1. スクリーム(1996)
《ネタバレ》 レンタルビデオ屋に行くといつも『ラストサマー』と対を成すように置かれている作品です。 確かに内容も似ています。ティーンエイジャー数人が集まった場で殺戮が起こる。 先日、ようやく『ラストサマー』を鑑賞し、その後一緒に借りていた『スクリーム』も観ましたが、私は断然こちらのほうが面白いと思いました。 『ラストサマー』よりホラー感があります。それでいて、随所にコメディ要素もある。 何より、恐ろしい存在であるはずの殺人鬼が弱い。女の子に蹴られて派手にスッ転ぶ殺人鬼って、あんま見かけないですよね(笑) でも、殺るべきところはしっかり殺るから怖い。というか、スッ転びながらようやくグサッといったときは「イェーイ!」と歓声を上げてしまいました(笑) 怖いけど、なんだか応援したくなる殺人鬼です。まぁ、ラスト、殺人鬼の正体がわかった以後は、応援なんてしたくなくなるんですけどね……。 全編、ホラーとコメディが上手く組み合わさっているので、純粋なホラー映画を観るよりは肩の力を抜いて観る事ができます。もちろん、音響や映像でビクッと驚かすシーンもあるので、油断は禁物。 さまざまなシーンで「映画みたい」や「これがホラー映画だったら……」などと、映画に関する台詞が登場したり、ホラー映画のお決まりの行動を避けようとするのも面白いです。 ホラー映画にお決まりなシーンが続出ですが、それを逆手にとってコメディ要素にしてしまう手腕には恐れ入ります。 続編が何作かあるみたいなので、是非見てみようと思いました。 ホラーのドキドキ恐怖感が好きだけど、怖いだけのものは嫌、というわがままな人にピッタリな作品です。 怖くて笑える。 オチもなかなか衝撃度高く、かの『SAW ソウ』ほどではありませんが、「えーっ!?」と声をあげたくなるものですよ。 純粋に、オススメ。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-13 08:13:56) |
2. ラストサマー
《ネタバレ》 高校最後の夏に、友人と海辺で飲んだ帰り、人を轢いてしまった主人公たち。警察に捕まり、人生が台無しになることを恐れた彼らは、その“事”を互いに墓場まで持って行くことを誓い合う。 一年後、大学生になったももの、いまだに例の“事”を気にして過ごしているジュリー(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)。故郷に戻った彼女を待っていたのは、一枚の手紙だった。 “I KNOW WHAT YOU DID LAST SUMMER(去年の夏、何をしたか知っているぞ)” 非常に完成度が良く、綺麗にまとまった感のあるホラー映画ですね。 ただ残念なのが、無関係者が殺人鬼に殺されるシーンは胸にカギヅメが突き刺さったり、喉を掻っ切られるなど、残虐な描写が割とモロに描かれているのに、いよいよ主人公らが一人ひとり殺されていく場面は、いまいち死んだのか(殺されたのか)わからない描かれ方をしていること。 カギヅメが突き刺さる音と悲鳴だけ。まぁ最終的にその疑問は解明するように出来ているわけですが、あのシーンを観る限りでは「もしかしたら横の壁に刺さってるだけかも?」と思ってしまいます。 『ラストサマー2』はまだ観ていないので、本作のラストを観たあとで続編のキャストを見て、ジェニファー・ラヴ・ヒューイットが続投していることを不思議に思いました。どう考えてもこのラストは、続編作れそうにないんですけど……。 この映画は音楽も良いですね! 全編、BGMに、ヴォーカル付のロックなどが流れています。大抵、映画のBGMってインストゥルメンタルが多いので、珍しいと思いました。 ティーンエイジャー映画らしく、爽やかな曲が多いのも新鮮。まぁ、ホラー映画という点で見たら、ミスマッチな感じしますけどね……(笑) 青春映画が苦手な人は微妙に楽しみにくいかもしれませんが、殺人鬼系のホラー映画として観ると結構面白いです。設定や展開も丁寧で作りこまれています。 どうでもいいけど、この映画を観ていて『ケープ・フィアー』を思い出しました(笑) かなり飽きやすいので、DVDを買おうと思っている人は考え直して、レンタルにしたほうがいいですよ。ジェニファー・ラヴ・ヒューイットのファンだというなら別ですが。 [DVD(字幕)] 6点(2008-12-08 18:31:30)(良:2票) |
3. レオン(1994)
