1. クネクネ<OV>
《ネタバレ》 名前が最高だよクネクネ。一体何者なんだクネクネ。見てしまったら発狂するらしいクネクネ。その理不尽さがたまらないぜクネクネ。都市伝説の中でも一際よくわからない存在なだけに期待は膨らむ本作は…これクネクネなのか?いや、貞子クローンですよ! 本作の中身は因習村に迷い込んだ訳ありの家族が非業の死を遂げこの世を恨む幽霊に襲われるというもの。主役の女優さんがグラビアアイドルというという事でその筋の映画なんですが、そのためにクネクネの設定はかなりねじ曲げられてますね。クネクネだけに。 おかげでストーリーを盛り上げるために霊に見られたら体をねじらさて絶命後ゾンビ化するというおかしなものに。本作は体を捻らせる行為がクネクネと言いたけですがどちらかというとバキバキです。 他にも家族の行動もけっこうやっつけですぐに単独行動しだすのでなんとも言えませんね。突然川の水を飲み出す方が怖かったです。 本作は因習村にアイドル、そしてゾンビと欲張りな映画なのに肝心にして本作の最大の売りであるクネクネの設定だけが蔑ろにされてしまった勿体無い映画でした。 [インターネット(邦画)] 3点(2024-01-30 17:07:03) |
2. 劇場版 マジンガーZ/INFINITY
《ネタバレ》 能登半島地震復興応援配信にて視聴 なんだかんだで平和になってしまった世の中に再び現れたDr.ヘル!ブロッケン伯爵もあしゅら男爵もいるよ! 多様性が人間の弱点と説くDr.ヘル!人類を手篭めにとるDr.ヘル!なかなか痛いところを突きやがるぜ! そんな身を固めろだのなんだの面倒な大人の人間関係や世界情勢の悩ましくも嫌〜な展開とリサなる新キャラ、そしてマジンガーのようなジムに若干モヤモヤする前半でしたが、 後半はおまちかねのアクション大盛り。 あれだけ大量の敵相手にマジンガーひとつで何ができるんだと思わせるところから、ケレン味たっぷりに技名を叫びながらドカドカ倒していくので痛快です。惜しみない技の連発が最高ですね。それにボスやアイドルたちの活躍も非常に駄菓子感のある馬鹿馬鹿しさが良いです!これこれ! アクションのカット割は荒いですが勢い任せなジェットコースターのようなアクションはかなり楽しい! それに敵側のロボたちも結構カッコよくマジンガー相手に頑張るのも素晴らしいですね。 終盤の展開は流行りのマルチバースと元気玉で新鮮味はありませんでしたが、今世界中が支援してくれている現状と重なってなかなか感慨深いものがありました。 前半はちょっと退屈でしたが、後半のアクションはとても痛快で楽しい映画でした。満足です。 あと鉄也さんずっとグレートの中にいましたが、結構元気そうなのはさすがプロですね。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-01-28 01:50:17) |
3. オール・ユー・ニード・イズ・キル
《ネタバレ》 昨今個人的ブームのループモノということで視聴。 このトム少佐のなんとも薄っぺらな笑顔がなんともチャーミング。そこからは地獄の始まり。 毎度のことですがなんどもループして攻略法を探していくけれど、仕組みがそこそこちゃんとあるのが今回の良いところ。 しかも今回のループの出発点が最悪な場所なので嫌でも戦うことになるのがいいですよね。 オメガやらアルファやらややこしいですが、ゴールが決まっているわかりやすいです。 敵のギタイもなかなか恐ろしく、こんなの人類が強化骨格如きで勝てるわけないだろと思わせる凶暴さがナイス。 上陸作戦はプライベートライアンを思わせる最悪な状況も良いですね。最悪です。 トムをミスリードさせるオメガもなかなか単純ではないのも良いですね。 しかしルーブル美術館を攻略戦はいただけない。暗い、暗すぎる。一体全体トムたちが何をしているのかマジで把握できない。 おかげで終盤のテンションは落ち気味、ループモノであることも捨ててしまったのでちょっと残念。 しかしラストはまさかの展開で締めたのでびっくり。なんだかんだ最後もトムの笑顔で終わって最高でした。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-10-04 00:07:22) |
