1. ベン・ハー(1959)
初めて見たのはもう30年近く昔だ。戦車のシーンの迫力には痺れたが、キリストの件が邪魔に思えた。それから約10年毎に見たが、見る度に印象が変わり再発見があった。そして今回、映画館のスクリーンでこの名画を見ることができた。最初の6分間ただただ音楽だけが流れ、一分毎にカウントダウンが始まる。これも家でDVD鑑賞なら当然早送りだが、映画館では逆に胸の高まりを抑えることが、出来なかった。前半が終わり休憩時間に、ほとんどの観客がトイレに行き、別に言葉を交わすことはなかったが、皆が物語の後半への期待に胸を膨らませながら用を足していたのが印象的だった。後半の戦車のシーンは、圧巻の一言。何度見ても凄いが、大スクリーンだけに迫力が違う。やっぱり体が痺れた。今回の再発見は、いつもながらハリウッド映画だからユダヤ人を持ち上げてるのは仕方ないとして、アラブをかなり好意的に描いているのがちょいと意外でしたよ。欠点もないこともないのだが、もはや伝説の域まで達してると思うので10点だ。この映画未見の年老いた両親と映画館行って良かったなー。 [映画館(字幕)] 10点(2010-04-28 01:41:01)(良:2票) |
2. 丹下左膳(1952)
《ネタバレ》 あまり期待しないでみたのだが、サクサクとした展開や魅力的な登場人物など昔の日本映画の魅力を再確認した。もう50年以上昔の映画だが、庶民の強さも弱さもよく描いており人間は変わらないものだとついついニヤニヤしてしまう。貧乏ながらも助け合っていた長屋の住民が大金が手に入る夢を見て大騒ぎするところや、世の中を変えると正義感に燃える若者などいつの世も人は変わらないのだろう。あと主演の坂東も悪くないのだが、それ以上に妻役の淡島千景がよかった。口は悪いが、人情味あふれるおかみさんを生き生きと演じている。「リボンの騎士」のモデルになったというのも頷ける美貌だ。今まで老婆のイメージしかなかったっす。 [DVD(邦画)] 8点(2009-09-23 02:48:31) |
3. 張込み(1958)
《ネタバレ》 高峰秀子演じる普通の主婦が映画が進むにつれ何故か妙に色っぽく見えてくる。貞淑で薄幸な人妻に隠された過去と衝撃的な展開。特に昔の恋人にブチューっとするシーンは、並みのAV以上のエロっぽさがある。張り込みをしている二人の刑事のまったり感も◎。 [DVD(邦画)] 8点(2009-08-27 00:46:30)(良:1票) |
4. 喜びも悲しみも幾歳月
《ネタバレ》 この映画は国民的映画と言っても過言ではないと思う。一定の年代以上は、たいてい観ているのだ。実直に生きた灯台守の人生を淡々と描いているだけなのだが、昔の真面目な日本人は自分の人生に照らし合わせていたのだろうか。しかし、戦争中は燈台守まで狙われていたんだな。佐田啓二と高峰秀子の貧しくも支えあう夫婦愛は、文句なしに美しい。今ではほとんどの灯台は無人だが、昔の燈台守は朝からでっかいレンズを磨いていたんだろう。観てから三日間は、主題歌が脳にこびりついて困った。 [DVD(邦画)] 8点(2008-02-20 01:28:05)(良:1票) |
5. 黒いオルフェ
有名な映画音楽で名前を知ったのだが、なんか変わった映画という感じだ。画面に溢れる躍動感や名曲中の名曲の主題曲などいいけど、ストーリーがよく分からない。でも一度見ても損はないと思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-02-16 23:49:34) |
6. 橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督)
《ネタバレ》 前半は戦時中とはいえ比較的のどかな、田舎の町で暮らしている高校生たちの日常を描いている。好意を寄せている同級生との淡い恋愛や親子の葛藤など、また戦争に送り出す親や教師の苦しみもどの国も同じなんだな。周囲の大人の心配をよそに戦争に憧れ英雄になろうとする若者たち。これも戦時中、この若者たちと同年代だった知り合いの爺さんの話とそっくりだ。後半は、自ら望んで参加したものの戦争の現実に直面する主人公たち。仲間に臆病者と罵られたため勇気を示そうとして犬死するもの、恐怖のあまり失禁するものなど。殺される米兵も人間臭く描かれていた。戦争に駆りだされる若者に善も悪もない。ヨーロッパの戦争映画をもっと見たくなる秀作だ。展開もサクサクなので、あっという間に見れるのもよかった。 [DVD(字幕)] 9点(2007-12-04 20:47:29) |
7. 雨月物語
夜中一人で見たせいか、けっこう怖かったです。初の溝口作品でしたが、見ごたえがありました。50年以上前の映画ですが、人間はいつの時代も本質的には変わらないもんだなと再認識しましたよ。 [DVD(邦画)] 9点(2007-09-25 23:55:07) |
8. 隠し砦の三悪人
《ネタバレ》 いい映画ですね。ロードムービーものとしても傑作では。馬上の三船しびれますね。映画館で見たかったです。映画館で娘を馬上に上げるシーンでは拍手喝さいだったとのこと。日本映画最盛期の傑作の一本でしょうね。登場人物は、皆面白いというかキャラが立ってますね。三船やお間抜け二人組みも実にいい味出してます。あと雪姫。彼女じゃなきゃこの映画の魅力は半減したと思います。雪姫の下なら叱咤されながら働くのも悪くないんじゃないだろうかと思うぐらい太腿の魅力がありますよ。ちなみに20年前見たときはココまで面白いとは思わなかったのですけどね。黒沢映画は字幕で見るのがいいですよね。 [DVD(字幕)] 10点(2007-08-19 01:36:23) |