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スノーモンキーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 67
性別 男性
自己紹介 最近になり、やっと映画鑑賞に時間がさけるようになってきたので活動再開していきます。自分は記憶力が悪く、映画を観ても内容をすぐ忘れてしまうので、できるだけレビューを残していきたいと思います。基本書くことは苦手ですので、大したレビューは書けませんがよろしくお願いします。

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1.  セブン 《ネタバレ》 
この犯人は、自分が死ぬことを前提として犯罪を計画している奴なんですよね。人生を諦めている人間。 やっぱこういう奴ってまともに完全犯罪を目指す犯罪者と違って、どこか綻びが出てきますね。 貸出履歴で居場所を突き止められてしまうところなんて、稚拙すぎる。とても知能犯とは呼べませんね。  ブラッド・ピットとモーガン・フリーマン扮する刑事も魅力ないなあ… この程度の犯人の計画で、何人もの命が奪われてしまった。捜査中に被害者を増やしてしまう時点で、刑事失格ですね。 正直、この2人に魅力は感じませんでした。  ラストの展開も簡単に読めてしまいました。ミルズ刑事と妻との愛情描写も希薄でしたので、捨て駒なのかなと勘づいてしまいましたね。 この後味の悪いラスト。あっと驚く展開を期待していただけに、残念でした。  自分勝手で自暴自棄になった子供のような犯人に、振り回されてしまった2人の刑事のお話。こんなんではとても楽しめませんね。
[DVD(字幕)] 4点(2018-02-27 02:23:26)
2.  長屋紳士録 《ネタバレ》 
結構残酷な内容のはずなのに、何故か笑ってしまう不思議な映画でした。幸平は戦争孤児という設定なのに、体型がふっくらしているというのが可愛らしいんですよね。飯田蝶子演じるおたねも、どこか憎めません。怒りっぽいが情に弱い一面も持ち合わせていて下町のおっかさんと言った感じでしょうか。茅ケ崎の海岸に幸平を置き去りにしようとするシーンなんか、下手な監督が撮ればただの鬼婆ですよ。そこを、子供が追いかけてきてだんだん距離が縮まっていくショットを観せ、最終的に一緒に家に戻ってしまうことでほっこりさせてしまう。このあたりの演出が上手いなあと思います。  クジではめられるシーンやぶかぶかの帽子など可笑しい場面はいくつもありましたが、一番笑ったのが、あれだけたくさん芋を買ったのに、幸平の父親がお礼に芋を持ってきたところ。あれは爆笑でした。  今回改めて小津監督は喜劇作家であることを実感しました。本作が公開されたのが昭和22年。この時代にこんなにも明るい戦争映画が日本で制作されていたことにも驚きました。
[DVD(邦画)] 8点(2017-03-18 01:40:23)
3.  ハタリ! 《ネタバレ》 
野生動物を、生きたまま捕獲する様子を映し出した珍しい映画です。  逃走する動物を車で追いかける様子は、まるでジョン・フォード監督の駅馬車を観ているかのような臨場感でした。特にサイとのせめぎあいは、見応えがありました。よくもまあ、これだけ迫力のある映像が撮れたものです。昨今のCG映像では、この迫力は出せません。生け捕りの方法がワイルドで、ロープを首にかけ引っ張り動きを止めてからトラックの荷台に押し込みます。これが素人の俳優がやってのけるのだから、映画に対する熱意が尋常でないことが想像できます。西部劇のように銃が登場する映画で、死者を出さない映画は本作以外に記憶がありません。そのことからも本作は、大変貴重な映画だと思います。  捕獲シーン以外のストーリーもよくできています。捕獲チーム内での恋愛事情をコメディータッチで描いており、それだけでも十分満足できてしまいます。さすがハワード・ホークス監督、演出が上手い!特にダラスと小象の絡みが微笑ましく見入ってしまいました。ラスト、彼女を追いかけていく3頭の小象の行進が可愛くて、私も飼ってみたくなってしまいました。  生け捕りにされた動物は、動物園などに引き渡されます。本作の明るい作風には、一生かけて動物を愛してほしいというメッセージも含まれているのではないかと思います。出来れば映画館の大スクリーンで鑑賞したい映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2017-03-18 01:21:28)
4.  さらば友よ
