説明できないけど、最初のギャバンの登場シーンやらローラやら口笛やらが最高に良かった。この映画はここには書き尽くせないくらい見どころが多くて本当に困ってしまうのですが、まず、この映画が有する微妙なコメディの要素に注目。となりのカフェでお茶をしていたカップルは初めからカップルでいたわけではなく“白い女王”をダイナマイトで爆破したときの衝撃がきっかけでくっついてしまい、そのままずっと最後まで一緒にいて、事あるごとに登場するっていうのが、本当にチョットなんだけど微笑ましくて妙に面白いのです。また、ニニとその友達との会話で「芸人って身を任せなきゃダメなのよ。」「初めての人はポーロって決めてたのよ。まだ時間もあるわ。」と言うなり、ポーロのところに駆けていったシーンなんかはふき出しちゃうくらい笑えます。そのすぐ後、ニニがポーロの店に行っておじさんがいないのを確認すると、目配せだけでポーロのことを誘うシーンがありますが、あのシーンに完全にヤラレました!今どき、あんなキュートでロマンティックな誘い方をする女性はいないでしょう。 そして、何と言ってもラストのカンカンシーン。少し前までしょげていたニニの別人のようなあの笑顔にビックリ!これぞプロ魂。プロ根性でしょう。ダンサーの登場シーンのゾクゾクするほどの高揚感もさることながら、これでもかと言わんばかりのカンカンの連続に感動です!このように、映画のクライマックスをきちっと作り、観客を楽しませようとするエンターテイナーとしての心意気に感激しました。 これは、プロのエンターテイナーによるプロのエンターテイナーの映画です。当然10点。
[映画館(字幕)] 10点(2005-12-17 22:53:59)(良:1票)
4.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
何度もこの映画を観ていると、色々なシーンでの監督の計算高さに感服させられます。最も凄いのは、オープニングクレジットのシーン。傘の配置(動かし方)が実に綿密に計算されていて、文字が出ていないところを、そのスペースを埋めるように傘が通っているのです。見事! そして、この映画で背景が効果的に用いられている点を主張したい。というのは、序盤でドヌーヴが店から出てきて二人で抱き合うシーンでは、白地の模様入りの壁が背景になっているのですが、ギイが兵役を終えて帰還した時と、修理工場を辞めてからもう一度彼女の店に行く時にも、序盤で二人が抱き合うシーンのその白地の壁がそのまま出てくるわけなのですよ。つまりここで、序盤での幸せだった頃との対比をこのわずか1,2秒のシーンでさり気なく表現していると思うのですが、このようなちょっと気を抜くと見過ごしてしまいそうなくらいの些細な演出が私は大好きなのです。 ここまで計算されていると、あの街並みは実はロケではなくわざわざセットを作って行われたのではないかという疑念まで湧いてきてしまいそうです。 ストーリーの方が、これがまたこの映画のさり気ない演出に負けないくらいにナチュラルに仕上がっているので気づかずに素通りしてしまいそうですが、身篭った娘の母親の心情なんか、初めて娘の妊娠を打ち明けられた時はカンカンに怒っていたのがお腹が大きくなるにつれて娘に対して少しずつやさしくなっていき、しまいには子供の服まで買ってきてしまったりする心理描写は妊婦の娘をもった母の心情をとてもうまく描いていると思います。鋭い人間観察ができる人でないとこのようには描けないでしょう。だんだんと手紙の様子が変わっていって、最後の方になると質問に答えなくなったとか、違う話題に話をそらせたりするのも、本当にありそうで怖いですし、また、「誰の責任とは言わないが困っている」や、「それが、申し上げました通り・・・」なんて、本当に実際に聞いたことがあるような日常で普通に交わされるナチュラルな台詞ですよね。 それと、ラストの場面の会話をよく見てみると、今は「自分の店と幸せな家庭」という守りつづけていくものがある、というギイの確固たる決意が垣間見れたのに対し、ジュヌヴィエーヴの方はわずかながら寂しげな気持ちがあるように見えました。この二人の心理描写もまたナチュラル(自然な感じ)です。
