1. リバー・ランズ・スルー・イット
《ネタバレ》 兄弟の絆を描いた映画であるが、この作品は人間ドラマよりも良かったがモンタナの美しい景色がそれ以上に素晴らしかった▼兄弟にまつわるエピソードを幾つか紹介しながら話は進んでいくが、どのエピソードもあまり深く掘り下げない。兄が恋に落ちたこと、弟が警察沙汰を起こしたこと、他にも様々な話が点綴されているが、大きなウェイトは決して置いていない▼それが故に退屈な感もあった。しかし、このエピソードの点綴が兄弟の人間像を作り上げ、二人の絆を描き、そして最後の衝撃に結びついたのではないか。決して大きな山場はないが、気が付けば余韻に浸れる作品である。 [地上波(字幕)] 6点(2007-03-30 22:40:37) |
2. 白い嵐
《ネタバレ》 ディザスター・ムービーかと思ったらドラマがメインの作品だった▼このドラマ、やや淡白な印象を受けた。登場人物のキャラがいまいち立っていないため、単調な感じは否めないだろう。「友情」や「師弟愛」など幾つもの要素を監督のリドリー・スコットはこの作品に盛り込んでいるが、「友情」のみをもう少し前面に押し出し、最後の裁判シーンはカットしても良かったかも知れない。最後のドラマが感動の山場なのかも知れないが、私には「蛇足」に思えた▼しかし、さすがはリドリー・スコット監督である。大きく外しはしない。全体としてはそれなりにまとまっている。またイルカのシーンなどのカメラワークも良かった。 [DVD(字幕)] 6点(2007-03-17 16:24:15) |
3. ザ・ハリケーン(1999)
感動するドラマだったが、これが実話だと思うと背筋が凍る。もし自分が冤罪で20年間も失われたと思うと、「イヤになる」の一言では済まされないような気がする。黒人に対する偏見が生んだ悲劇としか言いようがないが、この作品では悲劇を感動作として描かれていた。このテイストは個人的には良かったと思う。でないと、ただの暗い映画で終わってしまって、人々の心に届く以前に人々をヘコませるだけの結果になってしまっただろう。しかし、事件の描写が少し足りない。もう少し詳しく描いて欲しかった。 6点(2004-09-30 09:14:55) |
4. ハートに火をつけて
ありきたりなサスペンス映画って感じだった。個人的には好みに合わなかった。ややストーリー展開が強引な気がしたし、主演二人の関係の押しも少し足りなかったように思う。もっと二人が惹かれ合った姿を描くべきだ。そうしたら二人の口喧嘩なども生きてきたと思うのに…。とりあえず、全体的に迫力がなくてダルい印象を受けた。 4点(2004-09-27 13:18:19) |
5. ジャンヌ・ダルク(1999)
《ネタバレ》 過去の英雄は話が美化され神話化されやすい。それはどこの国であって同じであり、救世主を求める人間の心理から生まれるのかも知れない。この作品はジャンヌ・ダルクをより現実に近い姿で捉えようと試みられていると思う。つまり、神話化されるような要素を取り除き、ジャンヌ・ダルクに人間臭さを求めている。特に後半のジャンヌ・ダルクの心の中での葛藤がそうだろう。一歩退いてみるとジャンヌ・ダルクは単なる狂信者にしか見えないかも知れない。しかし、私は上手く具現化されていたと思う。あの部分がなければ、それこそジャンヌ・ダルクは我々にとって掴み所のない人物であったろう。この作品でジャンヌ・ダルクは戦略を考えずにイギリス軍に勝ったように描かれているが、実際はある程度考えて行動したのであろう。だが、ただ神のお告げで勝ったように描くことによって、奇跡の度合いが増し、彼女が長年に渡って人々に語り継がれてきたことに結び付いたと考えられる。その辺りも、私が個人的にこの映画が好きな理由の1つだ。 8点(2004-09-26 10:10:52) |
6. GODZILLA ゴジラ(1998)
日本のゴジラとは全く無縁な仕上がりになっている。単なるモンスターパニック映画と言っても決して過言ではない。だからと言って『ジュラシック・パーク』のようなドラマがあるわけでもない。本当にただ怪獣が暴れ回っているだけで、そこに意味合いは全く含まれていない。例えば、突然変異で巨大なゴジラが突如現れるのも理解できないし、巣作りをして卵を産むとことにも疑問が残ったままだ。しかし、さすがはハリウッド。映像は迫力があってスゴいと思った。 5点(2004-09-22 20:53:27) |
7. ホット・ショット