正直、ストーリーは結構雑なところもありましたね。特に謎解きの部分は無理やりこじつけた感じであまり上手くない。しかし本作においては、ストーリーはあまり関係ないですね。アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンが共演したという事実こそが、一番の見どころです。  画的なことを考えてしまうと、ドロンほどの美男子と共演したいと考える男優はあまりいないと思うのです。絶対彼の方に目がいってしまいますから。しかしブロンソンは偉かった。お世辞にもハンサムとは言えぬ風貌ながら、円熟した男の色気で世紀の美男子を食ってしまった。『やっぱ男は中身で勝負でしょ!』と堂々と口にする勇気を彼からいただきました。ありがとう、ブロンソン!  そしてラストのマッチの火の力強さ。まさに男の情熱そのものでした。久々に熱い漢の映画を観ることができました。
[DVD(字幕)] 7点(2017-03-18 01:16:59)
5.  黒蜥蜴(1968)
元々は、原作が江戸川乱歩の長編探偵小説を、三島由紀夫が戯曲化したものです。それを深作欣二監督が映画化しました。製作には主演の美輪明宏さんも関わっていたそうです。  映画を観て思ったのが、これが本当に1960年代の日本映画なのかということです。元々、戯曲ということもあり、とても言葉遊びの多い作品です。私は、言葉の多い映画はあまり好まず、映像で語る作品の方が好みなのですがこれは別です。詩的であり言葉の一言一句がとても美しいのです。日本語ってこんなにも美しかったのかと驚きました。まるでジャン・コクトーの映画を観ているかのようでした。舞台芸術を導入した装飾品もどれも綺麗で妖艶な雰囲気を醸し出しています。美しい背景に合わせるかのような会話劇は、全てが計算しつくされています。  本作をここまでの芸術作品に仕立てることができたのは、もちろん美輪さんの名演技があってのことです。何なのでしょうかあの甘美さは。男女の垣根を超え、まるで天人のようです。  仁義なき戦いや、バトル・ロワイアルといったギトギトした映画を撮る深作監督が、本作を撮ってしまうというのも驚きです。いやもう美しすぎて、ため息しか出ないですね。余韻がハンパありません。天才たちが集まると、こんな映画も作れるのですね。本作はホモセクシャルな描写があるためDVD化されないそうです。くだらないことを言ってないで早急にDVD化していただきたいものです。多くの人に観てもらいたい芸術映画です。
[ビデオ(邦画)] 9点(2017-03-18 01:10:10)
6.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
大女優同士の壮絶な演技の応酬は迫力満点。ベティ・デイビスの狂気に満ちた演技も怖いが、ジョン・クロフォードの内に秘めた怒りを抑える演技もかなりの怖さである。幼少期、活躍する妹を尻目に不遇の扱いを受けるブランチ。「この悔しさは絶対忘れてやらない。」この一言が終始、重苦しい余韻を残す。ジェーンにどんな仕打ちを受けても反発もせず黙って耐えるのです。窓から助けを呼ぶことだってできたはずである。どこか、壊れていく妹を観察するのを楽しんでいるようにさえ感じました。海辺でブランチが、美しい妹が自分のものまねをするのを見て怒り、ジェーンが車で自分を轢き殺そうとしたように画策したことを告白します。その瞬間、ジェーンの鬼のような顔が穏やかな表情に変わりました。お互いライバルとして意識しすぎていたのである。アイスクリームを手に持ち、群衆の中で楽しげに踊る姿は子供返りしたかのようでした。スターになってしまったゆえに生じた、二人の間の軋轢からようやく解き放たれました。今後、厳しい残りの人生が待っているのだが、死ぬ前に人間味を取り戻しただけでも幸せなのではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2015-01-26 23:44:01)
7.  ひみつの花園 《ネタバレ》 
お金が大好きな女の子の暴走ストーリー。趣味がお金を数えることというだけで、銀行の面接に受かってしまう適当さにこの作品の異様な空気を感じました。池に沈んだ5億円を探すため、あっさり銀行を辞め大学受験を受けてしまうというハチャメチャな展開に呆気にとられる。最初の目的からどんどん脱線していき、素人の女の子がスキューバダイミングやロッククライミングなどに挑みプロ並みの実力を身につけてしまう。孫悟空並みに純粋無垢な彼女は、あらゆるものをどんどん吸収していきます。そんな姿をみていると、何だか元気ができます。最後までノンストップで走り続けていく映像のテンポの良さは、まるでアニメ映画を観ているようだ。遠回りの末、ようやく池に沈んでいる5億円を見つけます。しかし、ラストであれだけお金に執着していた彼女が、お金はいらないと言って埋めてしまうのである。様々な体験をしていく中で、彼女はついにお金よりも大切な何かを見つけたのだ。おめでとう!咲子!
