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1.  キング・コング(1933) 《ネタバレ》 
現代ではさすがに特撮レベルが古過ぎて、その映像は「映画史の資料」的な見方しかできませんでしたが、1933年ということを考えると、かなり頑張ってるなと感心しますし、スカル島の巨大ゲートのセットは『イントレランス』を思い出すような雰囲気がありました。僕にとってのキングコングはジョン・ギラーミン版が最初で、それはつまらなく思い、その次がピーター・ジャクソン版。ピーター・ジャクソン版が好きになり、今回オリジナルを見てみる気になった次第。美女にかかっては野獣も骨抜きになってしまうというテーマはオリジナルが最も分かりやすく作られているなと思いました。デナムやドリスコルの人物像もオリジナルの方が好きです。船でのテスト撮影シーンでアンを高く見上げさせ叫び声を上げさせ、それを見物していたドリスコル(オリジナルは船乗り)に「何を見せるつもりだ?」と言わせるくだりも気に入りました。そのうち巨大ゴリラが出てくることは分かっているし、しかも現代となってはお粗末な巨大ゴリラであっても、こういうシーンが作り出す雰囲気作りって大事だなーと思いました。 コングはオリジナルはあくまで野獣なんですね。リメイクのようなヒューマニティは見せないし、アンはコングに愛着なんか持ってない。男性性の負の面のみを強調したメタファーで、そいつを退治して最後アンとドリスコルを2ショットにする。美女が野獣を骨抜きにする・・・といっても、男性の中にある野獣の側面だけを抜き去っているというならいいけど(この映画ではドリスコルをして女嫌いな無骨な男から、優しい紳士に変えたということかな)、でも男性そのものを骨抜きにしてはいないのかなぁ? よくよく考えてみれば、今の流行は中性的な(というか女ぽい)男性だったりしてない? 「こんなのばかりもてはやされて、もし戦争とか原始的生活が余儀なくされたら大丈夫か?」とか思わなくもないんですが、そういう風にしてしまってるのはなにも美女のせいではないよーな(美女って少なくなった気がするー)・・・男を骨抜きにしてるのはアニメやメディアだったりして?
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-12 04:41:39)
2.  チャンプ(1931) 《ネタバレ》 
1979年版しか観たことなかったのですが、このたび初めて1931年版を鑑賞。あごを引いて前屈みな今のボクシングスタイルと違って、あごを上げて後ろにのけぞるような古いスタイルが映し出される1931年ものということで、無意識にもハードルを下げている部分はあるかと思いますが、ウォルター・マッソーを渋くワイルドにしたようなチャンプは、ジョン・ヴォイトよりも雰囲気があると思います。子役も、甘ったるい顔で「泣かせてみせます」オーラ全開のリッキー少年より、こちらの作品の子役の方がかなり好感持てます。ボクシングの試合シーンはサイレント時代のような早回しの映像になって滑稽。この時代の役者さんは役作りの為に本物に近づくような訓練とかはしなかったんでしょうね。人を殴るという場面がある映画の多くは、実際にはパンチは当てずに役者が打たれた演技をして、あたかもパンチが当たったかのように錯覚させるわけですが、この作品では、顔面を連打されるチャンプの顔のどアップを見せる為にコマ撮りみたいなシーンがあったのが面白かったです。画面を静止してみたらグローブがちゃんと顔面に食い込むようなショットにしていて、当時ならではの努力を感じました。1979年版では、リッキー少年の、涙の鼻づまりで連呼される「チャ~ンプ」にはイラッとするものがあったため、ラストは冷めてましたが、本作のラストは鑑賞価値があると思いました。別れた奥さんがチャンプを少しも見舞うことなく少年を抱き上げて去っていきますが、子守唄の曲で締めくくったのが印象的で、なんとなく「父親の役目」「母親の役目」など考えてしまいました。
[DVD(字幕)] 5点(2011-06-05 06:48:39)
3.  オズの魔法使 《ネタバレ》 
我が子に一度は見せておきたいと思いながらも吹き替え版に巡り会えずにいましたが、ようやくこの度入手。でも、もう小学4年の男子(自分は小学5年で観て感激したけど、今どきの小4男児にはね・・・)。不安は的中。黄色いレンガ道のくるくる巻きのスタート地点で「ぐるぐる回らんでも、あっちにあるやろー!」と突っ込みスタート。ブリキが「心が欲しい」と言えば「欲しいと思ってる時点で心はあるやろ!」、ライオンが崖を登れば「あんな崖を登って行ければ勇気はあるやろ!」、「カーペットを勝手にマントにして遊んでいいのか!」「あー、鉢を割った!」そして城のガラスを割って逃げ出すと「あんなことして、願いを叶えてもらえるわけないやろ!」・・・息子よ、君は間違っていない。トホホ・・・ラスト、ドロシーが気球に乗り損ねて北の善い魔女が再登場したら「えっ、こいつが解決してくれるなら最初にすればいいやろ!!」と叫んだ。もう少し幼いうちに見せてやりたかった(涙) オズの大魔王の吹き替えはドクロベェ様なので、どこかで「あーかぽんたん!」とか「おしおきだべー」が聞けそうな気がした。しかし今回の鑑賞を機に、この作品が1939年の作品だと初めて知ってフニャフニャと力が抜けてしまうような驚きを覚えた。セピア画面の扉を開けると現れるフルカラーの世界に合成の継ぎ目とか見えないし、何よりもあの竜巻は当時の技術でどうやって撮影されたのか!! 凄い!! それからライオンかわいい!
[DVD(吹替)] 5点(2010-11-23 23:01:52)(笑:2票)
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