2. 歓びを歌にのせて
《ネタバレ》 人とは皆、それぞれ違う考え方を持つ、別々の生命体である。故に他人を解ろうとするが、その考えもその人個人の考えの範疇を絶対に超えられない。人間とはなんと寂しい生き物か。だから人は人とつながりたいと思い、その方法を探し、自分の存在意義を確かめたいのだ。この作品は、歌うという目的を持ったコミュニティーが、歌によって繋がり、そこに皆救いを感じ、人間として生きることの「歓びを歌にのせて」いるのだ。ダニエルがラストに昔のマネージャーへ「夢を実現したと思う」と言う。彼の夢は冒頭で「歌によって人を救う」事だったが、自分も歌によって救われていた事に気付く。そして、人と交わることを恐れていたダニエルはレナを心から愛し救われる。 圧巻のラストは歌っている人々が間違いなく繋がっていた。それこそ天国なのだろう。 作中ダニエルはあまり台詞をしゃべらないが、すべてを俯瞰し許した神の様だった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-10 00:47:18) |