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ただすけさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 14
性別 男性
自己紹介 しばらく投稿はお休みしておりました。今のところ、再開できるかどうかもわかりませんが、とりあえずわたしの最も愛する作品のレビューを復帰記念として。

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1.  絶対の愛
監督、申し訳ありませんでした! 「悪い男」のレビューで、浅はかにも「いまだによくわからない」などと申してしまったことを深く深く恥じ入っております。 とはいえ虫が知らせたとでもいうのでしょうか、点数だけは10点を捧げておいたのはせめてもの救いでした。もう戯れ言は申しません。ギドク監督、あなたは当代随一の天才監督であります。 本作は安部公房氏の傑作小説「他人の顔」を下敷きにしているであろうことは想像できますし、勅使河原宏監督のそれと類似のカットさえ散見いたしますが、本作の世界はモノスゴイところへと行ってしまってます。 よくある韓流映画とはゼンゼン別ものです。これに比べたら「殺人の追憶」も「オールドボーイ」もかすんでしまいます。もしかしたら今、最も面白い作品を撮る監督かもしれません。 非常に僭越な言い方をしてしまえば、映画の作法も以前より洗練されています。意味深い細部に象徴された数々のテーマが絶妙な反復によって、より具体的に観客の心をえぐる手腕にはほとほと感服してしまうのですが、もちろん見ているあいだはそんなことなど考える余裕などなく、ただただ映画世界にもっていかれてしまうだけです。ものすごい快感。こんな快感を与えてくれる映画は久しぶりです。 本作はかなり重いテーマを扱っていて、ギドク監督らしい「痛さ」に満ちてもいますが、監督のもう一つの持ち味でもある「ユーモア」にも溢れていて、鑑賞後に辛くなることはありません。今風の言い方をしてしまえばアイデンティティー・クライシスさえ描いているのに、妙な清々しさがあるのは監督の眼差しがあくまでも暖かいからです。不条理な人間社会。その不条理をもたらす人間の「業」を当然のものとして肯定してしまうギドク監督の「絶対の愛」は、傑作ファンタジーとして映画史に名を残すことでしょう。諸君!劇場へ急げ!
[映画館(字幕)] 10点(2007-03-26 11:29:30)(良:2票)
2.  ココシリ 《ネタバレ》 
チベットの高山地帯に生息するチベットカモシカは高級毛織物の原材料になることから、密猟者による乱獲が続き個体数が100分の1に減少したという。この映画は険峻なチベットの山岳地帯を舞台に、武装した密猟団とそれを阻止しようとする民間のマウンテンパトロール隊との壮絶な抗争の物語である。冒頭、捕縛された隊員が密猟団によって射殺されるシーンは、これから始まる戦いが、非情にして過酷を極めることを暗示するものの、観客が体験しなければならない現実は想像をはるかに超える熾烈なものである。90年代に起きた実際の事件を元にしているとはいえ、神々しいほどの山岳風景を背景に貧困と民族の誇りをかけた戦闘描写は息詰まる緊迫感の連続であり、第一級のアクション映画に仕上がっている。チベット民族の代弁者でもあるパトロール隊のリータイ隊長以下、隊員の青年たちは零下20度近い砂漠のような氷山のような舞台で泥だらけになりながら密猟団を追う。数々のアクシデントに見舞われ次第に疲弊していきつつも最後まで諦めない彼らに、ハリウッド的ではない真の男の姿を見た。1949年に始まった中国によるチベット問題が背景に存在していることを考えると、監督をはじめこの映画に携わっている人々がチベット民族である意味合いがことのほか胸に迫る。終影後の客席からは圧倒された観客たちの言葉にならない呻きが伝わってくるようだった。
[映画館(字幕)] 10点(2006-06-26 12:28:10)
3.  サイドウェイ
人生の折り返し点を過ぎてしまった男としては思わず涙腺が弛みますね。それもワンワン泣くというわけではなく、じわーんとこみあげるような上品な感涙。主人公たちはほとんど私と同世代です。夢の実現などほんの一握りの人間にしか許されないことがわかってしまった年齢でもあります。世間が認めてくれなくても一人でいいから認めてくれる愛しい人がいればとりあえず生きてゆける。それが幸せというものだし、そう思うしか生きてゆくすべはないのかもしれません。辛いよね。辛いけど生きているだけハッピーだと思わなければいけないのでしょう。多くの男はマイルズのようにアキラメを繰り返して、たまにはキレたり、アルコールやプロザックを手放せなかったりしています。そのうちアキラメることにも慣れていくんでしょうな男もそして女も。人生をそこはかとなく肯定する意味合いに満ちた結末には味わいがあります。余談ですが、アジア系の彼女は現実にペイン監督の奥さんだったそうです。ス、スゴイ。1点プラスしちゃいます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-16 16:10:48)
4.  春夏秋冬そして春 《ネタバレ》 
