1. トップガン マーヴェリック
こんな物をありがたがり、高い評価をする自称「映画好き」の人達。「敵基地攻撃能力」という字面に何の違和感も感じないんだろうな。30年前と同じ、怒らせてくれたことに1点。 [ビデオ(字幕)] 1点(2023-05-16 00:55:41)(良:1票) |
2. 大日本人
《ネタバレ》 予備知識なし、レビューも一切読まずに観た。松本人志の笑いは大好きだが、どちらかといえばタケシ派の私が、かなり楽しめた作品。CGも結構緻密だし、大日本人への変身シーンはかっこいいとさえ思えた。獣のデザインもセンスのあるバカさかげんだし、ヴァンダレイ・シルバみたいな赤い獣も好きだ。四代目の、古い写真や映像のなかの丁度良い巨大さ加減や、手形、草履などの描写でわくわくするような痕跡をのこすなど、かなり細かい作業をしていると思う。一方、人間大佐藤の悲しいオッサンぶりが良い。スポンサーに話題の会社をもってきたり、TV欄の深夜枠の「大日」とう表示が悲しくて笑わせる。しかしラストで全てを思いっきりぶち壊してしまうのは、お笑い芸人の性か・・・気持ちは想像できるが、映画作品としては、やってほしくなかった。でも、こちらのレビューで何人かの方が触れておられる北朝鮮とアメリカと日本の比喩では、という解釈には脱帽。 [DVD(邦画)] 8点(2020-09-11 14:08:01) |
3. 貞子vs伽椰子
《ネタバレ》 ゴジラVSガメラ。鉄人VSアトム。キムタクVSフクヤマ。そして、貞子VS伽倻子!決して同一画面上に存在してはならないお約束が破られた。 まさに夢の対決!この興奮!なんというばかばかしさ!最近のそれぞれの作品、特に「貞子3D」のあきれるほどの酷さにJホラー好きとしては、怒りさえ覚えていたが、 これは面白い!誰かの冗談から始まったようなこの企画を完成させたスタッフに感謝したい。 いろいろなホラー作品の要素が垣間見えるが、嫌みは無い。 もちろん突っ込みどころは数知れないが、どうでもよい。ただ一点だけ希望を言えば、伽倻子ファンとしては、呪いの家の間取りは変えないでほしかった。あの階段を這って降りる伽倻子がかわいそう。 終盤の井戸の中のユリの涙の意味は、貞子と伽倻子の悲しみを理解したということか?そして最後に井戸から現れる伽倻子的な動きの貞子らしき者は ユリなのか?・・・ 少なくとも、「バットマンVSスーパーマン」より遥かに好きだ! [ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-01-16 01:17:00) |
4. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 小学1年の時に観た「モスラ対ゴジラ」以来、このゴジラを観るのに何十年待った事か。まず想像を超えて禍々しいゴジラの造型とその進化。グリズリーみたいなハリウッド版とは圧倒的なセンスの差を感じる。そして着ぐるみの代わりに野村萬斎が歩くというアイデアが光る。ベタベタした家族愛などが入る余地のないハイスピードな展開、日本の政府やアメリカとの関係への皮肉、核への警告も描かれている。 それにしてもこの作品の一番の功労者は庵野秀明に総監督と脚本を依頼したと言われている樋口監督かも知れない。「ローレライ」から「進撃の巨人」までの演出を見て、この人には特技監督がお似合いだ思ったしだい。 そして伊福部昭のメインテーマやマーチがモノラル風に流れた時はトリハダものだった。 唯一気に入らないのは、自衛隊の全面協力という事実。安保法で入隊希望者が減っている自衛隊の宣伝活動にのってほしくはない。むしろ逆手にとって、軍隊のくだらなさを若者に感じさせてほしいと思うのは欲張りか・・・ 2016年。ついに予想を超えたゴジラ映画の完成を祝いたい。 ただ、興行収入につられて、安易な続編を作るという過去の轍だけは、踏まないで欲しい。 庵野監督のゴジラは完成形。 10年後に新たな才能にゴジラを託したい。 [映画館(邦画)] 10点(2016-08-06 05:32:50)(良:2票) |