[地上波(字幕)] 10点(2005-01-16 20:08:38)(良:3票)
5.  昼顔(1967) 《ネタバレ》 
個人的に大好きな映画で、DVDも買って家に置いてあるのですが、スクリーンで再度観てみたら、やっぱり面白い。改めて実感。 他の映画のレビューでも書いてますが、この時代の映画でよく用いられるテクニカラーだのイーストマンカラーだのといった色調が醸し出す画面のくすみ具合が最高に好き。アメリカ映画とは微妙に違った雰囲気の、独特の画面の質感だけで気分が高揚してきます。 冒頭に出てくる森のシーンのミステリアスな雰囲気やその静寂感。木の枝や茂みまでもが美しく感じます。その一方で、パリの街並みの喧騒もとても開放感があり、こちらも何とも気持ちが良い。仲睦まじく馬車に乗っていたシーンが一変したときの緊迫感は勿論、木に吊るされ鞭打たれるシーンの美しいこと。そして、ドヌーヴが娼館に向かって歩いている姿を真横から映すシーンなんて、自分が観てきた映画の中でも最高のワンシーンといえます。 ストーリーの肝は、一般的な解釈“セヴリーヌの内面に激しい欲望が渦巻いていた”というよりも、彼女自身の不感症による夫への負い目を克服するストーリーを彼女の頭の中で展開していたと解釈してみました。 で、何が面白いかって・・・ラスト、重体であるはずのピエールが一命を取りとめて自宅で安静にしているわけですが、銃で撃たれたのに車椅子にサングラスという出で立ち。銃で撃たれたのに目が良くなるようにと薬を飲ますセヴリーヌ。全てを洗いざらい話せば楽になるという自己都合も甚だしい程の妄想。馬車の音が聞こえ外に出てみると、そこはクラクションが鳴り響くパリの街ではなく、夢に出てきたあの林道。 やっぱりこの映画、面白い。
[映画館(字幕)] 10点(2004-10-17 14:16:25)(良:1票)
6.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 
こないだ、再度DVDで観てみたが、やっぱり面白い。 変更前に書いた、私立探偵アーボガストが階段を登るときの緊迫感溢れる映し方や、サングラスの警官のドアップ、最後の地下室で照明を揺らすことによって骸骨に陰を持たせて不気味さを増幅させていたりという映像の超絶テクニックを再確認し大満足であったが、今回の再鑑賞では、脚本の技巧さも随所に感じられた。 脚本を作る際に工夫したと思われるポイントは“母親が実在することを如何に信じ込ませるか”という事だと推測できるのだが、私立探偵アーボガストはノーマンとの会話で、マリオンがノーマンの母親と会ったという事は一切出てきていないにもかかわらず、ライラとの電話では母親と会ったという彼なりの推理を展開しており、これがあたかも母親が実在しているかのような錯覚に観客を陥れることに成功している。また、ライラの「相手は病気の老人よ」や、サムの「事の次第は母親が知っているか」など、真相が明らかになる直前までこんな台詞が出てきており、保安官夫婦の証言など簡単に吹き飛んでしまうほど上手く誘導されるのだ。 他にも、多くの方々が書いてらっしゃるので言うまでもないが、4万ドルを持っての逃走から主人公が入れ替わり、連続殺人へと展開するストーリーの組み方や、バーナード・ハーマンの耳を引き裂くような音楽など、クラシック映画の醍醐味を存分に堪能できる一本である。文句ナシの10点!