実はキムギドク監督作品の中で最初に観た映画。これを観たことによって他の作品の後追いをしたわけだから、私にとってある意味記念碑的な映画であります。と言ってもやっぱりキムギドク監督、いまだによくわからない。「悪い男」にも書いたので詳しくは省くが、やはりなにか紙一枚ずれているような気がする(悪いというわけではない)。本作も韓国の仏教世界を題材にしているわりにはなにか東洋以外の香りがきこえてくる。もちろんドイツとの共同制作だから当然なのだろうが、この監督自身の「味」というほかはなさそうだ。溝口健二監督も持っていたような香りに近いかもしれない。東洋的とも西洋的ともいえない妙なエッセンスは初見のときは驚いたなぁ。輪廻転生を象徴する数々の小動物のシーンはディズニー映画「砂漠は生きている」のようだったし、生々しいセックスシーンには魚が交わるような変なファンタジー感が漂っている。ファンタジーといえば湖面の祠堂がゆっくり回転していることに気が付いたときにはやるなぁギドク監督と思ったね。仏教世界に通じている人にとってはテーマもストーリーも正直目新しいものではない。ただ、数々の小さなエピソードを包む監督の演出装置があくまでも愛に満ちているのが好ましい。でもやっぱりこの監督のことはわからないなぁ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-12 00:59:40)
5.  悪い男 《ネタバレ》 
キムギドク監督ってのはいまだによくわからないなあ。なにか変な魅力があるのは事実だし、どこかに才能はあるような気がするけど。少なくともストーリーテラーではないな。演出の才能もあるのかどうか。「春夏秋冬」でもどっきりするような場面や映像はあるにせよ、なにか紙一枚ずれているような、ツボをはずしているような。もちろん意図的だろうけれど。 本作では、チョ・ジェヒョン演ずるマゾヒステティックやくざの、純な女の子に対するとんでもなく屈折・倒錯した愛情を描いているのだが、到底尋常な人々の支持を得られるものではないだろう。かといって変質者の異常性欲犯罪という切り口でもない。異常なことは異常だが、変に暖かいのも事実だ。マゾ的趣味に関してはだいぶ徹底してもいる。敵方のやくざが大きいガラス板を切り出し、身の丈もあるほどのナイフを作り、腰溜にしてジェヒョンの腹部を突き差し、そのままひねってバリバリとガラスが割れるシーンでは観ている私も呻き声を上げた。女が自分の位置まで堕ちてこなければ愛せないロクデナシ男の気持ちはわからないでもない。ラストのその根性は純粋で無垢な愛の極限かもしれんなぁ。ジェヒョンの目がいい。獰猛な中にうさぎのような無垢を秘めた表情は寒気がするほどだ。この変な魅力はなににも似てない。
[DVD(字幕)] 10点(2006-05-11 00:53:53)
6.  ターミナル 《ネタバレ》 
なーんだ「お化け屋敷」だったのですね。空港そのものがお化け屋敷全体。トムハンクス鬼太郎を筆頭にスタンリー・トゥッチぬらりひょんなど多彩なおばけたちがいます。目玉のオヤジも当然います。ただしインド人ですが。仕掛けは人種問題、国際問題、人情、不倫、恋愛などこれまた多彩ですが、仕掛けだけに腰を抜かすほどには恐くありません。お化け屋敷のテーマはいうまでもなくお客さんをちょい怖がらせて、入場料をいただくこと。あんまり怖がらせすぎて心臓でも止まったりしたら訴えられますから、ほどほどが気が利いています。ただし入ろうかどうしようか迷っているお客さんのためには、小屋前に飾られてあるノボリがいやが上にもご来場をソソリます。「涙もののヒューマンおばけ」「小屋全体をセットで新たに作りました」などなど。思えば、この監督さんの作品はぜーんぶお化け屋敷。おばけトレーラーが逃げても逃げても追ってきたり、おばけUFOが光と音楽仕掛けで驚かしてくれたり、挙げ句の果ては戦争現場全体をお化け屋敷化したりもして、そりゃーもーたいへんです。仕掛けはおおむね似てはいますが小さいバリエーションはあります。戦争のむなしさとか、ユダヤ問題だとか、無垢への愛だとか、正義だとか、友情だとか・・・。でもテーマは一緒です。お客さんをちょい怖がらせて(喜ばせて、泣かせて)木戸銭をいただくこと、この一点です。今回の見せ物小屋は少し笑ったので木戸銭分はありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-08 01:29:16)
7.  プロデューサーズ(2005) 《ネタバレ》 
いやー久しぶりに映画の濃いーところを堪能しました。封切でこんな楽しい思いをしたのは何年ぶりでしょう。私は68年のオリジナルもブロードウェイ・ミュージカルも未見だったので、メル・ブルックスの新作をほとんど予断なく体験することができました。素晴らしいショウです。爆笑のコメディでもあります。よくできたコメディがそうであるように、この作品も社会風刺に裏打ちされています。出演者は舞台とほぼ同じということですが、彼らによる歌と踊りはパーフェクトだし、おかまの振り付け師はじめ突出したキャラクターは抱腹絶倒です。上映中に何度拍手したかしれません。もちろん最後のアノ場面では大拍手を捧げましたよ。ただし他のレビュワーの方も書かれているように「オペラ座の怪人」や「レ・ミゼラブル」のような上品さはありません。ラブロマンス度は希薄です(むしろほとんどギャグのレベルと言っていいでしょう)から、浸って泣きたい方には不向きですね。地獄のマシンガンのようなギャグ(?)と完璧な身体表現、怒涛の楽曲の数々に身をゆだね、ひとしきり浮世の辛苦を忘れるのが正しい鑑賞法です。観終わったあと、きっとあなたはこの映画に祝福された幸せを味わうことでしょう。 
[映画館(字幕)] 10点(2006-04-22 23:23:46)(良:2票)
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