1. アイ,ロボット
《ネタバレ》 人間とロボットの関係について考えさせられる、非常によくできた作品だと思う。と言うのも、この作品では人間とロボットの対立のみならず、交流に関しても描かれているからだ。これは脚本の出来が良かったと言わざるを得ないだろう。過去の映画作品において、『ターミネーター』シリーズなどが両者の対立と交流を扱った作品として挙げられるだろう。しかし、『ターミネーター』シリーズではヒーローと悪役が明確に位置付けられていた。この作品においては、その役付けがない。いや、できないと言っても良いかも知れない。なぜなら、ヴィキが言っていたように「戦争を行い破滅への道を進む」人間にも悪役となる要素があると考えることも可能だからである。換言すればロボットの革命は人間のツケであろう。科学技術の進歩に「待った」をかけることは不可能だが、人間とロボットの在り方については考える必要があると思う。 9点(2004-09-23 17:50:52)(良:1票) |
2. フェイス/オフ
《ネタバレ》 FBIと凶悪犯が入れ替わると言う発想が良かった。もちろん、この発想を押し通すにはかなりの無理がある。最初の方は「おいおい!」ってツッコミを入れたかったが、途中からそのツッコミも忘れ、見事にジョン・ウーの世界へ惹き込まれていた。それは演出の良さがあったと言えるだろう。主演の二人が鏡を挟んで銃を突きつけ合うシーンや教会で複数の人間が銃を突きつけ合うシーン、そして色んな場面で使用されていたスローモーションなどが効果的に作用している。派手なアクションも良かったが、何より主演の二人の演技が見事だった。「入れ替わる」ということは一人二役ということと同義で、二人分のキャラ作りをしなければならない。それが見事にこなせていて、入れ替わっていても違和感がなかった。感嘆せざるを得ない。 9点(2004-08-02 11:13:56) |
3. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
《ネタバレ》 小さい時から何度も観ている作品。シリーズの中でもこの作品が一番のお気に入り。息が合っているのか合っていないのか解らない親子二人の姿には笑えるし、一難去って一難の展開にはハラハラするし、聖杯の話もまたおもしろい。よくよく考えてみると何人もの人が殺されているのだが、残虐性を全く感じないのは監督の手腕が良いからだろう。まさに「冒険活劇」という言葉がふさわしいスピルバーグの傑作と言えよう。 9点(2004-08-02 00:26:09) |
4. トランスポーター
コンパクトにまとまっていて良かったと思う。おかげでテンポ良く事が運んでいた。アクションも前半のカーアクションから後半のカンフーアクション、それに派手な爆破シーンと観る側を楽しませてくれる。統一性がないとも言えるけど…。ただ、主人公の過去や今後の詳しい説明を完全に無視している点が気になる。警察にウソの供述をしたり警察官を人質にとったり、そんなことが現実で許されるはずがない。娯楽性を追求した最近のリュック・ベッソンらしい仕上がりだと思った。 8点(2004-09-27 10:59:31) |
5. ジャンヌ・ダルク(1999)
《ネタバレ》 過去の英雄は話が美化され神話化されやすい。それはどこの国であって同じであり、救世主を求める人間の心理から生まれるのかも知れない。この作品はジャンヌ・ダルクをより現実に近い姿で捉えようと試みられていると思う。つまり、神話化されるような要素を取り除き、ジャンヌ・ダルクに人間臭さを求めている。特に後半のジャンヌ・ダルクの心の中での葛藤がそうだろう。一歩退いてみるとジャンヌ・ダルクは単なる狂信者にしか見えないかも知れない。しかし、私は上手く具現化されていたと思う。あの部分がなければ、それこそジャンヌ・ダルクは我々にとって掴み所のない人物であったろう。この作品でジャンヌ・ダルクは戦略を考えずにイギリス軍に勝ったように描かれているが、実際はある程度考えて行動したのであろう。だが、ただ神のお告げで勝ったように描くことによって、奇跡の度合いが増し、彼女が長年に渡って人々に語り継がれてきたことに結び付いたと考えられる。その辺りも、私が個人的にこの映画が好きな理由の1つだ。 8点(2004-09-26 10:10:52) |
6. キング・アーサー(2004)
アーサー王伝説を詳しく知らなかったので、神秘的要素を取り除いたこの作品の大胆な試みについては云々語れない。したがって、先入観がない1つの映画作品として捉える。個人的には人物像の描き方や大規模なセット、そして戦闘シーンに満足できた。大胆な部分と細かな部分が見事にミックスされていたと思う。それは映像で見せる迫力ある戦闘シーンばかりに重点を置いたのではなく、だからと言ってアーサー王に関わる友情や愛だけに傾倒したのではないからだろう。両者がちょうど良い比率で構成されていたと思う。今まで巷で語られてきたアーサー王伝説をもっと詳しく知っていたら、評価は変わっていたのかもしれないが。 8点(2004-08-22 17:43:46) |
