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1.  リング(1998) 《ネタバレ》 
あれから18年。すっかりこちらのテレビも薄くなっているわけで、どうにも埋めがたい気持ちの隔たりと、ちょっとした申し訳なさを感じないわけにはいかない。映画の印象もずいぶん変わった。貞子の服やパーマ、こんなにきれいだったかなあ?子供時代に感じた、お化け屋敷な印象はきれいさっぱりなくなった。ホラーらしくない落ち着いた映像と趣味の良い美術、素朴な演技などは今だからこそ共感できる部分も多い。  思えば、テレビは一家だんらんの明るい象徴だった。それが核家族化により一家に一台からひとりに一台へ、お茶の間から個室へと移り変わる。ちょうど当時としてはテレビの存在が、暗闇を映す鏡のような異世界へのチャンネルとしての魔術性を帯び始めた頃合いだったのかもしれない。  「呪いのビデオを見ると一週間後に死ぬ」ホラーの題材としては一見子供っぽく感じる。しかし観客の気持ちをしっかりとつかんで離さない重厚な雰囲気づくりは見事だ。  私たちは、これ以上深入りしてはいけないような禁忌と、それでいて行かなければならないような使命感の狭間に揺れる。聞こえるのは深い井戸に眠る貞子の呼び声だろうか。貞子の登場は最後だけなのに、ずっと画面に気配が感じられるのはそのせいなのかもしれない。  ビデオの呪いを解くために手がかりを探る主人公たち。彼らはその過程で博士と志津子の悲しい関係を知る。まったく無関係な二組の夫婦だが、共鳴し、引き寄せ合うように、彼らの記憶は少しずつ重なりあっていく。  過去と現在。ふたつを結ぶトンネルの最も奥深くに彼女はいた。髪は抜け肉はドロドロに腐り落ちている。しかし不思議とそこには「恐怖」がない。玲子をここまで突き動かしてきたのは「呪いを解きたい」「まだ死にたくない」という、いわば自分勝手な動機だった。だがもはや玲子の表情に恐怖や焦りの色はない。大切な何かを思い出したかのような安堵が広がっているだけである。  まったく見ず知らずの間柄だった玲子と貞子。「他人なのに他人じゃない」今はそれがはっきりわかる。ずっと探し求めてきた貞子の亡骸を愛おしそうに抱きよせるシーンは、まるで赤ちゃんの出産場面を見ているかのようで感動した。
[地上波(邦画)] 8点(2016-08-27 21:04:41)(良:1票)
2.  渋滞
日本の年末の風物詩ともいえる「帰省ラッシュ」が大望の映画化・・・って、いったい誰が見るんだ?こんなの。  「渋滞」というタイトルから緩慢な密室劇のようなストーリーを想像していたが、本作から伝わってくるのはむしろ「動」のイメージ。あちらからこちらへの「通過」に作品の力点が置かれている。   「帰りたいのに帰れない」。そこはリンボのような薄く引き伸ばされた中間地帯を思わせる。様々な思いを乗せて夜のグラデーションの中をひた走る車が幻想的だ。  日本人なら誰もが感じる大晦日から正月にかけての神聖な空気がよくあらわれていると思う。しかしまあ、外国人がこの映画を見てもさっぱりわかんないんじゃないかな。
[地上波(邦画)] 6点(2016-01-10 23:27:51)
3.  トゥルーライズ 《ネタバレ》 
一見すると普通のスパイアクション映画だが、不倫現場に特殊部隊が突入したり、パパがハリアー機を操縦して娘を迎えにいったりなど、随所にコメディ要素も散りばめられていて楽しい。   子供の思いつきをそのまま形にしたかのようなアクションシーンはド派手で爽快。今ほどCGに頼っていないので映像にも力があるように思う。 馬に乗って街を駆け抜ければ、その肉感や荒い呼吸がスクリーンから伝わってくるし、オートバイで高級ホテル内を走り回れば見ている方も本物の罪悪感を覚える。  従来のアクション映画では、勇敢に敵と戦う「男性」主人公の目線だけから描かれるものがほとんどで「女性」はただ、後ろの方のページで助けを待つだけの存在でしかなかった。本作では男性視点と女性視点が交互にからみあってストーリーが進行する点がひとつの工夫となっている。   平凡なセールスマンのはずの夫がバリバリ敵をなぎ倒していく姿に「ランボーみたい」とため息をつく妻。平凡な専業主婦のはずの妻が娼婦のようなポールダンスを踊り、思わず目をそむける夫。これは映画なのか現実なのか?交錯するトゥルーとライズにとまどいながらもお互いの本当の姿が少しずつ見えてくる。ぎこちなさや相互不信を乗り越えて再会を目指す夫婦の姿が切実に、かつユーモラスに描かれていると思う。
[地上波(吹替)] 6点(2016-01-07 20:59:29)(良:1票)
4.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト
見る人を選ぶ映画だと思うが自分は面白く見た。大学生が森で撮影したビデオテープをそのまま流すだけといった手法は斬新さをこえて挑発的にすら感じるが、醜怪なモンスター、猟奇的な殺人鬼といったホラーの定番から離れて、すぐそばにある恐怖の姿をリアルに描きたかったのだろうと思う。  ただし、リアリティを追及しているわりにはどこか薄っぺらい。恐怖に深みがない。 主人公たちが迷っている森も、よく見るとそれほど深く険しい場所ではない。その辺の雑木林で器材を組んでいる撮影班の姿が目に浮かんできて主人公たちの絶望の深さと対比させると笑える。  彼らが何に対して怖がっているのか、その正体がはっきりしないのがこの映画の特徴といえる。現れるのはネズミの死骸や積み上げられた石など思わせぶりな周辺物だけ。時間が経つにつれて必要以上に強調されていく不快な怒声と泣き声。恐怖そのものが恐怖として増幅していくのみで根っこがない。  絶望的な状況下でもビデオカメラを手放さない女性に向けられたセリフ。「なぜ君がビデオが好きなのかわかった、現実じゃないからさ。フィルター越しの現実でしかない 」  製作者がなりふり構わず追及したはずのリアリティは、皮肉にもフィルター越しのリアリティにとどまってしまっているように思えてならない。
[DVD(吹替)] 7点(2015-12-24 14:40:15)
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