1. 駅馬車(1939)
1939年公開なんてどんなもんかねと半信半疑だったがなんと質の高い「ロードムービー」。同乗者達の心理描写の人間臭いこと、一方的なヒーローにはならないジョン・ウェイン。そして今のトレンディドラマのような恋愛まで絡めることをこの時代にやってしまっていたことが驚き。これが西部劇というものなんですねえ。 [インターネット(字幕)] 8点(2006-05-19 18:14:45) |
2. サボタージュ(1936)
《ネタバレ》 いかにも古臭い愛憎スリラーサスペンス。イギリスのご婦人方はこういうお話が好きなのかな。子供を殺すタブーを簡単にやってしまう辺り、ヒッチコック映画らしい。今でも期待はずれにはならず普通に見れます [インターネット(字幕)] 7点(2006-05-15 15:49:47) |
3. 赤ちゃん教育
キャサリン・ヘプバーンは何てイイ女なんだろうと思う。現代ですら魅力に感じるボーイッシュさ、当時の女性の概念としてはよほど型破りだったものでしょう。刑務所でプッツンしてしまい凄い剣幕で畳み掛ける彼女の魅力にホの字にされてしまいました。下品とも取れる言動の中に感じられる彼女の上品さ、決してルックスがずば抜けているわけでもない彼女がハリウッドで重用された理由が即座にわかる映画です。彼女は永遠のアイドルであり大女優ですね。 [インターネット(字幕)] 9点(2006-04-24 02:53:10) |
4. 西部戦線異状なし(1930)
クドクドと反戦のセリフを連ねてゆくだけの映画で面白みが全くない。この古さでは戦闘などに見せ場がないことは仕方ないのだがストーリーで魅せることは出来なかったのだろうか。ただの反戦プロパガンダだからと言ってしまえばそれまでだが「我等の生涯の最良の年」のように実際は反戦を前面に押し出さなくてもストーリーで魅せさえすれば、よほど反戦映画の傑作として機能することも多々あるので何とかしようと思えば何とかなったはずだ。 [インターネット(字幕)] 2点(2006-01-01 03:31:46) |
5. キング・コング(1933)
《ネタバレ》 キングコングの表情が怖い。あまりにも豊な表情を見せてくれるコングだが、悲しい表情、怒りの表情、どのような表情を見ても恐怖を感じる。ジュラシックパークのヴェロキラプトルだろうがハンニバル・レクター博士だろうが貞子だろうが今まで映画やテレビに出てくるようなキャラクターを見て怖いと思ったことは一切、ただの一度も無かったがこいつは怖い。怪物映画としてそう思わせられたことはそれだけで10点に値する。話自体もテンポよく風刺の効いたストーリー。センスが極めてよく、そして欠点が無い。1933年でこれは無いよなあ…それにしてもこの怖さは何だろう。何か潜在的なモノな気がする。母親に似てるとか…いや、キングコングの中に人間が投影できうるからこその怖さだろう。外部からやってきた何か強大な力によって拘束され、盲目に信じる物、愛する者を追い、都会の中で迷い、そして死んでいくキングコングの姿は、ある意味、理不尽な世界の中で迷い続ける人間の人生の縮図なのかもしれない。 [DVD(字幕)] 10点(2005-11-17 05:12:19)(良:2票) |
6. 透明人間(1933)
H.G.ウェルズ原作のSF映画。透明人間になると凶暴になり遂に自らを破滅に追い込むという怪物モノ映画だが、いきなり透明人間になるところから話が始まり、以前の博士の性格や生活ぶりなどが全く書かれておらず、どう変わってしまったのかが全くわからないため、怪物になりきれていない。以前の博士からしっかり書いていれば深い脚本になっていただろうだけに残念。ただ製作が1933年という古さ。当時の人たちには小説で楽しむしかなかった透明人間というものを映像化してしまったことにこの映画の価値があるのだろう。 [インターネット(字幕)] 6点(2005-11-14 22:00:11) |
7. バルカン超特急(1938)
空撮風(おそらくミニチュア特撮)の街の風景から始まり、汽車を下から取るカット、紅茶のパッケージのカットなど映像的に楽しめ30年代の作品とは思えない。登場人物がそれぞれ個人の利害に従って行動すれば話の線が1本になってしまうというストーリー。何よりミステリーをコメディタッチで書いていくヒッチコックらしいユーモア。のちの彼の映画のようなスリラーらしさは無いがグッドテイスト(ハイセンス)なミステリー映画。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-29 09:01:50) |
8. グランド・ホテル
MGMスター勢揃いの豪華キャストで贈るグランド・ホテル形式というモノまで生み出した一箇所にたまたま集まった人間による群像劇。主に主題として描かれているのは個々の人生観だが、様々な伏線を張り巡らせ、最終的に1本の線へと集約し全ての物語を昇華させるという現在のグランド・ホテル形式映画の基本がまだ確立されていないのは、まだこの形式が珍しかった当時を考えると仕方がないか。個々の物語がAとBのストーリー、CとDのストーリー、AとCのストーリーというように最後まで別々に展開し、そのストーリーの間につながりが欠けている。また他のキャストも豪華にすることで薄らげようとしているが、ジョン・バリモアとグレタ・ガルボという二大スターのラブストーリーが強烈すぎて脚本を食ってしまい、他の物語が霞んでしまっている。一つの形式を創った古典だということは評価できるがストーリー自体はそれほど面白くはなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-26 11:42:03) |
9. 或る夜の出来事
ローマの休日やプリティウーマンといった「経典ラブコメ」のさらに経典的存在。男がかなり傲慢な性格で、また犯罪紛いの行為をしてたりと結構悪どい男ではないかと思ってしまったのだが、こういう男が魅力的な時代だったんだろう。「席取り」や「夫婦ゲンカ」や「ヒッチハイク」など随所にコミカルで面白いシーンが鏤められており、この古さにも関わらず今でも十分楽しめる映画だった。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-24 16:15:41) |