1. モスラ(1961)
《ネタバレ》 それは僕が最も興味から離れた怪獣!神秘的なんだろうけど表情に乏しいデカい蛾にはあまり惹かれない。セットの小美人も嬉しくない。しかし今回午前10時の映画祭で4Kリマスターされて劇場公開されるなら、家で見るより幾分か楽しめるだろうという非常に舐めた態度で見に行きましたが、ごめんなさい…めちゃくちゃ面白かったです。 特にドラマは私利私欲で動く興行師ネルソンのカタコト日本語で策謀する悪党っぷりはなかなか良い味を出しているし、マスコミでありながら小美人を良心から助けようとするフランキー堺の様は三枚目ながらもだんだんカッコ良くみえてくる。 そして後半からのモスラ上陸はとにかくスケールが多くて驚き。カット割のせいか、見せ方なのか、疾走する戦車に、逃げ惑う人々、地上を這うモスラの空撮ショットに、建物の隙間から覗かせるモスラなど、今はもう見ることの出来ない昭和な街がこれから戦場になる雰囲気がこれでもかと出ている。 更に成体に変化してからはラドンの如き風圧で車を薙ぎ倒し、ステージは東京からまさかの異国ロリシカへ。どう見てもマンハッタンな高層ビル街をコレでもかと蹂躙していくモスラは圧巻!まさか国外に飛び出すとは思わず驚きました。 そして最後は小美人をモスラに返してめでたしめでたし…なんだかあの蹂躙された光景を見た後に、小美人も人間もみんな笑顔なのは少々疑問は残るけど終わりよければすべてよしって事で! そんな訳で最後の最後までテンポが良く飽きることなく楽しく見ることが出来ました。 この完成度は東宝怪獣映画の中でも随一ですね。 [映画館(邦画)] 8点(2022-01-05 23:56:21)(良:1票) |
2. 007/ロシアより愛をこめて
《ネタバレ》 いや、罠でしょ。罠だろ。罠だよね。それでも飛び込むしか無いのが007。 第二弾の舞台はトルコ・イスタンブール。冷戦まっただ中の所に火に油を注ぐ不敬な輩スペクターの魔の手が迫る。 見所はやはりトルコの異国感で観光気分もさることながら、やはりQのスパイアイテムに尽きます。次々と飛び出すいろんなスパイ道具の数々はやっぱり楽しい。この組み立て式のライフルだってロマン溢れますよ。更に常に尾行に監視とお互いが見られている状況や、スパイ同士の煙草の火のやりとりなどスパイ映画らしくて大好きです。 更にソ連の領事館に堂々と押し入って暗号機を盗んだり、ソ連の刺客が登場したりと冷戦色が強いのも本作の良い所ですね。 そして今回の刺客であるロバート・ショウ演じるグラントも007シリーズ屈指の悪漢。ボンドを常に監視し任務達成前に死なれちゃ困ると手助けもするが、任務が達成されたと見るや巧みにボンドに接触する上手さ。これぞスパイ映画と言うべき、お互いの会話がなんとも緊張感をそそります。更にそこからの死闘も最終的にQのナイフが役に立つというのもやはり嬉しい。 もう一人の今回の悪役、スペクターおばちゃんのグレップもなかなか良い。特に後半の首領ブロフェルドを前にビビりあがっている表情がとにかく凄い。ブロフェルドの恐ろしさがこれでもかと伝わってきます。そして全ての作戦がボンドの前で泡となり、最終的に自ら掃除係に着替え解読機を奪い去ろうという所には若干の悲しさがにじみ出ます。まぁあの靴アタックはショボいけどあの執念は鬼気迫り、やられた時の断末魔もかなり響きます。 まぁボンドガール・タチアナの登場が結構突然だったり不思議な所はあるものの、全体的な旅情感と緊張感が掛け合わさった名作と言われるだけある非常に良い007映画でした。改めて今回面白さを痛感しましたね。 [インターネット(吹替)] 8点(2021-11-08 10:09:36)(良:1票) |
3. キングコング対ゴジラ
