1. 13日の金曜日/ジェイソンの命日
《ネタバレ》 シリーズ最低作。いえ、13日の金曜日と銘打っていなければ、愛すべきB級ホラーとして受け入れられたんですけどね。 このシリーズの良さは『何も考えていない若者たち』が『何も考えていないジェイソン』に1人1人血祭りにあげられちゃうのが良いのに。説明やら理屈やらは無いほうが良いんです。 13日に金曜日に、オカルトやらSFやらファンタジーの要素はいらない。 ってゆーかあの短剣なにー? あのおっさん誰ー? 『俺のこと覚えているか?』って誰も覚えていないんですけどー。今までのシリーズに出てきましたっけ? [DVD(字幕)] 3点(2020-11-30 01:10:23) |
2. ボディ・スナッチャーズ
《ネタバレ》 この作品は、『街』が凄く似合うシリーズだと思うんですよね。 『日常』がすり替わる恐怖。『隣人』が『隣人』でなくなり、『家族』が『家族』でなくなる恐怖。それがこの映画のミソ。舞台が『街』から『軍事施設』に変わっちゃえば、その恐怖感ってどうしても薄れちゃいます。 また、この映画ではすり替わられる前の描き方がちょっと足りないです。父や弟や女友達はまあいいでしょう。でもそれ以外の人たちは、会ったときからすでに変。そうじゃないんですよねー。どうもこの作品はこのシリーズの良さってのをちゃんと理解できていない気がする。 マジョリティからマイノリティになってしまう恐怖というものをもっと描けていたならば、ガブリエル・アンウォーに頼らなくとも、もっと高い評価を受けていたかもしれません。『SF/ボディ・スナッチャー』や『インベージョン』に比べると、あらゆる面でワンランク劣ります。3作品の中では『インベージョン』が一番面白いかな。 [DVD(字幕)] 5点(2019-09-23 00:22:21) |
3. ダイ・ハード3
《ネタバレ》 名作との呼び声高い1作目。期待はずれの2作目。そして今作。あまり高い評価は受けていないようですが、個人的にはかなり好き。 まずプロットが好きです。オープニング。まだ曲が流れている最中なのに突然起る大爆発。最高のつかみ。核心からスタートするようなスピーディーな展開に惚れ惚れ。犯人の手がかりをつかもうと、警察署内はパニック状態。そんな中、おちょくるようにかかってくる犯人からの電話。冒頭10分足らずでこの映画は最高だと確信。 マクレーンとのゲームを要求。警察とFBIをふりまわし、頭のイカれた復讐犯を演じるテロリスト。真の目的は1400億ドル相当の金塊。真の目的が明らかになったとき、サイモングループにしびれましたね。このテロリストグループがまた一癖も二癖もあるのが良い。ラストでは仲間まで欺き、金塊をマクレーンもろとも海に沈める偽装工作。この徹底振りが最高。悪の華満開。だからこそ、マクレーンがサイモンの策略を全部見抜いちゃってサイモンを追い詰めていくのが痛快。 細かい伏線から大事な伏線まで練りこみ具合がいい塩梅。お気に入りはダンプ14台の盗難。それに、『警察なんか一人もいないじゃん。盗み放題だぜ』って、めっちゃわかりやすく教えてくれる万引き少年。このときのマクレーンの表情と音楽が超ベタで大好き。 とにかくストーリーの面白さで魅せてくれます。その一方でビル爆破、地下鉄爆発、地下の洪水など、ビジュアル面でも大迫力。 忘れてならないのが相棒ゼウス。演じるはサミュエル・L・ジャクソン。マクレーンの個性を奪わない正にベストバランスのキャスティング。バディものが大好きな私にとっては、二人の掛け合いは最高に楽しいひととき。電話ボックスの『爆発するぞー。逃げろー。』で、ゼウスがお金をめぐんでもらうシーンが笑い転げます。 サイモンと女テロリストの最期が盛り上がりませんでしたが、娯楽性の高いアクションムービーとして、私は完全にアリです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-05-07 10:05:23)(良:1票) |
4. バタリアン リターンズ
