1. メトロポリス(1926)
ロボットと近未来が表現されなければ「蟹工船」に似た内容に思う。1926年のドイツで既に現代の状況を予知していたかのようだ。かと言ってバブルの時代に、今の状況を予測できた人もいないはず。それに加えて、頭脳と手をつなぐものが心ではない今の世の中が皮肉に思えたりもする。この映画を見てサイレント映画に興味を持ったというレビューがあったが、当時は音楽なしの本当のサイレントだったことに注意してもらいたい。だが1926年当時に見た人にとっては衝撃的な作品だったと思う。そして今観賞しても価値のある作品に間違いはない。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-07 03:02:59) |
2. 椿姫(1921)
《ネタバレ》 ワーナーのDVDの特典映像に入っていたので、「グレタ・ガルボ版」の後、観賞したのですが、本作はストーリーは同じでもコンセプトが違います。こちらのサイレントバージョンは「毒」を沢山撒き散らすことで「愛」を表現しています。それ故、かなり分かりやすいストーリーになっています。悲惨さで泣かせるシーンが多く、昔朝ドラで放送された「おしん」を思い出します。ラストシーンでマルグリットとアルマンを対面させるかどうか、ガルボ版のリメイクの際、かなり検討されたのではないでしょうか。是非、見比べてください。 [DVD(字幕)] 8点(2010-02-11 15:53:39)(良:1票) |
3. 結婚哲学
《ネタバレ》 サイレント映画でこれほど観客に訴えてくるシナリオを、私はほとんどお目にかかったことがない。 登場人物がおどけて見せたり、パントマイムで人を笑わせるのは簡単なのかもしれない。 本作はコメディタッチも含まれているが、本筋は「愛」の表現であり、小道具や人物のさりげない行動から誰が観賞しても理解できるベルにある。 サイレントという現代の若者には抵抗があるかもしれないが、同じような顔でも髭を生やしたり、髪の色、髭を蓄えたりと、子供が観てもわかるように仕上げている。 映画製作の勉強をしている人は必見! [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-10-25 04:59:11) |
4. チャップリンの黄金狂時代
私と趣味が近いレビュアーの方が、チャップリン最高傑作と仰っていたので拝見したのですが、やっぱりチャップリンにはそれぞれの個人的な思い入れが強く出ますね。 因みに、私にとってチャップリン最高傑作は「担え銃」と「キッド」です。 小さいお子様がいらっしゃる方には、是非たくさんの「チャップリン」映画を見せて、笑いの感性を育ててあげてください。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-29 00:23:37) |
5. 下宿人(1926)
私の大好きなスパイク・リー監督の「サマー・オブ・サム」という映画が、この映画をそのまんま下敷きにしていたのにビックリしました。私の他に気づいた人いませんか? 是非、本作と合わせて鑑賞してみてください。面白い発見が沢山あります。本作は、サスペンスのジャンルかもしれませんが、やはりヒッチコックは面白い人間像を作る監督なんだと痛感しました。 公開当時は無声だったようですから、音を消してみるのもいいかもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-19 00:00:37) |