7. デイ・アフター・トゥモロー
《ネタバレ》 ローランド・エメリッヒが監督だけに、エンターテイメント的な要素が多く含まれているかと思っていたが、予想以上に奥の深い作品だった。まず、家族愛や友情を描くドラマ部分はディザスタームービーによくある話だったが、ラストの副大統領の演説では人類間での差別について取り上げるなど、ワールドワイドな展開になった。もちろん、今回の映画のメインでもあるディザスターについても世界を舞台にしている。環境問題や人種問題を世界中の人々が一丸となって取り組んでいく必要があるだけに、多くの人に観て欲しいと思う。私は息子を助けるためにニューヨークまではるばる足を運んだデニス・クエイドの父親の愛にも感動したし、息子を助け出した後のヘリの中でのあの笑顔は未だに忘れることができない。エメリッヒ監督の代表作である『インデペンデンス・デイ』ではアメリカ万歳を唱えた娯楽映画であったのに対し、今回は世界を舞台にした世界の人のための映画であったように思う。この作品を観て、一人一人が環境問題などについて考えて欲しい。 8点(2004-07-03 12:41:20) |
8. 酔拳2
これぞ香港映画!これぞジャッキー映画!!ずっと飽きることなく楽しめた。カンフーアクションって退屈に思う時があるけど、この映画に関しては別。もちろんアクションは超一級だと思う。アクション以外にコメディータッチにしたり親子愛や同士愛を織り交ぜたりしたのが、この映画で観る人を飽きさせない最大の特徴だろうね。私はジャッキー映画の中ではこの作品が一番好きだ。 8点(2004-06-22 03:56:43) |
9. 名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
《ネタバレ》 劇場版第10作の記念的作品▼事件そのものは決して複雑ではない。暗号も大きな捻りもなく、あっさりとしている。しかし、登場人物が多すぎることが欠点として挙げられるだろうか。登場人物が多いことは決して悪いことではないのだが、鑑賞者にも理解しやすいようにキャラをしっかり立てる必要がある。本作品ではそれがない。写真や警察から得た情報だけで人物の説明を済ませてしまう▼内容は評価するほどのものではないかも知れないが、前作、前々作よりもおもしろい。監督が山本泰一朗になってからでは一番の出来ではないだろうか▼ところで、光彦の声優って変わったのだろうか?最後まで違和感があった。 [地上波(邦画)] 7点(2007-04-08 01:03:33) |
10. デジャヴ(2006)
《ネタバレ》 ネタとしては決して新しいものではないと思う。『ドラえもん』にも登場する話であるからだ▼しかし、トニー・スコット監督は決して単純なまま終わらない。片目で現実を、片目で過去を認識しながら犯人の車を追うシーンに斬新さを感じた。また、世間で“スタイリッシュ”と評される映像も、『マイ・ボディガード』や『ドミノ』ほど慌しくなく、作品のテンポと見事にマッチしていた▼ストーリーは細かい部分にはツッコミを入れたくなる。例えば、レーザーポインターが画面を通り抜け、監視中の女性がその光に気付いたが、その現象はなぜ起こり得たのだろうか▼だが、このような細かい部分は気にしない方が良いだろう。気にしなくても良いようなテンポと映像でこの作品は出来上がっていると思う。デンゼル・ワシントンの名演技も含め、サスペンス映画としてもアクション映画としても楽しめる娯楽作品に仕上がっている。 [映画館(字幕)] 7点(2007-03-30 22:52:37)(良:1票) |
11. ランボー3/怒りのアフガン
《ネタバレ》 『ランボー』シリーズって、本当にアクションの連続で歯切れが良い。この作品なんか、ひたすらアクションで、大佐を救出することを描くのに90分の映画になったなぁと感心する。最近はアクション映画でもストーリーが入り組んでいるが、このようにシンプルな映画も好きだ。特に今作は敵の砦内に侵入することもあって、スリルが今までもよりもあった。まぁランボーがやられないという前提では観てしまったけど。 7点(2004-09-29 09:31:52) |
12. リング(1998)
《ネタバレ》 日本人が怖いと思う要素をふんだんに取り込んであったために、何回か観ているにも関わらず、ストーリーを知っているにも関わらず、それなりに怖いと思った。やっぱり日本人は黒髪に白装束姿や井戸に弱いのかな。しかし、絶叫シーンがいまいち。あまり怖さが伝わってこない。日本人が怖がる部分、ある意味好きだと思っている部分でこの作品は成り立っているのであって、演技や話そのものは少し弱いと感じた。 7点(2004-09-14 09:22:41) |
13. シックス・センス
