1. プルーフ・オブ・ライフ
まず、はっきり言ってメグ・ライアンが浮いてました。抑えたトーンのこの作品の中ではどうにも子供っぽく、感情移入できません。作品自体は思いのほか面白く見ました。相手の心理を読みながら粘り強く身代金の交渉するという「人質奪還ビジネス」の描写が興味深かったですし、交渉決裂からやむなく強行作戦に至る流れの緊張感もたまりません。主人公のラッセル・クロウと相棒のデビッド・カルーソは実にハマリ役でした。アクション映画ファンとしては、クライマックスの極めてリアルな救出作戦シーンも素晴らしかったと思います。リアル過ぎて少々地味な印象になってはいますが、最近では珍しいほど渋く、見ごたえのある戦闘シーンでした。この「プロの交渉人による人質救出」という本筋を中心にした映画であれば、もっと面白かったのではないかと思います。抑制の効いたリアルなトーンの物語に、なまじビッグネームのメグ・ライアンを出演させ、ロマンスの要素を入れたために、どっちつかずの中途半端な作品になってしまった気がします。 6点(2002-12-01 03:50:34) |