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Nbu2さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 350
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

ようやく350本目のレビューですよ。
レビュアーの皆様本当凄い。

来年もよろしくお願いいたします。
ちょっと早いですが良い映画ライフを!

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1.  ライド・オン 《ネタバレ》 
ジャッキー・チェンの新作は「原点回帰」が感じられる快作で、ゴールデン洋画劇場で彼の映画を楽しんでたファンにとっては満足の出来。始まってすぐに流れ出す彼の名演集で、観客には主人公ルオ=ジャッキーの経歴が重なってくる。度重なる怪我で生命の危機にもあった。子供との断絶、という劇中の設定も実生活で家庭を省みなかった事を心から反省している、とインタビューで述べた彼の心情の投影なんだろう。そんな苦境にあっても彼はファンの為に身体を張り続けた、そしてこれからもショウビジネスに携わるんだという決意というのか気概が見受けられる点、我々はわかってるから胸にくる。でもって「いかに自分をかっこ悪く見せるか」というジャッキー映画王道のドタバタなコメディ演出。動物をバディとしてる事もあってお約束がてんこ盛りなんだけど、もう老成の域にまで達した感があり楽しい。あと個人的には彼自身の演技力、特に哀愁の醸し方が抜群に上手くなった気がする。...映画の感想としてはここまで。そしてもう一点強調したい。私があえて吹替え版で鑑賞したのは昨年声優業を引退された石丸博也氏のたぶん、ラストジャッキーになるから。80年代の映画吹替えのフィックスとして石丸氏=ジャッキーは最高の贅沢であった。日本でジャッキー映画が大流行したのは彼の演技力が付与してたのは間違いない。凄いのは石丸氏の演技が愛嬌が目についた青年期~苦悩が伝わる老年期に至るまで、正にジャッキー本人いやそれ以上なのではないかという印象を何十年にもわたって映画ファンに提供し続けた事。(だから「ザ・フォーリナー 復讐者 (2017)」などは吹き替えでしか見れんかった) 多分石丸氏も吹替えをなさっていてご自身と重なるものがあったのかな、昔の様な声とは程遠いかもしれないけど枯れた味わいの良さというのか、スクリーンで堪能しました。という事で兜甲児もいいけど、ジャッキーもね。 この後ジャッキー映画を担当なさるであろう声優さんにエールを送りつつ、最大限の感謝を石丸さんに贈りたいと思います。んとうに、有難うございました!
[映画館(吹替)] 7点(2024-06-03 20:29:13)(良:1票)
2.  アイアンクロー 《ネタバレ》 
エリック一家を襲った悲劇は映画よりも現実の方が過酷だった。 レスラー志望の六男もまた、自死を選んでいた事、 フリッツ・フォン・エリックは晩年妻と離婚し一人身だった事、 三男デヴィッドの死は痛み止めとして使用していた鎮痛剤の 大量摂取、つまり彼も薬物中毒による自死であったといわれてる。  「過度な期待によって挫折するスポーツ選手、その再生」てのは 映画ファンとしては食傷気味な題材なので、客観的に見れば レビュー点数はこんなもんなんだろう、と思う。 だけどプロレスファン、特に「プロレス・スーパースター列伝」を愛読書とし、 土曜夜に「世界のプロレス」を見て80年代を過ごしていた私の様な オッサンには突き刺さりまくりで、泣けて泣けて仕方がない。  プロレスから離れ、唯一生き残った次男ケヴィン・フォン・エリックが 自分の子供達に声をかけられ涙を流すラスト。彼は昔、父親の教えを 忠実に守り過ごしていた日々を振りかえる。 時代錯誤な父親と教育に無関心な母親。でも確かに愛情はあった。 兄弟は皆若くして死を選び再会は叶わない。ただ確固たる絆はあった。 チャンピオンになれた期間は短かった。 それでも強いレスラーだった。 世間でいう「呪われた一家」では、決して彼らはなかった。  現実のケヴィンにはあまりにも事態が悲惨すぎて、そんな感慨に浸る には更なる年月が必要だったろう。もう心情的には無理かもしれない。 でもこの作品中、夢の中兄弟楽し気に抱き合うシーンを入れた 事で、この映画は世界中で身体を傷つけながら頑張っている プロレスラー、ひいては目標に向かって努力を続けている 市井の人びとへの監督なりのエールなんだ、と感じてしまった。  アイアンクロー、フォーエバー。  とはいえケリー・フォン・エリックでいえばディスカスパンチ (学生時代円盤投げの選手だったなごりから得た回転パンチ) の方が、アイアンクローよりも好きだったなぁ。  物理学者映画に埋もれてしまう前に、どうぞ。
