1. 沖縄狂想曲
《ネタバレ》 沖縄基地問題の知られざる裏側を描いた告発的ドキュメンタリー。 嬉々としてアメリカ映画なんぞ見ている場合ではない。 日本人がアメリカ映画ばかり喜んで見るのは敗戦国であり、アメリカの属国であるからだ。 このドキュメンタリーの内容を、映画に置き換えて表現するとそんな具合になる。 沖縄の米軍基地が日本を守らない、いや、守れない根拠が語られる。 まさに日本のマスゴミが語らない真実だった。 それを知れただけでも、このドキュメンタリーを見た価値はある。 中国脅威論を真っ向から否定していて痛快。 日本はあくまで東アジアの中の日本なのであって、同じ東アジアの中国や韓国と手と手を取り合うことが必要だ。 アメリカ大統領と握手してニコニコしてる場合ではない。 [インターネット(邦画)] 7点(2025-01-27 00:39:10)《新規》 |
2. コーンフレーク
《ネタバレ》 磯部鉄平監督は知名度的には大した事ないかもしれないが、この人の作品は大好きなものばかりだ。 そんな磯部監督作品群の中でも本作がベストかな。 才能的には売れっ子監督のあの今泉力哉さえも超えてるとわたしは思っている。 交際6年で同棲中だが「愛情」のうち「愛」の方が欠けてしまった倦怠期の男女を描いている。 もはや居心地が良すぎて何となく交際を続けている状況。 二人とも見た目はめちゃくちゃ綺麗とまではいかないけど、愛着を感じるキャラで、見ていてどこか落ち着く不思議感。 男の方がかわいい女のコから誘われて浮気まがいなことをしてしまうところや、女の方が涙ながらに別れを切り出すところ、すべてが愛すべき人間臭いシーンだ。 ウォン・カーウァイが『天使の涙』のバイク二人乗りで魅せたなら、磯部監督は自転車二人乗りで魅せる。 『キッズ・リターン』の危険な自転車二人乗りに匹敵する危なっかしさとインパクト。 それと磯部監督は夜の撮り方が徹底的に巧い。 デジタルなカリカリの美しい映像でもって、魅力的に夜の情景を切り出す。 それは見ているだけで心地よい。 今後の磯部監督の活躍に大いに期待できる逸品。 [インターネット(邦画)] 9点(2025-01-19 13:14:21) |
3. 緑の牢獄
《ネタバレ》 かつて西表島には「緑の牢獄」と呼ばれる炭鉱が存在した。 そこで働く坑夫のほとんどは外国人で台湾人が多かった。 今や炭鉱の跡は西表島のジャングルに埋もれている。 軍艦島の炭鉱は有名でも、西表島の炭鉱はあまり知られていない。 西表島の炭鉱にまつわる生きた話を語る橋間良子氏。 この映画の主人公だ。 橋間さんは10歳の頃、親に連れられ台湾から西表島に越してきたそうな。 それから80年が経過し、西表島にある荒廃した家屋で一人暮らしをしている。 壮絶な人生を送ってきたであろうことは、シワやシミだらけの肌や身なりから伺い知ることができる。 台湾で生まれたのにその後80年もの間、西表島で暮らしてきた。 その苦労たるやいかほどのものか。 そして今は一人で暮らす日々。 どれだけの孤独を背負って生きているのか。 エンドロールで橋間さんの若い時の写真が映し出され、そこに「橋間良子氏に捧げる 橋間良子(1926-2018)」と字幕が出た時、なんとも言えない気持ちになった。 時間の重みを感じる良質なドキュメンタリーだ。 (追記) 炭鉱の管理者がモルヒネを扱う許可を持っていて、坑夫たちにモルヒネを売っていた。 坑夫たちはモルヒネ漬けになり賃金のほとんどをモルヒネと食費とで使い切ってしまうため、金銭的にいつまでも炭鉱を抜け出せない。 作中で語られるこのエピソードが怖すぎる。 このエピソードのせいで西表島の炭鉱の歴史は閉ざされたままなんじゃないかと勘繰ってしまうほどヤバい。 ヤバい怖いブラックなエピソード。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-01-18 20:08:59) |
4. ヤツアシ