5. 新宿スワン
《ネタバレ》 園子温監督作品で、はじめてつまらないと感じた。原作の漫画は知らないが、 こんなひどい脚本を書く、鈴木おさむにはがっかりだ。 カッコつけたクズどもしか登場しないし、台詞が全て嘘くさい。古臭い。女優からも何も伝わらない。 つまりこの映画には、「狂気」が無いんだよ。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2016-04-06 01:09:41) |
6. セッション
《ネタバレ》 CGオンパレードのドッタンバッタン巨大予算映画の100倍のド迫力! 血と汗にまみれて、最期は最高の演奏で師匠と感動のハグ!というアメリカ人が喜びそうなラスト・・・じゃなかった。 別れた彼女、実は新しい彼氏などおらず、客席のすみでステージを見つめて・・・いなかった。 凄い吸引力!素晴らしい作品! 音楽通らしき人が、あれこれ言うのは筋違い。 若い監督の今後の作品に期待。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-10-01 18:57:59)(良:4票) |
7. トランスフォーマー/ロストエイジ
《ネタバレ》 量販店のテレビで繰り返し流れていたデモ映像がやたら派手で、たまには此のテの映画も観てみるかと思っていたらwowowでやってたので、プロジェクターで鑑賞。 幼少期を円谷特撮映画とともに過ごした私には無理だった。あまりにも凄すぎる映像が目から入って後頭部から抜けていく。ストーリーも人物名も何にも残らない。理解できない。 この映像を作り上げるのにどれだけの労力を要したのか。凄い技術が毎秒ごとに消費される。しかも延々と。あー勿体ない。それにしてもロボットいやオートボット? なのに表情があったり、喋ったりするのがどーも馴染めない。ただ、冒頭の恐竜時代の地球のシーンは唯一好きなところ。 どちらにしても、さすがマイケル・ベイ!という作品。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-05-19 02:18:24) |
8. バートン・フィンク
《ネタバレ》 チャーリーが炎の中を叫びながら突進してしてきた時、トリハダが立った。過去に味わったことのない感覚だった。このシーンがハリウッド映画的かといえば、まったく違うと思う。永遠に続く廊下は、やばい世界に繋がっているかのような効果をあげている。そして全編暗く濃厚な色調と音。ラストの海岸と美女が余韻を残す。はっきりしたストーリーやアクションが好きな人には、退屈な映画だと思うのでオススメしない。蛇足だが、DVDの画質の悪さには、がっかりだ。LDにかなり劣っている。早くブルーレイ化してほしい。 [レーザーディスク(字幕)] 9点(2015-05-19 01:28:30) |
9. 萌の朱雀
《ネタバレ》 三度目の鑑賞。 確かに家族構成は分かりづらい。台詞が聴き取りにくい。 が、説明しちゃダメなんだと思う。國村さん以外ほぼ素人のキャスティングなのもうなずける。 食卓の背景の開け放たれた山並みと澄んだ空気、度々現れるトンネルが暗示的で印象的。 切ない、温かい、悲しい、そして美しい。そして何より初々しい尾野真千子が素晴らしい。 ラストの縁側のおばあちゃんの静かな最期と、父親の撮った8ミリ映像が沁みて来る。 [DVD(邦画)] 9点(2015-05-11 21:22:23) |
10. GODZILLA ゴジラ(2014)