《ネタバレ》 『2』と同じ点数をつけましたが、好みで言えば『2』のほうが好きです。 一応『3』にあたるこの作品。タイトルを変えているだけあって、『1』『2』とはまるで方向性が違います。 『ゾンビ』にしろ『バタリアン』にしろ、私がこの系統の作品に求めるのは『サバイバル』『パニック』なので、この作品はいまいち好みと合致しません。かなり内輪の揉め事に終始していて、フィールドが狭い。パニック要素が弱い。不特定多数の人々を巻き込んでこそ、盛り上がるというもの。 ただ、その狭いフィールドの中で起きるトラブルは、結構なクオリティで魅せてくれます。 『最初の実験体の惨劇』『撃たれた店主の捕食及びバタリアン化』『リバーマンを食べてしまうヒロイン』など、どれも一見の価値はあると思います。グロさはまあまあ、ストーリーも悪くないので、スプラッタ系ムービーとしては十分楽しめるものに仕上がっていると思います。 私はメインのストーリーが『ラブストーリー』だと、どうしても気持ちが乗り切れません。 それに、彼女の死は自業自得も良いとこです。更には主人公である彼氏のあまりに身勝手な行動。たとえB級であっても、主人公にはある程度の常識人を置いてもらわないと、共感も同情もできません。 ある意味、彼氏のエゴを最悪の形で表現した究極のDV作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2017-05-27 10:35:12) |
5. ガメラ2 レギオン襲来
《ネタバレ》 『ギャオス戦』から1年くらいしか経っていないのに、映像技術に凄い差を感じるのは気のせい? 今作における『ガメラ初登場の飛行シーン』、『小型レギオン初登場のホラー演出』、今までの怪獣映画の中で、この2つのシーンのクオリティは群を抜いていると思うのです。 そして『レギオン』、素晴らしい敵ですね。『怪獣』と『エイリアン』を見事に融合させた造形とその高いスペック。ガメラのライバルとして申し分なかったと思います。思うに、理想的な敵とは、主人公(ガメラ&人類)より『ちょっとだけ強い』ってのが大事ですね。そして多様性。この2点をクリアしている『レギオン』は歴代怪獣の中でも最高傑作と言っていいんじゃないでしょうか。 まずは『小型レギオン』の造形と攻撃力。『怪獣はでかいもの』『人間では太刀打ちできないもの』という常識を根底から覆しているその発想の柔軟性が素晴らしい。その小ささから、ガメラでは手に負えないが、逆に人間には倒せちゃうっていうのは、今までの怪獣映画にはなかったプロットです。『ガメラ』と『人間』による、本当の意味での『共同戦線』。こーゆーのがぜひ見たかったんです。 更には大爆発とともに種子をとばす、時限付き核爆弾のような『草体』。多彩な攻撃、鉄壁の防御、圧倒的な強さでバトルを盛り上げる『大型レギオン』。そんなレギオンたちに何度もやられながら何度も立ち上がるガメラの痛々しいこと。 今作のガメラは、『小型レギオン』にやられ、『草体』の爆発にまきこまれ、『大型レギオン』に一度はコテンパンにやられてしまうという、痛々しさが半端ないんです。多分シリーズ中最も血を流している作品です。そこには『プロレス』にも通じる、相手の攻撃を真っ向から受け止めるというかっこよさを感じるのです。 いよいよクライマックス。いったいここからどうやってガメラは勝利を掴むのか・・。どきどき・・・。 ・・・っておい、マジンガーZかよ、っていう必殺技。そしてラスト飛び立つとき、なぜか回転ではなくてロボットのようなジェット噴射。最後の最後で、なんかがっかり。いや、これね、ゴジラシリーズだったら全然良いんです。ガメラだから、なんかこんなんガメラじゃないっていう、そーゆーがっかりなんですよね。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-05-23 11:04:24) |
6. ガメラ 大怪獣空中決戦
