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1.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
字幕で観て、3D吹き替えでもう一度観ました。ここ何年か、こんなに息の詰まるような映画はなかった。サンドラ・ブロックはもちろん素晴らしかったけど、この映画のジョージ・クルーニーがすごく好きです。あとからまたキリストになってもどってくるところも大好き。「デモリションマン」の頃にはいかにもアメリカ娘といった感じで初々しかったサンドラ・ブロックが、こんなにも洗練された女優さんになったことに感無量。姿は見えなかったけれど、地上からのミッションコントロールの声がエド・ハリスというのも、「アポロ13」を思わせておしゃれだなあと思いました。こんなの映画じゃないという人もまわりにはいるけれど、わたしは新しい映画の登場だと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2015-02-02 19:33:14)
2.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
もう30年以上前の映画だけれども、今観ても少しも色褪せてはいない。俳優、映像、音楽、脚本、演出。すべてがこのように才能を開花させている映画はやはり珍しいと思う。とはいうものの、当時観たときは(´78)わたしにとっては何がなんだかわからない映画であった。全然先の読めない映画であったし、理解不能な映画であった。にもかかわらず、ものすごくすきな映画であった。こうして年月がたってみると、やはり自分のベスト1は「タクシードライバー」だなと思う。今観てみると、きちんと計算された脚本であることがよくわかる。マーチン・スコセッシもこの映画を超える映画はやはり撮っていないと思う(「ディパーテッド」なんてあんなの…)。ベッツィを自分のタクシーに乗せていくら?と訊かれ、ガチャッとメーターを倒すラストシーンにはいつも惚れ惚れする。ベッツィもふり返らずに行ってしまう。この映画でロバート・デ・ニーロがすきになって、このあと彼の映画をずっと追いかけたが、いつもどこかに違和感がつきまとった。自分はロバート・デ・ニーロをすきなのではなくて、トラビスがすきなのだと10年以上もたってから気がついた。 
[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-05-21 10:31:49)(良:1票)
3.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
新春最初の映画はずっと観たいと思いながら未見だった北野監督の「キッズ・リターン」である。地上波深夜枠、CM入りまくり、画質も悪いという悪環境での鑑賞であったけれども、静かな牽引力にひっぱられ、最後までダレることなく緊張状態のまま観た。この映画のすべての人々に救いがない。「俺たち、もう終わっちゃったのかなあ」「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」とうそぶく若い二人にも救いがない。おそらく北野監督の歩んできた人生のなかのほとんどの人々が「救いのない人々」であり、彼はそれを肌で知っているのである。世の中の多くの人たち、殆どの人たちに救いがないという事実、現実をこんなにもあたたかく、残酷に描いた映画が他にあるだろうか。今やアメリカンドリームに毒されたわれわれ日本人につきつけられた挑戦状のようにさえ思える。わたしはこの映画を観て自分もこちらの側に立ちたいと切実に思った。それも一種の幻想といわれればそれまでだけれども。
[地上波(邦画)] 10点(2008-01-04 14:08:19)
4.  レネットとミラベル 四つの冒険 《ネタバレ》 
映画とは全く不思議なもので、観たあとすぐは興奮してよかった!と思っても日がたつにつれだんだん評価が落ちていくものと、観たときはそんなでもなかったのに自分のなかでどんどん存在が大きくなっていくものがある。この映画はまさに後者の典型。この映画はレネット(ジョエル・ミケル)という田舎育ちの少女とミラベル(ジェシカ・フォルド)というパリジェンヌの少女という対照的なふたりの物語です。レネットはフランス語で「りんご」、ミラベルは「あんず」という意味で、いってみれば、都会のネズミと田舎のネズミ的な構図。もっとも素晴らしいのは第一話の「青い時間」。まぎれもなくわたしがロメールの虜となった決定的作品。その作品は30分にも満たないのに極上の短編小説のような香りを漂わせている。「夜と朝の間には完全な沈黙が存在するのよ」と言い張るレネットに、それならといっしょに朝を迎えることを約束するミラベル。しかし翌朝、その沈黙が訪れるべき瞬間に車が通り、「沈黙」はかき消されてしまう。激しく泣きじゃくるレネットにミラベルはもう一晩泊まることを約束する。早朝、そっとひとりでベッドを抜け出すミラベル。そしていつの間にか彼女のあとにやってくるレネット。「青い時間」にミラベルがレネットを制して手をのばす場面は、映画史上最高の名場面。このときわたしはなぜかいつも泣いてしまいます。もう何度も観ているにもかかわらず。
[DVD(字幕)] 10点(2006-12-16 23:28:07)(良:2票)