[DVD(邦画)] 7点(2015-01-19 00:09:41)
8.  ヨコハマBJブルース 《ネタバレ》 
松田優作の念願が叶い、工藤監督の映画に初出演した作品。自ら原案を手がけてしまうほどの熱の入れようだったとのこと。良くも悪くも松田優作が目立ちすぎてしまっている。内田裕也や蟹江敬三といった個性的な俳優をキャスティング。また、ストーリーにホモネタや少年愛といった過激な演出を入れ込むも、それでも松田優作が浮いてしまい不自然な印象を受けます。天才であるが故、自分の個性が強すぎることで作品全体が歪んでしまっていることに気付いていないようにみえました。本当に楽しそうに演じているんだもん・・・ これは石原裕次郎にも言えることである。同じスターでも、器用な高倉健はそのことに気付いていたであろう。(この人、不器用じゃないよ。絶対。)幸せの黄色いハンカチ以降、彼の演技ってすごく自然でした。ストーリーが、某ハードボイルド映画のオマージュというかパクリなのは鑑賞した方なら分かると思います。ラスト、少年の亡骸に服を着せ、歌を聴かせるシーンは大変印象的で松田優作の優しさを感じました。最近の日本の映画やドラマは、キャラの個性やぶっとんだ設定でインパクトを与えることしか考えていない作品がとても多い。香川照之さんなんてどんな役も演じられる素晴らしい俳優なのに、癖のある演技ばかり求められて不憫でなりません。そのような流れを作ってしまったのは、もしかしたら工藤、松田コンビあたりからかもしれない・・・ 
[DVD(邦画)] 4点(2015-01-17 00:41:21)
9.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
パニック映画の元祖ともいえる本作。映画で船の水難事故って結構あるが、本作が最も緊迫感がありました。船が転覆し、人が重力に逆らえずシャンデリアといっしょに落下してくるシーンが物凄く印象に残っています。多くの人が浸水してきた海水によって命を落とします。生きるためにはしごを登って行った数人のみがギリギリで命を繋ぎ止めました。一縷の望みを信じ脱出を試みます。恰幅の良いおばちゃんの演技が良かった。足手まといになり、これ以上迷惑をかけまいと唯一の特技である潜水で、溺れていたスコットを助け命がけで逃げ道を見つける姿は人生最後の輝きでした。しかし極限状態の中、行動を起こしたものから命を落としていくという非情さ。そしてリーダーシップを取ってきたスコット牧師も・・・ 結局生き残ったのは、スコット牧師に食ってかかっていた者や、ただ黙って付いてきた者でした。もうこうなると生死をわけたものなどなく、運命と言うほかない。地獄には、神も仏もヒーローもいないし、奇跡のストーリーなども存在しないのだ。タイタニックのようにお涙頂戴的な演出やラブストーリーを入れることなく、素直に絶望的な結末を見せたことで、水難事故の恐ろしさが一層引き立ったのだと思います。私はこの作品を超えるパニック映画を未だに観たことがありません。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-16 00:01:46)
10.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 
冒頭の服役中の大友の格好に笑ってしまった。帽子を被り、胸には名札。まるで幼稚園児ではないか。ここに哀れな男の姿がありました。前作のアウトレイジでは、奇抜な殺し方に注目が集まりすぎてそれを北野監督は快く思わなかったようだ。本作はそのような表現が抑えられている一方、言葉の暴力で魅せてくれました。花菱会の若頭の西野との怒鳴り合い、「殺すぞー!」「やれるもんならやってみろー!」これは完全に子供の喧嘩である。そんなやり取りすら、漫才にしてしまう北野監督はさすが。裏切っては裏切られ、あるものは頂点から奈落の底へ突き落され、無残に殺されます。哀れで大バカな男たちの悲劇的な喜劇。北野監督のバイオレンス映画は、最も残酷な形で暴力社会を否定しているのである。暴力を否定するには笑いとばしてやればよい。幸せを肯定するなら残酷な悲劇を見せつけてやればいいんだ。そうすることが一番効果的であることを北野監督は知っている。絶対的な感性で社会に疑問を投げかける北野監督は天才であり、彼の作品を愛してしまうのは当然であろう。最近の作品は、なんだかんだ言っても客が入らなければ意味がないというスタンスで映画を製作しているので、今まで北野作品に縁がなかった人も鑑賞するようになり嬉しく思います。
