1. ロッキー
《ネタバレ》 50歳を超えたころから他人との接触機会が少なくなったり、かつてのような煩わしさが減った反面、熱い感情の共有も減ってしまっている。そこにコロナ禍が重なり、ますます他人との接触は、静けさとともに寂しいものとなっている。 そんな時、ふと本作の、特にエンディングが見返したくなった。ビルコンティ作曲の名曲「The Final Bell」とともにアポロと15ラウンドに及ぶ激戦を終えたロッキーは、勝敗よりもエイドリアンを抱きしめる。 なんと熱く感慨深いシーンだろう。完全に戦っていたことの主旨をそっちのけにしているにもかかわらず、ロッキーとエイドリアンの思いに共感することこの上ない。やはり、熱い思いや他人への愛を思い出したいときに見返したくなる名作である。公開から46年も経ってるのにね。 余談だが、本作は脚本・演出・主演の三役をシルベスター・スタローンがこなしているわけだが、思うに最後、ロッキーがアポロに負けるという脚本が名作たらしめている所以と思う。スタローン自身、本作に全てを賭けてハリウッドを説得したのに、よく負けシナリオで制作したなと感心する他ない。やはり、成功する人は、人知れず努力を怠らず、また大勝負もしているってことですね。 [地上波(吹替)] 8点(2022-07-17 17:03:00)(良:1票) |
2. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 TOHOウェンズデーにて鑑賞。通常1,900円のところ1,200円でしたので36%OFFでおトクでした。次は、MX4Dとやらで是非。 前作のグースとのエピソードを軸にした展開は、前作ファンならもちろん、前作を知らなくても自然に引き込まれていきます。一方、バーのオーナーであるペニーって誰?って状態で、最後まで思い出せなかったのですが、前作にも出ていたのですね。失礼しました。 前作では、養成学校の生徒達が主人公であったのに対し、今作では副題からもわかるとおりマーヴェリックが主役となっています。 さすがに前作から36年が経過し、トムクルーズも相当いい年齢になっているし、身体を張ったリアリティある内容は引き込まれるものの、無理も感じました。この点、個人的にはトムクルーズは教官に徹しながら生徒を育て、叱咤激励しつつも生徒の成長を信じて、最後は生徒達だけで困難なミッションをクリアーする、といったストーリーの方が若手の俳優を育てる意味でも、シリーズ化して興行的に成功を継続する意味でもよかったのでは、と感じました。 とはいえ、今作の生徒達も、トム教官とともに身体を張ったリアリティある(極めて過酷な?)撮影に挑み、感動的なヒューマンドラマを作り上げています。ご興味ある方は、是非ご覧ください(1,200円は安かった)。 最後に、36年も待たずに続作を製作していれば、様々な角度から面白い展開もできたのでは?と感じつつ、でも製作費がベラボーになり難しいんだろうなぁとも感じたり…(海軍や空軍の多大な協力もないと出来ないでしょうし)。 また、トムクルーズの年齢、体力面を考慮すると、次回作は生まれないと思います(失礼!)。そういう意味から今作の希少性を感じました。 (敬意を表して)トム教官、大変お疲れさまでした。大変な意欲作、ありがとうございました! [映画館(字幕)] 7点(2022-06-08 17:46:02) |
3. 君の名は。(2016)
《ネタバレ》 よくある入れ替わり系であることだけ事前に認知済みにて鑑賞。で、お互いの生活が(普通に?)送れるわけないだろ!ってところを皮切りに、ツッコミどころを上げればきりがねーやと思いつつ、入れ替わり後のシチュエーションを理解したうえで、お互いにメッセージを送り出すあたりからほほえましい印象。ここら辺から、クライマックスまではテンションは増加の一途。反面、その後の「何かを覚えてるけど、ほとんど思い出せない。一瞬の夢に囚われている感覚」って心情なんだろうなと思うものの、ただし恋愛感情にまでは発展するか??って、違和感。個人的には、ラストで「やっと俺が(私が)会いたいと思ってた人に会えた!あー、すっきりした。」って表現でよかったのでは、と思いますが、それじゃ興行的には成功しなかったでしょうね…。東京・四谷にある階段は聖地となり、大勢のカップルが訪れてますものね。なるほど大ヒットしたわけだ、と一人納得。クスリと笑いながら、あがいてもがいて、でも最後にすっきりしたい時にまた観たいと思います。 [地上波(邦画)] 7点(2019-07-04 20:21:18) |
4. 永遠の0
《ネタバレ》 「逃げ回っていた」「臆病者」と言われた祖父の本当の生き様は、それらとは全く異なるものであり、誰よりも戦争の無意味さを説いていたと思う。一方でこの物語の最大の鍵である「何故、宮部は特攻を志願し、死んだのか?あれほどまでに生きろ!と説いたのに…。」ということについては、自ら指導した教え子たちが特攻などで死んでいくことに対する慚愧の念に堪えず、さらに最後に見せた微笑みは教え子に対する贖罪として死を迎えることができることの表れと捉えた。 戦争の酷さ、死んでいった者への贖罪、殺した者への悔恨、残された者の悲惨さそして悲しみなど多くの思いが散りばめられた作品だと思う。宮部教官に伝える言葉があるとすれば、あなたの孫をはじめ家族にはあなたの生き様そして伝えたかったことの多くが伝わりましたよ、ということか。 [地上波(邦画)] 8点(2015-08-01 17:50:31) |