4. ズートピア
《ネタバレ》 ここはズートピア!動物の理想郷!!! そんな評判の良い本作をもちろん今更見てしまい、今更「コレ作ったやつ天才じゃん…」とか思いながら楽しんだのですが、本作の事を考えれば考えるほどその歪な世界が凄まじい。もちろんわざと歪に作ってるであろうから面白い。 というか冒頭の学芸会から「この映画はこーゆーブラックなスタンスで行きますよ」と提示していて非常に潔い。 この霊長類も爬虫類も鳥類もいない世界!「進化した!」という一言で済むライオンキングもビックリの毛むくじゃら達に服を着せた平等世界!あまりにも人造的で神々の作為によって作られた理想世界がたまらなくオタク心をくすぐります。 そしてその作り上げた理想郷に「でもお前ら所詮アニマルじゃん!生肉好きじゃん!」というメタ的な悪意の介入があるのが本当に最高です。 基本的にはアナタもキミもオレも大好きな警察バディモノなので楽しいし、作り込まれた美しいズートピア巡りも楽しい。(ネズミの街のチェイスも最高) しかしギャグは人間社会に対する皮肉を可愛い動物たちにやらせまくってるし、動物だから出来る描写をやらせたりとやりたい放題。キツネを従わせる方法も「脱税してるじゃん?言質取ったよ?」というのも子供を全く無視している所も最高。(子供には数年後後もう一度見た時また楽しめるから二度美味しい) 個人的には我が身可愛さに事件を隠蔽するし、開き直るライオンハート市長が大好きです。 そんな訳で根っからのオタク的な本作を今更楽しませてもらいました。 [インターネット(吹替)] 8点(2022-04-29 20:25:55) |
5. 工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男
《ネタバレ》 ようこそ北朝鮮! 南北の諜報戦にそこそこ期待しましたが、予想以上の展開の連続と緊張感で驚きの一本でした。 重々しくヒリヒリした緊張感の中続くスパイ劇はとにかく怖い。一挙手一投足のお互いの腹の探り合いがとにかく怖い。 主人公の巧みな交渉術とスパイテクニックがとにかく面白いけれど、進めば進むほど後戻りの出来ない闇に引き込まれて行く過程が面白くも恐ろしい。北朝鮮という異空間のヤバい雰囲気は「ボーダーライン」に似たヤバい所に来ちゃった感がハンパじゃない。もう一目散に帰りたい!!! そして堂々とお目見えする将軍様の存在感は茶の間のワイドショーで見てきたモノとは違うヤバさに溢れておりあの空間にいるだけで、気を失いそうです。そして北朝鮮の現実に直面するあのシーンはあまりにも突然現れてショッキングすぎました。 更に後半はまさかの展開に。そんな事で南北が結託するの!? 意外すぎる展開に主人公の正義感が揺れて、己の信じる正義の為にスパイが金正日に直談判するシーンは見てるだけで緊張で吐きそうでした。そして察しながらも、自らの国の未来の為にリ所長との奇妙な友情がまた良いんですよね。 ただ終盤はいつのまにか国家を揺るがす大事件を題材にした、二人の友情を越えた謎のロマンスのような気がしなくもない展開には感動しながらもドラマチックすぎて笑っちゃいました。 そんな訳で終始ドキドキして驚いて、最後には感動しちゃうなんとも凄まじい映画でした。傑作です。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-02-05 00:58:19) |
6. アメイジング・スパイダーマン2
《ネタバレ》 ちょっと物足りなかった一作目とは裏腹に二作目は最初からアクセル全開。 もう最初のトラックチェイスシーンから面白い。どうみても多すぎるパトカーも笑える。初っぱなから前回には無かったニューヨークの住人たちとの交流もあり誰からも頼りにされる親愛なる隣人っぷりはかなりソレっぽくなってきました。 しかしスパイダーマンは幽霊が…ではなくグウェンの父の姿がいつも見えてしまう体質に。悩ましい若者をしながらも相変わらずキスしまくっているのがなんともかんとも。 さてバトルはというとヴィラン・エレクトロも気の毒な人ながらも前回とは明らかにスケールの大きい敵で最高です。 