[DVD(字幕)] 10点(2004-06-04 14:38:12)(良:2票)
7.  ロープ 《ネタバレ》 
「確かに面白いことは面白いけど、ナンバーワンに挙げられるかと言えば、答えはノーだ。」この映画を見た人のほとんどがこんな感じの意見だと思う。けど、自分にとっては間違いなくナンバーワンの映画だ。この映画全体に流れる微妙なコメディ感・独特の緊張感がたまらなく気に入ってしまったのだ。死体がある場所を先に知らせる意義についてだが、先に知らせることによってこそこの映画の面白さが成り立つのである。これは間違いなくそう断言できる。死体を先に見せ、その隠し場所を観客に見せることにより、あたかも我々があのパーティ会場の壁の隙間からこっそりと覗き見をしているかのような錯覚を持たされてしまうのである。さらに言えば、先に死体の置き場所を知らせることによって、その後の登場人物同士の会話の全てが意味のある会話になってくるのだ。 そのおかげでこの映画には中弛みのポイントが全く存在せず、終始一貫して緊張感を醸し出すことに成功している。この映画が素晴らしいのは極端な長回しによる緊張感溢れる撮影方法よりもワンシーンで全てストーリーが進んでいくシナリオよりも何よりも脚本が優れているからなのだ。つまり、この映画の面白さはパーティに招かれた人たちが犯人たちの愚業を如何に暴くかなどということではなく、パーティに招かれた人たちの決して故意的ではない(←ここがポイント)何気ない言葉によってフィリップが心理的に追い詰められて顔が青ざめていくところ、そして、ブラントンが幾多ものピンチを機転を利かせて巧妙に難逃れをするところにあるのだ。従って、この映画では登場人物の誰かに感情移入をしてしまうと全く面白みのない映画となってしまうので、登場人物たちと一定の距離をおいて客観的に見るべきである。また、可能な限りカット割を入れず(背中にカメラを近づけてカットするところはともかく、会話の間でカットを入れるところは凄くナチュラルでいい!)長回しで撮ることによって現場の緊張感を高め、さらに、背景を時間の進行とリンクさせているところも注目である。 「ハリーの災難」でもそうだが、人間の死というものをここまでコメディタッチに描くことのできるヒッチコックにはただただ舌を巻くばかりである。
10点(2004-06-03 18:59:34)(良:2票)
8.  ウィンチェスター銃'73(1950) 《ネタバレ》 
ショーウインドーの中のウインチェスター銃'73を捉えるカメラが、周りではやし立てる子供から大人へ、そして馬上の主人公の姿へと移動する。そのまま動き出す二人を追い続け、馬を世話する子供とのやりとりから女の話し声が聞こえてくるまでを長回しでワンショットに収めたオープニングショットに軽く痺れた。 更に画面が女の姿に切り替わり、話が核心に入ったところで周囲の雑音がスーッと消える。 アンソニー・マンという名前は聞いたことがあるという程度でしたが、この最初の2シーンを見て映像だけでなく音に関しても敏感さを持った作家なんだなと思い、最初の5分で早くも期待が膨らんできたような気がします。 特筆すべきは、縦構図のオンパレード。 銃を手前に画面奥からそれを羨望の眼差しで見つめる人物、平原を移動する馬車の後方を走るインディアン、コーヒーを持ってきたスティーヴが足を蹴飛ばされて画面手前に崩れ落ちるシーン、岩場へ逃げるダッチと追いかけるリンなどなど、あらゆる場面で縦を意識した映像が多く見られ、非常に見応えがあったと思います。 一方、車輪のぎこちない音にスリルを駆り立てる効果を与えたりする音の使い方も唸らされますし、ラストの銃撃戦も銃弾が空気を切り裂く音がストレートに臨場感を感じさせて、この音だけでメシ3杯はいける(笑)。 また、個人的な嗜好が続いてしまいますが、ラストで岩場に向かう二人の映像と「実はあの二人はだな・・・」という残った二人の会話をカットバックさせるのは凄く定番ではありますが、このセンスは大好きですし、「背後から撃つ」が単なる応酬ではなく最後に伏線である事が分かるのもこれまた面白い。おまけに、バーカウンターで牛乳が出てきて変な顔して飲むシーンも監督のユーモアが感じられて面白いです。 やはり、最後の銃撃戦は言わずもがな。最初のコンテストの時もインディアンとのバトルでもそうでしたが、ジェームス・スチュワートの銃捌きの鮮やかさがとにかく格好良く、岩の破片が弾け飛ぶ臨場感や無駄な弾を使った方が敗れるというセオリー通りの展開に加え、互いに撃ち合う二人の姿を1つの画面で捉えた縦構図の画面が出てきたりして、これはもう完全に自分好みの映画です。 ラストシーンで、銃をしっかりと中央に配置した画面を出すなど、最後まで抜かりない映像が続き、どこまでも良く出来た映画だなぁと思いました。