[映画館(字幕)] 6点(2024-04-16 22:34:01)
3.  NO 選挙、NO LIFE 《ネタバレ》 
彼の仕事ぶりを賞賛するという単純な話ではなく、その裏に秘められたモノ、作品が世に出る意味ってのを汲んであげる事こそが大切、と思わせた一本。「NO選挙,NO LIFE」題は選挙取材をライフワークにしている畠山氏の心意気を表したものであると同時に、国民が政府国家に物申す重要な機会たる『選挙』に対して、あまりにも無関心な社会に対する疑問の表れであり、民主国家においては「選挙が無ければ、国民は生活なんてできない=NO選挙,NO LIFE、(だけど実情は)」というダブルミーニングなんじゃないかな。過去の駐在経験で「お上に文句を言うと犯罪となる世界の片鱗に居た」半人前の私、Nbu2としては、民主主義国家において選挙の有難みはちったぁ認識してる。程度の大小あるとはいえ畠山氏の様な選挙に対する関心を国民はもってしかるべきなのに、彼の情熱が「奇行」として扱われてしまう現状はおかしいし、「彼は民主主義の最後の良心」という知識人の説明も、結局畠山氏に苦労背負わせてるだけじゃん、となる。経済的/体力的に辛いから、という理由だけでなく社会の無関心も彼が限界と感じた理由に入るんだろうな。このドキュメンタリーを高評価にしているのは、絶望よりも希望:畠山氏の人となりや情熱に対して関係者各位が100%全肯定している様をちゃんと映している点にある。ご家族や取材を受ける候補者の反応、そして心が折れかけた時期に「民意が政治を変える」情熱を改めて再認識させられた沖縄の人達。 最後に個人的な要望だが、畠山氏がもし引退となったとしても、彼の情熱心意気が社会にとって当たり前の認識として良識のある人々によって残されてゆく、という幸せな結末をもって終わる事を切に願っている。その日まで身体に気を付けて欲しいなぁ、うん。 長文失礼しました。
[映画館(邦画)] 8点(2024-01-01 07:59:17)
4.  アントニオ猪木をさがして 《ネタバレ》 
(敬称略)①ドラマパート不要⓶字幕必要③取材不足。なんだけど③についてレビューしたい。その生涯は、ブラジル移民から、レスラーへ~ライバル馬場との比較~新日本プロレス旗揚げ~政治家転身等、「一寸先はハプニング」の連続。その苦境を彼は「馬鹿になって」笑い飛ばし、尋常じゃないファイティング・スピリットと常人にはなし得ない行動力で立ち向かい、それを死の床までさらけ出した。レスラーとしてだけでなく、人間猪木寛至として燃える闘魂はファンに愛された。神田伯山や有田哲平、安田顕はその生き方を、藤原喜明や藤波辰爾はレスラーとしての理想として未だに逃れられない様を映し出す、それはわかる。ただ見たいのはそこではない。もっとインタビューすべき面々が健在だろう。個人的な想いこみもあるのだけど、アントニオ猪木は全くもって聖人君子ではなかった。常人とは異なる膨大な闘争心と突飛を通り越した迷惑千万な破天荒ぶりによって、彼の行く道には少数の賛同者と倍以上の離脱者を生み出した。対戦相手は極端な話、猪木の格を引き上げる為の素材でしかなかった。理想を追い求めすぎて現実からかけ離れた企画ビジネスは、大借金と信用失墜(猪木自身はともかくパンピーはたまったものではない)しか生み出さなかった。デカい山を一方向から見るのではない、やはり「キラー猪木」な暗黒面を挙げた上で、「それでもだけど」にしないとわざわざ映画化する意味がない。A.当時のマスコミ(東スポ/ゴング/週プロ) B.彼によって潰された他団体のエースレスラー、関係者(ラッシャー木村/ストロング金剛/大木金太郎) C.