1. 月世界旅行
《ネタバレ》 世界初(?) のSF映画としてあまりにも有名。まあこの映画を観るということは、どちらかと言うと文化財を鑑賞するみたいな感じです。ルミエール兄弟は「私たちは映画の父だけど、ジョルジュ・メリエスは映画創造の父である」と言っていたそうですが、まさにメリエスの持つすべてのテクニックの集大成であると言えるでしょう。それでもいろいろと面白いことが、このわずか17分間から見えてきます。この映画はジュール・ヴェルヌが原作と言われていますが、実はその小説の挿し絵を映像化したと言った方が正しいみたいです。月面の崖から落下したら地球まで落っこちてゆくという奇想天外なシーンも、原作の挿画通りなんです。メリエスも当然男性観客のウケを狙っているわけですが、なぜかブルマみたいなものを着用しておみ足を見せびらかしている淑女たちが地球のシーンでは大勢登場するのがウケます。この時代にしては、かなり大胆な露出じゃないですか。半魚人にしか見えない月面人が、なぜか一人だけ一緒に地球までついてきちゃってるのも、まるでドリフのコントみたいで笑っちゃいました。 この映画は正直点数をつける対象なのかは微妙ですが(悪い意味じゃありません)、やはり死ぬまでに一度は観ておくべきですね。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2017-08-22 23:34:00) |