1. ミッション:インポッシブル/フォールアウト
相変わらずサービス精神てんこ盛りのM.Iシリーズ第6作め。落ちたりぶら下がったりよじ登ったり、イーサン・ハントの身体の張りっぷりは今作も超人レベル。生身のトムもよく走り、またフォームがキレイなの。鍛えてるなあ。 裏切りあり引っ掛けもあり、脚本もマンネリ気味ながらやっぱり観ちゃいます。“○○するには××しなければならない”式のミッションが今回も適用されていて、IMFのみなさんの苦労がカサ増しされる黄金のパターン。 でもちょっと長かった。それとトムの容貌がさすがに老けてきてしまっているのが寂しい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-11-20 23:07:32)★《新規》★ |
2. 誰かに見られてる
《ネタバレ》 御大R・スコットといえど慣れないことをするもんじゃないですなあ。リドリー・スコット味を感じるのはクレア邸の豪勢な内装くらいなもので、全体像は「三流ラブサスペンス」といったところ。 展開も演出も凡庸でこれといって見どころ無し。 犯人の立ち回りが話に都合よすぎる。刑事の家族を人質に取ってどうなるというのだ。 途方もなくヘタレな男を演ってるトム・べレンジャーが全然かっこ良くない。ミミ・ロジャースのスタイルだけ良かった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2024-11-15 23:29:29)《新規》 |
3. コントラクト・キラー
《ネタバレ》 人生どこで転機が訪れるかわからないものだなあ。 死のうとしてたのに。仕事もお金も、何よりこの主人公には生きる希望が無くて。 なのに、特に何もしていないのに、ふっと心に気力の灯がともる。モノクロだった彼の生活に色を伴った彼女が現れたから。 かくして依頼したはずの自身への殺し屋からは逃げ続け、病を患っているというその殺し屋へ見舞いの言葉すら口をつくまでに彼の心は回復を見せるのだった。 けれんみとかドラマチックとかいう言葉をどこかに置き忘れているカウリスマキ作品群の中でもとりわけ淡々としている本作。イギリスに住むフランス男の情操が、暗いんだけどユーモアを帯びているのがいかにも同監督ぽい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-11-10 23:48:56) |
4. パーフェクト・プラン
《ネタバレ》 ギャング二組、警察、巻き込まれた民間人の四つ巴と欲張りすぎて、上手く脚本が機能していない。 横取りされたフランス人ギャングは実行犯の兄弟に怨嗟を向けるべきなのでは。なんで仲間内も知らないベンの大家を早々と脅迫してくるのかしら。 ライト夫妻も公園にフランス人ギャングを呼び出してどうするつもりだったの。このくだり、どうしても分からない。 警部補の娘の話も中途半端でぶつ切り。バイオレンス描写にはやけに熱心。話の広げ方が乱暴で粗が目立ちます。大味すぎてつまんないな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2024-11-09 23:28:40) |
5. スワンソング
《ネタバレ》 ウド・キアーが数十年ぶりに主演!なんという円熟、いぶし銀な演技でしょうか。いぶし銀というよりはラメ入りパープルといった趣だけども。 人生の終盤に、かつて愛した街を歩くパット。失われた面影の多いことが、世の常なれど寂しい。施設から抜け出て、街の人と触れ合うことで往年の調子を取り戻してゆくパット。彼と歩を合わせるようにして、過去がちょっとづつ見えてくる。恋人も家も失ったし、子どもがいない自分のことなど誰からも忘れられてしまうだろうと思っていたパット。 でも違った。過去の自分が蒔いた種がたくさんの人の心に芽吹いていたことに気づいたし、抱いていた親友へのわだかまりも綺麗に解くことができた。心の整理は自分自身でつけるもの。実に見事な人生の畳み方でした。 旧友と海辺で語る場面、派手めのスーツを見事に着こなす場面、弁護士から必要経費としてむしり取ったお金でワイン飲んでる(しかもチップまではずんじゃってる)場面、電動車いすで渋滞引き起こす場面・・、たくさん好きなシーンがあるけど施設の車椅子の婦人の髪を美しくまとめてあげる場面が一番好き。 サントラもひとつひとつがシーンにぴったりだし、サンダスキーの街並みも素朴でどこか懐かしい。 実在のヘアドレッサーに監督がインスパイアされたという愛すべき一品。大好き。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2024-11-06 23:59:54) |