[映画館(字幕)] 9点(2013-04-25 22:31:25)(良:1票)
9.  キートンのマイホーム(文化生活一週間) 《ネタバレ》 
これはキートン映画の中でも1,2番を争う面白さ。 後ろをチラ見する運転手から逃げようと、車を乗り移るシーンはキートン映画ではありがちなアクションなんですが、「おぉ~スゲェ!!」という驚きと「相変わらず馬鹿やってんなぁ~」というホッコリした笑いとが湧いてきて、やはり毎度のように楽しませてくれます。 驚きというのが大事なポイントで、笑いというのは多かれ少なかれ驚きを含んでいなければならないわけですので、そういう意味ではとても良く出来た笑いと言えるでしょう。 完成した家で繰り広げられるネタに関しても、コメディ映画の中だから許されるような常軌を逸したものばかりで、これまた良い。 キートンを追いかけていた男が2階のドアから外に吹っ飛ぶシーンの大ジャンプには大爆笑ですし、また細かいところですが、家の外に据え付けられていた洗面台の壁をクルッと回すとただの外壁になった所も、すき間が全く見えなくなるほどの完璧な設計だったのが妙に面白かったです。 家の構造も、風で回転したり樽を下に入れて移動出来たり・・・って、あの家の基礎はどうなってんだ?とか言うのも全部コメディだから許されちゃう(笑)。 やはり何と言っても、最後にホッと一安心させておいて油断した瞬間に大クラッシュ!っていうのが、超がつくほどの絶妙のタイミングなもんだからもう爆笑必至。 上映時間わずか20分の小品で最後に上手く笑わせてくれれば、どんな映画でも例外なく面白くなっちゃいます。 これがキートンの初期の作品だと知って、観終わってからも驚きを与えてくれるキートンには、改めてその凄さを再認識させられました。
[映画館(字幕)] 9点(2013-01-11 01:10:47)
10.  南部の人 《ネタバレ》 
アメリカ南部で土地を開拓し、降りかかる困難に耐えながら逞しく生きる家族を通し、労働の尊さ、家族愛、自由とは何かを描いたルノワールの傑作。 トータル的なストーリーとしては、南部の土地に移住してきた一家族が様々な苦境を乗り越える話で、息子が栄養失調で病気を患ったり隣人との仲違いが刃傷沙汰にまで発展したり洪水に見舞われたりと、起承転結の転が3回も続くストーリー構成に当時の開拓者の苦労がうかがい知れます。 映画の序盤、近隣の住人に井戸水を分けてもらいに行った時の会話から、この映画はパイオニアvsニューカマーの物語なんだと思い、数々の苦労を乗り越え道を切り開いてきた先駆者に対し、その切り開かれた道を易々と通り「困った時はお互いに助け合おう」などとのたまう新参者に、両者の間で起こるであろうただならぬバトルの予感を感じずにはいられませんでした。 この映画の核と思われる場面は、息子の栄養状態の悪化で妻が大地に倒れこんで泣きじゃくる姿から、サムが「屋根で空も見えないようなところで働けと言うのですか」と都会での労働を見下すような言葉を空に向かって言っていた所までの一連のシーンでしょう。 この流れは終盤の大洪水の後の友人との会話に繋がっていて、「都会の人間は俺たちが作ったものを食べて生きている」と農業至上主義的な考えを崩さなかったところに「農業をやるにも農具がいるし、狩をするにも銃が必要だ。それらは都会の工場で作っているんだぜ」という友人のひと言や、「俺は絶対に命令なんかされたくない。自分の好きなように自由でいたいんだ」「都会にいれば好きなものを食べられるし、どこだって遊びに行ける」というやりとりにも考えさせられるものがあり、友人と会話をする中で少しずつサムが人間として成長していく姿を描いたストーリーが際立っていたように感じました。 映画の中で、当時の生活環境や栄養状態が克明に描かれていたところや、また豪雨の後の辺り一面を水に浸された土地の様子を撮影したスタッフの苦労、特に長期間豪雨を待ったであろう忍耐力には心底感服させられます。 一方で、農場で綿花が育ち、その中を手を繋いで歩く二人の姿は幸せそのものですし、ストーブの火で照らされた家族の暖かい表情は、お決まりの手法ながらも感動的なワンシーンでした。
