1. さかなのこ
《ネタバレ》 さかなくんを初めてみた時、挙動も言語も変わっていた。素なのか演出なのか? その後さかなスペシャリストと分かり、学者のようでもあり相変わらずタレントのようでもあり、尊敬と違和感が入り混じる不思議な存在となった。 この映画はあたかもさかなくんは、子供のころからあーだったんだよ、と明かしてるようだけど、それだって尾びれ背びれが付いた演出やもしれぬ。 さかなくんはそうと知らなければやはり怖い変人、危険人物である。雨の中傘さしてみー坊を待ってるとこなんかね、怖っ! 高得点にできない大きな理由は、井川遥の過ちが容認できないから。 お父さんが「知らない人の家にいっちゃいけません」という。子供は「知らない人」にも「知ってる人」にも絶対についていってはいけない。 お母さんが「みー坊はその人のこと好き?」「じゃあ行っていいよ」「その代わり暗くなる前に帰ること、できる?」 これアウト!結局みー坊にそんな約束は守れなかった。ジャンプしながら一人暮らしの男の家に入っていく小学生の姿に背筋が凍る思い。無責任な母親を、子供の好きを伸ばすおおらかな母親として描いてはならない。 見終わった後のさかなくんの印象は、貴重なスペシャリストでありやはり変人、ということであまり変わらない。 [インターネット(邦画)] 2点(2024-01-21 17:39:32) |
2. 声もなく
ネットフリックスで配信が始まったのにレビューはゼロか~ シネマレビューではマイノリティ分野ですが、さすが推しユ・アイン主演の良い映画です 「声もなく」 主人公(ユ・アイン)には言語としてのセリフはありません。 でもそのこと見ているうちに忘れてしまう。セリフなくてもすごく感じる、 青年テインの苦悩を、喜びを、葛藤を。 いや~好きだな~。彼の役者魂と言っていいのか。 表現するために生きてるような感じ。 不摂生と貧窮でボテッとだらしなく太った肉体も 教養がなく生きるためにせざるを得ない汚い仕事への思いも 不条理に対する嫌悪感も ユ・アインという役者によって表現される。 カラっとブラックユーモアでまとめられたノアール世界で 青年テインが思うこと。観客が置いてきぼりを食うようなラストですが余韻がヤバイです。 「声もなく」は原題通りの訳ですが「声がなく」ではないところも深いです [インターネット(字幕)] 8点(2023-10-12 10:00:11) |
3. ホーンテッドマンション(2023)
《ネタバレ》 これはどんな年齢層をターゲットにしてるのかな ディズニー好きのお子ちゃまには音や映像がうるさ過ぎるし ディズニー好きの若者には物足りないだろうし ディズニー好きの高齢者(自分)には内容が無い!! 特撮のすごさにもさして関心が無いので、これ1時間でいいでしょう、という気分です 静かな探りのシーンと、いきなりの驚かせシーン(光と音と映像)の繰り返しが お化け屋敷の中で繰り返されます。 ランドのホーンテッドマンションが好きなので音楽やシーンが心地よく懐かしい、というのは大きな救いです 冒頭がニューオリンズのご機嫌な音楽で始まりワクワクしました。 いっそホラー、コメディ、ミュージカル、ダンスパフォーマンス&ヒューマンドラマ。と盛りだくさんなエンタメにしてくれたら 睡魔との戦いもなかったでしょうwww [映画館(字幕)] 5点(2023-10-05 09:47:21) |
4. キングメーカー 大統領を作った男