6. Pearl パール
《ネタバレ》 エグいホラー仕立てだけど、現在に通じる問題をたくさん内包していて唸ってしまった。娘を窒息させる毒母、ヤングケアラーの問題、夢を追いきれない構造的な不自由さ。 ラストのパールの長広舌に圧倒されるという感想を多く見るけれど、わたしは母ルースのキレた場面に身がすくんだ。これでもかと娘にぶつける酷い言葉。自分の人生の怨念を吐き散らかすその姿。パールはモンスターになってしまったけれど、そうなったのは母親のせいではないのか。綿々と呪いの言葉を浴びせられてパールは壊れた。一部の母親はなぜ自分の重荷を娘も背負うべきと思うのか。 一昔前のテクニカラーを意識した鮮やかすぎる色彩も毒々しい。ロートルファンなら卒倒しそうな「オズの魔法使い」の悪趣味なパクリ。 ミア・ゴスの怪演は一度見たら忘れられない。内気で素朴なパールの外皮を破るようにして、内側から鬱屈した狂気がほとばしる。その憑かれたような表情。そもそもミアの薄眉顔が怖い顔立ちというのもある。 締めのロングショットもつらすぎる。ああいう引きつった笑みは被虐児童にもよく見る痛々しさ。「どうしてわたしを嫌うの?」と母に問うたパールのその台詞が悲しくて胸に刺さった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-30 16:15:35)(良:1票) |
7. ヘンゼル&グレーテル
《ネタバレ》 本国の批評家からは散々な評価だったらしいけど、わたしはこれ結構面白かったです。グリム童話を下敷きにしたファンタジーホラーの中に、当時の捨て子等の社会問題を織り込むとかしてもう少し格調高いテイストに寄れば識者の方々も納得なのかな。 いや、そんな小難しいことは抜きにして悪い魔女をぶっ殺すB級姿勢が良いんですよ本作は。 アクションも観易いし、時代考証も(途中まで)よく再現できているみごとな美術。中世の画ヅラにガトリング砲登場でびっくりさせられますけども、これが妙にマッチしてる。無骨な銃器に魔法の液体をかけてパワーアップ、ってデタラメがまた心地よい。森の中を杖に乗って飛ぶ魔女の画が素敵で、CGを観てわくわくしたのは久しぶりです。 中学生の妄想を余すことなく映像化した快作と言っていいんじゃないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-28 23:47:33) |
8. 夕陽に立つ保安官
いやー笑いました。げらげら笑いでなく、にやにや笑い。 全員がすっとぼけたお芝居で、台詞が面白い。西部劇をセルフパロディしっ放しの1時間半。元ネタが隅々まで分かるともっと面白いんだろうなあ。 過剰なドタバタもないし、下ネタに走ることもない。とぼけたセンスで笑わせてくれる一本です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-25 22:48:27) |
9. 17歳の瞳に映る世界
《ネタバレ》 なんとも胸が痛かった。オータムをこんな目に遭わせたのは一体誰なの。妊娠させた男どこ行った出てこい。 彼女の周囲はほんと暖かくない。高圧的な継父。妊娠を相談できない母親。お母さんさあ娘まだ17なのにもっと気遣ってやれないもんだろうか。バイト先の店長も何なん。具合悪いって言ってんのに。たった2時間じゃねえよ。学校の男子どもったら。女の子に意地悪するその性格がもうダサい。 窮地のオータムに寄り添ってくれるのは従妹のスカイラーだけ。身を張って当座の資金を得てくれる彼女。この娘の友情の深さはこの話のオアシス。泣いた。 アメリカってこんなんなんだね。地域の色が違い過ぎる。女子はないがしろにされ権利を取り上げられる所もあれば、場所を移せば相互扶助の社会システムが機能している。 オータムとスカイラーがつないだ手。どうかその手をずっと放さずにいてほしい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-23 19:23:51) |