ニューヨーク全体を巻き込み、バトルシーンも派手にカッコ良くなっています。特に時間が止まりながら危険を察知して行く事でスパイダーセンスを視覚的に表現したのは素晴らしいですね。でも実はラストバトルはスパイダーマンより飛行機がお互い避けるシーンがカッコ良かったです…。 そしてグウェンとの別れ、なんともスパイダーマンの業がのしかかるシーン。今後の心の置き場を考えつつも前に進む締めも綺麗に整っており素晴らしかったです。まぁこれで打ち切りになってしまいましたが、今までみたスパイダーマン映画の中ではかなり上位に食い込む面白さでした。満足です [インターネット(吹替)] 7点(2022-01-15 00:52:04) |
7. アメイジング・スパイダーマン
《ネタバレ》 リブート!それはやり直し。 MCUも色づいて来た頃にやってきた本作は意外と早くやって来た。「え?もうやり直すの?」とその早々としたリブートに劇場へ行く足は伸びなかったことを覚えている。そんな訳で新作のために視聴。 知っていた通り、また全部はじめから蜘蛛にかまれて、調子こいて、ベンおじさんが死んじゃって。サム・ライミ版とは差異はあるけれど流れは同じなので新鮮味は薄く、必要な儀式をこなしているだけで全然嬉しくない。うん、退屈。 しかし自警団になった理由が明確に示されたのは良かったです。 そんな訳でようやく覚醒したアメスパですが、それと対抗するヴィランは実写マリオを思い出すようなトカゲ人間。インパクトが弱い!強いんだろうけど弱い!しかも中身は自己制御出来ない気の毒で善良な科学者というのが戦いの気持ちよさを阻害しております。 あとテンポを良くするためかこの世界の人々は皆話のわかる連中ばかりです。あんな酷いイジメをしていた奴でさえ良い奴になります。グウェンも会えない理由を察してくれます。メイおばさんもわかってくれます。ピーターの周りは良い人ばかりですね。 最後のクレーンシーンも街の人とスパイダーマンの繫がりがオッサン一人だけに見えてしまってちょっと感動が薄かったです。 そんな訳でリブート一本目は意外とスケールが小さい作品でした。 [インターネット(吹替)] 5点(2022-01-15 00:19:22) |
8. ホドロフスキーのDUNE
《ネタバレ》 スターウォーズ以前の映画界でとんでもないプロジェクトが進行していた! それはとんでもないスケールの超SF映画。きっと実現していたらSF映画の歴史は大きく変わっていたかもしれない…。 という訳でドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による『デューン / 砂の惑星』が公開されるので、予習とばかりに見てみた本作。 その中身はエキセントリックな監督の映画に対する熱すぎる情熱が溢れ出すドキュメンタリー。 ホドロフスキー監督が才能の鼓動が感じるがままにこんな日本人でも知っている超天才、大スターたちを集め、己の超大作映画を作って行く…そう、「ホドロフスキーの」デューンを…。 という訳で80代とは思えないギラついた眼光の元気すぎるホドロフスキー監督の面白すぎる身振り手振りとパワー溢れる喋りでグイグイと引っ張られ、出てくる関係者…魂の戦士たちのあまりの豪華さに驚き、設定画のカッコ良さにまたビックリする。このデザインの宇宙船が動く姿は見たかったなぁ…。そして映画結末は原作とは全く違う監督の考えたストーリーへ…原作レイプなんて言葉があるが、この人はそれを高らかに「クリエイターなら原作はレイプしてなんぼじゃ!」と公言している。(マジでレイプって言ってる) そして上映時間が12時間ととんでもない長さになり、予算も膨大になり企画は頓挫に…。 その後リンチのデューンが公開されて見に行ったらあまりの駄作っぷりに元気になった話は笑いました。 しかしこの映画の遺伝子は映画にならずとも後の映画に大きな影響を与えている事は間違いではないようで、その凄さには驚きました。 そして僕もホドロフスキー監督のように元気であらねばと強く思いましたね。 本作はそんなわけで非常にエキセントリックな監督の凄味をこれでもかと味わえる凄いドキュメンタリーでした。 あとデューンの予習としては全く適してはいませんでしたが、このホドロフスキーのデューンの遺伝子が今回のデューンに影響しているのかは非常に気になりますね。素晴らしい映画でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-07 08:45:05) |