一度映画館で観てオチを知っているのにも関わらず、2回目も楽しめた。オチを知っているからこそ、次はどのような伏線が張られているのかをつい注目してしまうのだが、それがまた上手く構成されていておもしろい。ホラー映画には『エクソシスト』や『CUBE』などのように新感覚をもたらす代表作が幾つかあるが、この作品もそれらと肩を並べるに価すると思う。惜しむべくはブルース・ウィリスを主演に持ってきたこと。彼には『ダイ・ハード』シリーズにしろ『アルマゲドン』にしろ汗臭い役が似合うので、精神科医は少し無理があるかな…。 7点(2004-09-11 00:04:37) |
14. コレクター(1997)
観ていて『セブン』を連想していたんだけど、このページを見てやっぱり製作者側も意識していたことを知った。しかし、『セブン』の方がスリルがあったと思う。この作品の欠点は犯人にある。あまりピックアップされていなかった人物であった故に、ラストはシラケ気味とならざるを得ない。牛乳パックを通しての発砲も反則の感があるし。ただ、映像は美しかった。重苦しい雰囲気の地下室と何か妖しげな臭いを放つ深い緑色の森は印象的だった。アシュレイ・ジャッドの演技も見事だったので、7点献上! 7点(2004-09-10 23:58:11) |
15. ホーム・アローン
何回観ても面白い。後半のケビンVS泥棒は飽きを感じさせない発想とテンポで文句なし。マコーレ・カルキンの演技も見事だが、ジョー・ペシとダニエル・スターンの演技もまた素晴らしい。二人が何度も階段を滑り落ちる度に自分までもが痛く感じてくる。しかし、そう感じながらも口元は緩んでいる。こんな矛盾を引き出すほどの演技を二人はやってのけているのだろう。それにしてもケビンのような生意気な子供が実際にいたら少しイヤだな。 7点(2004-08-20 23:53:07) |
16. ディープエンド・オブ・オーシャン
《ネタバレ》 コンパクトにまとまっていて良かった。この映画におけるテーマは「家族愛」であり、それを浮き彫りにするためにユニークな設定がされている。それは、弟が誘拐され母親がショックで崩れるという点だけでなく、兄が手を離したために誘拐されたという点である。これはこの映画を奥深いものとしている。この設定が後半で見事に生きてくる。親子間のみならず兄弟間の問題となり、この二重の問題が感動をより大きなものとしているだろう。 7点(2004-08-20 16:52:07)(良:1票) |
17. スクリーム(1996)
《ネタバレ》 色々なホラー映画を踏襲していておもしろかった。本来ならお決まりの展開に飽き飽きしてもおかしくないのだが、この作品は最初から「過去のホラー映画の要素を含んでいます」という匂いをプンプンと醸し出していたために(冒頭のクイズシーンなど)、逆に新鮮な感じで観ることができた。ストーリーの展開には少し無理があると思うし、やはり「13日の金曜日」シリーズなどから比べると怖さの面で迫力に欠けるが、「エンターテイメント性を持たせたホラー映画」と考えると目をつぶることができた。 7点(2004-07-31 17:51:21) |
18. スパイダーマン2
《ネタバレ》 前作とは微妙に路線を変えて、新鮮な印象を受けた。続編は前作と同じ流れになってしまって観客を飽きさせる場合があるけど、このシリーズに限ってはサム・ライミ監督が意図してか前作と少しテイストが異なっていた。したがって比較しようにも比較ができない。でも個人的には今回の方が好きだ。それは脚本の部分にある。「大いなる力には大いなる責任が伴う」というこのシリーズのテーマが十分に描き出されていて、スピーディーで迫力のあるアクションシーン以上に作品のクオリティを高めているように思う。トビー・マグワイアもドジで不器用だが純粋で正義感が強くそのために人一倍「責任」について重みを感じているピーター・パーカーを見事に演じきっていて良かった。 7点(2004-07-30 22:55:56) |
19. クルーエル・インテンションズ
《ネタバレ》 ドロドロとした人間関係が中盤から後半にかけて見事に浮き彫りにされている作品。この映画で登場する主なキャラクターは5人なのだが、その5人が色々と絡み合って複雑な関係を成している所が非常に面白い。これは脚本の巧さだと思う。5人もの人数を描くと観る側にとって理解しにくい展開になりかねないのだが、この映画の場合は解りやすくて良かった。スピーディーに事が運ばれていくのが良かったのかな。 7点(2004-07-28 15:51:08) |
20. プレデター
《ネタバレ》 『エイリアン』の地球舞台版って感じかな。迫力とスリルがあって十分に楽しめた。後半30分のシュワvsプレデターは特に緊張感があって良かった。「どうやって倒すのだろう?」という疑問を抱きながら観ていたら、意外と地味な倒し方で少し残念。エイリアンとの対決にはもっと期待してるよ! 7点(2004-07-25 23:28:04) |