1. 新しい靴を買わなくちゃ
《ネタバレ》 大人版ハルフウェイinパリ。ターゲットは純粋で夢見がちなアラフォー独身女性だろうか。ハルフウェイと同じように人の純粋な一面のみを抽出したかのようなラブストーリー。恋人達はとても幸せそうに手を繋いで歩いているからね、まるで全てのことが上手くいっているかのように見えるよね、真実は二人しか知らない。そんな話。日常を切り取ったかのようなとりとめもない会話が繰り返される。撮り方はおだやかで主張しない。ただ、高校生ならまだしも大人でそれをやるのは苦しいと思いました。 中山美穂の全ての言動が計算されたものに見えて仕方がない。おそらく、裏表の無い素直な女性という設定でしょうが、意図的に可愛らしい振る舞いをして男を誘ってるように見え、女性の嫌な一面を見せられてるような気持ちになる。甘えるタイミングも自然で絶妙。 向井理は何を考えてるのかよくわからない。言動はとても紳士的で誠実そのもの。しかし、女性の扱いに手慣れた様子も見え、全ての発言が上っ面で感情が伝わってこない。深入りする気もないくせに、彼女のナイーブな過去話も巧みに聞き出す。 私の心が汚れているから穿った見方をするだけで、汚れなき心をお持ちの方はまた別の捉え方をするかもしれない。 それにしても何でこんな深みもなければ展開も平坦でハルフウェイから何一つ進歩してない脚本に名のある役者やスタッフが揃ったんだろう?道楽か? そもそも、あっても無くてもどうでもいいような映画のレビューをしてること自体がバカバカしい。単に日頃の鬱憤を込めて何かを愚痴りたいだけかもしれない。 [DVD(邦画)] 4点(2014-03-17 18:52:31) |
2. R100
画で魅せる意識はこれまでで最も高いと感じました。映像表現の重要性にようやく気付いたかと偉そうですが思いました。アイデアを活かすも殺すも表現力。アイデアだけで通用したバラエティの感覚を映画に持ち込まれては困ります。しんぼるの昇天シーンから格段に進歩したと思います。 あと足りないと思うのは知性。ストーリーに知性が全く感じられません。相変わらず、単なるアイデアの羅列にしか見えません。これで海外の賞を意識してるのは理解不能。次作はそこを改善してきそうな気がします。全てのカットに意味と必然性を込めてほしい。次作はまともな映画が観れそうな気がしてます。 [DVD(邦画)] 3点(2014-02-27 19:23:34) |
3. 悪人
《ネタバレ》 この映画と人によって解釈が異なるレビューを見て、本当の意味で人の気持ちや考えを理解するのは不可能だと改めて感じた。 言葉で表現することに無理があるのだと思う。取捨選択の末に口から出た言葉は全然違うものになっていると思う。自分の気持ちや考えをどれだけ把握できているのかもよく分からない。 佳乃の父が「大切な人がいないから自分には失うものがないと思い込んで、それで強くなった気になる」と大学生に関して言っていたが、彼の何を知っている?歪んだ現代の若者というレッテルを貼ることでしか理解できないのだ。山道で蹴り飛ばした行為は最低だ。その点だけを責めれば良かった。仲間内での薄っぺらい会話など彼を理解する材料にはならない。 祐一と光代の関係に関して以前の自分なら、安い関係だ説得力が無い急展開だと切り捨てていたと思う。でも、日々孤独を感じている今なら彼らの気持ちに共感できる。孤独を感じる中で少しでも自分を求めてくれる人がいたら直ぐにでもその人に依存したくなるものだと思う。人を理解するのは難しくよく分からない存在でも孤独には勝てない。 祐一の祖母はずっと一緒に生活していながら祐一の気持ちを理解できていなかった。知人による祐一が可哀想だという言葉にも聞く耳持たず。悪徳業者の仮面も見抜けない。 祐一の母にお金の無心をしていた話もショックを受けた様子だ。本意は罪悪感を和らげるための母への気遣いであり、母も本当はそれに気付いていながら自分の気持ちを誤摩化すため被害者面してるだけだと思う。祐一は本当に不器用で分かりにくい。最後の首を絞める行為の意図も解釈が割れてしまっているのは演出の問題ではなく、人が人を理解できない本質的な問題だと思う。 タクシー運転手が祐一を悪人だと言う。光代は世間的には悪人なんですよねと返す。運転手の言う悪人と光代の言う悪人が同じ意味だとは思えない。運転手(世論)は悪人と言ったが、殺人犯全てが悪の権化であると思っているはずもなく、情状酌量の余地がある犯人もいることを当然彼も知っている。他人事の事件に対して深い考察もなく安易に言葉にしただけだと思う。 一言に悪人と言っても、その言葉に込められた思いや意図はそれぞれ違う。彼は悪人なのか、誰が悪人なのか、その答えは自分の頭の中にしかないと思う。言葉にした時点でその答えを共有するのは不可能なのだから。 [DVD(邦画)] 8点(2014-02-23 20:00:55)(良:1票) |
