2. ニンゲン合格
《ネタバレ》 10年ぶりに動き出した時間。そこにあったのは、崩壊した家族。 周りの大人たちは、彼に「失ったものを取り戻しましょう」と言うけれど、 何かを失くしたのは、目覚めていた人たちのほうじゃないの? つまりそれは「家族の絆」だけど。 彼は何も失ってないわ。 ただ、ちょっと手に入れ損ねたものがあるだけよ。 それは、過去10年間で経験したであろう喜びや悲しみ。 でもそれは、時間をかければ、手に入る。 目覚めたばかりの兄に、父の居所を教えてもらう妹と、 母の今の居場所を知らない父(父にとっては前妻だけど)。 おまけに母は、実娘(彼の妹)がとっくに帰国していたことを、 10年間昏睡していた息子に教えられる始末。何やってるのよ。 窓から覗き見える食事風景。少しずつ戻って(増えて)くる家族。 それが、あとになって痛々しい・・・。 24年前に生まれた14歳が願った、『もう一度家族が揃うこと』。 叶ったよ!君の葬式でね。 「生きていて欲しかったなぁ」って切に思わせるラストは、すごく素敵。 でも今の時代、誰かが死ない限り一家全員が揃わない家族って、 少なくないんでしょうね。これまた悲し。 [DVD(邦画)] 7点(2011-12-20 23:26:04) |