[映画館(邦画)] 8点(2015-01-15 00:15:33)(良:1票)
11.  髪結いの亭主 《ネタバレ》 
少年の初恋は、美容室に勤める太った大人の女性でした。汗ばむ女性の匂いや、どこかエロティックな雰囲気は、少年にとって性的な魅力に溢れていたのです。時がたち、少年は初老の男性となりました。ふと立ち寄った美容院で昔の記憶が甦ったのか、そこで働く若い女性に恋をしたのである。フランス人らしい語り口で口説き、結婚することになります。男は店で何をするわけでもありません。妻の働く姿をただ見つめるだけである。でも妻は夫がそこにいてくれるだけで幸せなのだ。日本でこんなことをすれば、どやされるのがオチである。一週間でいいので、こんな夫婦生活を体験してみたい。閉店後は二人だけの時間。毎晩激しく愛し合います。ある嵐の夜、いつものようにセックスに耽っていたが妻はふとこの愛が終わるときのことが頭をよぎります。恐ろしくなったのか、家を飛び出しそのまま命を絶ってしまいました。悲しい思いをするくらいなら死んでしまった方がまし。これは日本人には到底理解できない、究極の愛の形である。ラストも重い雰囲気になることなく、爽やかに終わらせるところはさすがフランス映画。日本の周りの迷惑を考えず、二人でセックスしながら毒を飲んで心中を図る某不倫映画とは大違いですね。
[DVD(字幕)] 8点(2015-01-14 23:37:16)
12.  がんばれ!ベアーズ 《ネタバレ》 
うーん・・・これはどうなんだろう。マイナーリーグでも活躍したことのあるモリスが、弱小少年野球チームの監督をすることになりリーグ戦の優勝を目指す話しなのだが、どうもこの監督を好きになれない。この監督がしたことって、天才少女と呼ばれた自分の娘と野球のセンスのある不良のターナーをチームに入れたことくらいで、他は何もやっていません。指示する内容もデッドボールに当たれ、守備は全てターナーに任せろなど到底戦術と呼べるものではありません。それ以前に少年にこんなこと言っちゃだめだろ・・・ ヤンキースとの最終試合、最終回の大事な局面で急にベンチの選手を使い始め「勝利より、みんな試合に出る方が大事だ。」みたいなことを言いやがる。デッドボールに当たってでも塁に出ろと言ってた奴がどういう心境の変化なんだ。この気まぐれなおっさんが、勝つことよりも大切な何かに気が付いたとは思えない。というか選手に練習方法を教え、戦術を教え、勝つことの喜びを教えることこそ監督の仕事だと思います。もちろんこの作品は真面目な野球映画ではないし、スポ魂映画でもありません。だって大して一生懸命練習してないし。でも、子供たちの人間模様は観ていて面白く、それぞれキャラが個性的だったので選手全員の顔を今でも思い出すことができます。野球大好きなアメリカ国民は、この作品をどう観たのか気になります。
[DVD(字幕)] 4点(2015-01-14 22:25:44)
13.  裏窓(1954) 《ネタバレ》 