4. ゼロ・グラビティ
2001年宇宙の旅以上のリアリティを期待して鑑賞。いきなりCGに見えるよくできたCGが出て来てがっかり。 ですが無重力の描写はかなりの説得力で、長回しによる没入感との組み合わせは効果抜群でした。自分に向かって物が飛んでくればCGに見えてもかなりの迫力を感じました。 しかし、パニック映画のような作りは正直残念。忙しなく襲いかかる生命の危機、仰々しく頻繁に響く効果音、よくしゃべる人物がリアリティを阻害してると感じました。技術がリアリティを追求し新たな境地に達しているのに対し、とにかく退屈させまいと間を嫌う従来のパニック映画を見てるような既視感もありました。 これが大衆のニーズなのでしょう。 個人的には、効果音や音楽無し、セリフを極力排除、無意味な死体脅かし無しで見てみたかった。 [映画館(字幕)] 8点(2013-12-24 12:36:50) |
5. パレード(2010)
演出に7点。非常に息苦しくて不快な映画でした。私はそれなりにこれまでの人間関係に満足しています。人間関係に対する嫌なイメージを膨らませるのはやめて下さい。迷惑です。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-17 12:55:46) |
6. オブリビオン(2013)
《ネタバレ》 「月に囚われた男」+「ラ・ジュテ」+「続・猿の惑星」+「クローンは故郷をめざす」+「2010年」+「インデペンデンス・デイ」+「マイノリティ・リポート」 [映画館(字幕)] 6点(2013-06-29 20:28:20)(良:1票) |
7. 劇場版 SPEC~天~
伊藤淳史とマダムはSPECホルダーというより妖怪。そもそも、当麻のSPECに霊が絡んでくるのも不満。タイトルをSPECではなくOCCULTに変えた方がいいと思う。 [DVD(邦画)] 4点(2013-05-11 17:31:03)(良:1票) |
8. 灼熱の魂
《ネタバレ》 映像が凄い!どこを見ても隙が無く美しい。力強さもある。印象的なカットも多いです。 この映画はヴェネツィア上映、サンダンス上映、アカデミー賞外国語部門ノミネートするも大きな賞は取れず。 前半はなぜ賞を逃したのかという疑問を抱きながらの鑑賞でした。しかし、後半になり物語のテンションが上がるにつれて私のテンションは失速。 特に、序盤と繋がりを見せる最終盤のプールのシークエンスが残念でした。あまりにも都合のいい展開であり、技巧的な演出がせっかくの作品の品を落としていた印象です。サスペンス的なテクニックは排除し、直球勝負の人間ドラマにしてほしかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2013-01-14 18:04:25) |
9. ポテチ
《ネタバレ》 優れた頭脳を持っている忠司。しかし、その才能に自分も周りの人間も気付いていない。彼は空き巣という卑しい仕事をし、【劣等感】をごまかしながら生きている。社会から全く認められていない。 彼と同じ日に生まれたプロ野球選手の尾崎。彼は優れた才能を持ちながらも、監督に嫌われていることもあり、現在は結果を残せずにいる。彼もまたかつての栄光がありながらもプロ野球選手として認められていない。忠司の地元の憧れの選手。 そんな中、忠司と尾崎は出産直後に取り違えられていたことが判明。これほど劣等感を感じてしまう対象はいないのではないでしょうか。なぜ忠司は劣等感の対象である尾崎をあんなに応援したのでしょうか。自分に重ねて応援してたとは思えないです。劣等感に押しつぶされまいと必死だったんではないでしょうか。 目の前でチャンスをものにした尾崎を見て、涙ながらに喜んでいる忠司の姿に心を打たれました。心が貧しい私が忠司の立場なら、劣等感が増して落ち込むばかりの状況に思えます。彼はこれから劣等感に打ち勝って、強く生きていけるのでしょう。 自分の今の状況に気持ちが沈んでいる人におすすめの作品です。 [DVD(邦画)] 7点(2013-01-03 18:03:28) |
10. ブンミおじさんの森