《ネタバレ》 期待してみただけに、評価が辛めになっちゃいます。 オープニングから中盤くらいまでは、雰囲気があって非常に良いです。 『ギャオス』にしろ『ガメラ』にしろ、「いったいこれは何だ?」と姿を現すまでの緊張感は素晴らしい。 ギャオスの糞の中から出てくる関係者の持ち物。この画が、生物としての生々しさを感じさせて期待が膨らみます。 これは『ゴ○ラ』とは一味違うぞという気にさせてくれます。 そして後半。ガメラとギャオスのガチンコ対決。一番の見せ場、が、なんか一番かったるいのは気のせいでしょうか。 やはりここは普通の怪獣映画なんですね。また、どうしても怪獣が出てきてからは模型を使ったシーンも多くなるため、テンションが下がってしまいます。飛行シーンの合成具合なんかは作り物感が半端ないです。 中盤以降の、出来ない描写を無理矢理力技で作っちゃうような画よりも、、前半のようにできる範囲で限りなくリアルに近づけている画のほうが好き。 また、伊原剛志の少々わざとらしい演技や、藤谷文子の棒読みも、鑑賞のジャマになっちゃうレベルです。 ただ、ストーリーは良かったです。 地元福岡の映像がたくさん出てくるのも嬉しい。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2017-05-15 02:23:23)(良:1票) |
7. ターミネーター2
《ネタバレ》 はじめて見たのは中学生の頃か、高校生だったか・・・。当時では考えられないT-1000の流動的な映像に度肝を抜かれたのを覚えています。 その映像技術に頼りきらず、その映像技術から更に工夫されて生み出されたアクションの数々。 初見のときにはこれ以上無いくらいに胸が躍り、そして今見ても十分に面白いと感じられます。 ストーリーはどうでしょう。 テーマは大きい。『世界の滅亡』『人類の存亡』。 それに対して、ストーリーはシンプル。 1.『人類(抵抗軍)のリーダー』を『殺そうとするもの』と『守ろうとするもの』の闘い。 2.事の発端となる人物及びチップの破壊。 壮大なテーマでありながら、ストーリーは限りなく単純化したことで、大変わかりやすいエンタメ作品へと仕上がっています。 自分達が作りたいものを、誰がみても楽しめる作品へと仕上げる。これぞプロの技ですね。 ただ、子供の頃には気にも留めなかったことが、気になっちゃうのが大人であります。余計なことを考える邪念が入り込んでくるんですよね。 『T-1000』をサラ・コナー暗殺に1984年に送り込めばいいじゃん。とかね。 だからね、タイムスリップものを楽しみたいときは、『ドラえもん』を見るような温かい気持ちにならなきゃだめなんですよね。 じゃないと、中古品が新品ロボットからターゲットを守るっていうシンプルながらもアツいストーリー、そしてアクション、そーいったものを純粋に楽しめる自分ではなくなってしまったと感じ、愕然とするわけです。 ですから、今だったらはっきりわかります。 そして自信をもって言えます。 これは『子供向けアクション映画』なのだと。 それを大人でも楽しめるようにプロの技でコーティングされた傑作なのだと。 ただ残念ながら、わたくし個人としては、傑作とまではいきませんでした。 子供の頃の自分であれば、満点ですけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2017-04-18 03:48:43)(良:2票) |
8. ハーモニーベイの夜明け
《ネタバレ》 『愛は霧のかなたに』+『ショーシャンクの空に』+『ハンニバル』+『告発』÷10くらいの作品。 どれも何かの作品で見たようなシーンと小ネタばかり。 ですが面白い。 それはひとえにアンソニー・ホプキンスとキューバ・グッティングJrという二人の俳優の魅力によるところが大きい。 ストーリーそっちのけで、二人のやりとりを見ているだけで面白い。 物語も最初はひきつけられるものがあります。 それは、映画がミステリーに満ちているからでしょう。 『なぜパウエル博士は人を殺したのか。』『何故一言も言葉を発しないのか。』『いったいアフリカで何が起こったのか。』大変興味をそそられます。 その解答そのものは、残念ながら予想の範疇を超えるものではありません。ですが、解答の〝見せ方〟は実に上手いと思います。 特に、初めのゴリラが撃たれるシーンはなかなか衝撃的です。 衝撃的ですが、やはり答えがわかってしまうと、この作品の骨子であるミステリー性がなくなります。 それから先はこの映画の〝落としどころ〟ですが、これがただの脱獄じゃあなんかスッキリしません。 もしアフリカのゴリラを襲った部隊の行為が国際的に違法性のあるもであるならば、もっと別のアクションを起こす展開を見せてほしかった。 諸悪の根源はゴリラを無差別に襲った人々。なのにまるで刑務所が〝悪〟であるかのように、憎むべき対象がシフトしてしまっています。 演出は感動的にしようとしているのに、肝心のストーリーに説得力がないのが残念です。 [DVD(字幕)] 7点(2016-09-29 02:30:19) |