初めてカラー映像のグレース・ケリーを拝見。あまりの美しさに悩殺されてしまいました。カラーの彼女を拝めただけでも、鑑賞した価値あり。片足を骨折しアパートの自宅で静養中のジェフリーズは、暇を持て余し裏窓から他人の生活を覗き見します。喧嘩をする夫婦、熱心にエアロビに没頭する若い女性など皆コミカルに動き回り、映画館のスクリーンにそれぞれの生活が映し出されているかのようでした。アパートのデザインも好きで、住んでみたくなります。突然、ある部屋の夫人の姿をパタリと見なくなります。旦那の不審な行動から、殺人事件が起きたことを確信し、独自に捜査を開始します。妻役のグレース・ケリーに犯人が襲かかる様子を見て慌ててカメラのシャッターを切り犯人の気を引くのである。盗撮されていたことに憤慨し、ジェフリーズの部屋にやってきます。動けないことによる恐怖感がよく出ていてハラハラドキドキ。カメラのストロボをたき、犯人の目を晦ませて時間を稼ぎます。ストロボをたいた瞬間の黄金色に浮かび上がる犯人の顔の不気味なこと。ヒッチコックの恐怖感を煽る発想力って本当にすごい。ギリギリのところでジェフリーズは助かります。しかし、他人の生活を覗き見した罰なのでしょう。犯人、警察ともつれ合い、窓から転落しもう片方の足も骨折してしまうというオチ。最高でした。こういった密室で起こるサスペンスもの(ガス燈、暗くなるまで待ってなど)が大好きで、今のところ、数あるヒッチコック作品の中で個人的に裏窓が最高傑作です。これだけ限られた空間の中だけで、ここまで見せてしまうヒッチコックは映画の神様だ。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-14 21:18:08)
14.  もらとりあむタマ子 《ネタバレ》 
私は正直、前田敦子さんは女優として成功していけるのか懐疑的でした。しかし、この映画を観てこの考えは大きな間違いであることを実感しました。冒頭のロールキャベツを頬張るタマ子の顔に度肝を抜かされ、トイレで奇声を上げるタマ子。中学生の男の子をこき使うタマ子。外面だけは一丁前のタマ子。どんどんと女優、前田敦子ワールドに魅了されていき、終始口元が緩みっぱなしでした。タマ子の就活用の写真には爆笑してしまいました。でも笑っては失礼ですね。だって、あの写真はタマ子の新たなる人生の第一歩なのだから。この映画の風景には、真っ青の大空も、透き通るように綺麗な海も出てきません。さびれた商店街と曇天とのコントラストのような、素っ気ない描写ばかりが映されます。しかしこの映像にこそ、タマ子のモヤモヤした心情が見事に表現されており、山下監督のセンスが光ります。物語が大きく展開するわけでもなく、あくまでタマ子のモラトリアムだけを写し続けます。そんなタマ子もいよいよこの町を出る決心をし、中学生の男の子にそのことを告げるが素っ気ない態度を取られます。その後の一瞬の間が可笑しい。最後に一言、「自然消滅なんて言葉、久しぶりに聞いたわ。」と小憎らしく吐き捨て突然のエンディング。この唐突な終わらせ方に、最後の最後でまた爆笑してしまいました。モラトリアムは終焉を迎え、これから厳しい社会の中での物語が幕を開けるのです。頑張れ!タマ子!そして女優、前田敦子さんのこれからの飛躍を応援します。
[DVD(邦画)] 7点(2015-01-14 20:50:49)
15.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 
シナリオライターの英雄は、幼い時に両親を事故で亡くします。多感な時期に愛情を受けずに育ってきた英雄は、人当たりも冷たくあまり人間味を感じない。奥さんとも離婚することになり、ますます生きる気力を失っていきます。そんな彼はある夏、桂という女性と亡くなった両親に再開します。桂とは恋愛関係となり、忘れていた愛を取り戻していきます。また、失われていた記憶を取り戻すかのように両親との会話や食事を楽しみ、親の愛情を久しぶりに感じるのである。しかし、自分の生命力が弱っていることを桂の言葉で悟り、両親と会うのをやめると誓うのです。最後、親子ですき焼き鍋を囲みます。英雄の感謝の言葉を聞いた両親は、これからも彼が生きていく意思があることを感じ食事に手をつけることなく夕日と共に消えていきました。「ありがとう。お父さん、お母さん。俺頑張るよ。」ここで終われば感動のハッピーエンド。「生きる希望を取り戻した男の愛情物語」ということになるのだが、大林監督はそんなに甘くなかった。