《ネタバレ》 マジメな顔をしてバカをやってるチャーリー・シーンも笑えたけど、個人的には提督役のロイド・ブリッジスの方が面白かった。「194回出撃して194回撃墜された」なんて小ネタを至る所に盛り込んでいたのが良かったんじゃないかな。面白くないギャグでも定期的に繰り返されると笑ってしまう。特に頭をぶつけた時になる効果音や着席する時に犬を踏んづけるシーンは「またかよ」ってツッコミを入れながら口元が緩んでいた。日本では「テンドン」と呼ばれる笑いの手法がアメリカでも使われているんだなって思った。この作品が他のコメディーと異なる点は、細部にまでギャグを入れていること。観ている人に気付いてもらえない可能性のある所まで笑いを取りこんでいることに好意が持てる。もちろん私が見逃しているギャグも多々あるんだろうけど…。 6点(2004-09-17 06:43:57) |
8. ネル
《ネタバレ》 「狼少女」を題材にしていると言う点で非常に興味があった。ジョディ・フォスターはよく十分に言語を話せない役を演じられたなぁと思って感心するばかり。あそこまで「役になりきれる」のは実力がある証拠だろう。彼女の演技は上手かったと思うものの、ストーリーには疑問がいささか残る。人間世界と隔離された子は社会力の形成に問題が生じる。つまり、他者とコミュニケーションを図ることが難しく、また学習能力も低い。また、過去の事例では野生児は長生きすることもなかった。この作品では、これらの過去の事例を覆す設定となっている。ネル語も人間の言語から生まれたものであったし、物の食べ方にしても人間と大差はない。確かにネルも人間に変わりはないため、おかしくないと言えばそれまでだが、もう少し現実に近づいた設定でも良かったと思う。ジョディ・フォスターにそれだけの演技力があるだけに、少しもったいないような気がした。 6点(2004-09-16 05:41:46) |
9. マネートレイン
《ネタバレ》 主役の二人が強盗になるという展開に驚きつつも、それなりに楽しめた。主演の二人が全く対照的なキャラクターである点にも好意を持てる。前半ではこの二人の人物像がよく描き出されていたと思う。後半のアクションは単純で微妙だったし、エンディングも予想外だったけど、まぁ人に薦められなくなくもない作品かなぁ。 6点(2004-09-15 06:37:26) |
10. イン・マイ・ライフ
《ネタバレ》 「愛してる」と言えないもどかしさが伝わってこなかった。むしろイライラしてしまう。この作品のテーマは「できそうでできない言動」にあると思うが、そのテーマを前面に押し出すために年月をめまぐるしく変化させる点にはどうしても馴染めない。これは脚本に問題があるのではないだろうか。 4点(2004-09-14 11:53:15) |
11. ザ・シークレット・サービス
《ネタバレ》 クリント・イーストウッドがシブかった。悔いのある人生を送ってきたことが滲み出ていた。見事な演技だったと思う。しかし、なぜか映画の世界に入り込むことができなかったんだよなぁ。ちょっと話が分散し過ぎていたのかも知れない。特に、この作品内におけるレネ・ルッソの役割がいまいち理解できない。製作者側としてはクリント・イーストウッドとジョン・マルコヴィッチだけでは男くささが漂い過ぎてて、それをまろやかにするためにレネ・ルッソをキャスティングしたんだろうけど、別に男くさい雰囲気になっても良かったと思う。あるいは、まろやかにするならするで、もっとレネ・ルッソの出番を増やすべきだったろう。この役割が中途半端だったため、男二人の対決に少し水を差した感があることは否めないと思う。 6点(2004-09-14 09:31:40)(良:1票) |
12. リング(1998)
《ネタバレ》 日本人が怖いと思う要素をふんだんに取り込んであったために、何回か観ているにも関わらず、ストーリーを知っているにも関わらず、それなりに怖いと思った。やっぱり日本人は黒髪に白装束姿や井戸に弱いのかな。しかし、絶叫シーンがいまいち。あまり怖さが伝わってこない。日本人が怖がる部分、ある意味好きだと思っている部分でこの作品は成り立っているのであって、演技や話そのものは少し弱いと感じた。 7点(2004-09-14 09:22:41) |
13. ラスト・ボーイスカウト
ありきたりのアクション映画だった。それ以外のコメントをするのが難しいほど。この作品のブルース・ウィリスは『ダイ・ハード』で演じたジョン・マクレーンに限りなく近かったと思う。男らしさと茶目っ気などを兼ね備えた、ブルース・ウィリスならではのキャラクターだ。個人的意見としてはアル・パチーノあたりがその役を演じてみても面白かったかも知れない。『ダイ・ハード』シリーズと同様、脚本は半ばどうでもいい感じだった。 5点(2004-09-12 01:28:19) |
