1. シャンドライの恋
この映画、ストーリー自体はよくありがちでテンポも悪く、一見ダルい映画のようだが、この映画の面白い所は、シャンドライの揺れ動く心を音楽によって代弁したところにあると思った。初めはアフリカの音楽ばかり聴いていてキンスキーの音楽には理解を示さないのだが、次第にキンスキーに打ち解けていくにつれてキンスキーの音楽を好きになっていく…。キンスキーのピアノの音楽が激しく鳴り響く時はシャンドライも激しく悩んでいる時であり、シャンドライがアフリカの音楽を聴いている時は、キンスキーに魅かれつつある自分を諫めながら、アフリカにいる夫のことを思い出している時。例えばこういったシーンにあるように、シャンドライの微妙な心境をアフリカ音楽とクラシックのピアノ音楽といったある種対照的な二つの音楽を絡めることで表現する、というところに今までにない新しさを感じた。そして、ラストの終わり方も、「心を音楽で表現する」という非常に繊細で微妙なこの映画に見合った、非常に繊細な終わり方で、観終わった後になんとも言えない余韻を残す、とてもいい終わり方だった。 9点(2004-08-08 18:17:44) |
2. 12人の優しい日本人
二転三転するストーリーは見事だが、展開が変わるきっかけがどうも弱い。これではまるでどっちとでもとれる話をネタにした議論遊びだ。それに、豊川悦司はいったいどういう人間なのか?作品全体を通して、ただのお遊びのように感じられてならない。オリジナルに比べてメリハリもないし、緊迫感もない。それに無駄が多いような気がする。 5点(2004-07-18 17:29:19) |
3. レオン/完全版
とてもいい話で、役者たちもいい演技をしているし、ラストに流れるスティングの音楽も最高なのだが、ただ一つ、レオンが殺し屋にしてはあまりに人間臭すぎると思った。こういう話はとことん冷酷な人間が少女にほだされてこそ感動的なのに、このレオンときたら、女子供は殺さないわ、観葉植物は愛でているわ、無邪気な顔をして映画を観てるわで、まるっきりただの無口なオジサンになっていた。しかし、みんながある程度は楽しめると思うので、そういう意味ではみんなに勧められるいい映画であることは間違いないと思う。 7点(2004-06-30 20:11:26) |
4. CUBE
緊迫感があってなかなか楽しめた。1時間半という時間も緊張感が保ててよい。DVD特典の短編もなかなかよい。 6点(2004-06-30 18:43:36) |
5. ライフ・イズ・ビューティフル
「ホロコーストをコメディにするなんて!」「時代考証がメチャクチャ!」こんな意見が多いようだが、それは野暮というものであろう。この映画はホロコースト自体を笑いものにしているわけでは決してないし、映画には常に正しい時代考証が求められるなら、歴史ものをあつかう映画は全て学術的なものになってしまう。この映画のテーマは、あくまで「どん底でも生きる望みを失わずにいること」なのではないだろうか。そして、それは充分伝わってきた。ただ、確かに前半部分はいくらか退屈で、もう少しコンパクトにまとめることもできたように思う。 9点(2004-06-29 22:09:47)(良:2票) |
6. アメリカン・ヒストリーX
いろいろありますが、とにかくエドワード・ノートンの筋肉に8点です。ですから、この映画の正しい鑑賞方法は、ファイトクラブ→本作と観ることですね。誤解しないでいただきたいのは、ストーリーもとってもいいですよ。 8点(2004-06-27 03:37:43) |