振り回されっぱなしだった面々:古舘伊知郎、新間寿、坂口征二、大塚直樹、サイモン・ケリー D.倍賞美津子(彼女との結婚によって猪木は「対世間」という点で物凄く影響を受けた、とは前田日明の説明) E.猪木に影響されなかった天才2人:佐山聡と武藤敬司 は必要でしょ。作中印象的的だったのは、猪木拒絶→受け入れを示した新日復活の立役者、棚橋弘至のインタビュー。「制約の多い生き方を余儀なくされてる現代において彼の生き方は何を示唆し、これからの社会にてどの様な啓蒙となりうるのか」テーマはいいのに本当もったいない。過去のアーカイブ見てた方がまし、ってなっちゃぁいけません。 という事でおじさんは88.08.08の対藤波辰爾、60分ドロー戦でも見て無聊の慰めとしよう...長文失礼しました。
[映画館(邦画)] 4点(2023-10-29 14:23:33)
5.  牛久 《ネタバレ》 
我々は本当に「良識のある国際人」と言えるのだろうか?  入国管理センター職員達の行為は、日本人の心情を写す鏡の 様なものではないか。「異文化・異人種」に対する怯えを 振り払う為の行動としての威圧。日本人社会からの村八分。 彼らは我々、自分達自身でもある。  そして管理センターの行動規範は「難民=不法入国 してきた犯罪者」という前時代的なもの。臭い物には蓋 で、何十年とほったらかしにしてきた政府政策のツケが、 この混迷した世界には対応出来てない事を証明してるわけだ。 どうすりゃいいの、この状況?  ドキュメンタリーとしては製作者の意見の押し付けが目立ち、 作品としては率直にいって自分は好きではない。レビュワー皆様 の捉え方によっては1点とか2点もあり得る作品だろう。 だけどこの作品に関しては私Nbu2レビューの 絞めパテーン、「~機会が有れば鑑賞下さい」とは書けない。 好き嫌い良し悪しはともかく、このドキュメンタリーは、 現代に生きる我々にとっての「踏み絵」たる作品だから、ちゃんと見るべき。   【追記】今回映画上映後にトーマス・アッシュ監督の挨拶があったのですが、 無知こそが最大の問題であり「この事実が何とか伝わって欲しい」、 「映画を鑑賞した人々が考えるきっかけになって欲しい」点を私は強く感じました。
[映画館(字幕)] 8点(2022-09-11 06:29:57)(良:1票)
6.  教育と愛国 《ネタバレ》 
国民の意思統制という点において「国威掲揚・愛国教育」がどれほど効果的なものであるかを若い頃の駐在経験で何となく認識してる自分でも、このドキュメンタリーで描かれている現在の日本政治と教育/宗教の結びつきを告発してるこの内容にはちょっと驚いてしまった。①度が過ぎるほどの愛国心教育は視野の狭窄化を招き、他国民への偏見を生み出す土壌となりかねない。それを情操教育時に組み込む時点でどうかしてる。(お花畑、と言われるかもしれないが私は「国民あっての国家」を信じたい)②人間の営みが積み重なったものが歴史上の出来事なので、関わる人一人一人に言い分やそれぞれの観方があるはず。なので「歴史教科書に書かれている出来事は100%真実ではない、一つの事象には多面性/多様性があるのだ」という授業・教材こそが歴史教育に絶対必要と思ってる。ところがこの国の教科書検定に携わる方々はそういった多様性/多面性を遮断するような方針に力を注いでいるどころか、「目にすると不快だから」みたいな感覚で戦争の惨禍や他国への侵略の歴史といった出来事を矮小化した記載で済ませてしまってる。そんな出来事すら記載しない、「薄っぺらい」教科書ってなんなのだろうか。③最大の問題は思想と政治が結びつく危険性を全く認識しないまま「得票数と政治資金」の為に喜々としてそういった団体に協力している日本の政治風土・風習、と合わせてそんな彼らに投票してる我々国民なんだろうな。あの事件があった後、報道各社はあら探しに邁進してるけどどうせのど元過ぎれば、であんな事があったよねで終わってしまうんだろう。 その前に皆様、心の防災ベルがぬるま湯につかったまま動かないなんてならない様、良し悪しはともかく鑑賞ください。長文失礼いたしました。
[映画館(邦画)] 8点(2022-09-04 18:48:14)(良:1票)
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