《ネタバレ》 金大中の実話を元にしたエンタメ。 実直な政治家キム・ウンボムはなかなか票が取れずに落選が続く。 それを助ける選挙の影の立役者ソ・チャンデ。 ソ・チャンデのやり方は汚いが効果は抜群。背に腹は代えられぬ、と選挙戦を戦い抜く二人の男の葛藤を描く。 日本でも折も折、票集めのためにはどんな組織とも仲良くする、そんなニュースがあふれています。 どこの国も政治は似たり寄ったりですね ただ、それをエンタメにして魅せるパワーは韓国のほうがうまいようです 主人公のソルギョングという役者さん、今まで縁がなかったのですが名優です。良い!! いつも思う反省…予告編見ないほうが良い!映画では本編が始まるまで寝ていよう!! [映画館(字幕)] 6点(2022-08-25 19:43:03) |
5. ドリームプラン
《ネタバレ》 久々映画館。久々アメリカ。 前から気になるのがアメリカの人の会話量。 アメリカ人に「聴く力」あるのか? 相手の話を遮り激高し泣きわめきそして立ち去る。 家族に問題が起きた時、我が家ではこのように話合うことは無い。家族といえども超えてはいけない線がある。 大陸に住み人種問題に直面し銃のある日常であれば、このパワーは必要なのだろう。 これで天才が育ち歓喜の結果が生まれてハッピーエンドで終わるので正直疲れもした。 (その実在の天才もテニスコートでやはり吠えたりしてるね) 自身の老化も疲れの一因だろう(;’∀’) 最近は韓国作品を多く見て、バイオレンスやノワールもこなせるようになったが アジア人種は悪い奴らでも人の話を聴いているよ(笑) 2022.4.1 モヤモヤ。授賞式のステージにいきなり登ってビンタ!はいけないよね。 だがしか~し! 「いかなる暴力も許さない」とアカデミー側はいってるようでが 正義の暴力をエンタメにしている映画。 自衛のために銃が買えて警察が市民の首絞める国、空爆する国。 ビンタよりすごい暴力だらけだけど。 頑固一徹で妻や娘を泣かせた父親役が受賞してビンタ一発で剥奪か?なんか不思議だな~ [映画館(字幕)] 5点(2022-03-24 07:45:12)(良:1票) |
6. 三島由紀夫VS東大全共闘 50年の真実
《ネタバレ》 三島由紀夫の有名な何篇かが心地良かったのを覚えています。 自決のいきさつは難しすぎて入り口でさえ掘り下げられませんでした。 だから動く彼を見られただけでもうれしい。しかもその語り口は実に魅力的です。 だがしかし!! 映画を見て感じたのは ①男ばかり!(瀬戸内寂聴さんはコメンテーター) 死ぬとか、殺すとか、暴力とか、男たちが理屈こねてる。 みんな女の子宮から産まれたんでしょ?身を削って産み育てたのに「非合法で人をヤル」とか勝手ですね。 内田樹さんだけが「1930年代のティーンエージャー、男の子の場合」と説明してます。 戦争、闘争、暴力。これ圧倒的に男世界の話です。語るときは主語を必ず「男」にしてほしい。 ②男の若者が未熟だったり息巻いてエネルギー発散したり、その成長過程は大切です。 男学生と45歳の男天才作家がレベチなのは当然。 1000人の学生にとって ごまかさずに話してくれる大人がいるんだ!という気付きは尊いとおもう。 「レースのカーテンの前でのろけたり」「立派な書棚の前で懐かしんだり」元全共闘や元楯の会の皆さんは好々爺となり、 若いころ自身のジグザグ試行錯誤時代ををふりかえることができる。 世界には振り返ることもできぬまま死んでしまう若者がたくさんいる。男たちまず生きよ! ③芥さんって今も変わらない。金子みすゞに言わせたら「みんな違ってみんないい」ですかね ④討論を交わした天才が翌年、自決したわけですよね。 1000人の学生にとってその衝撃はすごかったと思うのですが語られていません。900番教室の思い出ばかりです。それは物足りないです。 イロイロ感じることがあって三島由紀夫再読しようかと思ったので、そういう意味のある映画、という点にしました [インターネット(邦画)] 7点(2021-10-17 22:36:47)(良:1票) |