5.  夏物語(1996) 《ネタバレ》 
もう何十回観たかわからないくらい大好きな映画。エリック・ロメールのなかでベスト3に確実に入る映画です。ガスパール(メルビル・プポー)がもうどうしようもないダメ男なんだけど、すごくキュートで、ソレーヌといっしょに車に乗っているところを見つけられたときのおどおどした顔がたまらん。しかもマルゴ(アマンダ・ラングレ)は鬼みたいな顔で睨んでるしねぇ。でもこの二人の会話が(ほとんど歩きっぱなしで会話会話の連続)いかにもフランス的でおもしろい。女性3人が3人とも怒って走り出し、ガスパールは必死で追いかける。それにしても性格(ほんと悪いよ)も容姿も一番劣っているはずのマルゴがとても魅力的なのです。歩き方や話し方、雰囲気…わたしがガスパールなら迷わず彼女ですね。ロメール映画ではいつものことだけれど、エンディングが秀逸。
[DVD(字幕)] 10点(2006-09-22 08:56:54)
6.  レイニーデイ・イン・ニューヨーク 《ネタバレ》 
アメリカでは劇場公開されなかった本作。そのようなスキャンダルはわきにおいて観てみました。この年齢でこんな映画を撮ってしまうなんてやっぱり凄い。あちこちにウディアレンの分身らしき人物が配置されているけど、いちばん驚いたのはギャツビーの母親でした。彼女のなかにウディアレンの本音が垣間見える気がした。ギャツビーのチェットベイカーの歌のピアノの弾き語りなどジャズ好きにはたまらないシーンだと思う。すれ違いばかりの恋人同士が最後にハッピーエンドになるラヴストーリーと思いきや、馬車の中でコールポーターのナイト&デイの歌詞を口ずさむギャツビーに「シェイクスピアね」と答えるアシュレー、それを聞いてギャツビーが馬車から降りるどんでん返し。わたしはなぜかすごく泣いてしまって、いままでは「アパートの鍵かします」を自分のベストラヴストーリー映画と思ってきたけど、それに負けないくらい好きだと思った。このスキャンダルがなかったら10点をつけていたかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-02-28 09:57:53)(良:1票)
7.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 
去年のアカデミー賞を観てからずっと、いちばん観たかった映画。同性愛の映画とひとくくりにできない愛情のこもった映画で、エリオが誰からも大切にされ愛されていることが映画全編にあふれている映画だった。たぶん嫌悪感を持つ人も違和感を持つ人もいるだろうけれども、この映画は単なる欲望の映画ではない。そして主演のティモシーシャラメとアーミーハマーの魅力によるところが大きく、彼らでなければ決して成立はしなかっただろう。映画の最初から不思議なオーラを放っていた父親が最後にこの映画のメッセージを伝えている。映像はとびぬけて美しく、わたしは大好きなエリックロメールの映画のシーンを思い出したりもした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-02-27 08:40:55)
8.  女神の見えざる手
今年観た映画のなかで、おそらくいちばん心を動かされた作品です。冒頭のジェシカ・チャステインのアップからひきこまれて一瞬も退屈な時がなく、最後のシーンまで一気に観ました。部下役のアリソン・ピルはニュースルームのときから好きだったけど、この作品のなかでも切れ味のある演技を披露しています。滔々とまくし立てていく脚本が本当に素晴らしく、それを受けてたっているジェシカ・チャステインに脱帽です。はりめぐらされた伏線も見事に回収されています。二回観ないとわからないかも。本国では銃の権利はデリケートな問題であるので評価は賛否両論とのことですが、日本人である私たちにはまっとうな映画だと思えます。他の国々の人もたぶんそうだろうと思う。時を経て高く評価される映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-11-02 07:34:39)
9.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 
自分にとってかけがえのないものを理不尽に奪われる。これ以上の不幸も悲しみもない。そんな運命にさらされたら、そのときひとはどうすればいいのか。ベンハミンとの関係もふくめてパブロがこの映画でいちばんすきかもしれない。最後のシーンのイレーネの笑顔(最高の笑顔は恋人にしかみせない)まで、見事に整合性が保たれている映画。似た映画がない。感服いたしました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-07-09 09:53:07)
10.  ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 