[映画館(字幕)] 9点(2012-09-02 17:33:08)
11.  真昼の決闘 《ネタバレ》 
これはもう「格好良い」という言葉しか出てこないです。 自分の仕事の後始末に命を賭けるゲイリー・クーパーは、ただひたすら格好良い。 そして、その格好良さを更に後押しするのがタイムリミットの存在。上映時間の約9割以上をそのリミットによる緊迫感が常に支配していることで、非常に見応えのある作品に仕上がっていると思います。 また、クーパーを取り巻く脇役たちも渋く抑えた演技で主役に匹敵するほどの好演。 半人前の血気盛んな若手保安官との口論や馬小屋での殴り合い、訪ねた先々で相手にしてもらえず「街を去れ」(←西部劇ならではのこの台詞、格好良い。)と一蹴されるシーン、教会に集まった者たちで議論をする場面での意見交換のシーン(神父が「例え犠牲者が出たとしても…、いや何でもない」とクーパーが命を落とすのではとハラハラさせるような台詞を挟むのも実に上手い)や、新妻とメキシコ女との間で交わされる会話でそれぞれの人物背景が語られるシーンなど、クーパーと悪漢との間に起きた過去のいきさつやクーパーの人望の厚さが次第に浮き出てくる描き方は、ほとんど完璧と言って良いくらいの見事なテクニックでしょう。 ゲイリー・クーパー演ずるケーン保安官は、主演でありながらそれまでの西部劇ではありえないほどの小さい存在になってしまっていて、仲間を求めて街を彷徨う姿は部屋の中から小さく捉えられるショットが多く、また時間の経過を表現する時計も、序盤は小さく撮られていたものが終盤にかけては振り子が画面一杯に揺れるほどの存在感を出すように撮られたりと、カメラワークにおいても絶品。 言うまでもなく、真昼のシーンだけで構成されている本作ですが、冒頭から幾度となく現れる澄み渡った空の“白さ”が乾いた印象を与え、街の殺伐とした雰囲気やラストの保安官夫妻の去り際の無常感を際立たせているように感じました。 悪玉のボスが意外とアッサリとやられてしまった事以外は、ほぼパーフェクトの映画。大満足。
[映画館(字幕)] 9点(2012-08-12 17:40:47)
12.  山の王者 《ネタバレ》 
まぁ、何と言うか、非の打ち所がないんじゃないかってくらいの、もう本当に良く出来た映画だと思います。 中でも特に凄いのが仮面舞踏会の後に起こった出来事が翌日に明かされるシーンなのですが、マーカスが家に帰った時に部屋の中で起きていた状況と翌日に交わされた会話を基に、観ている我々は真相を推理していくのですが、全ての台詞が伝わるわけではないというサイレント特有のディスアドバンテージを逆手に取って、凄くスリリングなシーンに仕上げているところがまずひとつ、そして、裏の部屋で話を聞いていたシリアに画面が移ったとき、カメラがズームアウトしてシリアの見つめるベッドが大きく映し出されたショットで推理の回答を提示するという、とってもニクい演出に痺れました。 誰に勧められる訳でもなく、自ら杯を重ねていったマーカスは自業自得と言えるでしょうけども、観ている我々としては、ここは広い心でもって彼の悔いる気持ちを受け入れたいところ。 また、スリリングと言えば、最後の二人が追い詰められるシーンも緊迫感があって食い入るように見てしまいましたし、神に祈りを捧げ雪崩に向かって歩を進める二人の後ろ姿はもう涙が出てしまう程です。 “人は誰でも過ちを犯すもの”このように言えるくらいの寛大さがあれば、やはり傑作と言える作品だと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2011-08-02 00:05:21)
13.  嵐ケ丘(1939) 《ネタバレ》 
