1. 穴(1960)
《ネタバレ》 本格派サスペンスでした。 ただ淡々と描かれています。リアリティーが凄いです。 作風はシンプルでストレートなのですが、 物足りなさや隙が一切ないです。 モノクロのタイトな作風に痺れます。 終盤あたりでなにか不吉な、嫌な緊張感が漂います。 口で語る以上に物語っている男たちの表情に引き込まれます。 ただ淡々と壁を砕いていくシーンにも退屈さが入り込む隙を見せない。 技巧がなせる完璧な映画だと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2015-01-14 23:42:27) |
2. ある戦慄
《ネタバレ》 未体験な戦慄を覚える 圧倒的なまでにトラウマな映画でした。 人々の腐った様を前半から見せられますが、 お腹がキリキリと痛むほど嫌な気分になります。 しかしこの"性格の悪さ"がよく人々の特徴をとらえていると思います。 これが病んだアメリカの肖像なんだと思いました。 ソリッドなモノクロ映像がなかなかいい感じです。 最初はイタいだけの人にも見える二人の迷惑者ですが、しかしだんだんと度を超えてこの二人が悪魔にしか見えなくなってきます。 隔離された特殊なシチュエーションの中で起こる 迷惑者二人によるある暴力はまさに異常でした。 その不条理さは観客の神経を逆立てます。 もしかするとファニーゲームの先駆けなのかもしれません。 人々の裏の表情をどんどん暴いていく面白さと、人々を追いつめていく緊迫感が素晴らしく、 社会派な感じもして面白かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2014-03-06 00:53:40) |
3. 猿の惑星
《ネタバレ》 当時の人々に衝撃的な結末を突き付けた名作カルトSF。 古いSF作品であるが、いろいろと迫力がある映画だった。 猿の特殊メイクは当時としてはかなりすごかったと思うが、 今見てもなかなかユニークで手の込んだものだと分かる。 この映画にあるある種のトラウマは人間の真実を的確についているものだと思う。 猿の世界は人間の歴史の見事な縮図であると感じた。 人間狩りの迫力はなかなか見ものだった。 今さら感がハンパないが改めてみると新たな発見や気づくことが多い。 野性的な人間やこの管理社会の様を見ていると何かムラムラとしてくるのは自分だけだろうか。 いくらネタバレしていても衝撃を受ける最後はまさに伝説の名場面といえる。 人がなぜあんなに大勢いるのに言葉を失うまでに退化したのかがよく分からなかったですが、 もし科学的な矛盾があっても全然ぶれない軸がこの作品にはある。 [DVD(字幕)] 8点(2014-03-03 21:44:04) |
4. 恐怖のロンドン塔
《ネタバレ》 ある番組の特集でこの映画のモデルとなったリチャード3世の骨が駐車場の下から出てきたというのを見て登録してみた。 ヴィンセントプライスとロジャーコーマンによるモノクロの怪奇映画。 あまり面白くない。 ただ、ヴィンセントプライスの演技が良くて、 まるで闇の帝王といった感じ。 彼の声の響きは相変わらず素晴らしい。 ジルドレイやブラド卿に代表される黒歴史ロマン。 そういった悪の帝王の肖像みたいな映画だ。 こんな感じで破滅してくれると悪人として偉大な人に思える。 B級ホラーの帝王ロジャーコーマン監督の作品。 幻想的な雰囲気はいいのですがB級から抜け出る内容ではない。 ヨーロッパの古城や幽霊、拷問など、暗黒的な雰囲気はメチャ良いのに、 地味な作品になってしまったのが残念だ。 それにしてもたいへんスケールの大きな自業自得劇です。 [DVD(吹替)] 6点(2013-12-11 21:58:12) |
5. 凶人ドラキュラ