《ネタバレ》 不謹慎なようだが爽快感はあるね。 だって憎たらしい奴らをヤツアシが皆殺しだからね。 ぶっちゃけスッキリだよね。 一方で同意できないのは、「どこの会社も同じ」とかいうよく聞く達観したような言葉。 これは間違いなくウソ。 ホワイトな会社は普通にあるよ。 ブラックな企業で働いてる奴らが自らの立場を正当化する為のウソを信じてはいけないよ。 (言ってる奴らが世間知らずで、本気で言っているケースも同罪) [インターネット(邦画)] 4点(2025-01-13 20:00:31)(良:1票) |
5. 通夜のまえに
《ネタバレ》 おかしな事をいかにも真面目風に演じて見せれば乾いた笑いでも起きると安易に作り手は考えたのだろうが、ただ単にリアリティが欠如していてつまらないだけだ。 親友も保身のために手紙があると嘘をついた。 つまり故人なぞ傍に追いやられていて、参加者が好き放題デカい声と大袈裟な振る舞いで喚いているだけの内容。 短い尺のおかげで飽きずには見られたのでこの点数で。 [インターネット(邦画)] 3点(2025-01-13 19:36:51) |
6. 甲州街道から愛を込めて
《ネタバレ》 いまおかしんじ監督の作品なので苦手なベッドシーンは覚悟していたが、この監督の作品は面白いからそれでも見てしまう。 とは言え、かなりクセが強い内容なので見る人を選ぶかもしれない。 汚言症、投げ銭依存、フリーター、売れないミュージシャン。 そんな若者四人が集い交わる青春ロードムービー。 喧嘩しつつ別れつつ抱き合い泣く。 そんな調子でリズム良く進んでいく。 世の中のはみ出し者たちかもしれないが、それぞれ人間らしい感情を持っている。 そんな憎めない者たちが繰り広げる僅か数日の物語。 ベッドシーン(都合二回)や横浜銀蝿のジジイ(ウザい)が出てくるクサいシーンを除けば、なかなかの良作なんじゃないかな。 少なくとも自分は結構好きだ。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-01-12 20:49:09) |
7. 風のゆくえ
《ネタバレ》 見ていて分からない部分が多いけど、最後まで見ると男の生い立ちが全て原因だと分かる仕組みになっている。 最終的には意味が分かるのでスッキリはすれど、途中まではよく理解できずにモヤモヤとしたまま見続ける事になり、あまり好きなタイプの作りではない。 男がいきなり大きな叫び声を上げたりする部分でビックリするし不快。 あと性的なシーンが唐突に入ってくるのも不快。 男のヒゲも不快。 ここまで不快不快と連呼しながら何ゆえに6点を付けるのかと言えば、それはこの作品が日本映画ならではの雰囲気を持ち合わせているから。 そしてわたしが日本映画を好きであるからに他ならない。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-01-11 08:14:04) |
8. Lelaina
《ネタバレ》 男の方がほんと冴えない、まるで過去の自分を見ているようだ。 それに対する女の方、これがわたしが若い頃に翻弄されてたような小悪魔的おねーちゃん。 こんなのに振り回され、意味があるのかないのか分からない時間を過ごしたあの頃。 そう、あの頃を思い出す映画。 正直、シンドイ。 こんなの何も実を結ばない。 だけど、こんな時を経過してきたからこそ、今の自分がある。 そうも思える。 そんな映画。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-01-05 12:13:55) |
9. 僕たちは変わらない朝を迎える
《ネタバレ》 音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB」というイベントにて、観客賞・男優賞・ミュージシャン賞を獲得した本作。 このイベント、最近個人的に注目しているだけに期待して鑑賞を始めた。 途中まで、 「なんでこの男は過去の女のことをダラダラとひきづっているんだ?もっとシャッキリすればいいのに!」 って思いながら見ていた。 けど、最終盤になってようやくこの映画の真髄が見えてきた。 これは、 「美しく彩られた彼女との日々を懐かしみ、そうした過去と人生を噛みしめる作品」 なのだと。 エンドロールに入り、そこに雨のパレードの「morning」が流れて、完全にノックアウトされた。 「MOOSIC LAB」でミュージシャン賞獲得も納得。 映画と音楽が素晴らしくマッチしていて、映画と音楽それぞれの魅力が何倍にも増幅されたようなエンドロールだった。 この終盤の破壊力、前半のどこか遠慮しがちな展開を見事転覆させるほど凄かった。 やはり素晴らしき音楽あってこその映画だし、その映画世界にハマる・呼応する音楽あってこその映画だと感じた次第。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-01-04 18:27:25) |