物語が重いし、おまけに画面が暗い。いつの時代の話かはわかりませんが、身分や家柄が絶対という世の中で起こる雇い主の娘キャシーと使用人ヒースクリフの恋愛物語。 物心付く前は身分だの家柄だのという基準なんて当然気にするわけもなく、純粋に相手の人柄や外見のみが判断基準となるため、身分違いのままお互いが成長すれば当然周囲から反発を食うことになってしまったり同じ身分の異性に魅かれていったりという事が起こりそうですが、そういった部分の葛藤の気持ちだったり、またはお互いに乗り越えていく様をどのように描くのかというのが、古今東西いつの時代も変わらぬ“身分違いの恋愛モノ”における重要な部分になってくると思います。 自分がこの映画を好きなところは、幼少期と青年期の描き方が素晴らしく、それがストーリーのバックグラウンドにしっかりと根を張っているところです。 丘の上にある大きな岩を城に見立てて、王様とその僕(しもべ)のような台詞回しで愛を誓い合うシーンが非常に美しく、そのため、エドガーと結婚する際やパーティー会場のテラスのシーンなど、心が離れてゆくような描写があっても違和感なく最後まで観る事ができました。 また、パーティー会場にヒースクリフが入ってきてキャシーと出会う瞬間のキャシーの表情の絶妙、そして極めつけの最後、ベッドで寝ているキャシーの元にヒースクリフが現れた時、キャシーがゆっくりと目を開いていく表情は、他にどんな映画を探しても決してあのような印象深いショットはお目にかかれないと思います。 映画の終盤になって回想シーンが終わった後も、依然として暗い雰囲気でありながらもとてもロマンティックな雰囲気で締めくくられ、岩に向かって歩く二人の後姿で幕を閉じるラストシーンが凄く良かったです。
[映画館(字幕)] 9点(2011-04-21 23:28:59)(良:2票)
14.  テンプルちゃんの小公女 《ネタバレ》 
テンプルちゃんの映画は初めて観ましたが、さすが天才子役と言われているだけあって演技から踊りからみんなお上手。 父親と別れるときの悲しげな表情、女校長にビンタされそうになった時の毅然とした表情、父親と再会した時の涙もみんな絵になってます。 また、脇を固めるキャスト陣も秀逸で、隣に住むインド人や小間使いのベッキー、同級生の背の高いイヤミな女の子からビクトリア女王まで、どの役もみんなキャラが立っていて見応え十分。しかも、ビクトリア女王が画面に映っている時はバックにイギリス国歌が流れていたりする細かい仕事振りも良い感じです。 ストーリーも、戦争によって自分の身に降りかかる不可避の災難にも希望を捨てず、健気にそして前向きに困難に立ち向かい“信じるものは救われる”というごくオーソドックスな物語に胸を打たれました。 最後の方で、テンプルちゃんが病院に駆けつけ、将軍に案内してもらっているところで一度すれ違いのシーンを出すことによって、クライマックスの前に落差をつける演出もさすがですし、父親の姿を見て再会というのではなく自分の名前を呼ぶ声にハッと気づくというのがベタなんですけど好きです。 余談ですが、自分が観たのは日本語吹替えver.なんですが、エンディングソングが流れる中で日本語ver.製作スタッフの紹介があり、テンプルちゃん役に大杉久美子さん、そして製作に水野晴郎の名前がクレジットされていて、しみじみと感動の余韻に浸っているところに軽い驚きがあった。 まさか、こんなところでヤツの名前を見るなんて・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2011-04-14 00:20:20)
15.  スイング・ホテル 《ネタバレ》 
この映画のリメイクは観たことはないのですが、これはこれで十二分に面白い。 一年を通じて歌われる様々な楽曲と共にステージ女優を巡って繰り広げられる恋模様。 あの有名な「ホワイト・クリスマス」も聞けちゃうし、一粒で三度も四度もオイシイ映画です。 アメリカの休日なんてその地に住んでいる人にしかわからないので、普遍性という観点で言えばマイナスな要素があるにしても、それを打ち消してなお余りあるくらいの面白さがあります。 オープニングで舞台裏の実生活における三角関係がそのままステージ上でも繋がっているのが斬新で面白いと思ったのですが、そのワンシーンだけでなく終始に渡って三つ巴の恋愛模様を舞台裏とステージ上で相関性をもたせて描いているところが上手いなぁと感心してしまいました。 最初観た時は、デッド役のフレッド・アステアはもう少し若くてプレイボーイ的な俳優を配した方が良かったんじゃないかと思ったのですが、ワシントンの誕生日に見せた、曲が何回も変わりながらもスムーズに踊り続けるテクニックとか、酔っ払いながら踊る演技も完璧にこなしてしまうところを見てしまうと、やはり彼の代役はいないんだろうなぁと思ってしまいます。 