《ネタバレ》 これぞ本来のドラキュラである、とでもいうかのような迫力のあるドラキュラ役が好評価。 名優クリストファー・リーが演じるこのドラキュラを正統派といわずしてなんといおうか。 ドラキュラの復活のシーンがよくできている。 儀式がオカルトらしくていい。 この映画の牧師さんはかなりワイルドだ。 聖典の代わりに銃を担いでいる。 ドラキュラの最後って大体の想像はつく。 心臓に杭を打たれるか日の光を浴びることでその呪いの歴史に終止符を打つドラキュラ映画は多いと思うけど、 この作品のドラキュラの最後は少し独特なのかも。 本来のドラキュラの恐怖が味わえる希少な映画であると思う。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-11 21:58:02) |
6. 地下鉄のザジ
《ネタバレ》 不思議の国のアリスみたいにぶっ飛んだシュールな映画だった。 愉快なドタバタコメディーで見ていてなんか楽しい。 とにかく普通じゃない。古い映画ではあるが、斬新過ぎる展開には驚かされました。 芸術的だと感じる場面が多い。 少女サジ役が小生意気にも可愛らしくて印象的。 ただし薬でもやってそうな感じが少し不気味だった。 おかしな人々に驚かされっぱなしの映画だった。 追いかけっこが最高に楽しい。 最後のほうの破壊だとか乱闘が理解不能だが面白すぎる。 「食べ物で遊ぶな」っていいたいけど、それを超えている。 観る人によっては日頃の憂さやストレスを吹き飛ばす物凄い作品なのかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2013-09-28 18:07:19) |
7. マドモアゼル
《ネタバレ》 ちょっとトラウマな感じの残るカルト映画だった。 女教師マドモアゼルの腐りかけた美貌が放つ熟れた色気と、 彼女の不条理かつ理不尽なまでの悪徳がこの作品の魅力だ。 閉鎖的な村ではその悪徳は独自の展開をたどる。 ってか動物が可愛そう。 彼女の悪徳と追尾するかのように少年の内にある性のざわめきが描かれてるみたいで面白い。 それからチェーンソーを持ったイタリア男(少年の父)が肉体美をもってセクシーに描かれる。 このイタリア男の笑い方には何か暗い余韻が感じられる。 イタリア男と女教師の辿る末路の差は、まるで男と女の違いが示されてるみたいだ。 差別、暴力、嫉妬、エロス、人間の醜い部分が森の影でむき出しになるが、 それとは逆にモノクロ映像は時に詩的なまでに美しく幻想的で、それがこの作品を芸術の域にまで高めている。 悪女や女教師に強い関心のある人ならおススメかも。 [DVD(字幕)] 7点(2013-09-28 18:07:07) |
8. 切腹
《ネタバレ》 日本映画をあまり見ない自分であるが、 この『切腹』は本物の日本映画といわざるを得ない。 その本物であることを示す言葉を自分は持っていないが、 確かに見終えた後にそう感じた。 この映画にあるのは武士道であり、筋を通すということだ。 暗く淡々としているが内容は洗練されている。 サスペンスのような緊張感が素晴らしい。 仲代達矢の演技には夜叉が宿る。 切腹の持つ潔さは美であると思った。 [DVD(邦画)] 9点(2013-04-30 01:23:49) |
9. 吸血ゾンビ
《ネタバレ》 ゾンビの原点ともいわれるハマー・ホラー映画。 恐怖城ホワイトゾンビのような、ブードゥーの魔術でゾンビを生み出すみたいな映画だ。 恐怖城ホワイトゾンビほど不気味な演出や恐怖表現は成功していない。 働くゾンビがたくさん出て来た。 本来ゾンビとは主人に仕えて働くものだったらしい。 そんなゾムビーのメイクはけっこう迫力ある。 いきなり最初のゾムビ―が出てきた場面はびっくりした。たぶん名場面だ。 アフリカ系の太鼓のサウンドが呪術っぽい迫力はあるけど時にバカっぽい。 恐怖城ホワイトゾンビはベラルゴシという怪奇名優の怪演がマニアにも喜ばれたが、 この吸血ゾンビはおどろおどろしいゾムビ―以外に目立った点はない。 アンダーグラウンドな不気味さはあるが、吸血鬼映画のような幻想性はない。 ハマーホラーの怪奇な雰囲気はまあ楽しめるか。 ジェームズフォーブズ卿はひとりで活躍し過ぎだ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-03 23:41:08) |
10. 江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