5. 風立ちぬ(2013)
「美しい飛行機を造りたい。」という少年時代の夢はそのままに、しかし戦争、そして最後は最愛の人を病で失ってしまう。戦闘機という多くの尊い人命を理不尽に奪い去る殺人兵器を設計し、さらに最愛の人の最期にも立ち会わず…。鑑賞後どうにも受け入れ難い感情しか残らなかった。菜緒子が二郎のもとを去る際に見せた顔の輪郭と姿勢に、愛する人への限りない愛情と決別が見て取れ、またその菜緒子に向って号泣する加代に心打たれた。幼いころの自分の夢と現実の乖離に主人公は葛藤しなかったのだろうか?「生きねば」…?。零戦そして戦争で理不尽にも命を奪われた人々こそ、本当にそう願ったんだろう。 [地上波(邦画)] 4点(2015-03-08 10:49:45) |
6. 千と千尋の神隠し
ふと改めて観たくなり、DVDにて観賞。初めて観たときにはストーリーとこの映画の訴えることともに???だったが、その後のジブリ作品でさらなる退屈と「なんじゃこりゃ?」状態をこれでもかと味わっていたためか、今回案外すんなりと受け入れられた。物語のターニングポイントは、銭婆に契約の印鑑を返しに行くと自分で決意したところ。それまでは「働かせてください。」と言ったところでそれはハクの入れ知恵によるものであり、純粋に自分の意志で伝えたものではない。そう、この映画は一人の少女が自らの意志で行動していく課程を描いたものであり、そう捉えると実に納得。元の世界に戻った後、千尋がこの世界のことをはたして覚えているかどうかが興味深いところ。 [DVD(邦画)] 7点(2014-07-31 08:31:48) |
7. ホビット/竜に奪われた王国
王国を取り戻すことが目的であるはずなのに、そもそもドワーフを唆したガンダルフは、”新たな敵”と対峙することとなりどうにも物語の行く末がボケて来ているように感じる。主人公たちであるドワーフに肩入れしようにも、行く先々で「欲深な…」と罵られ、結局あの財宝をみればその表現もあながち間違ってないかも…と感じて、さらにう~ん…。ロードオブ…同様、三部作なのかはたまたそれ以上かわかりませんが、物語の落としどころは回を重ねるごとに不透明さを増してますな。 [DVD(吹替)] 5点(2014-07-13 14:37:05)(良:1票) |
8. ゼロ・グラビティ
DVDにて鑑賞。冒頭からの壮大なスケールの映像に圧倒、やはり映画館でそれも3Dで観るべきだったかと思いつつ、しかしながら徐々に疑問符を感じる。スペースシャトルに乗組員はいたが、何故ISS(国際宇宙ステーション)と天宮(中国の宇宙ステーション)に乗組員がいなかったのか?神舟での大気圏再突入の際、大した角度調整などもせず、それで大丈夫なの…?まあSFなんだからリアルを求めること自体ナンセンスといえばそのとおりですが、一度疑問符が付くとすんなり受け入れられませんね。すごい映像技術に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2014-07-06 10:51:29) |
9. グラン・トリノ
《ネタバレ》 う~ん軽い衝撃。CGは皆無で、ピンボケしたような画面、金の掛かっていないロケ地とセット(グラントリノだけピカピカですが)、頑固オヤジで家族から疎まれている主人公…。序盤こそたるいな~…でしたが、ウォルトがタオに絡んだ札付きを追い払い、スー始め一家から感謝され始めてからは徐々に引き込まれました。それにしてもヒューマンドラマは魅せますね!地下室から小汚いフリーザーを引き上げるだけなのに、タオとウォルト2人の心情の変化が実に心地良く響きました。ウォルトは、朝鮮戦争での自ら犯した罪にずっと囚われ、死に場所を探すだけの人生だった?いや、頑固オヤジとは程遠いくらいタオ始め一家に様々なことを伝えてたのが実に印象的でした。気がついていたか?ヤムヤムはずっとお前のことを見ていたんだぜ。気持ちのこもった作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-12 22:46:31)(良:1票) |
10. ルディ/涙のウイニング・ラン
《ネタバレ》 観たい観たいと思いつつ、ようやく観賞できました。ノートルダム大への編入最終試験で、「神様、ありがとう。」と静かにつぶやくシーンは、素直に「良かったな。」と。アメフトの最後の試合に出られそうも無く、あきらめかけた時に一緒に仕事をしていた黒人より「俺は、黒人は試合に出してもらえないと思っていた。今でもそのことを後悔しない日はない。」と言われようやく目覚め…。そう、ルディ君のあきらめない姿勢はすばらしいですが、それを支え認めてくれた人たちも同等にすばらしいですね。最後の試合が終了した時、あの黒人の見せた笑顔が最高!でした。あ、最後の試合でクォーターバックサックとならなくてもルディ君の努力と功績は、少しも価値が変わらないと思いますよ。 [DVD(吹替)] 8点(2012-01-14 16:49:17) |