10. 道で拾った女
《ネタバレ》 ラブシーンやエロ絡みのシーンが無ければもっと楽しめたはず。 男女の出会いや旅路は見ていて楽しいだけに残念。 この監督はそういうシーンが好きで仕方ないのかな。 あと、あまりに不自然な偶然が多過ぎる。 旅先で何度も同じ人に出会ったり1000万拾ったり、さすがあり得ない感の強い偶然の多用で、作品全体のリアリティに悪影響を及ぼしている。 安易な脚本と言わざるを得ない。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-12-24 23:34:03) |
11. 偽りのないhappy end
《ネタバレ》 結局、2人の姉とも妹のことを分かっていなかった。 姉たちは妹が亡くなった理由や失踪した理由について自分にとって都合の良いように解釈したかった。 その都合の良い解釈を邪魔するものはこの世から葬り去りたい。 そういった人間のエゴと闇を描いたミステリーなのだが、自分にとってストーリーの把握が難しく分かりにくかった。 タイトルがカッコいい(響きがいい)のだけれど、タイトルに偽りがあるね。 爽快感すら覚えるバッドエンドだからね。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-12-16 21:05:13) |
12. 水深ゼロメートルから
《ネタバレ》 山下敦弘監督作品としての特別感がなく平凡な内容。 水のないプールで延々と繰り広げられる会話劇はいかにも舞台劇の映画化といった感じで、果たして映画にした意味があるのか疑問。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-12-10 15:13:42) |
13. 1秒先の彼
《ネタバレ》 山下敦弘監督が好きなので、苦手なSFだけど挑戦してみた… 結果やっぱり苦手だった。 奇想天外過ぎて全くついていけない。 SFじゃなくてこんな雰囲気のフツーのラブストーリーなら面白そうなのになあ。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-12-02 23:12:00) |
14. Walden
《ネタバレ》 揺れる水面を映しただけの内容。 ゴダール映画に出てくるような水の美しさがあればともかく、とくに何の変哲もない水面の映像を2分間見せられても感想の書きようがないし、感銘を受けようがない。 むしろ若干不満。 [映画館(邦画)] 4点(2024-11-29 20:01:21) |
15. アンダーカレント
《ネタバレ》 真木よう子の悲しい過去、友人をさらっていった男から脅されたから事件について知らないと嘘をついた。 子どもだから怖いだろうし仕方のないことだが、本人からしたら深い心の傷だろう。 とてもよく理解できる心情ではあるが暗い過去すぎて見ていて気持ちが滅入ってしまう。 この事件が関係者をいかに長い期間苦しめるのかを知らしめるという点において、本作は成功しているし社会的な意義もあるだろう。 だけど真木よう子の暗い過去を背負った表情が見ていてしんどい。 つまりこの作品を見ているとしんどいんだ。 自分のことさえ分からないのだから、他人のことなんて分からない。 確かにそうなんだけど、それを言ったら身も蓋もないよ。 井浦新が黙って去ろうとしたけどバスに乗るのは思いとどまって、銭湯に戻って何事も無かったかのように薪を焚べてるシーンとかは好きだけどね。 全体的に冗長で暗い。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-11-29 15:56:41) |