9. 血を吸う粘土
《ネタバレ》 ここは地獄の画塾!東京藝大の為に青春を燃やす若人たちがあらゆる感情を込めて作品に打ち込む!…が、上手く行かない日々! 何も無い田舎で先生も実用的な事は何も言わない、ただただ「東京に俺たちも住んでいればもっと上手く行くはずなのに…」と自分たちの環境を怨みつつ制作に打ち込む毎日!未来が見えない重い空気!玉石混合の才能と感情が入り交じるまさに地獄!…正直僕はこの先に起る愉快な粘土地獄より、この地獄の方がだいぶキツいしホラーである。 そんな最悪の地獄を盛り上げるために狂った芸術家の成れの果てがこれでもかと暴れ回るんですが、結構粘土のバケモノというのが新鮮でフィジカルな物理攻撃が効かないのもあってなかなか強いです。更に弱点も炎と明確なのも嬉しい。 更にここの画塾の人たちめちゃくちゃ粘土に対して頑張って戦うんですよね。ここはホラーというよりさながらモンスターバトルな展開がGOODです。 そして恐怖演出はチープではありますがクレイアートっぽい演出が楽しく不気味で、手作り感満載の粘土の粉が体内に入って行くシーンにはちょっと感動しました。 更に話の後半は挿入歌が入る事でだいぶ作中の雰囲気が変わるのも面白い所。特に回想シーンで芸術家のとてつもなく楽しそうな様子が微笑ましいです。このシーン好きです。 そしてラスト、憧れていた東京に対して「そもそも貴様が全部悪いんじゃ!」と唾を吐く、逆恨みMAXでスケールの大きいテロリズムなオチも最高です。まるで冒頭の地獄が嘘のような爽やかさ! 全体的にチープな作りの作品ですが、粘土のモンスターというアイディアの面白さとアツいバトル、そしてとんでもない方向に向かって行く破滅的ラストなど80分と短い尺の中にコンパクトにまとめられているので飽きずに最後まで楽しむ事が出来ました。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-09-10 09:06:14)(良:1票) |
10. エクストリーム・ジョブ
《ネタバレ》 俺たち刑事!チキン屋じゃないぞ!!! もうあらすじを見て笑ってしまい、映画を見てまた笑ってしまいました。 そんな本作は刑事コメディ。最近は見ていなかっただけにやっぱりこのジャンルは面白い。 雰囲気も血なまぐさいシーンもあれど、緩急を織り交ぜたどこまでもコメディ世界なのも嬉しい。 一体彼らはどうなってしまうのかと考えていたらあれよあれよと意外な展開に、この展開には恐れ入ります。 そして終盤の彼らの真の姿が見えるシーンには痺れますね。凄い所は凄かったのか! ラストはなんと男たちの挽歌2のネタまでぶち込んで、後味もスッキリと楽しむ事が出来ました。 にしてもあのチキン俺も食べたいよ…。終始腹が減ってしまってしょうがなかったです。 [インターネット(吹替)] 7点(2021-07-23 03:53:04) |
11. シェフ 三ツ星フードトラック始めました
《ネタバレ》 今のMCUを作り上げ、様々な技術を映画に持ち込みライオンキングからマンダロリアンまで数々の面白い作品を作り上げる天才ジョン・ファブロー。 そんな彼がアベンジャーズ後に作られた 監督・脚本・製作・主役全部俺の映画。 話としてはシンプルで、炎上するまでの流れもなんともSNSをわかってない親父っぷりが良い具合に描かれている。 作りとしてはよくある父と子が互いを理解し合って関係を取り戻す、オーバーでザでトップな映画なんだけどそこまで深刻でもなくライトにお話が進んで行くので楽しく、音楽も軽快で料理はどれも美味しそうです。 更に脇を固めるのはなんとも豪華な俳優陣も見ていて楽しいです。ちょっっとまて!お前の愛人スカヨハってどういう事だ!しかも吹き替えが林原めぐみじゃねえか!なんという役得!…でも胃袋を掴みそうな料理人感がちゃんとあるんですよねこの監督。 