《ネタバレ》 これはかなり素晴らしい、衝撃な作品だった。 いろいろと狂ってる。 始まりの精神病院の場面は狂気とむせるようなエロスが強烈(夢にも見た)。 孤島の雰囲気がかなりヤバい。 世界一のキチガイ映画。 エルトポと同等くらいのカルト映画ぶり。 日本映画でこんなのあったのか。 一番ヤバいのは父親のキチガイ天才ぶり。 演技もかなりぶっ飛んでる。 キチガイ奇形天国はかなり衝撃的なものだった。 そんなエロスと醜さが支配する世界で子守唄が美しく悲しげだ。 これが伝説の人間花火か・・・これじゃ心霊写真じゃん。 なんかこれも狂ってるし変だ。 一度見たら脳から離れない世界だった。 デスボイスの使い方が絶妙。 いろいろと江戸川乱歩の世界を堪能できた気がする。 [DVD(邦画)] 8点(2013-03-14 00:04:36)(良:1票) |
11. 未知への飛行
《ネタバレ》 この作品がすごいのはたぶん作品の中で 本気で問題提起が行われるからであろう。 兵器とは悲劇しか生まない。 機械や兵器の威力はすでに人間のコントロールの範疇を超えている。 それを人間が持つこと自体が間違ってるのではないか。 抑止力として兵器を持たねば維持できない国どうしの関係、対話。 もう悲劇の結末がすぐそこに見えているかのようだ。 [DVD(吹替)] 9点(2013-03-12 20:51:46)(良:1票) |
12. 2000人の狂人
《ネタバレ》 凄く古い映画だった。 村人全員が狂っているという最強の映画。 それもごく自然にごく普通に狂っている。 陽気な音楽にのせてまるで村人の遊びであるかのように残酷な行為が行われる。ハイテンションに。 ちなみに村人全員が南北戦争で虐殺された南部の村民の怨霊である。 それからちょうど100年にあたる100年祭に 村が迎えた北部の人間を一人殺すと村人全員が笑顔になる。子供も老人もである。 残酷なのか楽しいのかよく分からなくなるのはまさに発狂。 とてもチープなんだけど愛おしい。 残酷さとチープさがちょうどいいところでピッタリはまってる感じがする。 まさにドライブイン劇場で多くの人を楽しませたんだろうなって感じの映画。 残酷行為をしてる村人の声を聞くとやっぱ狂ってるな。 村ぐるみというのがよく表れていて良かった。 個人的な欲をいうともっとカンニバリズム色を強くしてほしかった(当時では難しいのか)。 やっぱりカントリーミュージックがヤバいのかな。見てて楽しくなってくるし。 リメイクも面白かったけどこっちは天然な感じがしていい。 スプラッタホラーの原点であり頂点である作品の一つとしてファンの間で語られているので その点も評価。 [DVD(字幕)] 8点(2013-02-11 16:44:39) |
13. 奇跡の人(1962)
《ネタバレ》 教育と愛のせめぎあいを描いた映画だと思う。 一人の少女を闇から救い出すのは教育であるか愛であるのか。 そこに至るまでの壮絶さを見事に描き出しているとこが素晴らしい。 決して簡単なことではないというのがひしひしと伝わる迫真の演技だった。 迫真の演技とはたぶんこの映画のことを言うんだと思った。 恐らく最近の映画では見ることができないであろう迫力の演技は、 (変な例えですが)あのエクソシスト以上の凶暴さだったかもしれない。 一切の世界を与えられなかったヘレンケラーの心は不条理だ。 そんな彼女の心理状態を見事に伝えた名演技だ。 ヘレンケラーがそんな状態だったなんて知らなかったから驚いた。 正直、この映画を見る前はヘレンケラーの世界は闇だと思っていた。 しかしそうではなく彼女は光を得たのだとこの映画で知ったので安心した。 ヘレンケラーが世界を得た瞬間はとにかく感動的だった。 そしてこの映画は最高のヒューマン映画だった。 当時障がい者の置かれる状況の酷さをこの映画はまた伝えている。 サリバン先生の過去の記憶のシーンは怖かった。 この映画は誰もが光の世界を生きる権利があるということも教えてくれる。 [DVD(字幕)] 9点(2013-01-01 23:56:04) |
14. 続・世界残酷物語
