1. 秒速5センチメートル(2007)
アニメながら実写的な特異のクオリティはもちろんだがディティールの拘りがすごい。特に主人公たちと同世代で同じ時代に青春を過ごした人間にとっては恐悦至極のノスタルジー感。ファーストキスの場面で明里が着ている服とか、「あぁぁぁぁぁ!!」ってうなりたくなるほど、まさしくあの頃かわいい女の子が着ていたアレ。いいね。たまらんね。青春だったね。実写的なら別にアニメじゃなくて実写でもいいじゃんって言いたくなるところだが、実写だったらベタベタで臭すぎて耐えれなかっただろうしアニメにしたのは正解か。まあアニメでも十分臭いけどねw [DVD(邦画)] 8点(2013-06-25 22:39:06) |
2. インファナル・アフェア
順序逆にディパーテッドのほうを先に観賞。ディパーテッドはオリジナルに意外と忠実な映画で、基本的なストーリーはわかっていたという点で評価が難しい。後発でシナリオの細部を練り直すチャンスがあったという点でディパーテッドのほうが全体的にまとまっているが、やはりこの脚本を生み出したことは賞賛に値するだろう。ラストもディパーテッドのほうが個人的にはスッキリするが、まあこのハードボイルドさは香港映画らしくてこれはこれで正解なのかもしれない。下世話だが俳優が美男美女揃いで特に美女2人は目の保養になって良いなあ [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-02 08:31:12) |
3. ロスト・イン・トランスレーション
外国人が日本に来て撮ったwktk動画、的に特異な日本文化と対立するアメリカ人のカルチャーギャップをこれでもかというくらい盛り込んだストーリーはそれなりに楽しめるが、軽く触れただけの無意味なアンダーグラウンドの描写といい、ラブロマンスとしての描写といい中途半端な点が多い。ソフィアは偏執的な完璧主義であった父親には似なかったことは間違いない。もちろん映画監督としてはむしろそのほうがうまくいく場合もある、というか多分にあるのだがw [DVD(字幕)] 6点(2012-09-21 17:40:14) |
4. ボーン・アイデンティティー
非凡と平凡の間くらい。言語面とか無駄に凝った作りだが、秘密組織とか人物設定とか肝心の部分に甘さがあり、サスペンスやスパイ物といった要素の部分が雑で、大雑把なアクション映画になってしまっている。まあアクション部分は良いから駄作ではないけど、もっとサスペンスやスパイ物特有の展開とかに面白みが欲しかったなあ。女の性格が悪いからという理由による、無理やり展開の無駄なピンチが多すぎでしょ。 [地上波(吹替)] 6点(2012-09-20 16:51:57)(良:1票) |
5. ドラえもん のび太とロボット王国
相変わらずドラえもんの無駄使いだが、一応真面目に感動させようとそれなりにまとまった脚本を作ってある分、駄作が2本続いただけに若干持ち直した印象はある。それだけに素人声優どもの存在が駄作感を増幅してるのが痛い。それと糞みたいな主題歌。ドラえもーーーーん、じゃなくて武田鉄也先生助けてください。 [DVD(邦画)] 4点(2012-09-14 09:50:59) |
6. ドラえもん のび太と翼の勇者たち
かつての大長編のような大人が感心するようなよさは微塵もないが(子供向けの)冒険活劇としてはまあまあな分、無責任な寄せ集めパクり映画の太陽王伝説よりはマシかという程度。 [DVD(邦画)] 3点(2012-09-14 09:43:28) |
7. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
脚本の面白さももちろんだが、ストーリーテリング、構成が上手い。SFとしても破綻せずしっかりと成立してるし見事。こんな優れた題材なら、同じプロットで何本でも傑作人生ドラマを生み出せそうなもんだが続編があんなことになってしまったことは残念 [DVD(字幕)] 9点(2012-09-04 19:07:27) |
8. イントゥ・ザ・ワイルド
一見ヒッピー文化への懐古主義にも見えるが、内容は軽い気持ちで自然に帰ろうとして自然に跳ね返されたお坊ちゃまの物語というヒッピー文化への自戒的逆説的な総括。実話ということを考えると観念的には興味深くもあるが少しセンチメンタルすぎやしないか。まあ見るべき人が見れば評価する映画だろうけどね [DVD(字幕)] 6点(2012-09-03 10:27:20) |
9. 2LDK
タランティーノが好きな人にはお勧めできる映画かもしれない。俺もパルプフィクションは面白いと思ったが、この映画はどちらかというとレザボアドッグスと同じく、単なる殺し合い映画でアクションやスリルやアイロニーがあるわけでもなく評価すべき点が見つからなかった。つまらなくは無いがセンスが合わないんだろう。 [DVD(邦画)] 5点(2012-05-24 09:23:12) |
10. メアリー&マックス
クレイアニメだからこその独特の表現技法の面白さと、実話モノだからこそ優れた役者による実写だったらもっとドラマとしてリアルな表現ができたのではないかという疑問。感受性豊な方向けですね [DVD(吹替)] 7点(2012-05-15 14:17:43) |
11. M:i:III
前作はただの派手なだけのアクション映画になった感があったが、サスペンス要素のあるスパイアクションとして復活。こうなるとこのシリーズは優れたエンターテイメントとして素直に評価できるよね。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-15 14:11:17) |
12. キャピタリズム~マネーは踊る~
ところどころ面白い話も混じっているがシッコほどの完成度は無かったなあ。テーマには共感できる部分もあるが、そのテーマに対するエピソードの選択がズレてて散漫すぎる。特に家を追い出される連中の存在は余分だ。ご利用は計画的に。借りたものは返しなさいって学校で習わなかったのかね。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-15 13:52:02) |
13. だからワタシを座らせて。通勤電車で座る技術!