個人的には過不足の無い映画でそれなりに楽しめたのですが気になるのはこの映画が製作されるまでの意図がよくわからない事、この映画って彼のキャリアの中でも結構特異なポジションにある気がしてなりません。そう言う意味では彼自身の仕事との向き合い方を意図するところもあるのかもしれませんね。 ただどん底がそこまで深くなく、それでいてそこからの復帰も結構早くその後はトントン拍子に上手く行っちゃうのでもう少しひねりが欲しかったですが、幸福感溢れる絵が続いて行く展開も安心感があり、たまにはこんなライトな感じも悪くないですね。 そんなわけで個人的にはこの点数ですが、よい気持ちになれる良い映画でした。 [インターネット(吹替)] 6点(2021-05-16 20:53:14) |
12. ブラック・クランズマン
《ネタバレ》 痛快という訳でもないけれど、ドキドキする刑事モノでした。 言葉でしかしらないKKKという組織についてちょっとばかり知れた機会になりましたし、ジョン・デビット・ワシントンもテネットといい良い役者で素晴らしいです。もちろん脇を飾るアダム・ドライバーは今回はちょい渋めにキメていてカッコ良かったです。思えば凄い役者が二人も出ている。 潜入操作という事でドキドキはしますが、あまりにお話的に上手に行き過ぎていて(特に潜入操作を知る奴が全員爆死する展開)ちょっと違和感がありましたが、それは最後の最後の伏線とは驚き。 もちろんラストのシーンは意外でした。 ハッピーエンドかと思いきや突然主人公は作り物になり、僕は胸ぐらを掴まれ現実に引き戻される そして今も続くアメリカの負の連鎖に直視しなければいけないと改めて思い知らされました、本当に悪いのは黒人でも白人でも無く人間皆の奥底に宿る「憎しみ」という感情だという事も。 まさか最後にぶん殴られるような衝撃を受けたまま終えるので本編ストーリーは良いのですが、後味は正直言って最悪です。 しかし嫌でも考えさせられる事になる良い映画でもあります。いい映画を見ました。 [インターネット(吹替)] 6点(2020-10-27 22:44:37) |
13. ようこそ映画音響の世界へ
《ネタバレ》 録音、効果音、音楽。知ってるようでまるで知らない映画音響の世界。 本作はそんな映画と音響の歴史、そして役割を教えてくれるドキュメンタリーだ。 音響の重要性を語るルーカス、コッポラ、リンチ、ノーランと名のある名監督達と陰に隠れていた音響技師達の努力が見えてくる。 ジャズシンガーから市民ケーン、アラビアのロレンスからスターウォーズ、地獄の黙示録、ジュラシックパークにトイストーリーやインセプショなど名画たちを見ながら追っていく音響の歴史はとにかく楽しい。 いやいや、出てくる映画がどれも良いシーンばかりで卑怯ですよ!それだけでテンションが上がっちゃいます。 それに本作は映画音響というだけあって、音楽の扱いは完全に映画館向け。 歴史を通してモノラル、ステレオ、5.1chサラウンドと進化を、映画館の音響を通して自分の耳で感じることが出来る。実は今と昔じゃこんなに違って、今はこんなに凄いことになっていたのかと驚いてしまった。今、凄え!!! 更に録音に効果音、そしてBGMとスタッフロールでどんな役割かボンヤリていた人たちの本来の仕事をこれでもかと紹介してくれている。まさかこんな録り方をしていたのかと驚くばかりだ。 映画は映像ばかりに目がいってしまうけれど、本作のおかげで映像と同じくらい大切で大事で重要な音響を更に味わっておかねばと思っちゃいますね。更に映画に対して見識が広がる一本です。映画好きなら見なきゃ損だ!そしてこの体験は是非映画館で! [映画館(字幕)] 8点(2020-10-17 15:34:40)(良:2票) |
14. マリッジ・ストーリー
カイロ・レンとブラックウィドウが離婚!? 凄い組み合わせの二人の結婚生活はさぞ幸せだったかもしれないが、お互いの仕事人としての強さのおかげで長続きはしなかった。 まぁそんな彼らの離婚話は端から見てるからちょっとユーモラスに見える。父親ってやっぱり弱えー! 仲が死ぬほど悪い訳じゃないし、恋人ではなく友人としてならきっと最高の関係だったであろう二人のやりとりは本当に面白い。 しかし裁判というのは恐ろしく醜いものにしてしまう。いやいや見てられない。それを煽る弁護士も凄い。凄い奴だ。 演技としても二人とも相変わらず恐ろしく上手なのでもう後半の喧嘩は凄いし、面白い。 そんなわけで二人の関係は一度終わったけれど、自分以上にお互いを知っている彼らの幸せを願いたくなる一本でした。 [インターネット(吹替)] 7点(2020-10-16 14:24:55) |
