1. ブラック・レイン
《ネタバレ》 リドリー・スコットが高倉健、松田優作らを起用し、大阪を舞台に撮る、とのニュースにときめいたものです。 封切り当時に映画館で観ました。もう25年も前なんですね。 以下は、Blu-rayで再見しての評価です。 話はベタベタの、暑苦しい80年代アウトロー刑事アクション。 日本の描写も(これでも当時としては頑張ったらしいが)いい加減な誇張が多過ぎ、特に警察内部の描写など観ていて嫌悪感、屈辱すら感じるほど酷い。 自分の映像美学にしか興味がないリドリー・スコットに、他文化の描写を期待するのがそもそも無理だったのでしょう。 作品自体の評価は、2点がいいところ。 しかし、この映画は何といっても「松田優作」です。 冒頭の登場シーン(立ち姿、動作一つ一つまで、とにかく美しい!)を始め、特別な、異様な存在感は全く色褪せていません。 「彼の遺作になった」というバイアスを取り払って観ても、この鬼気迫る演技は、他のどんな傑作映画でも観られない特別なものです。 この一点だけでも、記憶されるべき作品でしょう。 それにしても日本側の主役と言える高倉健は、さすが健さんらしい味を出しているものの、役回りが悪く、 華がないマイケル・ダグラスの引き立て役に徹しているのが残念です。 松田優作の特別さに+3点。あの渾身の演技を観ると、これで作品が迷わず10点を付けられる出来だったら…と悔やまれます。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-10-14 07:38:34) |