以前よりカルト映画として名高かったのでいつかは観たいと思っていた映画です。少年と老女の恋愛というとても難しいテーマだったので、観る前には多少の不安がありましたがそんなことは杞憂でした。ハロルドとモードの関係はとても自然なものでした。モードとハロルドの二人に共通しているものは紛れもなく「死」であって、自殺願望の少年が明るく天真爛漫なモードに癒されていくように思えて、実は彼は心の底で死を願っているモードに惹かれていたのかもしれない。映画の終わり近く、モードの左腕におそらくアウシュヴィッツでいれられたと思われる入れ墨がうつる。彼女にはもう家族おらず、戦争でなにもかも失って孤独であったに違いなく、80歳になったら死ぬことはずっと前から決心していたように思われる。しかしハロルドと知り合い、何か月かをハロルドと一緒に過ごしたことはモードにとって素晴らしい贈り物であったにちがいない。癒されていたのはむしろ彼女の方だったようにわたしには思える。しかしそのハロルドの恋心によってさえも、やはりモードを引きとめることはできなかった。今こうして書いていても感情が高ぶってしまう。忘れられない映画だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-07-22 16:17:47)
11.  ソーシャル・ネットワーク 《ネタバレ》 
アーロン・ソーキンの脚本ということで観ました。言葉と言葉が重なるような早口の応酬。言われた先から意味を考えなくてはならないし、同じようなシチュエーションでも服装が違っていれば時間軸が違っているわけで、いまどこ?と頭をフル回転させながらの鑑賞。わたしは面白かったです。途中からはマーク・ザッカ―バーグよりもエドァルド・サベリンに感情移入してしまった。ザッカーバーグのやったことは裏切り以外のなにものでもないと思う。天才はなにをしてもいいのか?才能のある人間は人を踏み台にしても許されるのか?ということがテーマなのかとさえ思いました。そういう意味ではまた何度かこの映画を観ることになると思うし、もっと年をとったら解釈が変わるのかもしれない。あるいはわたしがもっと若かったら、圧倒的にザッカーバーグに魅力を感じたかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-07-07 17:55:22)
12.  グッドナイト&グッドラック
「古き良きアメリカ」という言葉はよく聞くけれども、この時代のアメリカになぜか惹かれてしまうのはアメリカ人だけではないと思う。もちろんこの時代にも様々な問題があり、黒人の人たちにはまだ選挙権もなく、女性の地位も低かった。それでもケネディ大統領までのアメリカにはまだ良心、あるいは知性といってもいいかもしれないけれども、それがあったと思う。もちろんそれがあればこその黒人の選挙権獲得、女性の社会進出があったわけだけれども。まるで少年のようなアメリカ。ベトナム以前のアメリカ。ある意味すごくピュアなアメリカが、エド・マローとともに描かれている。モノクロ画面の美しさ。デヴィット・ストラザーンのしんとするようなかっこよさ。指が焼けるのではとはらはらさせられるタバコのシーン。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-09-19 13:09:11)
13.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
好き嫌いの分かれる映画なのでしょうね。わたしはライアン・ゴズリングがこんなシリアスな演技ができるなんて思ってもいなくて、どんどん惹かれました。ちょっと「タクシードライバー」を思わせるところもあって、タランティーノや北野を思わせるところもあって、でも映画全体に流れる空気感はまた全然違っていて、今までにない映画だと思う。黒にスウィートピンクの筆記体で文字が出るのもなんかすごくいい。わたしが一番好きなシーンは、スーパーから出てきたライアン・ゴズリングがスーパーの紙袋を車の上において振り返って歩きはじめる場面。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-04-25 10:23:33)(良:3票)
14.  奇人たちの晩餐会
フランスのコメディがこんなにも面白いのかと驚いた映画。正統派のコメディ。ダレるところがなくてどんどん話が進んでいく。自分がバカの晩餐会の客だと知ったあとのピニョン、知られたあとのプロション。2人の演技に思わずほろりとさせられました。あと、わたしの大好きなカトリーヌ・フロが愛人役ででているのだけれど、まだ若くてすごくみずみずしい。この映画では出番は少ないけれども、やっぱりいいなあと再認識しました。
[DVD(字幕)] 9点(2012-11-08 11:40:41)
15.  キサラギ 《ネタバレ》 
すきですね、この映画。そうとしかいいようがないくらい面白くて、楽しかった。演劇っぽいのは承知のうえの映画化なのでしょう。争う場面などを上から撮って映画でしかできない絵を作るなどの工夫は見られたけれども。個人的には小出恵介があんなに芝居がうまいとは知らなかった。ただのアイドルだと思っていた。すみません。香川照之はいうまでもなく、役者陣がみな素晴らしかった。間の取り方が全員最高。脚本も練りに練られていて、最後の方、ぱりっと決めている家元が実は警察内では苛められていてミキを心の支えにしていたことなどがさりげなくワンショットで明かされているところなど、本当に芸が細かいというか、すごい。そしてなぜか観たあと元気になりました。なぜかわからないけれども。でもそれこそ映画の使命とも思えます。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2009-05-18 23:38:19)
16.  4ヶ月、3週と2日 《ネタバレ》 
