1. セーラー服と機関銃
若い頃に見損ねて、ずっと気になってたのですが、あまり評判も良くないのでどうしようと思い、やっと見てみた作品です。 彼女の声がとにかく大好きで、そういう意味では声を堪能できました。 わざわざ声に集中してもらうために、余計な映像を省いたのかというほど、顔も見えないようなロングショットが多かったですが、声を聞けたので良かったです。 お話はまあ、期待していなかったので、こんなものかと。 マシンガンの場面は、もっと激しくぶっぱなしてくれるのかと思っていましたが、まあアクション映画でもないのだし、こんなものなんですかね。 こちらは期待外れ。 ラストで流れる主題歌は、結構期待していたのですが、彼女の声に細工がされて、その良さが消えていて残念なできでした。僕が以前ベスト盤で聞いていたのは、後で録られたもので、編曲がことなっており、それはそれで「何か違う」という感じだったのですが、オリジナルは別の意味で今いちだったなあ。 当時の彼女の歌唱力が残念なものだったのだろうけど、それはそれで聞いてみたかったのですが。 とはいえ、声フェチとしては、十分楽しませてもらいました。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-03-15 15:09:06) |
2. 街の灯(1931)
同時に見た独裁者のほうがまだ面白かった。ボクシングのシーンは、ドリフにあんなのあったなあって思わせて、そういうところは興味深かったけれど。 ラストシーン、大好きな人が多いようだけれど、僕の感覚だと、遠くから見るにとどめるのがより切なくて、また心情的にもリアルで共感できる。 だって、あそこまでぼろぼろの中年の浮浪者が、美しく着飾った若い娘さんとこれから先どうするのって話ですよ。そこまでの話も、女の子の目が見えなかったから成り立った話であって、中年のおっさんとしては、良い夢を見せてもらったで、立ち去っていくしかないんじゃないかと。 まあそれだって、今だったらあまりにべただけど。 チャップリンが、そうした悲劇的な可能性も匂わせているのだとしたら、それはそれで逆に皮肉がききすぎているかなあ。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-03-02 17:17:37) |
3. チャップリンの独裁者
くすっと笑えるシーンもいくつかあった。 何より、それらがドリフにずいぶん影響を与えていることに改めて気づいた。こういう時代の笑いがその後長くに渡って日本で受け継がれていたことが驚き。冒頭の第一次世界大戦のシーン、導火線の火を確認させるのに、上官から部下に順番に押しつけていって、最後がいない、みたいなギャグは、ドリフの定番になっていた。そうした小さなギャグを積み重ねていって、お話を構成しているのだけれど、「くすっと」笑うくらいのもので、それが大きな感動につながってくるとそうでもなかったように思う。 「昔の人は、こういうものをおもしろがっていたんだなあ」というか。ただ、英語のネイティブでないものに、偽ドイツ語の演説がそれっぽく楽しめなかったということはあったろうと思う。サイレント映画をこだわりをもって作ってきた人が、(タモリのような)早口の「語りの芸」を見せて打って出たのはすごいとは思うけれど。当時の人もきっと驚いただろうとは思った。 最後の演説は、とってつけたようで、これまで民主主義を批判していた独裁者本人がいきなり、独裁体制批判を言いだしても、聴衆は困惑しただけだったろうに感じた。そうした間を埋める工夫が何もなかったので、これで「感動しろ」と言われても苦しい。 当時の時代を知り、後への影響を学ぶ作品としては、今でも見る価値はあるとは思う。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-03-02 17:04:00) |
4. 突然炎のごとく(1961)
カトリーヌがあまり魅力的に見えなかった。そうなると、二人が彼女に執着する理由もよくわからない。ちょっとがっかり。 [インターネット(字幕)] 4点(2025-02-26 13:12:08) |
5. ブルーピリオド
原作が大好きで、アマプラにあったので期待せずに見始めたら、意外と良くて最後まで見てしまった。エピソードはほぼ原作通りで、改めて驚くことはなかったが、演技も演出も原作を尊重していて、その再現としてとても楽しめた。描かれる絵画もそのままで、ああこういう絵だったんだなという発見があった。 [インターネット(邦画)] 7点(2025-02-23 23:44:14) |
6. ターミネーター2