《ネタバレ》 感想の前に次回作のニュースにビックリ!ついにキングギドラ、モスラ、ラドンがハリウッド版に登場!楽しみだ。東宝はもうゴジラをあきらめたのだろうか? さて本題に。主役はムートーである。お話は平成ガメラ、特にギャオス編に似ている。ムートーの造形も。それからまず一番の魅力は圧倒的な巨大感。これは邦画の映像では観たことがない。パシフィックリムやタイタンの戦いなどでも感じたが、ハリウッドのCG技術はやはり凄い。見せ方として夜のシーンが多かったり、霞んでいたりはっきり見せない撮り方は良いと思う、ハワイでの最初の戦いを子供が観ているテレビ映像にしてしまうアイデアも好きだ。ゴジラを核の象徴としていないのはどうだろう。疑問が残る。ムートーがあまり強そうに見えないのも物足りない。人間ドラマは全く何も残らない。いかにもハリウッド映画。渡辺謙も、もやもやしてるだけ。小1で観た「モスラ対ゴジラ」以来ずっとゴジラの姿を見てきたので、どうしても造形は気になってしまう。やはり顔がアメリカ人だ。ゴリラにも見える。怒りの表情ほど怖くない。なにを考えているか分からない表情が気味が悪くて怖いと思う。頭も小さすぎる。ひと昔前のティラノサウルスの復元模型のイメージがほしい。咆哮も違う。猛獣っぽさはいらない。と欲を言えばきりがないが、好きな映画である。若い人が盛り上がらないのは寂しい。 [映画館(字幕)] 8点(2014-08-26 17:28:02) |
11. 口裂け女2
《ネタバレ》 「口裂け女2」というタイトルで損耗率80%だ。もったいない。私はここでの評価が高いのを偶然知って興味を持ったが、でなければ、多分一生観なかったと思う。前作とは全く別物なので、口裂け女という文言はサブタイトルにして、何かセンスのいいメインタイトルが欲しかった。冒頭の手術の映像から一転して、明るい学園生活に。そして一気に奈落の底への展開が衝撃的。残酷描写にキレがあり、恐怖感も味わえる。そして何よりも、彼女の切なさが痛々しいほどに伝わって来る。100メートル3秒やポマードのエピソードが韻を踏んでいる。文字通りの口さけ女はラスト3秒にしか現れないところも、センスを感じる。この監督に新たなホラーを撮ってほしい。 [DVD(邦画)] 8点(2014-08-10 21:59:10)(良:2票) |
12. 川の底からこんにちは
《ネタバレ》 満島ひかり以外、おばちゃんとブスとおっさんしか出演しない。特に良く集めたなと思わせるおばちゃんたちの 顔とカラダのパワーが凄い。それにしても満島ひかりの輝きが素晴らしい。「愛のむきだし」を超える代表作だと思う。そして笑いのセンスを忘れない台詞ととぼけた味が大好きな作品。 [DVD(邦画)] 9点(2014-03-18 16:08:34) |
13. ジャックと天空の巨人
《ネタバレ》 予告編を観てこれだ!と思ったが、期待以上だった。王女がどうしたとかストーリーも役者もどうでもいい。もともとセンスのいいおとぎ話だが、最初の巨人登場シーンはジュラシックパークにおける、ティラノ出現シーンに匹敵するスリルだ。要は怪獣映画である。まさに観たかったものを魅せてくれた。円谷映画で育った私には、「サンダ対ガイラ」を思い出さずにはいられない。今時だと「進撃の巨人」か?身長7メートルという設定も絶妙だ。大きすぎずリアルな不気味さを感じさせるから。血を見せずにに恐怖感を与える上手さもある。それにしても、主役は巨人をひとたまりもなく粉々にした、豆の木だったようだ。私のお気に入りはNo.2の顔のでかい巨人君だ。ラストの、少年がノートをしまうショルダーバッグが洒落ている。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2013-11-18 02:03:14)(良:2票) |
14. 冷たい熱帯魚
《ネタバレ》 冒頭のスーパーでの奥さんの買い物シーンの画と音にズンズン引き込まれる。いきなり不穏なエネルギーを感じさせるから。でんでんは昔から好きだったが、圧倒的に凄い。歴代最高の狂ったおやじだ。そして黒沢あすかと神楽坂恵のエロさは天性のもの?これを引き出した監督のセンスは抜群。とくに黒沢は『愛のむきだし』の安藤さくらに匹敵する狂気を感じさせる。園子温監督作品の中でも一番怖い作品。でもきっとまた観てしまう。もちろん一人で。 [DVD(邦画)] 9点(2012-12-01 15:27:51) |
15. KAMIKAZE TAXI