9. ウォーターワールド
《ネタバレ》 何回も見ているかなり好きな映画です。 地上がすべて海の底っていう世界が、まずわかりやすくて良いです。 少ない資源をめぐって争う人々。これは『北斗の拳』や『マッドマックス』と同じ世界観。 これぐらいシンプルでわかり易いストーリーでも、十分面白い映画は出来るということですね。 いや、むしろシンプルだからこそ、映画の世界をじっくり堪能できる、とも考えられます。 また、こーゆー作品では、悪役が非常に重要。その点、デニス・ホッパー扮するディーコンは、この映画のボスキャラとしては最適です。そして、『スモーカーズ』=『ザコキャラ』の働きっぷり、やられっぷりが非常に良いです。 マシンガンをガンガン撃つやつがいるかと思えば、水上バイクでかけまわる奴もいる。空をぶんぶん飛び回ってマシンガンを撃ってくるやつだっています。 どのシーンも、スピード感があってテンポが良くて大変面白い。そしてみんな気持ちいいくらいにサクサクやられていきます。かなり気分爽快です。 そしてヒロイン役はともかく、子役がかわいい。そして、演技がうまい!ケビン・コスナーと次第に心を通わせていく様子が微笑ましいです。 ドラマ性があり、コメディタッチで楽しいシーンがあり、ドッカーンなアクションもある、これぞ総合エンターテイメントの王道をいく傑作です。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-04-05 03:10:10)(良:1票) |
10. バックドラフト
《ネタバレ》 約20年ぶりの鑑賞。当時は『タワーリング・インフェルノ』のようなパニック系という固定観念があったのかもしれません。予想と違う展開に戸惑った記憶があります。 今回は、犯人が存在するサスペンスものとして鑑賞。昔見たときよりもかなり面白く感じました。 『バックドラフト』は、火災のパニックあり、殺人事件のサスペンスあり、兄弟、夫婦の人間ドラマあり、ついでにラブストーリーの要素もある盛りだくさんの内容です。 ですが、それぞれのジャンルが破綻せずに、上手く融合、一本のストーリーとして成り立っています。ある意味複合ジャンルの完成形、それが『バックドラフト』の魅力の一つなのでしょう。 更には、カート・ラッセルにウィリアム・ボールドウィン。ロバート・デ・ニーロにスコット・グレン。そしてドナルド・サザーランド。大物俳優が一同に会す豪華キャスト陣。映画好きにはたまらない作品です。 ただし、ディザスタームービーとしては一流のものには負けます。一流のサスペンス・ミステリーと比較すると、ドキドキ感は物足りません。見方によっては、そのどれもが中途半端に感じてしまう人もきっといるでしょう。 私自身が1回目、2回目と評価にズレが生じたように、鑑賞前の心のスタンスで評価が変わってしまう作品と言えそうです。 最後に、この作品の一番の魅力は、やはり火災シーン、バックドラフトシーンのその迫力、映像につきます。炎、そして煙がまるで意思を持っているかのような動きを見せます。その描写は、不気味さと恐ろしさを兼ね備えていて、私にとっては一流のホラーと比べても見劣りしない迫力を感じました。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-04-04 13:34:31) |
11. スチュアート・リトル
《ネタバレ》 あまりの不思議設定にはじめの方こそ戸惑いますが、見ているうちに違和感がなくなるものですね。いつの間にか『ペット』ではなくあくまで『養子』のスチュアートという設定を受け入れています。それでもジーナ・デイビス演じるお母さんが、スチュアートの洗濯物を見て涙するシーンはちょっと無理を感じましたが。 また、ペットではなく養子としてスチュアートを受け入れた場合、じゃあなぜスノーベルはペット扱いなのか、その辺りの線引きが気になって仕方ありませんでした。スノーベルの怒りはごもっともです。 ストーリーそのものは、はっきり言って子供向けだと思います。ところがこれが面白いのです。