2. 渚にて
キューバ危機以前にこの映画が作られた事は、今考えると凄い事だと思う。 戦後、東西両陣営の核のバランスの脅威から、時代への警鐘としての作品のはずだが、封切られて2~3年後に、現実にかなり際どい所まで世界情勢は行ってしまった訳だ。この時代にこの映画を見た人は、結構トラウマとしてその世界観をすり込まれていた事だろう。 反戦映画の抑止力がどれだけのものかなんて、誰にも判らない。 しかし、「その後の出来事」を淡々と、そして堂々と描ききったこの作品は、この時代にとってとても大きな役割を果たしたに違いない。 日本にも、もっとストレートに核戦争を描いた「世界大戦争」というフランキー堺主演の映画があり、小学生時代の土曜の午後テレビで見た記憶が、しっかりとトラウマになっている。 こういう、作り手の情熱が感じられる映画はその事だけでも評価するべき。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-23 08:22:43)(良:1票) |