《ネタバレ》 たぶん8年ぶりにヤコペッティの残酷シリーズを見た。 人間なんて死ねばいいのにといったドキュメンタリータッチの映画だ。 残酷というよりも世界の奇妙なところをとりあげているみたい。 作品に漂うなんともおかしな雰囲気が結構好き。 語りは開始早々皮肉たっぷりだ。 半分ヤラセみたいな感じもしますが。 カメムシを生地に包んで食べる場面や、ユダの死体(のお菓子)を貪って食べる場面では エルトポ以来の衝撃と荘厳さがある。 教会の集団ヒステリーがかなり良かった。 子供に器具を取り付けて体を変形させる虐待などを見るとどんよりと重い気分になる。 モンド映画って言葉をこの映画で初めて知った。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-19 23:32:13) |
15. 世界残酷物語
《ネタバレ》 ヤコペッティの世界残酷物語を久々に鑑賞。 モンド映画の原点といわれるだけある。 過激なシーンが多く崇高に感じる場面もある。 様々な人間や文化を交互に見ることで神の視点とはいわないまでも ユニークな視点で物事を見れるのは面白い。 また価値観とはいろいろであると感じさせられる。 インチキかもしれないけど当時の風俗を湾曲させて面白くやっているので その時代がユニークに表れてるみたいで面白い。 残酷さだけではなく人間のおかしな部分に着目した感じ。 素敵な人間もいるけど、鑑賞後の後味は救いようのないものだった。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-19 23:30:51) |
16. シベールの日曜日
《ネタバレ》 やっと観た! タイトルのようにちゃんと日曜日に見た。どうでもいいけど。 モノクロ映画の美しさが光る映画だった。 モノクロ映画なんて自分ほとんど1年ぶりくらいだ。 劣悪な画質のモノクロ映画ばかり見てたから嫌悪感でしばらく見なかった。 この作品は映像が美しい。 霧の中にいるようなぼやけた感じが綺麗だ。 不明瞭な景色は二人のこれからを表してるようだ。 かなわぬ恋とは悲しくも美しい。 しかしこんなありえぬ恋など叶わぬから美しいのであって、 もし実際にかなってしまったらその末路は決して見れたもんではないのだろう。 少女はなぜ風見鶏など欲しがったのか。 ただ湖のほとりを二人で散歩するだけだったらずっと幸せでいれたのに。 恋人の女性は主人公ピエールをひたむきに愛していたのでとても気の毒になったけど、 それでもあまりにも眩しい無垢な恋を前にするとその存在は少し邪魔にも思えてしまう。 大人の世界と子供の世界の比較が少しあり、 ピエールと少女フランソワズとの恋愛は男女の恋愛というよりも子供の戯れに近い(と映画の中で語られる)。 子供の戯れのような関係が美しいのはそれが儚くもまるで永遠であるかのようだから。 また父娘のようであり、恋人のようでもある何ともいえないこの二人の関係が見ていて素晴らしい。 あまりにも美しいその関係はずっと続いてほしいと思ったけど、 悲劇の予感が強まっていくとき見ているのが辛くなった。 二人のクリスマスツリーの場面では何故か禁じられた遊びの一場面を思い出した。 なんとも儚い場面だ。 まあピエールには盗癖があったみたいだし、悲劇で終わったためにこの映画は美しい物語になったと思う。 ホントこんな恋愛シチュエーションありえないし(当時は全然あったのかもしんないけど)、 もしかしたらジェ×××××ダーみたいな、全てが主人公の夢オチかとも思ったけど。 チベット音楽は好きでたまに聴くけど、この映画の中だとちょっとうるさいと思った。 何はともあれ、年に一度は見たい名作映画だと感じた。 極端な話、映画ファンなら見なきゃ人生10%の損、ロリコンなら見なきゃ人生90%の損って感じだろうか。いや、ロリコンを抜きにしても良い作品だし、本当にいい作品だからロリコンとかいう言葉では語りたくない気がする。 [DVD(吹替)] 9点(2012-10-09 21:28:24) |
17. ひなぎく