11. グリーンマイル
《ネタバレ》 ジョンの持っている力とそれによって起こる数々の出来事は、思わず「おぉ。」と感動してしまいますが、ジョンへの刑の執行は主人公ポールとその同僚と同様に悲しさ・切なさで一杯です。それにしてもその後のポールの人生はいったい何だったのでしょうか?無実と知りながらも、あるいは幾つもの奇跡に助けられたにもかかわらず刑を執行したことに対する罪の意識にとらわれ続けたのでしょうか?刑執行後の約60年間はあまりにも長すぎ、さらに愛する家族や友人に先立たれてもなお生き続ける彼の人生は、あまりにも悲しすぎます。もう少しストーリーに工夫があっても良かったと思います。 [地上波(吹替)] 6点(2008-05-11 12:49:50) |
12. カーズ
数あるピクサー作品の中で一番最初に観たのは、実はこの作品です。確かに擬人化した車たちには最初戸惑いましたが、様々な登場人物をいろいろなエピソードで登場させているので、ついストーリーに熱中してしまいます。ルート66のエピソードは、いわゆる”古き佳き”しか連想できませんが、ラストのレースシーンは予想しつつもジーンと来るものがありました。結局、レンタルを返し終わるまで、子供と3回観ました(^^;。個人的には今のところ№1inピクサー作品です。 [DVD(吹替)] 9点(2007-06-26 08:22:07) |
13. モンスターズ・インク
すごいCG技術。サリーやマイクの質感もさることながら、特に感心したのはその感情を表情や身体で表現するときのスムーズさ!子供と一緒に観てましたが、いつの間にか子供以上に熱心に観てました(^^;。実に感情豊かで暖かくなれる作品ですね。 [DVD(吹替)] 8点(2007-06-26 08:12:36) |
14. レイダース/失われたアーク《聖櫃》
冒険ものの作品の中では、ドキドキ・ワクワク感が抜群で夢中になって観てました。ところで、インディシリーズでは一貫して宗教に関連する宝が登場するため、「少しは勉強しようかな。」という気にはなるのですが、情けないことにほとんど実現できてません。 [映画館(字幕)] 8点(2007-03-13 08:31:55) |
15. 魔女の宅急便(1989)
ショートストーリーを実に小気味良くまとめている作品。特に、キキが飛べなくなったことやジジの声がわからなくなったことに対して、”いかに乗り越えたか”という点に共感できる。その意味で、観終わった後にキキの成長を実感して素直に喜べると思います。いつか子供と一緒に観たい作品です。なのですが、キキの旅立つシーンで「でもディスコはあるでしょう?」というセリフに、「ディスコって何?」って訊かれたら…。あぁ…、時代の流れか…。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-03-12 12:47:25) |
16. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 巷での評判が随分良かったので、何年かぶりに映画館で観ました。決してハッピーエンドだけでは無く、ほろ苦さも含ませて様々なエピソードを綴っているのは原作どおりかな、という印象です。多くの方のレビューにあるとおり、堀北真希、薬師丸ひろ子はすばらしいと思いましたが、個人的にはもたいまさこの渋い存在感が気に入りました。エンディングでは、評判通り周囲のあちこちからすすり泣く声が…(^^;。こんな映画もあって良いと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2007-03-09 08:28:17) |
17. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 父との”キャッチボール”に対する後悔と秘めた想い。今、”父親”という立場になってこの作品を振り返ると、独身の時に観た時とは違った感覚を覚えます。佳作。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-03-01 08:33:21) |
18. ワーキング・ガール
公開当時にレンタルビデオで借りて観ました。上手くできたサクセスストーリーに感心し、その後、元気が欲しいときによく観ました。実際、社会人となってテスと同じような活躍を夢見ながら叶わないのが悲しいですが…。よくマッチングした主題歌に+1点です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-02-20 12:43:39) |
19. 遥かなる大地へ
《ネタバレ》 今思うと最後はこじつけっぽいのですが、公開当時に観た感想としては爽やかな後味が印象的でした。少し甘めの点数と思いつつも、当時の甘酸っぱい思い出とともに評価させて頂きます。 [ビデオ(字幕)] 9点(2007-02-15 08:35:18) |