大人の鑑賞に堪えうる面白さ。これはもう演出が上手なのでしょう。特に、ヨットレースあたりからはかなり面白くなります。 スチュアートが模型に紛れたり、小さい体ならではのアイデア満載なプロットもさすがです。小さい頃に、『模型の世界で遊べたら』という誰もが一度は思いそうな想像を、こういう形で実現しちゃうってのは夢がありますよね。 セントラルパークでスチュアートがロードスター?を運転しているときに、カーステレオがかかっているなんて小ざかしいけど素晴らしい。車から降りるときは、カーステレオから流れる曲も途切れます。そしてこのときの演出がホラーぽくてドキドキします。 更には主演のスチュアートの性格の良さ。彼の人柄が、本作の魅力をさらに引き上げている気がします。 ニセ夫婦に、セントラルパークでの攻防など、プチサスペンスにハラハラドキドキ。スノーベルが味方になってくれてからの逆転劇は爽快感抜群。 誰もが楽しめる良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2016-01-25 23:55:19) |
12. チルファクター
《ネタバレ》 緊張感あり、笑いあり、これぞ安心して見られる定番のエンターテイメントムービー。 その中でも今作は、ストーリーが非常にわかりやすいうえに、テンポが抜群に良いので、かなり完成度は高いと言えます。 序盤の『エルヴィス(新型枯葉剤)』の実験の惨劇の迫力はすさまじく、このシークエンスがあることによって、エルヴィス争奪戦の緊迫感に拍車がかかります。 また、ブリナー大佐が道を踏み外した経緯を考えれば、重く暗くシビアになりそうなストーリーなのに、アルロ(キューバ・グッティングJr)の存在が良い意味でカンフル剤となって効いています。アルロとメイソンのかけあいが本当に面白くて、全体の雰囲気を壊さない程度に、エンタメ指数を2割増しくらいにしています。 次々襲い掛かるピンチを、二人が次々と絶妙なコンビネーションで切り抜けていくので、小さなカタルシスをずっと感じることができる心地良さがあります。これが娯楽B級映画の最大の長所ですね。 ブリナー大佐はほとんど被害者でもあるうえに、軍は結局何の犠牲も払っていないのでどうかと思いますが、そんな難しいことは考えずに気楽にアルロとメイソンを応援して楽しむ作品でしょう。 秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2016-01-11 04:26:09) |
13. スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
《ネタバレ》 ちょっと恥ずかしい勘違いをしていたので修正。現在公開中の新作は『エピソード7』にあたるらしいので、やはりエピソード『4、5、6、1、2、3』で見るべきでした。ミスったな。 それにしてもこの作品は、映画単体として見た場合、説明が多く若干間延びする感があります。特に政治的なお話ってもう少しわかりやすくならなかったのかと思います。 それに、共和国に必死の思いでたどり着いたのに、結局共和国は何の力にもなれず、結果自分達の力だけで通商船団を壊滅させちゃうわけだから、序盤のナブー脱出の経緯が全くの無駄なんですよね。つまり、メインストーリーがあまり面白くない。 ただ、ヴィジュアル・アイデア・発想という面においてはさすがのスターウォーズであり、ジョージ・ルーカスであります。他のSF作品の追随を許さない圧倒的な独創性と世界観の構築。世界中の映画ファンの多くがこのシリーズに魅了される気持ちが少しだけわかりました。 個人的には、原始的な生物や原住民が、シールドやエナジーボールといった超近代的な兵器を当たり前のように使う、このアナログとデジタルの融合がたまりません。関係ないんですけど、漫画の『ワンピース』は、絶対このシリーズの影響を受けていると思います。 また、シリーズものとして、いかにも『続きますよっ!』って感じではなく、これはこれで一つのストーリーを完結させたという点は大きく評価したいと思います。これぞ映画でしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2015-12-31 14:43:38) |