《ネタバレ》 チェコはヤバい国であると思えます。 この映画はどんな映画でしょうか? 生きるとはどういうことだろうか。 生きるとは楽しいことを求めなければならない。 生きるとは自由でなければならない。 そんな自由論みたいな感じもしてくる奇妙な映画でした。 ただパッケージにも書いてあったと思いますが、 これを見るとだいぶ元気になりますね。 自由を教えられるというか、 自由であることを見せられるというか・・・ 自由みたいなものを得られます。 そんな大儀なことじゃないのでしょうけど。 色もメチャクチャ、やることもメチャクチャ、表現も凄い、、、 軸を超えてそんなメチャクチャのことを当時にやるエネルギーの凄さ。 かなりパンクな感じです。 けっこう自堕落な感じなので、最後は破滅の方向に向かうのですが、 そこに至るまでがとてもいい感じです。 また後味もなかなか良いです。 ヤバかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-09 22:31:56) |
18. 闇のバイブル/聖少女の詩
《ネタバレ》 (2008年映画メモより) チェコの怪奇骨董幻想箱(GOTH‐BOX)とかいう怪しいDVDボックスがあります。 そんな中の一枚です。 これはとても妖しいです。 とても幻想的でした。 こんな幻想世界があるんですね。 初めからロリ度全開なのでビックリしました。 これが少女映画っていうやつです。 いやぁ、それにしてもゴスのシュールな雰囲気が全開の素晴らしい世界観です。 まるで夢を見ているように現実味がないです。 ただ少々難しいです。 美しさでは10点です。 クセがあるので一般向けではなく、カルトな映画です。 ただ、このクセのある美しさが大変気に入りました。 異様な美しさは神秘的過ぎます。 所々でとても美しい場面があるのです。 ダークな感じがゴス趣味をくすぐります。 そして少女がとても魅力的です。 楽園の世界を発見してしまった感じです。 [DVD(字幕)] 9点(2012-03-09 22:01:05) |
19. アパートの鍵貸します
《ネタバレ》 (2009年映画メモより) 流石に素晴らしい作品でした。 観る前から既に面白いのとは想像してましたが、遥かにそれ以上でした。 主人公の男性はとてもヒョウキンで面白くて人柄に惹かれました。 歌いながらスパゲティを作る彼のブッ飛び様には大爆笑です。 テニスラケットを麺の水切りにしてしまうなんて、なんて素敵なんでしょう! ヒロインの女性はまたとても上品で繊細な美しさがあって良かったです。 ビリーワイルダー監督の映画を以前も一つだけ観ましたが、この映画もそうですが、観た後でこんなにも幸せな気持ちにさせてくれる作品を作れる人はなかなかいないのではないかもしれません。 幸せというか、なんだか心が温かくなったような感じです。 [DVD(字幕)] 9点(2012-03-06 00:32:03) |
20. マタンゴ
《ネタバレ》 (2008年映画メモをもとに) 気持ち悪いです。 ついにおマタンゴ拝見しました。 マタンゴとはなんとも毒々しいく強烈なネーミングなんでしょう。 作品も同様に毒々しい作品です。 この迫りくる恐怖と気持ち悪い感じはホラーの傑作です。 (それとは違う意味で)冒頭で船内のセレブな感じがキモかった。 廃船の国籍が分からなく得体の知れない研究がされていたという不気味さは効果的。 突然変異ってバイオハザードやん。 ゾクゾクする。 そしてこの作品最大の功績はキノコです。 毒キノコをテーマにした着目点はレベルが高い。 僕はキノコやコケやカビみたいに湿気の多いジメジメした感じが大好き。 んで、そういうのがじわじわと迫ってくる恐怖感がこの作品は素晴らしい。 とくに、不気味な足音を響かせて夜の船内に入ってくるあれには参った。 、、、、こういう恐怖のサバイバル状況におかれると、女性がいやにも色っぽく見えてくるのが不思議だ。 森に入ったときの不気味な声がヤバい。 最後の「センセー」って声が不気味だった。 精神病院の窓からみえるネオンの光も、華やかだけど毒々しいのかも。 マタンゴ島も現実もそう変わらないってか。 この迫りくる恐怖と快楽からは決して逃れることのできない!究極の毒々サバイバル・ホラー! [DVD(邦画)] 8点(2012-03-01 01:20:06)(良:1票) |