10. ディファイアンス
《ネタバレ》 大戦中に森で生き延びたユダヤ人が1200人もいたとは初めて聞くお話でした。 文明生活をしてきた人間が森の中でゼロから暮らすなど、想像を超える大変さであったろうと思います。人が大勢になると意見も割れるし、食糧をめぐる諍いは相当に厄介な問題であったことでしょう。 困難な状況下で皆をまとめるD・クレイグは筋力も思慮もあるリーダーとして説得力のあるキャスティング。命の危険と隣り合わせの生活の中であっても、若い男女の結婚式は淡い雪の降る中にロマンチックに撮られていて素敵な演出でした。 リアルな潜伏生活を掘り下げたドキュメントタッチであっても十分に見ごたえのあるドラマになり得たと思う。後半の銃撃戦などは映画的盛り上げの意図が丸見えで作為的なことに逆に興を削がれてしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-21 23:45:39) |
11. THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション
《ネタバレ》 三世代にわたる男だけの家族物語。犯罪が絡むパートは緩いし、ファミリーストーリーとしてはやや定番のお涙モノともいえるんだけど、まんまと泣かされてしまった。 男優三人が良い雰囲気なんですよ。滋味あふれるC・プラマーはさすがだし、若手タイ・シェリダンも繊細な表現をうまいことモノにしているし。トラボルタが絵描きには全然見えんけど笑、「難病を抱えた息子を持つ父親」という難役を見事にこなしています。トラボルタといえば昔は「踊れる顔の大きい一発屋」という世評だったけど、時間をかけて不評を覆し息の長い俳優になっていることに感慨を覚えますねえ。 息子の願い三つのうち、好きなのはオカンのエピソード。長らく会ってない母親と再会するお話は何のひねりもなく淡々としているけど、ジャンキーであることをその日だけは一生懸命隠そうとする母と、内心ハラハラの父親と全部わかってる息子。ささやかでか弱い幸福がそこにあって、刺さりました。泣けたなあ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-20 17:27:58) |
12. いちご白書
《ネタバレ》 当時のド・ゴール大統領をして「裏で糸を操っている者がいるはず」とビビらせた世界規模で勃発した学生運動。映画はアメリカの大学だけど、なんかこう思想が一途で理想に燃える若者ってどの国も同じ顔つきしてるもんだなあと思った。若いって純度が高くて愚かで尊い。 今で言う推し活的情熱を社会問題に向けていたあの当時。ネットワークはラジオやテレビといったアナログだし、主人公は保守派の牙城たるボート部とかけもちしたりと、なかなかユルイ。彼の「主張とかより、とりあえず彼女ほしい」という姿勢が若者っぽく健全でリアル。彼らの大半はそんな感じじゃなかったのかしら。 自己実現とか自我の何たるかの手応えを流行の運動に変換してるだけなんだけど、熱狂しちゃってるからどんどん進んでしまうのね。最終的には公権力で強引に撤去させられるのも洋の東西同じ。 モチーフになった学園紛争から時間を空けずに制作されているからか、ファッションや音楽からも当時のリアルな息吹を感じることができます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-16 23:44:10) |
13. ハウス・オブ・グッチ
《ネタバレ》 ハイブランドのお家事情だわリドリー・スコットだわで画ヅラがとにかくゴージャス。役者も一流揃いだし、見た目の風格にうっかりパワー負けしそうになるけど、でも話はいかんせんゴシップ誌のネタレベル。品は相当に低い。 お金がありすぎるってのは骨肉の争いとセットなんですなあ知らんけど。 三十余年もの話を2時間強にぎゅうぎゅう押し込んだ割にはちゃんと要領を得てる脚本だとは思います。 感心しちゃうのは演者が実在の人物とすごく似てる、ということ。レディ・ガガなんてパトリツィアそっくりだもん。リドリー作品に呼ばれて光栄なこととばかりに、不名誉な女の役を嬉々として(?)怪演してみせたガガ。そうそうたる役者陣のなかでも怖じ気ず天晴れな仕事してます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-08 23:24:01) |