14. WHO AM I?
《ネタバレ》 前半、アフリカ部族とのからみ、結構な尺をとっているため、いきなり少々だれます。 しかも言葉がわからないからイライラします。 あとはいつもどおりのジャッキー映画で、良くも悪くもお決まりのエンターテイメントを約束してくれます。ジャッキーらしいアクション、コメディがいっぱいです。 今作では魅力的な女性キャラが二人出てくるんですが、一人はただ巻き込まれただけで、ラストステージの直前で離脱。もう一人の白人のおねーさんも、正体がばれてからは傍観者に徹しちゃうので、ラストはほとんど出てきません。ラストのラストでちょっとだけアクションしてくれるんですけど、本当にちょっとしかしてくれません。 なんかこの女性キャラ二人の使い方が中途半端でもったいない感じがしました。それくらい良いキャラしてたってことなんですが。 中盤のカーチェイス、車を使ったアクションシーンはなかなか独特で奇抜。ラスト直前の、二人の手練れとのタイマンアクションも、ジャッキー映画ならではで凄く良い。この二箇所が、個人的に本作の見所ポイントです。 最後がいくらなんでもの大所帯だったので減点。と、頻繁に出てくるスローモーションでの再現があまり好きではないので、そこも減点です。でも多分誰が観ても楽しめる良作ですね。 [DVD(吹替)] 6点(2015-11-19 04:14:10) |
15. アラビアン・ナイト(1999)
《ネタバレ》 5つのストーリーをオムニバス形式で語っていくシステム。ということを知らなかったので、2つ目のバクバクとかいうのが死んじゃうストーリーに変わっても、物語が変わったということに気付きませんでした。 どのストーリーもそれなりに面白いのですが、メインのストーリーでいかれたサルタン王子がひたすらヒロインを殺そうとする前半が、ハラハラして一番面白いかも。 そんで5つのストーリーの中では、一番好きなのは4つめ。物乞いのアミンとイタズラ好きの王子が入れ替わる話。単純ながらも普通にありそうで楽しいです。 『アリババと40人の盗賊』や、『アラジンと魔法のランプ』、『魔法の絨毯』など、知っている話を映像で見られるのは嬉しいものですね。ただ物語そのものはどれも『絵本レベル』なので刺激が少ないのは確か。 どちらかと言えば、子供向けファミリー映画にカテゴライズされそうですね。 [DVD(字幕)] 7点(2015-11-11 04:35:43) |
16. エネミー・オブ・アメリカ
《ネタバレ》 『1つの殺人の証拠隠滅のために、大量に人員を投与したり新たな犯罪を犯したりしては意味がないじゃないか』という指摘はこういった作品にはありがちで、それを言い出すときりがないからあえてつっこみません。 スパイもので、登場人物も多そうで、ついていけるか不安でした。ですが蓋を開けてみると、メインはひたすら鬼ごっこ。めちゃめちゃわかりやすいストーリー展開で大変良かったです。 しかもこんなに手に汗握る鬼ごっこはなかなかありません。 否定的な意見も多いオチも、個人的には大満足。懸念材料をまとめて一網打尽にするラストは最高のカタルシスを得られます。 それにラスト直前のレイノルズとピンテーロの噛み合わないやり取りも面白い。 ラストのラストで、『監視社会は必要だが、監視する人間を監視する人間も必要だ』というコメントがテレビで流れ、それに対して妻のカーラが一言。『じゃあその人は誰が監視するの?』。核心をつきつつも、ユーモアを感じさせて良いですね。 緊張感のあるサスペンスに時折はさまれるユーモアのセンスが光る作品。 大変クオリティの高いエンターテイメントです。 ハイテクを駆使するシーンは映像面でも見ごたえ抜群。衛星が動くシーンは格好良くて好きです。 超ハイテク技術を駆使して、やっていることはグーグルアース。このギャップがたまらないです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-11-09 12:35:35) |
17. 4thフロアー
《ネタバレ》 限定された空間の中で次々と出てくる登場人物がみんな怪しすぎて、最後まで目が離せません。 最も犯人っぽい人が一番の協力者で、最も親密で親切な人間が実は黒幕というのはこの手のサスペンスにはありがち。 ありがちにも関わらず、ものの見事にミスリードされてしまいまして、犯人がわかったとき『おまえかよ』って単純に驚きました。 演出、構成が上手なんでしょうね。 とにかく、四面楚歌的雰囲気と、その雰囲気を煽る音楽がマッチしていて、不安感が絶妙でたまりません。 ①おばの遺体写真 ②向かいの人は実は絵を描いていただけで、殺人はしていない。 ③4Fの死体はおそらくアリス。虫の原因。⇒以前侵入したときに何故気付かなかったのかは謎。 以上3点において非常にわかりにくかったのは映画としてマイナス。 オチはわかりやすく、単純なうえ、サプライズとしてきまっていて完璧。 よく考えると伏線はちゃんと張ってあったのに、ものの見事に忘れていました。 最後に、ジュリエット・ルイス、最高です。 [DVD(字幕)] 7点(2015-11-06 14:09:21) |
18. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 すべてが精神世界での一幕とするのであれば、確かにすべての説明がついてしまいます。ですがそれでは何でもアリの世界になってしまいます。まさに夢オチ。一番嫌いなパターン。ですが今作の場合、一概に精神世界のみとは、断定できないかもしれません。 そうすると、ストーリーがぶっとびすぎていて、正直中盤以降は粗と矛盾しか目につきません。 前半から中盤までのストーリー展開、雰囲気、人物造形が凄い良かっただけに、後半の荒唐無稽なもはやファンタジーな世界観が残念でなりません。 最も違和感を感じるのは、主人公の周りに集まる人間達です。主人公のようなわけのわからない人間に心酔していることに物凄い違和感、作り物感を感じてしまいます。 もちろん精神世界の話であれば、OKです。ですが個人的に『夢オチ』が嫌いなので、精神世界のストーリーとは思いたくないわけです。すると、この違和感についていけないのです。無理がありすぎて、現実感がわかんのです。 せめて、ラスト、ノートンも死んでくれたらなあ。あれで生きているってことはやっぱり・・・ ただ後半はともかく、前半~中盤は素晴らしかったと思います。 『ラストの映像が実はブラピの・・・』とかいう驚愕のサプライズがあれば、ストーリーなんかそっちのけで満点です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-10-13 14:46:10)(良:2票) |
19. 13ウォーリアーズ
《ネタバレ》 雰囲気はあるんだけれど、逆に言えば雰囲気しかない映画ですね。いくらなんでもストーリーがなさすぎです。 『因果関係』ってのは、ストーリーに説得力や厚みを持たせるために必要だと思うのですが、この作品にはそれがほとんどありません。 更には必然性に欠ける各種設定がもったいない。何故13人なのか、そして何故13人目が異邦人のイブン・ファラハンでないとダメなのか、その説明は結局ないままラストまで突っ走ります。じゃあ、13人の選別なんかせずに北の民みんなで行けばもっと楽に戦えたんじゃないだろーかと、つい考えてしまいます。 また、脇役好きの私としては、13ウォーリアーズが、目立った見せ場がないまま次々と減っていくのがかなり残念でした。 13人⇒11人⇒7人。あっと言う間に半分に。敵のアジト(洞窟)では、『俺はもうこれ以上走れない』とかいうわけのわからない理由でまた一人減るし。 13人の中で、首領とその右腕みたいな人、主人公のイヴァン、それに加え弓の使い手の人と、2刀流の見張りの人は特徴があって良かったですね。弓の人が砦の攻防であっけなくやられちゃったのは非常に残念です。『弓使い』という特技で、キャラがたっている数少ない一人だったのに。そしてそれ以外の人は、悲壮感を物語に添えるための生贄のような存在。もはやただのやられ役にしか見えなかったのが凄く残念です。選ばれし13人のはずなのに。いや、立候補制でしたけど・・。 それでもホラーアクションの雰囲気が強い中盤は最高に面白いですし、全編通して漂う緊張感と迫力はまずまずのクオリティに仕上がっています。決して駄作ではないんですよね・・。ただこーゆージャンルにしては、盛り上がりに欠ける作品であるのは間違いないでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2015-10-04 20:43:33) |
20. 少女たちの遺言
《ネタバレ》 アジアのホラーは雰囲気が日本寄りですね。 最初はなんかだらだらした学園ドラマみたいな雰囲気なんですけど、女の子が飛び降りてから徐々に空気感が変わっていくのが、良い意味で不気味です。程良い緊張感です。特にミナが霊みたいなのにつきまとわれるのは本当に怖い。 ですが、この作品の真骨頂は、真相を空かす過去パートですね。 ドラマとしては物悲しく切なく、ホラーとしてもちゃんと怖い。どうかするとどっちつかずになりそうなところを、ぎりぎりのバランスでうまく融合させていると思います。 それにしても前半と後半のギャップが、この作品に関しては功を奏していますね。 終盤がちょっとパニックに走りすぎたり、『天井から覗き込む顔』みたいな残念な演出があったりと、いまいち。 それに、細かい部分で不明な点が多すぎるのもマイナス。特にミナの立ち位置がわかりにくいです。 確かに雰囲気だけでも楽しめるクオリティに仕上がっていますが、特にラストは結局どうなったのか、もう少しだけはっきり教えて欲しかったです。やっぱりあれは、あそこから飛び降りて自殺しますよー、っていう解釈で良かったのかなー。 [DVD(吹替)] 7点(2015-10-04 07:29:33) |