1. マグノリア
《ネタバレ》 個人的には傑作だと思いますが、生活面でのディテールや登場人物の発想がアメリカ的な特徴を強く(全くハリウッド的でないくらいに強く)帯びているため、やや感情移入しずらい面もちょっとあるかなという気はしました。 アメリカ的ユーモアが生み出した傑作なので、仕方のないことではありますが。 「愛」についてユーモアに満ちた視点で真剣に語る映画、という意味では間違いなく傑作だと思いますが、ストーリーとしては最後に煮詰まったんでしょうかね。各ストーリーが収束に向かいつつも交錯しきれずに「いつこの映画は終わるんだろう?」という疑念がふつふつと湧いた頃にカエルが降ってくると。 文学的に言えばこのアクシデント?はカタルシス(浄化)だと言えなくはないですが、これで登場人物達の苦悩が「浄化」されたというにはちょっと弱いかも(司会者の命は救いましたけどね)。 ということで多少減点ですが、人間にとって価値ある映画だと思うので8点。 ちなみにトム・クルーズの演技は良かったですが、あのキャラで女にモテるという設定はかなり微妙な気が・・。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-02 02:26:11) |
2. シベリア超特急
見終って最初に思ったことは「かたせ梨乃がかわいそう・・」。大女優がなぜこんな映画に出てしまったのか?これも水野マジックか?観ている方もとても恥ずかしいのに、本人はさぞや・・。合掌。 [DVD(字幕)] 0点(2007-02-11 17:34:19) |
3. ピーター・グリーナウェイの枕草子
グリーナウェイ監督の作品が好き&見慣れている人にとっては、この映画はわりと普通に観られるかも。そうでなければかなりキツいかも。この作品は映画としてではなく「動く現代美術」として観ないといけません(要は映画になってない)。個人的な感想としては、いつもクールなグリーナウェイが、本作では燃えるような情愛を描いていて、やや観念的で単純すぎるきらいはありますが、息苦しくなるほどの情念を描くことにけっこう成功していると思います。個人的には傑作だと思ってますが、他人にお薦めできる気はしないので6点。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-02-11 17:07:34) |
4. レストラン
《ネタバレ》 公開時に観てから久しぶりに観直しました。小粒ですがたまに観たくなる佳作です。脚本家と監督が(当時)新鋭というか駆け出しで、"プロを目指す若者達の青春群像"という内容が自分達と重なるせいか、細部の演出やセリフが思いのほか生き生きしてます。脚本にも舞台にもニューヨークの雰囲気がよく出ていて、ハリウッドが嫌いという人にはちょっとお薦めです。 ただ、人種差別の問題がかなり深くテーマに組み込まれていて、途中まで恋愛映画だと思って観ていると意外な結末にかなり戸惑うかも。このへんは脚本家が商業的に徹しきれなかったんでしょうか。まあそれはそれでこの映画の魅力ではあるわけですが。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-11 06:16:17) |
5. マンハッタンで抱きしめて
《ネタバレ》 個人的には非常に好きな映画。ストーリーも結末もとりとめがないため、「映画」としての完成度はどうかと思うが、内容的には文学作品に限りなく近いため、その点は仕方がないと思う。 一方、文学小説(特に中篇)を読みなれた人ならほとんど違和感なく観賞できるのではないだろうか。 一人の女性の心が救われるまでの話、といった内容で、ストーリーを強制されられることもなく、瞬間瞬間の気持ちの動きに身を委ねるだけでよい映画なので、個人的には、精神的に疲れたときに観るとたいへん癒される映画である。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-06 13:40:16) |