《ネタバレ》 怪獣王に挑むは秘境の守り神! 社会派なお話はちょっとお休みして完全エンタメ寄りにした本作。新作が公開される前にちょいと予習。 そんな訳で人間のエゴ満載に夢のドリームマッチが開催される本作、張られた伏線が丁寧に回収されて行くのは結構面白いです。 とにかくお金がかかりまくっているのか、エキストラたっぷりのゴージャスな絵が次々と出てきて楽しいです。原住民がどう見ても日本人なのも最高です。 ミニチュアの量もかなり多くスケールの大きさを感じられます。巨大なプールから復活するゴジラも大迫力ですよ。 そして中盤の見せ場はやはりタコ!リアルタコの猛演っぷりはCGでは決して出せない味たっぷりでたまりません。合成も凄い! そして今回の主役であるコングさんの顔はなんとも近年の映画に比べるとブサイクなのが残念!まぁゴジラの方も顔もなんとも言えないけれど。 ラストバトルは、ゴジラ優勢からの雷が落ちてコング謎帯電体質になって逆転したりとなかなか熱く。最後は仲良く熱海城をラストの見せ場とぶっ壊す展開に、決着は大人の都合からかなぁなぁで終結するけれど見せ場が多く、最後まで非常に楽しめるゴジラ作品でした。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-05-03 22:13:28) |
4. マタンゴ
《ネタバレ》 60’s意識高い系リア充共が乗ったヨットが難破。漂着した先は鳥も近寄らぬ謎の無人島。 和気藹々としていた彼らも不安と空腹が心を狂わせて行く。今でも全然古臭く感じない弱い心のぶつかり合いっぷりはなんとも生々しい。だんだん感情と暴力がエスカレートしていく様はそれだけでも十分サスペンスとして成り立っている本作。しかし本作の主人公はなんといってもキノコ!マタンゴ! キノコの誘惑!そして恐怖はシュールだけど恐ろしい!美味い!そしてトリップしちゃって気持ちが良くなっちゃうキノコにみんなメロメロ!でも危ない!食ったら最後キノコ人間になってしまう!だがキノコの甘美な誘惑に次々と負けてくリア充達。キノコ人間に囲まれる様は側からみればシュールですが本人にとっては絶叫するくらいの恐怖! ラストの締めもなかなかキマっていて最後の最後までまでドキドキハラハラの映画でした。 ちなみに特撮的にはキノコ人間も良いですが病院から見えるイカれたネオン街のミニチュアもイカしてました。うーん、マタンゴ! [映画館(邦画)] 6点(2018-09-26 11:38:55)(良:1票) |
5. 荒野の用心棒
《ネタバレ》 あの流れ者は油断出来ない。頭はキレるし早撃ちの腕じゃ右に出るものはいないだろう。 そんな彼がやってきたヤクザだらけの無法な街のゴタゴタ。何故助けようとしたのかはわからない。彼の過去がそうさせるのか。 シンプルなお話ながらも初っぱなから子供に銃を撃つシーンにビックリ!敵の連中は非道そのもの! そこからの流れも早撃ちと知恵だけのギリギリの中で上手にやろうとする流れ者にハラハラ。ちょっと上手く行き過ぎですが。 にしてもイーストウッドはカッコイイ。そして音楽もカッコイイ。所々流れるSEも謎だが良い。 自分は初めてのマカロニウエスタンでしたが面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2017-11-01 10:38:40) |
6. 黄金の七人
《ネタバレ》 なんともヌルーく金塊泥棒。 甘いメガネの教授とセクシー美女、そしてAで始まる六人組。コイツらそろえば完全犯罪。 洒落た音楽とモンドな町並み、アンテナがクルクル回るチカチカの指令装置やアンテナ付きの銃(なんの意味があったのか)見ていて楽しいアイテムと泥棒ギミック、確かにルパン三世の元ネタと言われたらまさしくその通り。無線オタクまで登場だ。 ちょっとした緊張感や不二子ちゃん的裏切り、警察との駆け引きもあったりして最後まで楽しめました。オチもなんともユルく後味最高じゃあないですか。 若干時代を感じる間延び感はありますが、この時代にしか出せない雰囲気は格別だと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2016-11-06 15:22:06) |
7. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 何度も見た。至上のSF。あの美しい宇宙。カッコいい宇宙ステーション。HALの可愛さ。モノリスの不気味さ。そしてラスト、土砂流のように目に雪崩れ込む映像。 カッコ良くて、美しくて、よくわからなくて、それでも面白いと思える最高の作品です。 だけど本作の良い所はそこだけではありません、この作品は寝ていても『良い』映画だと思ってます。だって凄い心地良いんだもん。 映画館の暗く冷房の効いた空間、リラックス出来る柔らかい席で、本作はとても気持ちよく眠らせてくれる。(でもいびきをかいちゃダメよ) 素晴らしい音楽、美しい映像、静かな宇宙、見ているとだんだん心地よくなってくる。 目を閉じてうつらうつら意識が遠くにいくあのなんとも言えない気分…二周目以降の楽しみ方の一つだと思っています。 [映画館(字幕)] 10点(2015-09-18 14:46:56)(良:1票) |
8. ロシュフォールの恋人たち
《ネタバレ》 とにかくオシャレ。オシャレに尽きる。音楽も街もこの映画そのものがオシャレだ。 街そのものが舞台のように出来ている。一般人もパステルな色の服で踊るし、みんな恋に夢中。歌いだしちゃうのもそのせいだ。 浮かれた連中しかいないけれど、見ているこちらもなんだかつられてウキウキする。 人にぶつかっても「すいません、恋をしてしまったんです」で済ませられちゃう、素敵な街ロシュフォール。 観るとこの先の未来が明るく見える作品です。 [DVD(字幕)] 9点(2015-06-27 01:25:47) |
9. 007/カジノ・ロワイヤル(1967)
《ネタバレ》 007を題材に遊びまくった素晴らしいコメディ映画。いや、なんでこれをずっと見ていなかったのだろうと後悔。本家のカジノロワイヤルもいいけどこちらは違って意味でとてつもなく良い! アホなギャグに超贅沢なおもちゃ箱をひっくり返したようなトリップ一直線の美術。オープニングのアニメーションもオシャレ!露骨な美女も秘密基地も秘密兵器もイヤというほど出てくる。トボケたノリノリな音楽。そして考えるのがめんどくさくなったかのような爆発オチ。話は支離滅裂なのがアレだけど、まぁ面白いからいいや!!! [DVD(字幕)] 8点(2015-06-16 20:34:11) |
10. 終わりなき夏
《ネタバレ》 アメリカからアフリカ、オーストラリア、ニュージーランドを渡りタヒチ、ハワイ。永遠の夏と波を求めた若き二人の旅。軽快な音楽とシャレの効いたナレーションでサーフィンと景色を眺め、遠いハワイの海に行ってみたくなる癒しのドキュメンタリ旅映画でした。 当時の人にとっては見果てぬ大地に想いを馳せる事も出来て、世界の波情報たっぷりの映画だったんだろうなぁ。 そしてアフリカの岬でパーフェクトウェイブを見つけたけれど結局、常夏で波も良いハワイが最高!ってオチには笑ってしまいましたw [DVD(字幕)] 6点(2015-06-01 21:42:10) |
11. フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
《ネタバレ》 人間からの愛を知らぬ故、恐怖し暴走するガイラ、そして人間に愛された故に殺す事をやめるよう説得し続けるサンダ、同じフランケンシュタインであり、人間に理解されない二体の巨人の戦いはあまりにも切なく悲しい。 そして最後いきなりの海底火山の出現でこの物語は突如終わる…これだけがよくわからない!サンダが身を呈してガイラに抱きつき火口へ飛び込むとかそういう描写があればいいのだが、説明だけで死んだと言われてもちょっとなぁ・・・。にしても巨大で派手な特撮が多く、サンダもガイラも超アクティブに動き回るのでとても派手で見応えがありました。あと自衛隊は面白いくらい役に立ってませんね! [DVD(邦画)] 6点(2015-03-31 23:52:59) |