好きなシーンが本当に多すぎて、例えば、ピアノを弾くジムの後ろで見せる影絵とか、リンダが顔を黒く塗られている時の楽しそうな表情だったり、小物使いが最後の伏線になっていたり、2回も沼に飛び込んだりと、とても数え切れないくらいですが、やはり何と言っても脚本が抜群にいい。 終始に渡って吹き出してしまうような台詞回しがある中で、特に面白いのは最後の方。ハリウッドのプロデューサーの「このホリディ・インを映画化したい」も可笑しいですが、その後の「どうだ?本物を忠実に再現してみたんだ」で思わず笑ってしまいました。 だって、あのセットは当然“本物”ですからね。
[映画館(字幕)] 9点(2010-10-09 16:06:17)
16.  奇傑ゾロ 《ネタバレ》 
これはもはや、単なる勧善懲悪の活劇という代物ではないと言えるのではないでしょうか。 相手を“いなす”ようなソードアクションの格好良さは言うまでもなく、ちょっとした小物使いやラブシーンなど、至るところにおいても完成度の高さを感じさせる作品に仕上がっていると思います。 何よりも一番魅かれたのが、ロリータ嬢を間一髪で救うシーン。 好きでもない男に抱き寄せられ絶体絶命のピンチを救い出してくれ、しかもその男に謝らせて所持品ごと追い出してくれてしまったとなれば、これはもう女としては惚れないはずがないわけで、そして更に「危うく奪われるところだった私の唇は、もう貴方のものです」という、男なら卒倒必至の文句で応酬するこのシーンは自分映画史上3本の指に入るくらいの名ラブシーンです。 この映画の主役ダグラス・フェアバンクスは、サイレントで声が聞こえないにもかかわらず、喋り方をも演じ分けてしまうような超絶テクニックには脱帽ですし、また、「マスク・オブ・ゾロ」とか「レジェンド・オブ・ゾロ」もいいですが、印という意味の「Mark of Zorro」もまた、ストーリーを上手く汲んでいて格好良いタイトルだなぁと思いました。 ゾロの映画を観るのはこれが初ですが、後継作品にも是非トライしたいです。
[映画館(字幕)] 9点(2010-09-14 01:37:21)
17.  私の殺した男 《ネタバレ》 
凄ぇ・・・としか言いようがない。言葉が出てきません。 自分のつたない文章でこの映画を語るのもおこがましいですので、気になった箇所を書くに留めますが、まず、登場人物の演技が素晴らしい。それぞれの感情表現の巧みさ、特に、感情を堪え忍ぶ様の描写テクニックが素晴らしい。他のルビッチの作品でも見られますが、抑えきれない感情を描くことに関してルビッチの右に出る者は恐らくいないのでは。 演技だけではない。例えば、墓地で鞄の中からハンカチを取り出す。もう、これだけで夫人の悲しみが伝わってくる。 冒頭の、失った片足の隙間から抜いた兵隊が行進するワンショットも同様。戦争の悲劇を何と雄弁に語ったひとコマだろう。 極めつけはラスト。鍵を使って鍵盤の蓋を開ける。これだけで、それまで癒えることのなかった心の傷の深さが非常によく分かる。 そのときの、二人の演奏を聴く老夫婦の幸せそうな表情といったらもう・・・。 一方のポールも、それで罪滅ぼしが出来るのだからきっとそれでいいのだと思う。 生涯をかけてエルザを愛しワルターの両親を守っていけばいい。 ワルターを死に追いやったのは全てポールのせいではないけども、嘘をついてそれを押し通し続けるのは心苦しいけども、こういう人生もあるのだという一つの御伽噺のような映画でした。
[映画館(字幕)] 9点(2010-03-21 01:14:24)
18.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 