14. プッシャー(1997)
《ネタバレ》 粗暴で下品なチンピラ二人のだらしない会話が延々続いて、しかも手ブレ気味の画に辟易した序盤。中盤以降はバイオレンス描写も加わり、さらにげんなりしたまま終幕は突然やってきた。 映画作品て題材が暗かったり暴力環境であったりしても、なにかしらのロマンなりけれんみなりな魅力があってこそなんじゃないのかな。この作品、誰ーれにも同情できないし、主人公は自業自得の結果どん詰まりの煮凝り人生へと落ちてゆく。なぜそんな頭の良くない行動を取るのかしら。砂糖をドラッグと偽ったところで数秒後に張り倒されるだけじゃんか。 哀れと思うには乱暴者すぎるし、あー嫌なもの観たなあという気持ちにしかなんない。 観客としてはマッツ・ミケルセンを観に来てるので、早めの退場にもがっかり。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-10-04 11:41:30) |
15. 侍タイムスリッパー
《ネタバレ》 脚本の出来が良いです。面白い!定番の「タイムスリップで生じる時代ずれが引き起こす笑い」も上手いんだけど、コメディにとどまらず幕末に侍として生きた男たちの生きざまをも見据える胸アツかつ骨太な物語です。 上手い役者と、すごく観易いカメラと、流れるような殺陣。 本作の殺陣のシーンは白眉と言っていい。ここ数年に観たアクションもの全般の中でも飛び抜けて迫力があって美しかった。「あの夜の続き」である決戦は手汗がにじむほどの、どえらい緊張感がありました。劇中スタッフが「本物の侍がいる」と言ったけど、山口馬木也も冨永ノリマサもほんとに140年前の日本人に見える。彼らの放つ凛とした武家人の気概に酔っ払いそうになりました。 館内の皆と一緒に笑い、息をつめて見守ってそして(少なくともわたしは)泣いた。 ラストのオチも思いがけなくて洒落てて(?)、もうひと笑い。うまいなあ! 低予算でも映画への情熱が連鎖してこんなに素敵な作品が作れる。他国の豪勢な作品と比べてどうこう言う必要全く無いよな、とここ数年邦画に誇りと喜びを再び見出すことができてとても嬉しい。(でも予算はあるに越したことはない) [映画館(邦画)] 9点(2024-09-28 23:40:28) |
16. ライリー・ノース
《ネタバレ》 安定ど真ん中の復讐モノ。ヒロイン強い強い。バンバンと敵をぶっとばしてくれて「観る者をスカッとさせる」というこの手の映画の目的をみごとに果たしてくれます。 なんたって敵であるギャングが極悪。それに加担する判事や汚職警官も現れる。ライリーに非は全くないので彼女が復讐鬼になるという説得力がはんぱなくごもっとも。客としてはひたすらライリー頑張れ!です。 ジェニファー・ガーナー、良かったです。アクションも演技力もなかなか。ライリー・ノースその人の造形も良くて、行きがかりに出会ったアル中父親に暴力的に説教をかますシーンには喝采しました。 それと、冒頭の意地悪ママのことをなおざりにしない脚本には瞠目しました笑。もはや戦闘力のレベルが違うってのに、きっちり仕返しするのね。良いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-24 22:55:12) |
17. ダニー・ザ・ドッグ
《ネタバレ》 まったくリアリティゼロな劇画調の話なので、そこらへんの世界観を受け入れられるか否かが楽しめるかどうかのポイント。 あまりにも強すぎるジェット・リー。首輪ひとつでスイッチ入るので、始めのうちはアンドロイドなのかと思った。だから劣悪な環境下でも強さを維持できてるんだろうと。しかし彼は人間でした・・リアリティゼロ。 さらに驚いちゃうのはボスであるボブ・ホスキンスの不死身っぷり。ここまでくると笑っちゃうくらい死なないの。 可もなく不可もない善人サイドを演じるは突然の大物M・フリーマン父娘。良い人たちすぎてこれまたリアリティゼロ。 典型的な悪役と、良き人たちにより人間性を取り戻す主人公といった構図がベタすぎる。もう完全にマンガです。リーのアクションは見事ですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-09-21 22:48:59) |