ルーマニア映画。ルーマニア語の映画を観るのははじめて(多分)。共産主義時代の1987年を舞台としており、そこここに共産主義国独特の空気が漂っている。この映画は小説でいえば斉藤美奈子いうところのいわゆる「妊娠小説」で、妊娠したルームメイトを助けようとする女性を描いている。ただしこれまでは「妊娠した女性vs妊娠させた男」の構図で描かれたものが多かったと思うけれども、この映画では妊娠させた男は出てこず、出てくる男性は手術を行う男と、助けようとするオティリアの恋人である。この映画のすごいところは言わない科白がガンガン心に伝わってくるということ。話していることよりも話していないことが大切だった。手術の途中、オティリアは恋人の母親の誕生日パーティに行かなくてはならない。そこで恋人と口論になる。私たちは彼女が今どんな状態に置かれているかを理解しており、恋人は全く何も知らない。自動的に私たちは決定的に彼女の側に立たされる。恋人とオティリアの会話のなかにかすかに真実が垣間見える。緊張のシーンが多い中、この会話のシーンが一番心に残った。数日が経過してもまだオティリアの顔がちらつく。映画として文句なしの傑作と言っていいと思う。 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-03-26 12:03:22)
17.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
やはりヒース・レジャーが直後に亡くなってしまったということで、感傷なくしては観ることができませんでした。これほどの俳優を失ったという悔しさ。けれどもそれを乗り越えて、この映画に新しいハリウッドの映画のあり方を教わった気がする。「バットマン」というアメコミヒーローモノの映画でありながら、純文学の香りさえ漂わせている。ジョーカーが逆さづりになって毒づく場面にはやられたと思った。人間の弱さ、哀しさ、勇気、強さ。こういう映画の作り方ができるのだ、それこそが王道だと思わせられた。「メメント」以来ノーランのファンであるけれども、この映画は今のところ彼の最高傑作といえると思う。
[DVD(字幕)] 9点(2009-01-30 13:23:49)
18.  満月の夜
「二つの妻をもつのものは心をなくし、二つの家をもつのものは分別をなくす」という格言から始まる。そしてくすんだブルーの縁取りのアパートが映し出されるのだが、このアパートがまたまたとても前衛的でおしゃれ。映画の印象はただただもうパスカル・オジェの美しさとモンドリアンの絵につきる。あらすじをいえば、レミ(チェキー・カリョ)と同棲していてものすごく愛されているルイーズ(パスカル・オジェ)が、パリに別に自分の家を持ち、愛情の束縛から逃れようとし、かつあふれんばかりの愛情に飢えるという逆説的な物語。わたしはこの映画を最初みたときあまりすきではなかった。パスカル・オジェの容貌やファッションなどとても奇異に感じた。しかし時間が過ぎるとまた観たくなり、観るたびにすきになる映画。パスカル・オジェは1958年生まれ。この映画を撮った年に25歳の若さで亡くなっている。そのせいか彼女には不思議な儚さ、透明感が漂っていて、惹きつけられる。この映画でヴェネツィア映画祭主演女優賞に輝いています。 
[DVD(字幕)] 9点(2008-07-20 10:22:11)
19.  ザ・マジックアワー 《ネタバレ》 
不覚にもエンドロールで涙がとまらず、椅子から立ち上がれなかったです。泣きどころではなかったですね。でもなぜ涙が止まらなかったかというと、邪道ですが三谷幸喜の映画に対する愛情の深さに泣かされた…ということに尽きると思います。最後に「監督・脚本 三谷幸喜」ではなく、皆と一緒に「監督と脚本 三谷幸喜」と出たあたりからジンときてしまいました。映画はみんなで作っているんだ!という彼の精神の表れだと思う。柳沢慎一扮する高瀬が「わたしだってマジックアワーを待っている」というくだりは、まさに三谷節健在。美術はもう文句なしに素晴らしかった。今回の三谷幸喜はとってもビリー・ワイルダーでした。
[映画館(邦画)] 9点(2008-07-07 01:08:28)
20.  まあだだよ 《ネタバレ》 
黒澤監督はこれが遺作だともちろんわかって撮っていたのだろう。題名が題名だもの。人生の最後にきて内田百閒。それでも、天下の黒澤監督をもってしても、内田百閒の魅力を描くのは難しすぎたのかもしれない。内田百閒は難しいなあ。どうしてまたあんなに頑固で我儘で、鬼のような怖い顔をした子どものような男をみな愛するのであろうか。内田百閒を読破してからこの映画を観たら、楽しくて楽しくて仕方ないだろう。だがそれでは映画としては成立しているとはいえない。ただノラが失踪して、先生が捜してくれた皆に礼を言う場面。先生の言葉に奥さんが思わず泣き出すシーンが秀逸だった。こんな繊細な感情を私は言葉では説明できない。このような感情を、果たして、たとえばアメリカの人は理解できるのかな?と思った。やはり黒澤…と寒気がした。マニア向けの映画ということで、この点数を。
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-14 18:58:34)(良:1票)
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