オープニングクレジットの背後に映る野生の馬の群れ。全てのスタッフの紹介が終わると、いそいそと野に散っていく。なんか、馬を操っているみたいな感じで、不思議な感じがした(もちろん編集ですが)。 自分がこの映画が好きなのは、馬の精悍な出で立ちはもちろんですが、それを引き立てる自然の無表情な美しさ・・・水面の静けさであったり、荒野の乾いた感じ、生い茂った草むらのざわめきや、海の容赦ない荒々しさ・・・などです。 特に、馬が干潟を駆け抜けるシーンが最高に好き。馬が走るのに丁度いい具合に水が浸っていて、水しぶきを上げながら走り抜けるシーンに妙に感動してしまいました。 この白い馬は、少年になついてじゃれあったりして可愛い面を見せるわけでもなく、どんなときも、怪我をした脚を見てもらう時も、群れのリーダーらしく孤高な姿でいるのがとても良かったと思います。 最後、どこまで走って行ってしまうのだろうか、きっと追っ手を振り切ってくれるだろうと思い見ていたら、とても切ないラストを迎えてしまう。 動物は演技なんか出来ないから、余計に心に響くものがありました。
[映画館(字幕)] 9点(2008-11-03 15:18:32)(良:1票)
19.  男性と女性 《ネタバレ》 
貴族階級を皮肉ったと言われる映画はゴマンとあるが、ここまで明確に描いた映画も珍しい。 ストーリーにちらほらと、若干のコメディの要素が感じられるが、作品そのものが極めて真面目に、且つ露骨に風刺しているので、その、余りの大真面目な描きっぷりがかえって笑いを誘い、劇中のコメディのシーンで見せる笑い以上の面白さがそこには存在している。 ストーリーの肝は「貴族階級の人間が如何に世間離れしているか」だと思うが、それと共に、また階級社会の始まりも同時に描かれていて、劇中ではこのように話が展開する。 難破したばかりの頃は自分で食事を作っていたクライトンも、しまいには食事をサーヴされる側になっているが、いざメアリーに危機が迫っているとなるとすぐに武器を持ち、見事に獣を仕留めメアリーを救出した。 これはつまり、食事や住居などを作って生活を豊かにし障害があればそれを乗り越えるだけの知恵を持っているからこそ“上流”になれるということであり、現在の(当時の)貴族階級の人間が如何に無知かということデミルは訴え、さらには教養とは何かということまでも問いているように思う。 元の生活に戻ったクライトンはすぐさま元の階級社会に適合する。彼はまた再び執事としてメアリーらに仕え、その身分に相応しく振舞うが、一方のメアリーの気持ちは依然としてクライトンに向いたまま。友人の失敗談を聞いていたにもかかわらず、である。デミルは終盤で、さらに貴族階級の人間を風刺するために、ご丁寧にも冒頭にメアリーの友人の結婚話をわざわざ挿入していたのだと思う。 澤登翠さんの活弁つきで観ましたので(字幕なし)、鑑賞環境は[吹替]とさせて頂きました。
[映画館(吹替)] 9点(2006-12-30 23:51:25)
20.  結婚哲学 《ネタバレ》 
字幕ナシ&桜井麻美さんの活弁付きで観させていただきました。 これはもう、とにかくイイ!素晴らしい。クラシック好きな映画ファンなら絶対お勧めの一本。 何がいいって、それぞれの夫婦がくっついたり離れたりと、二転三転するストーリー展開でありながらラストはきれいキッチリとまとめてしまうストーリー全体の構成の良さ、そしてルビッチならではの小物使いの器用さでしょう。 ストーリー序盤、ブラウン医師の妻シャルロットが庭に咲いた花を摘み、それを紙で束ねて旦那にプレゼントする。旦那は花を手にしたまま夫人と抱擁を交わすのですが、その時に花束が落ちてしまい、ここで笑いが出る。そして、シャルロットが旦那を見送った後に再び部屋に戻ると、先ほど笑いを誘ったあの花束が今度は悲しさや失望といった表情を醸し出しているのです。さらに、旦那の診療所に行くと、花を一輪もらったグスタフという男がコップに水を入れて大切にしているときた。花束を床にばらまく男と一輪の花を大切に育てる男。ここに誤解があれど、女性の好意の対象が花を用いた対比によって実に見事に表現されているのです。 終盤近く、ブラウン医師がミッチーの求愛を逃れ、家に着くと再び仲を取り戻す。かたや、探偵を依頼したスコット伯爵はミッチーに抱きつかれ、そのまま両者共ハッピーエンドで終わるだろうなと思っていたら(調査の報酬を渡して、探偵のメモを「もういいんだ…」などと言って断る)、まだ続きがあったけど、本当のエンディングの方が格好良くまとまっていました。流石ルビッチですね~。参りました(^_^)
[映画館(吹替)] 9点(2006-10-06 22:32:29)
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