《ネタバレ》 何故か見逃していた傑作。リアリティーは感じられないが、緊張感と笑いが平行していて、爽快感もある。 役所広司は今まで観た中で、一番強くてかっこよかった。ミッキーカーチスの最低なのに粋な会長も忘れられない。片岡礼子の、ふあふあしっとりした魅力もあり。 内藤演じる政治家土門には、日本のアジアへの侵略戦争を正当化し慰安婦問題も歪曲化しようとするじじい達、最近では何処かの大阪市長を連想させてもらった。音楽も良い。 [DVD(邦画)] 8点(2012-09-10 00:25:24) |
16. 愛のむきだし
《ネタバレ》 ドラマ「それでも生きて行く」と映画「悪人」で満島ひかりにやられて、どうやら「愛のむきだし」という凄いのが あるらしいと知り、完全に満島目当てで鑑賞。今より少し初々しい彼女にくぎづけ。でも見終わって私の心を支配したのは、コイケだった。何をしでかすか分からない邪悪な表情にわくわくだ。凄い女優が出て来た。そういえば、安藤サクラ、「それでも生きてゆく」にもいやな女で出ていた。ユウ役の西島は爽やかすぎて、変態には見えないが、それがぎりぎりこの映画を踏みとどまらせているのかな?相変わらず血しぶきだらけの園子温監督だが、紙一重のセンスを感じる。たぶんまた観たくなる作品だと思う。一人で。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-05-05 17:12:03)(良:1票) |
17. ALWAYS 三丁目の夕日
何かが違う。素晴らしい技術で再現された当時の町並み、看板の汚れ一つにまで拘って作り込む程、夢物語になる。映画としてそれは良いことなのかもしれないが、昭和40年前後に子供時代を過ごした私の記憶の中の世界とは明らかに違う。ノスタルジーに浸れない。やはり作られた街であり作られた人々に思えてしまう。当時の日本人はあんなに大騒ぎな毎日を送っていた?若い監督がイメージした架空の街のいかにも居そうな人々の人情劇。 [DVD(邦画)] 5点(2012-02-19 16:23:08)(良:1票) |
18. 真幸くあらば
《ネタバレ》 説明を極力排し、美しい映像と短い台詞で魅せる演出が良いと思う。聖書に託した秘密の通信がせつない。互いの告白後、微妙に変化して行く尾野真千子の表情に静かに引き込まれた。そして月の満ちる夜の美しい裸体・・・。満島ひかりと共に、一番気になる女優、尾野真千子。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-02-19 15:51:50) |
19. タイタンの戦い(2010)
《ネタバレ》 ゼウスがどうしたとか、ストーリーははっきり言ってどうでもいい。怪獣映画である。クラーケンがどにかくデカイ。この巨大感はいいと思う。それにしても随分お金かけてる感じだけど、見事に何も残らない映画。やはりハリーハウゼン版の方が好きかな。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2012-01-23 02:09:46) |
20. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 パルプフィクション以来久々の傑作。キル・ビルがあまりにも偽物だったので、タランティーノは観る気が失せていたが、これは本物。すごい緊張感からの一気の血柱。分かっていても引き込まれる。ランダ大佐の笑顔の怖さ嫌らしさが凄い。そしてショシャナのかっこよさに痺れる。実際にナチスに虐殺された家系のユダヤ系の女優さんらしい。 炎に包まれるスクリーンに映る彼女の復讐鬼のようなアップ。やがてスクリーンが燃え落ちても白い煙に乗り移って笑い続ける巨大な亡霊・・・冒頭の緑の草原から映像の美しさも、以前よりも深みを増していると思う。ただブラピである必要性が少し薄い気がする。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-01-07 20:26:37) |