サムス さんの口コミ一覧

1. マグノリア

曲に触発されてほころび落ちた個々の映像を、無理矢理つぎはぎして３時間にまで間のばしさせたビデオクリップ。死に際して独白し、許しを請うキャラ設定然り、それが複数存在することも作者の想像力・洞察力の脆弱さを露呈している。「テレビではやっちゃいけないことを、映画では出来るんだぞ。」といった陳腐な発想をオチに持ってきただけで、至ってハリウッドの古典的手法。こんなものに喜んで出演するハリウッド俳優の節操のなさには、頭が下がる。

1点（2001-05-02 03:09:37）

2. 未来世紀ブラジル

前編に通底する退廃的世界観やハイテク１９世紀的舞台装置と、モンティーパイソンのショートコントとを断続的に相互乗り入れさせ、結果的に反物語性をも帯びた希有のロングコント。この世界においては、無秩序に抗い秩序を為さんとする人間の傲慢も、愛しいものの堕落もすべて“可笑しさ”へと還元され、ラストカットにおいては、BGMとのアンマッチも相まって、それらはもはや“美しさ”へと昇華する。この作品に“未来世紀”と付け足した配給会社の大英断には、尻穴から拍手を送る。

10点（2001-04-10 00:54:29）

3. セブン

元々CMやミュージックビデオを作っていたフィンチャーらしく、オープニングのクレジットムービーは素晴らしいデキ。冒頭のブラピが雨の中コーヒーを両手に足踏みしながら佇むカットや警官隊が螺旋階段を駆け上がって行くカットは、監督の“カメラ好き”がよく表れていて楽しい。

2点（2001-03-31 02:35:25）