恋愛関係にまで発展していた桂も、自ら命を絶ち幽霊になっていたというオチ。しかも寂しさを紛らわすため、英雄を自分だけのものにしようするホラーさながらの超展開。これは大林監督の「どんなに希望を持って生きようとしても、必ず理不尽や恐怖、絶望が襲ってくる。それらを乗り越えなくてはならない。生きるって大変なんだ。」というメッセージだと勝手に解釈しました。また、ここまでの不思議体験の中の愛はあくまで英雄が相手からもらったものであり、自分が愛してやった訳ではありません。英雄は悪魔のような顔になり、桂の血飛沫で体中が赤く染まります。この状況下でも命乞い(自己防衛)をするようなことはありませんでした。桂の寂しさに気付けなかった己を悔い、一人で寂しい思いをしないよう自分を連れて行くよう必死で呼びかけます。桂は本当に愛されていたことを知り、生きてほしいとの言葉を残し去っていきました。英雄は初めて人(幽霊だけど・・・)を本気で愛したのである。現実に戻った後、息子に花札を教えてやると言ったシーンは印象的でした。男四十路、独身。これから厳しい第二の人生が始まるのだ。大林監督は面白い視点から、生きることの難しさを表現しました。
[DVD(邦画)] 8点(2015-01-13 00:06:02)
16.  ワイルド・アット・ハート 《ネタバレ》 
大胆にテンポよく進んでいくストーリー。リンチ作品にしては観やすい作品ではないでしょうか。冒頭のマッチの火がとても印象的。この作品の炎の美しさ。登場人物たちの、制御でいない高揚感や苛立ちを表しているかのようでした。リンチ作品に必ず登場する奇人、変人のいかれた演技は本作でも健在。やはりウィレム・デフォーが強烈で、短い歯をむき出しにしてルーラに迫る姿は恐ろしく、ローラ・ダンが本気で怯えているように見えました。ショットガンで自分の頭を吹き飛ばしてしまうシーンはまさにリンチワールドで、不謹慎であるが美しく感じてしまいました。ニコラス・ケイジの雰囲気も素晴らしかった。蛇の皮ジャンがこんなに似合う男って彼しかいないだろう。自分の感情をコントロールできずに周りに流され、あと一歩のところで幸せを逃してしまうしょーもない男に哀愁を感じてしまいます。出所後、子供とルーラの今後を考え家族のもとを離れようとした彼の姿は偉いと思いました。謎の天使に諭され、絡まれたチンピラに「気づかせてくれてありがとう。」という言葉を投げかけます。正直この流れは雑だと思います。ルーラにラブ・ミー・テンダーの聞かせるシーンをラストに持ってきたかったリンチ監督の気持ちは分からないでもないが、ちょっと強引すぎ。このままバットエンドで終わっても、十分に美しかったと思います。しかし、リンチワールドにどっぷり浸たることができ楽しめました。ただ一点、不自然で奇をてらったような字幕が気に食わなかった。私は、リンチワールドに浸りたいのであって戸田ワールドに浸りたいのではない。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-12 13:54:27)
17.  不安 《ネタバレ》 
ワグナーの不倫をきっかけに、周辺に鳴り響く不協和音。サスペンス映画さながらの緊張感漂う演出に、手に汗握りながら鑑賞しました。浮気をされた旦那が裏でいろいろ画策するのだが、その姿が女々しい。実際、ロベルト・ロッセリーニとイングリッド・バークマンは不倫関係にあり、当時世間を賑わせていたとのこと。そんな中、このコンビでの不倫映画。撮る方も撮る方だが、毅然と演じたバークマンの根性も凄い。大女優たる由縁ですね。この映画観てしまうと、小室哲哉と華原朋美の共演も、一青窈の他人の関係のカバーも、たいしてインパクトないわ(笑) バークマンの浮気相手をシュルツが、「あんなくだらない男」「あいつはペテン師」と罵る場面があるが、ロッセリーニの自分に対する戒めなのだろうか?最後、自殺を思い止まり、愛する子供のため生きる選択をしてくれて良かったです。乳母がバークマンの頭を撫でながら、「私をお母さんだと思って。」「過ちは犯しても早く気づけばいいの。」「子供たちはあなたが必要よ。」との言葉。とても温かい気持ちになりました。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-12 01:51:54)