18. リンカーン弁護士
《ネタバレ》 法廷モノの娯楽サスペンスとして良く出来ていると思います。 人物が多めで細かく絡んでくるわりに観易かった。脚本が上手く整理されているからでしょう。 M・マコノヒーの「叩き上げだけどダンディ」な魅力が本作に適役ですし、戦術がぴたぴたとハマっていく快感は法廷モノならでは。 面白く観られたし、脇役も手堅い。ライアン・フィリップを除いては。ライアンはもう少しがんばれ。役柄を咀嚼しきれていない感じ。究極のクセ者役は難しすぎたか。サイコがかったシリアルキラーという感じ、全然しないもん。ただのライアン・フィリップなのでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-17 21:53:23) |
19. お早よう
《ネタバレ》 ちょっと前の日本と日本人を知るのに小津映画ってうってつけで。カラーで撮られていることもあって、ほかの小津作品に漂う「しみじみ感」は薄くて断然陽気。 昭和三十年代の東京(の郊外)ってあんなふうだったんだねえ。近隣との距離が近い近い(笑) 「ちょっと○○さーん」と呼びつつ戸を開けて現れる。インターホン(むしろ呼び鈴)、だーれも(押し売りさえも)鳴らさないの。この人間同士の近さって失われて久しい。煩わしいけどちょっと懐かしくもあります。 高度経済成長期へ差しかかろうという時期の息吹も感じます。家屋の中に物が多いし、子どもへの教育熱心さがどの家庭からも伺える。 皆文句を言いながらも元気いっぱいで明るい。テレビ買って!とだんまりストライキを子どもができるのも、暮らしに余裕があることを子供心にも肌感としてあったからでしょう。社会全体が右肩上がりだった活気が伝わるなあ。 それに、この時代の人物らは戦争を経験して生き抜いた世代なのですね。ご近所の詮索をして噂話をするのも解放されたのびのびした空気の中でこそ。 そしてさすがとしか言いようのない杉村春子。キッツいなあ相変わらず。息子かわいそうパンツくらい出してやれよ笑。「そーんなに厳しくしなくてもいーんじゃないかあ」とわたしの感想も心なしか笠さん風のんびり棒読み台詞になりました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-09-16 13:08:57) |
20. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
《ネタバレ》 いやあ・・恐ろしい。観ている間中ドキドキびくびくして、物語が終了した後もしばらく重たい気分が残る。 近代の戦争は戦地で決着がつくものではとっくになくなっていて、テクノロジーの進化が戦術にも大きく影響しててそれはもう一介の凡人の想像を超えてくるレベル。ロンドンとニューヨークからソマリアの一軒家を爆撃するって??家の中まで偵察できる小型昆虫カメラなんてちょっと前の007に出てきそうなアイテムじゃないですか。 技術がこんなにも進んでそれで人間がタスクを遂行するのにラクになったかといったら全然で。本作のような課題はITだろうがAIだろうが解決不可でありましょう。 あなたならどうするか。誰の立場でこの映画を観るか。観客に突き付けられるこの問いにわたしはおろおろと結論を出せずじまい。 任務として遂行せねばならない劇中の軍人やら政府役人らが数字でつじつま合わせたり、更に上の人間の了承を得ようと躍起になる様は日常レベルでも見かける図で妙に腑に落ちる。 女の子一人の犠牲やむなし、の立場のA・リックマンもまた私人としては孫におもちゃを探して回る一人の祖父であるという背景。人間の限界を感じさせて絶望感まで呼び起こす伏線でした。打ちのめされました。 これが21世紀なのか。誰にもどうにもできないのか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-09-12 23:25:35) |