15. ゼロ・ダーク・サーティ
《ネタバレ》 気づけば死んでいたビンラディン。 アメリカのプロの中のプロが軽やかに倒したのだろうと思ったが、なんともまぁ心底大変だったかを思い知る映画だ。 そこまで至る道は最初から端っこの連中に対する酷い拷問から始まり何年も何年も見えない敵を追い続けていく彼らの心労は想像を絶する。しかも生きてる限りテロが起こり続ける。 作中に緩急はあるものの、いつ命を落としてもおかしくない終始ヒリヒリした空気は変わらない。いつ何が起こるかわからない最悪の緊張感がこれでもかと付きまとってくる。 そして主人公の執念の捜査が顔付きに現れていく様も凄い。そりゃあんな目に遭えば人間変わるよね。 終盤の突入シーンはイカすヘリが落ちたりとホントのことなのに見応えたっぷり。臨機応変な彼らの仕事っぷりはこの映画唯一のアゲポイント。 結末はわかりながらも最後まで緊張感が止まらないのと凄いです。帰るまでが作戦なのだ。 嗚呼ここまで長かった…。 最後のシーンは達成感よりもドップリとした疲れがのしかかる。2時間半の短さの中に10年分の重み伝わってきました。お疲れ様です。 [インターネット(吹替)] 7点(2020-09-17 10:57:07)(良:1票) |
16. インセプション
《ネタバレ》 俺たち素敵な夢泥棒っ! クリストファー・ノーラン監督最新作「テネット」公開を控え、ダンケルクやインターステラーなどが公開され2010年の作品「インセプション」もIMAXで再上映された。 当時も劇場で見たけれど、改めて見ると自分がほとんど内容を覚えていなくてビックリ。おかげで新鮮な気分で観ることができました。 でも主軸となるミッションの「多重構造になった夢」という構造は覚えていたので前回は「凄いけどよくわからなかった」という印象があったけれど、今回はスルスルと理解出来て10年前より確実に楽しめている。一回目は設定を理解する間にドンドン話が進んでいくのでついて行けなかったんだよね。 そんな訳で一度見た映画なのに、渡辺謙が撃たれるのも知っているのに終始ドキドキ。三枚目なトム・ハーディも素敵だし、改めて見るとディカプリオは情けなさ漂う良い演技をしている。 あとジョセフ・ゴードン=レヴィットはセクシーすぎるよ。 それにCG嫌いのノーランの映像は今もなお10年前の作品とは思えない輝きを放っており、不思議な気分を味わえる。わかっていてもあのホテル廊下での格闘シーンは不思議に見える。 最後にノーラン映画はどれも見終わった後の後味が独特ながらも気持ちよく、爽やかな気分で「良い映画観たな…」と思いながら劇場を出ることができるのでやっぱ最高ですね。 [映画館(字幕)] 8点(2020-08-29 22:40:38) |
17. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 クールなあいつは逃し屋。我らがライアン・ゴズリング。 監督はデスストランディングでハートマンを演じたニコラス・ウィンディング・レフン。 アウトローながらも純な愛を知った彼の未来は綺麗な映像とエモい音楽の割に上手くいかない。いや、行くはずがない。 ライアン・ゴズリングってイカれた役が多くて今回はなんともクールで期待しましたが、中盤からバイオレンス全開になった瞬間彼のサイコ本性が丸見えになっちゃって「あ、いつもの彼だ」となっちゃいました。 彼には血しぶきの化粧がお似合いなのだ。人妻との恋仲も顔をペチャンコになるまで潰したらそりゃドン引きですわ! 結末は意外とアッサリで、余韻はあるけれどよくは分からず、人妻もあんな殺しっぷりを見ても後ろ髪惹かれていて大丈夫かなとなっちゃいました。 監督の映画は初めてでしたが、その音楽と映像は美しく、なおかつバイオレンスも凄い、面白い作品でした。 [インターネット(吹替)] 6点(2020-08-29 22:36:37) |