本題の通勤電車で座る技術に関しては特に目からウロコなんてものはないありきたりなものばかり。車内人間模様もコメディ色が強すぎてリアリティがなく、それより今時どうやったらこんな大根役者ばっかり見つけてこられるのかというAV並のラブストーリーが痛いB級コメディ。これでは引きつり笑いしか起こりません。 [DVD(邦画)] 3点(2012-05-11 06:29:26) |
14. 純喫茶磯辺
この監督の描く男女はほんとに気持ち悪いくらいリアルだ。しかし本作ではそのリアルさが逆に仇となっているか、さんかくのようにリアルな日常の中に「非日常」のエピソードを盛り込んでくれれば良かったのだが、この作品は日常をそのまま見ているかのようなあまり動きのない作品でエンターテイメントとしては弱い。 [DVD(邦画)] 6点(2012-05-11 06:12:35) |
15. グラン・トリノ
アメリカの古いタイプの愛国者という価値観と、家族、人種の間で揺れ動く人間的葛藤を描いた傑作。ハリウッドというアメリカ的価値観と人種、社会問題の坩堝のような所であり、またその旗頭でもある場所で生き抜き、その象徴にもなったイーストウッドだからこその解釈があるのだろう。非常に心を揺り動かされ悩まされる内容。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-11 05:57:22) |
16. エレファント
同時に起こっている出来事を1人1人の視点から切り取って描くという手法は非常に面白いが、ベースとして扱っているのが実在の重大事件だけに、個々の心理描写にしても事件そのものの考証にしても軽く扱いすぎ、日常性を強調するあまりの失態だろうが、実在の事件をリアルに描こうと思ったら日常性・臨場感といった表面上のリアルさだけじゃなく事件概要や感情面もリアルに描かないと意味がない。芸術性とでも思っているのか無駄で間延びし退屈なカットも多くただの趣味の悪い殺戮映画に成り下がっている。 [DVD(字幕)] 4点(2012-05-08 07:47:35) |
17. ミスティック・リバー
最近のメジャー映画でここまでミステリーに終始するのは珍しく、ミステリー小説をそのまま読んでいるかのような展開と、イーストウッドの紡ぎ出すどうしようもなくダークな空気感と名優達の演技には引き込まれ、エンターテイメントとしては良くできていると言えるが、引き込まれた分、メッセージ性は高くなくありがちな、いかにも「作られたミステリー小説」な話のおさめどころには拍子抜け。ハードボイルドはメッセージ性が高くないとただの安っぽいアメリカンニューシネマになってしまう典型。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-08 07:31:34) |
18. ショーン・オブ・ザ・デッド
普段ゾンビ映画をくだらないと思ってる人ほど楽しめるホラーコメディ。そりゃ平和ボケの僕らがいきなり戦場で目を覚ましたら普通こうなりますよ [DVD(字幕)] 7点(2012-04-28 10:44:06) |
19. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 アメリカのB級あふざけコメディ並にシュールなギャグを連発しながらしっかり見所のあるサスペンスになっていて、仕上げはアメリカンマッチョではなく英国紳士なジジイやババアが大暴れするアクションシークエンス!バカバカしいことを真剣にバカだとわかってやっているシュールさ。そして全員ターミネーター並の生命力。喉を貫かれても死なねえよこのジジイやババアども。映画なんだからこまけえこというな、面白けりゃいーんだよという80年~90年代のハリウッドのポリスアクションを痛烈に皮肉るパロディ映画 [DVD(字幕)] 9点(2012-04-27 00:01:33) |
20. 第9地区
ヒッチコックや黒澤明など限られた名監督だけがあらゆる知恵を振絞り映像を作りだせた時代から、もっと言うとデジタル技術も90年代後半まで高値の花だったわけだが、もはや低予算でできることもここまで来たかという科学技術の進歩をまざまざと感じさせられる一本。独特のドキュメンタリー的手法といいストーリーといいエイリアンの造形といい下手したらトンデモB級SFで、時代が違えばCGの壮大な宇宙船のDistrict 9ではなく、灰皿円盤のPlan 9だったのかもしれない。エド・ウッドも墓場の影もとい草葉の陰から羨望のまなざしをおくっているだろう。ただエド・ウッドと違うのはストーリーがトンデモながらも非凡なことで、ハリウッドの「お決まり」を予想すればするほどシーンが変わる度に裏切られ、もはや予測不能に陥る新鮮さ。評価が高くても決してA級大作SFの傑作を期待してはいけない、B級SFマニアによるB級SFマニアのための映画だ。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-26 08:43:48)(良:1票) |