18.  トリュフォーの思春期 《ネタバレ》 
とてもリアルに、思春期の子供の生態が表現されていたと思います。まるで実在する学校を覗いているような感覚でした。トリュフォー監督、教師の経験あるのではないかと思ってしまった。子供たちも伸び伸びとしていて、とても自然でした。最近の日本の子役の演技って、変に大人びたロボットのようであまり好きではないので、本作の子供たちは微笑ましく映りました。どのように撮影したのか気になります。映画館や美容室など、子供たちがおイタをするシーンがいくつもでてくるのだが、その一つ一つがコントみたいで面白かった。虐待を受けていた子供が翌日、教室から姿を消し、「彼は今までよりは幸せな生活を送ることになります。」という先生の子供たちに向けた言葉。無責任のようだが、苦しくとも生きていかなければならない現実の厳しさがひしひしと伝わってきました。大人たちも気取ることなく時には自分の未熟さを認めながら、子供たちに接する姿に好感が持てました。本作のトリュフォー監督の映し出す人間模様は、現実的だがとても温かいものでした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-11 01:51:48)
19.  豚と軍艦 《ネタバレ》 
とてもエネルギッシュな映画でした。まさにバカヤローな男どものドタバタ喜劇。とにかく、この映画の中の「男」に何一つ魅力を感じません。弱いものから金をせしめる。妊娠した彼女を簡単に中絶させる。引っ掛けた女を米兵に受け渡す。親分と慕われている銀次でさえ、胃潰瘍を末期がんと勘違いしノイローゼになる始末。これまでの日本映画のヤクザ像とは一線を画しており、高倉健の任侠映画の真逆を行っています。この男どもの末路も哀れで、自分の育てた豚に踏み殺され、ある者は便所の汚水に顔をうずめて死んでいきました。オーバーアクト気味な演技もなかなか面白かった。加藤武のいかれた演技、言動は異彩を放っていました。また、若干17歳の吉村実子の体を張った演技も凄い。吉高由里子の蛇にピアスの演技なんてまだまだ。若者の有り余るエネルギーが、全てマイナスの方向に放出してしまいました。普通なら陰湿な映画になってしまうところを、喜劇にしてしまう今村監督は凄い。まさに日本版ヌーヴェルヴァーグ!
[DVD(邦画)] 8点(2015-01-07 22:27:14)(良:1票)
20.  マドモアゼル 《ネタバレ》 
女性の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。主人公のマドモアゼルはちょうど中年に差し掛かった頃の年齢で、肉体や性に関してフラストレーションが最もたまる時期である。冷淡で妖艶なジャンヌ・モローの演技からは大人のエロスを感じさせます。性へのストレスのはけ口として、洪水を発生させたり放火を繰り返したりします。群衆の中から、燃え盛る炎によって浮かび上がる彼女の姿はまさに魔女のようだ。凛とした中年のマドモアゼルがきこりを誘惑し、我を忘れ快楽に浸る姿に不覚にも魅了されてしまった。その後、彼女を強姦したと思い込んだ民衆にきこりは殺されてしまいます。何事もなかったかのように町を出るマドモアゼル。男は、とても彼女のように割り切れません。女性って死ぬまで嘘をつき通せてしまうところが凄い。この映画を観てつくづく、若いうちにたくさん恋愛したり、挫折を経験することって大事なことだと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-07 00:24:27)
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