1. 君とボクの虹色の世界
《ネタバレ》 冒頭からして『やばいイイのきたぞ!』と思ってしまった作品。音楽が映画とやばいほどマッチしている。映像もシュールでありながらロマンチックでファンタジー。分類するなら恋愛映画よりの不思議映画だろう。世の中の不器用な不思議ちゃんたちの群像劇だ。彼らの行動はときどき痛々しく、普通なら引いてしまうところだと思われるシーンも、不思議ちゃんしか登場していないので、なぜか次々に受け入れられていくのも面白い。(唯一の常識人はリチャードの元奥さん)そして不思議ちゃんたちの純粋な部分を表すように、繊細で配色も構成もステキなシーンがたくさんでてくる。そういう点ではアメリに似ているが、こっちは集団単位で不思議ちゃんがそろっているのでいろいろなタイプをみて楽しめるし、アメリより下品でシュールでポップだ。こっちのほうが好き。 [DVD(字幕)] 10点(2007-07-28 10:08:37)(良:1票) |
2. 男と女(1966)
《ネタバレ》 ストーリーはシンプルながら良質な映画だった。アヌーク・エーメの指を口元にやる仕草が可愛い。(篠原涼子はあの眉毛を真似してるのだろうか?)回想シーンを言葉でなく、映像やラジオで表現する辺り、無難かつ、うまいなぁと思ってしまった。言葉で説明してしまうとありふれてしまうし、平凡になってしまいそうだし。二人がだんだん惹かれあっていくさまが本当に繊細に表現されていてよかった。子供たちも可愛くてイイ子達でみていて心が和んだー。微妙なラストだが、アレでいいと思う。あんなステキな旦那の記憶は、というか本気で愛した人の記憶はそう簡単に消えないと思うから。二人が傷に向き合っていくのはこれからだろう。しかし男は雄弁だが、妻の記憶はあんまりないんだなぁ、寡黙だが思い出の多い女とは対比的だった。レースシーンと恋愛シーンの緊張感と緩和が良かったが、レースシーンは緊張感出しすぎではないだろうか。「え?誰か死ぬのコレ?」とハラハラしっぱなしで疲れた。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-30 00:06:31) |
3. まぼろし
《ネタバレ》 原題の『砂の下』ってどういう意図でつけたのだろう?邦題のまぼろしのほうが合っている気がしてしまった。『自分は夫を愛していたというよりも、良き妻である自分を愛していただけで、それを自分のアイデンティティーにしていたのかも…』と、彼女はどこか自分自身でそう思ってしまったのだろう。でもだからといって夫への愛がすべて偽りだったわけでもなくて、逃げた夫へあてつけるように、新しい恋人を作る。ここにはすごく複雑な感情があると思う。彼女はどこかで良き妻でないことを突きつけられるのが怖かったのかもしれない。良き妻を演じようとしたのには、姑への抵抗もあるだろう。意地になって良き妻を演じ続けて夫の水死体も見ようとした。でもきっと気持ち悪いと思っちゃったんだろう。いろんな気持ちに追い詰められたあげく、彼女は最後にある浜辺の影へとはしっていく。この影が誰かは分からない。きっと彼女も夫同じように追い詰められた挙句、こうして失踪するのかも、と自分は思った。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-28 10:55:52) |
4. 髪結いの亭主
《ネタバレ》 官能的で、突っ込みどころ満載なステキ映画。どうして美容室で寝起きにプロポーズしているのか、そして奥さんもなんで受けるのか。毛糸の海水パンツって?真夜中の香水カクテルパーティーって?そのダンスはなんだ?そんな疑問をふっとばし、ひたすら愛とロマンな映画。まさにフランス映画!といいたくなるような、ミステリアスとエロスをしっとりと漂わせた映画。ところどころで笑ってしまうのに、最終的に切なくて泣けてしまうのだからズルイ映画だ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-07-28 10:33:23) |
5. ANA+OTTO/アナとオットー
《ネタバレ》 友人が薦めてくれた映画。自分のなかでかなりお気に入りに。さまざまに引き起こされる偶然をアナとオットーの視点から描いているのだが、二人の感情のすれ違いやうまく合ったときなどをハラハラしながら見守った。ナイワ・ニムリはショートカットが本当にキレイ!!映像も淡くてとても詩的で美しかった。北極圏で白夜を見たいなと思ってしまった。ところでオットーが飛ばした紙ヒコーキにはどんな言葉がかかれていたのだろう? [DVD(字幕)] 8点(2007-07-28 09:57:56) |
6. ポンヌフの恋人
《ネタバレ》 冒頭、青白いトンネルの光を追うように、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタが流れるシーンが最高に良い。自分の中でのベスト・オープニングだ。しかしその後の映像は美醜がまじり、題名からは想像もできないほど馬鹿笑いとゴミと垢にまみれた恋人達の物語になる。最初の収容所のシーンは特に衝撃だった。あのオープニングから繋がる作品とは思えなかった。でも時折、本当にハッとするほど美しいシーンがさしはさまれているし、笑いどころもあって楽しい映画ではある。しかしアレックス役のドニ・ラヴァンの頭のかたちがすごくて入り込めなかった…。確かに今思うと、彼だからこそこのような美醜が絶妙にまざった映画ができたと思うのだけども。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-28 10:24:35) |