子どもにみせるために久しぶりに見てみた。 内容を知っていて見ると、液体窒素のタンクローリーはそれで出てくるんだなあとか、それで鉄工場に入っていくんだなあとか、思いはするが、それでも楽しく見られた。なんにでも変形できるT1000が、結局いつも同じ警察官の顔になるのはどうしてかなあとか、はじめに見た時には思わなかったことが、いろいろ気にはなった。 こういう未来を変える系のお話は、戦争に突き進んだ未来のほうはどうなってしまうんだろうということはどうしても気になる。(いわゆるタイムパラドックスで、戦争に突き進んでいない未来からは、ターミネーターはやってこないはずなので)。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-02-08 01:26:27) |
7. 皮膚を売った男
最近シリアの独裁政権が倒され、収容所の様子などの記事を読んだところだったので、シリア難民の話はリアルに感じられました。 わかりやすい話で、アートで難しい映画をいくつか見させられた後には、きちんとエンターテイメントしていて楽しく見れました。 ひとつひとつのエピソードは、誰かが考えた「脚本」の展開に従っている感じがする一方で、ひとりひとりの演技には、それぞれが自分の意志で自分の求めているものを生きている感覚があり、共感できました。ラストの展開も、僕は納得できるものでした。 システムが存在するという前提で、そこをしたたかに生きる、というメッセージを受け取ったつもりです。そういう野生の賢さを僕も持ちたいなと思いました。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-02-08 01:04:34) |
8. サニー 永遠の仲間たち
『スウィング・キッズ』があんまりすばらしかったので、こちらも見てみました。偶然であった高校時代の友人が、末期ガンで余命いくばくもないところから、高校時代の仲間を再結集するという話。時間は25年前にさかのぼり、主人公が転校してきて、そのグループに入っていくところから、高校時代と現在をゆききする展開です。 『スウィング・キッズ』はアップダウンの大きい、どぎつい展開でしたが、こちらはコメディ部分のおおげさな演技が大丈夫なら、わりと万人うけしそうです。とっても楽しかった。1月なのに、今年一番になるかもという作品でした。 女性の人生って、男性以上に、「結婚したか」「子どもがいるか」「仕事は続けているか」など選択肢によって、大きく変わっていくところがあるので、友達を続けていくうえでのハードルは男性よりも高めな気がします。実際、彼女たちも、主人公が探偵を使って仲間を見つけ出して連絡を取ろうとするまで、ある事件が起こってから、お互いの関係はみな切れている状態でした。 主人公は、グループのリーダー(若いころの小池栄子似の女の子 日本版リメイクで小池栄子が大人の彼女になるのも納得)に気に入られて、グループに引き込まれるのですが、グループのみなとなじむのには、あれやこれやの葛藤があり、でもそうした葛藤を乗り越えて仲良くなった先には、それはもう親友というしかないような固い結束が生まれます。 そういう過去がしっかり描かれているので、現在時点での無茶な展開にも、それなりのリアリティが感じられ、ああ友情っていいなあということをしみじみと感じさせられました。 高校時代の主人公の女の子の演技は志田未来に似た感じで、若干おおげさなところもあったのですが、なかなかかわいかったです。 [インターネット(字幕)] 9点(2025-01-30 11:41:11)(良:1票) |
9. スウィング・キッズ(2020)
朝鮮戦争時の南側の捕虜収容所における北挑戦兵士と近隣の地元住民、アメリカ軍兵士の、タップダンスを通じた交流をえがいた映画です。 主人公は北朝鮮の英雄の弟で、アメリカに対する反発は大きく、捕虜仲間からの圧力もあるので、仲良くなるまでの壁はそれはそれは高いのです。 途中暴動なども起こるし、双方のスパイ活動や密告などもあったりして、基本的に関係は剣呑です。そうしたなかで、それでもダンスが好きでのめりこんでいってしまう主人公の心情と葛藤がとてもよく描かれています。 日本映画だったら、もうちょっとおだやかな展開をしそうなものですが、かなりどぎつい話運びで、見る人を選びそうです。 韓国映画やドラマに慣れている人で、ミュージカルやダンス好きにはたまらない話だと思います。 僕はこれを見て、この監督の以前の作品も見てみました(SUNNY)が、そちらも素晴らしかったです。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-01-30 11:13:30) |