奇妙奇天烈な出来事が起き、説明的なセリフは極力排除されています。思考や想像を巡らせる間がたっぷりと用意されています。繊細で美しい映像がスクリーンに惹き付けます。 まさに【お手本のような映画】だと思います。映像から心情や事象を読み取り、想像する奥行きのある映画こそ価値があると私は思います。心情や事象を言葉で丁寧に説明する小説では絶対にできない類いの想像体験ができるからです。 そして、美しい映像が映画を最後まで楽しむ原動力となり、日常では見ることができない世界を観ることができ、私にとって理想的な映画でした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-12-26 17:49:20) |
11. キック・アス
細かいカット割り、頻繁に動くカメラ、スローモーション、ストロボライト、エロ、グロ、ロリ 【刺激的】なもの全部詰め込みました感が凄い。ストレス溜まりました。製作者にいっぱい人参ぶら下げられてる気分でした。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-23 23:58:27) |
12. スリーデイズ
7点の映画とは何か考えながら自分が観た映画のリストから探してみました。 自分の中で8点以上は名作の称号を与えたくなる作品。その一歩手前の作品が7点ということになります。 映像的にも内容的にも、名作と言いたくなるほどの作り込みや"特別な"魅力があるわけではない。かと言って不満があるわけでもない。とにかく面白い作品。ここで言う面白いとは、ハラハラドキドキワクワクして面白い、心を揺さぶる何かがある作品。しかしそれは"特別な"何かを有しているわけではない。 この映画は7点ど真ん中の作品だと思いました。人に勧めやすい【バランスの取れた作品】だと思います。 リメイク元の「すべて彼女のために」の欠点が解消されていると思います。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-17 20:17:25) |
13. アンフェア the answer
「この映画は【観客を見下している。】」 映画の神様はそう仰っていました。 「いやいや、この映画はサスペンス有り、エロ有り、爆発有り、ホラー有り、何でもアリのミックス弁当の様だったよ。とても観客想いだったよ。そんなことより、映画を観た、只それだけで幸せなことじゃないか。」 映画鑑賞の神様はそう仰っていました。 [映画館(邦画)] 3点(2012-12-17 19:28:43) |
14. 告白(2010)
【過剰演出の極み】この監督の下では全ての題材が表層的な刺激にしかならないと思います。「これだから現代の若者は…」「だからゆとり世代は…」の精神を補強し育む映画。 鑑賞直後、凄い映画を見たと高揚感に包まれていました。しかし冷静になると、刺激的な画・ファンタジックな演出・音楽などの強い刺激により、考える隙もなくただ圧倒されていただけ、と気付きました。私はただ映像に洗脳されていただけだったのです。 どれだけ掘り下げて解釈するかは観客次第だと思います。さまざまな人間の醜さが表層的に過剰に強調されています。考えるきっかけとしてはとても分かり易く。そこから人間の本質や命とは何なのか掘り下げようと思えばいくらでも掘れそうな題材です。 しかし、この映画が描いている事象は非常に浅い。キャラ設定をした程度で終わっていると思います。その刺激的なキャラを娯楽として利用しているようにしか見えません。 そしてテーマを掘り下げたい観客は、側面のみを過剰に強調されたキャラを見て、観客それぞれの人生経験から想像された人物像を当てはめ、レッテル貼りをし、それぞれの人物についての批評を始めるのです。この流れ不健康だと思います。 監督はなぜこの題材を映画にしようと思ったのか本音を聞いてみたい。監督の不純な動機を想像してしまいとても不愉快です。 [映画館(邦画)] 5点(2012-12-12 00:31:39)(良:1票) |
15. カラスの親指
【映像に魅力が無い】というのが一番の感想です。惹かれるカットが一つもありませんでした。引き画が少ないのも単調に感じられました。 物語に関しては、最後の伏線回収が爽快で楽しめました。それまでの仕込みやファミリードラマの部分はもっと映像で惹きつけなければ中だるみする内容だと感じました。 また、村上ショージの演技が危うく、それが逆に緊張感をもって見れる要因となりました。 姉妹は他の映画と比べても突出してかわいく映ってたと思います。 [映画館(邦画)] 6点(2012-12-11 01:40:28) |