14. シックス・センス
一度映画館で観てオチを知っているのにも関わらず、2回目も楽しめた。オチを知っているからこそ、次はどのような伏線が張られているのかをつい注目してしまうのだが、それがまた上手く構成されていておもしろい。ホラー映画には『エクソシスト』や『CUBE』などのように新感覚をもたらす代表作が幾つかあるが、この作品もそれらと肩を並べるに価すると思う。惜しむべくはブルース・ウィリスを主演に持ってきたこと。彼には『ダイ・ハード』シリーズにしろ『アルマゲドン』にしろ汗臭い役が似合うので、精神科医は少し無理があるかな…。 7点(2004-09-11 00:04:37) |
15. コレクター(1997)
観ていて『セブン』を連想していたんだけど、このページを見てやっぱり製作者側も意識していたことを知った。しかし、『セブン』の方がスリルがあったと思う。この作品の欠点は犯人にある。あまりピックアップされていなかった人物であった故に、ラストはシラケ気味とならざるを得ない。牛乳パックを通しての発砲も反則の感があるし。ただ、映像は美しかった。重苦しい雰囲気の地下室と何か妖しげな臭いを放つ深い緑色の森は印象的だった。アシュレイ・ジャッドの演技も見事だったので、7点献上! 7点(2004-09-10 23:58:11) |
16. ベイブ/都会へ行く
《ネタバレ》 前作を観ていなかったけど、十分に内容を理解することができた。たくさんの動物が自然な動きで撮影されていて、その点には舌を巻いた。ただ、話が少し希薄だったように思う。飼い主であるおばさんを途中1時間も登場させない上、ベイブに関わる出来事も追いかけごっこや救出劇など、少しありきたりだったかな。それなら同じ動物を扱う『ベートーベン』のように笑いある場面を増やして欲しかった。あくまで個人的な要望だけど…。それにしても、ラストシーンでおばさんは少し頑張り過ぎだね(笑) 5点(2004-09-10 23:47:20) |
17. RONIN
ヨーロッパの町並みが美しい。この映画の最大の見せ場はカーチェイスのシーンであろうが、映像と音が良かった。他のカーアクション映画顔負けのスピード感であったし、本来ならアップテンポの音楽を流す所を本作では音楽を軽く挿入しただけ。おかげでエンジン音が響き渡り、まるでF1のレースカーに取り付けられたカメラからの映像のようだった。ただ、アタッシュケースの争奪戦ではハラハラ感がなかったなぁ。 6点(2004-08-29 23:33:10)(良:1票) |
18. ホーム・アローン
何回観ても面白い。後半のケビンVS泥棒は飽きを感じさせない発想とテンポで文句なし。マコーレ・カルキンの演技も見事だが、ジョー・ペシとダニエル・スターンの演技もまた素晴らしい。二人が何度も階段を滑り落ちる度に自分までもが痛く感じてくる。しかし、そう感じながらも口元は緩んでいる。こんな矛盾を引き出すほどの演技を二人はやってのけているのだろう。それにしてもケビンのような生意気な子供が実際にいたら少しイヤだな。 7点(2004-08-20 23:53:07) |
19. ディープエンド・オブ・オーシャン
《ネタバレ》 コンパクトにまとまっていて良かった。この映画におけるテーマは「家族愛」であり、それを浮き彫りにするためにユニークな設定がされている。それは、弟が誘拐され母親がショックで崩れるという点だけでなく、兄が手を離したために誘拐されたという点である。これはこの映画を奥深いものとしている。この設定が後半で見事に生きてくる。親子間のみならず兄弟間の問題となり、この二重の問題が感動をより大きなものとしているだろう。 7点(2004-08-20 16:52:07)(良:1票) |
20. スターシップ・トゥルーパーズ
《ネタバレ》 予想以上に残虐なシーンがあって驚きました。戦争相手が巨大な昆虫なだけにもっと子供向けな感じの映画かなって思っていたけど、「人間」や「戦争」をテーマにした大人でも十分に観れる娯楽大作です。派手な戦闘をやっていた割には敵の親玉があっけなく捕まってしまって少し残念。要するに、戦争そのものを本筋にするのではなく、戦争を背景に登場人物の人間関係を描きたかったのでしょう。 6点(2004-08-14 23:16:44) |