16. 映画『からかい上手の高木さん』
《ネタバレ》 これは『耳をすませば』を超える耳すま症候群な映画だ。 特に永野芽郁ファンが見たら間違いなく重症な耳すま症候群になるだろうね。 浴衣姿の永野芽郁が隣りに座っていて一緒に花火を見るとか、どんだけ幸せなんだよ! と元気なくツッコミながら見ていた、口をへの字に曲げて指をくわえて( ⋅́ ̯⋅̀ )ショボーン [インターネット(邦画)] 8点(2024-11-24 22:30:19)(笑:1票) |
17. 偶然と想像
《ネタバレ》 第1話 魔法(よりもっと不確か) これが一番好き。 玄理が好きなもんで、楽しそうな彼女を拝めるだけで満足。 タクシーの中で元気に話す彼女がとても美しく魅力的だ。 それに加えて内容も面白い。 会話に引き込まれた。 というか男の取り合い勝負で、玄理が古川琴音なんかに負けるはずがない。 勝負にすらならん!8点 第2話 扉は開けたままで エロい話を改まって真面目に語ると、こうもおかしくなるよってヤツ。 そもそも渋川清彦が真面目な教授を演じている時点でギャグみたいなもんだが。 身体の相性ってのは、確かにある… segawa@とすべきところを、その場の佐川急便に関する会話の影響を受けてsagawa@と入力してしまったとか、よく出来た巧いオチだ。7点 第3話 もう一度 河井青葉が大好きだったのだけど、さすがに老けたなぁ…。 日々の暮らしに追われ疲れた主婦役がこうも似合ってしまうとは。 ストーリー的にイマイチ共感できず。 ついでに占部房子は生理的に苦手。5点 (最後に映画とは直接関係のない小話) 好きな羊文学のボーカルがかつて働いていた「下高井戸シネマ」で開催中の濱口竜介特集にて鑑賞したのだが、入口にあるチケット売り場の人垣をかき分けて不審な動きをしている白髪の老人の姿が目に入った。ジャケットの背中には「劇団東京乾電池」の文字が書いてある。ん?!待てよ、ちょいマテヨ。その白髪の老人は柄本明、その人だった。つっかけサンダルでそこら辺から歩いてきたような出立ちだった。もしかして下高井戸住みなのかな。 [映画館(邦画)] 7点(2024-11-16 19:20:30) |
18. ルックバック
《ネタバレ》 キラキラと流れるような切なくて美しい映画。 音楽がとても印象に残った。 「藤野が暴漢から救ってくれたけど実は背中に凶器が刺さっていた」 この4コマ漫画の存在は何なのか? 悲劇を予知した4コマ漫画なのか? ここがよく理解できず。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-11-15 23:04:34) |
19. 更けるころ
《ネタバレ》 夏の夜の喫煙所。 そこで偶然居合わせた若い男女の会話。 この時点でシチュエーションとしてはとても良い。 女の方が絶妙に冷たいのもどこかリアル。 特に可愛くも不細工でもないところもリアル。 男の方はさり気なく次の機会に期待してる感が出てるのもリアル。 次、会う機会はあるのかな?ないのかな? いずれにしても、会話は弾んでたとは言い難いので、関係の発展性はないだろうな。 そう考えるとなんだか虚しさも感じるが、一期一会だからこその味わいはあるかもね。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-11-07 22:39:57) |
20. ぬけろ、メビウス!!
《ネタバレ》 『町中華で飲ろうぜ』での親しみやすいキャラクターが印象的な坂ノ上茜主演で送るほっこり系日本映画。 とっても人懐っこい作品で、ほのぼのとさせてくれる。 親しみと愛にあふれた作品である。 一つ面白かったのは、彼氏としてエイトの方は若すぎるし、逆に太一はオッサン過ぎること。 余計なお世話かもだけど、もう少しマシな彼氏がいても良さそうなのに。 なんせ町中華で飲むのが似合う、きさくで魅力的な女性なのだから。 町中華の伝道師! [インターネット(邦画)] 7点(2024-10-31 20:09:53) |