《ネタバレ》 『ニキータ』のリュック・ベッソン監督による、純愛アクション・ラブストーリー。 孤高な殺し屋 レオンと、孤独な少女 マチルダの不可思議な純愛を描いた物語で、独特の世界観が話題を呼んだ。 ベッソン監督の作品を観るのは本作が初だが、大衆向けのエンターテイメント作品と、そうでないマニアックな作品の両方を扱える実力を持った監督だな、と思いました。 といっても本人が監督を務めた作品はほとんどマニアックな作品ばかりで、大衆向け作品は全てプロデュースに回っている。『Taxi』シリーズや『トランスポーター』シリーズなどなど…。 主演のジャン・レノは本当に良い俳優だ。冒頭、店でミルクを飲みながら“仕事”の話をするレオンや、“仕事中”のレオンを見ると、かなり冷酷で凄腕の殺し屋だ、と感じるが、マチルダに出会ってから徐々に変わっていく。彼の性格も、暮らしも、全て。そんな変化を、実にナチュラルに演じている。多くのファンが言っていることだが、本当に、レオンの役はレノ以外ありえなかっただろう。殺し屋といえば私はシルヴェスター・スタローンの鋭い眼光やトム・ベレンジャー、チョウ・ユンファのカリスマ性が浮かぶが、彼らがレオンを演じていたら絶対にヒットしなかったし、名作にもなり得なかったでしょう。 リュック・ベッソン×ジャン・レノ+ナタリー・ポートマンだからこそ完成した、至高のラブストーリーです。 [DVD(字幕)] 9点(2008-04-03 23:26:17) |
4. きっと忘れない
《ネタバレ》 久しぶりに観た正統派の感動ドラマで、泣きこそしなかったものの、とても素晴らしかった。 正統派ということで、今観るにはありきたりな感じがするが、ピュアな心を持っている人なら絶対に泣けるはず。ピュアな心を失くしてしまった人は、それを取り戻すための1ピースを見つけることができるかもしれない。 主演は『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』のブレンダン・フレイザー、『グッドフェローズ』のジョー・ペシ。 ブレンダンはけっこういつも通りの演技をしていたように感じられました。もともと真面目そうな顔だちなので、学生役は意外と似合ってるかも。ジョー・ペシも、小さい体にやや太めということで、一般大衆が持つホームレスのイメージにピッタリだと思った(笑) TSUTAYAなどへ行くと、ラブストーリーのコーナーに置いてある事が多いが、どちらかといえば本作はドラマに近い。 恋愛も含まれているが、メインではないような。メインはブレンダンとジョーが打ち出す人間ドラマ。 しかし、それにしても、感動すべきシーンがいくつもあるにも関わらず、それぞれがあまりに短いカットなため、泣くになけない。涙腺を揺さぶり、涙が…!というところでシーンが変わる。まさに「もうちょっとだったのに!」 90分なんて短く終わらせずに、もうちょっと各シーンを長くし、せめて100分越えはしてほしかった。 時間的な不満は幾つもあるが、とりあえず清々しい感動を得たいという人にオススメの映画です。またはブレンダン・フレイザー、ジョー・ペシのファンにオススメ。 [DVD(字幕)] 8点(2008-01-24 23:17:45) |
5. ケープ・フィアー
《ネタバレ》 他レビューサイト等で本作のレビューを見てみると、ほとんどの人が「怖い」としか言っておらず、デ・ニーロのファンも他の映画のレビューは長く書いてあるのに、本作だけ文が短い。なぜだろう?と思っていたが、いざ観てみてわかった。 「怖い」 本当に、この一言に尽きる作品です。何が怖いって、ロバート・デ・ニーロ演じるマックスという異常者の狂気がその場の空気を埋め尽くしていて、ニック・ノルティ演じるサム、その妻のレイ、娘のダニエル…だれかが画面に登場すると、もう緊張感で空気がピリピリ。そして登場するマックス。狂気剥き出しで吠えまくるラストも凄かったですが、ロバート得意の妙なニヤけ顔連発で大して何もしない前半-中盤のほうが、怖かった。ロバートのニコニコ顔はあまり良い兆候ではない。そう思って観ていました。 そしてロバートが醸し出す映像面の恐怖をさらに盛り立ててくれるのが、バーナード・ハーマンの音楽。もう完全なる恐怖映画の音楽で、私はロバート主演のホラー映画でも観ているんじゃないかと思いました。すごく秀逸な音楽だけど、スコセッシ映画特有の雰囲気もしっかり出している。バーナードの履歴を読んでみると、『市民ケーン』『知りすぎていた男』『めまい』などなど、古き良き名作を多数担当していた事がわかった。そして本作の原作となる『恐怖の岬』も、担当していたようで、どーりで凄いわけだ。 でも一番凄いのは、この映画を撮影したマーティン・スコセッシ。原案・原作があったとはいえ、そのリメイクでここまでの映画を創れるのは、監督として一流だから。つい最近も、『ディパーテッド』で賞を獲ったそうで、これからも第一線で活躍していってくれることを切に願います。そしてまたマーティン×ロバートコンビが観られる事を、ファンとして期待する。 『ミッドナイト・ラン』や『ミート・ザ・ペアレンツ』など、明るいロバートばかりを観ている人にとっては相当ギャップが生じると思いますが、まさにアカデミー助演男優賞級の演技、是非観てもらいたいものです。 アクションもこなしていて、91年の映画なので今のロバートとは違いますが、彼の凄さを改めて思い知った。 オススメ! [DVD(字幕)] 9点(2008-01-22 23:28:03) |