18. ストライクウィッチーズ 劇場版
《ネタバレ》 独断先行命令無視、最もヒーローに向いていて軍人に向いてない我らが主人公はまたもや日本から欧州へ。 しかも今回は真面目すぎる若造を連れて。 本編はロードムービーのように新キャラの服部静夏と二人で旅をする形なのですが、軍紀無視が当然の宮藤と新キャラちゃんのソリが合うはずもなく徐々にギクシャクしていきます、まぁこれがなんとも気分の良いものでは無いのがちょっと残念。 だけど本作は他の部隊のウィッチがどかどか出てきたりと、本シリーズの世界観を更に広げる面白さが詰まっていました。 最終的な二人の関係は501の他のメンバー達の宮藤に対する圧倒的な信頼のおかれ方と、魔女というより化物な宮藤の魔法パワーに圧倒されて屈服and納得するしかないという結末にはなんともかんとも。 それで服部の真面目すぎる性格がちょっとほぐれた所まで描いて若き世代の成長要素を持たせて欲しかったなと思っちゃいました。 ラストは更に部隊の再再結成が明示される終わり方。 印象的にはちょっと長いOVA的なアッサリとした内容でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2020-07-25 22:43:45) |
19. ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
《ネタバレ》 第一線の俳優陣で送る恋と青春の物語は、どこまでも高クオリティ。 とにかく誰もが演技が素晴らしい。 ジョーの奔放すぎるも現実と向き合う姿勢、ローリーの恋の風向き、エイミーの感情が複雑に絡み合う思い、そしてメリル・ストリープ叔母さんの威厳が凄かったです。というかみんな凄い。 そしてグレタ・ガーウィック監督の編集の凄まじさも素晴らしい。近代アメリカが舞台ながら雰囲気を壊さずに現代的なテンポとスピード感で描いていったり、最初から覚える人物が多いながらも、一人一人の人間を丁寧に構築して自然とこちらに覚えさせる技はまさに職人。更に、過去と現在を色調でわかりやすく表現してるのも嬉しい。手紙のシーンも好きです。 それに衣装に、音楽、どれもが素晴らしく若草物語というモチーフに見る前は全然興味は惹かれなかった僕でさえ、最後には前のめりにウルッときてしまいました。素晴らしい映画です。 [映画館(字幕)] 8点(2020-07-03 16:37:35)(良:1票) |
20. 名探偵ピカチュウ
《ネタバレ》 1996年、小学三年生の頃にポケモン赤・緑と出会ってそれから行く年の時が来て僕もいい大人になった。 当時はもう狂ったように遊んだし、カードも買ったし、アニメも見たし、ポリゴンショックも受けた(特に身体に異変無し)。 だけど今はもうポケモンも遊んでないし、これから遊ぶ事もないだろう。 でも地上波でなんとなく本作を見だしたらなんだか在りし日の感情が沸々と湧いて出てくるじゃないか。 この世界、あぁこのポケモンの世界!小学生の頃憧れた世界だ!!! アニメではない実写のポケモンはまさに実在する生物として描かれ、現実を生きる生物らしさとポケモンの可愛さを上手く混ぜた大変素晴らしいものになっている。(あのガーディを抱かせてくれ!) それにネオン多めの街並も可愛いブレードランナー感があって最高ですね。思えばロゴやポスターのデザインなどもも非常にセンスが良い。 まぁお話は子供騙しではないにせよ結構オーソドックスなものになっていて、大人にはちょっと物足りないものにはなっているが、ピカチュウとのやりとりは面白いし、バトルシーンはかなり迫力がある。超巨大ドダイトスやメタモンなど驚きの連続なのも面白いです。それに知ってるポケモンが出るたびにめちゃくちゃテンションが上がります。 そんな見所たっぷりなおかげで終始ダレる事も無く最初からエンディングまで大満足で見終える事が出来ました。もうこれは今まで生きて来たご褒美と言っていいですね。素晴らしい。次回作に期待してます。 [地上波(吹替)] 7点(2020-05-29 17:24:16) |