1. サンセット大通り
スワッソンとシュトロンハイムがこの映画のセリフのようにかつては事実上の夫婦だったと聞いてあまりもの多重構造の脚本に驚く。当時 ワイルダーは只の新進気鋭の演出家の一人に過ぎない筈なのによくこれが撮れて公開できた物だ。アメリカ映画史の金字塔といっても過言ではない。芝居を志している若い世代は是非スワッソンの狂気のような芝居をみて欲しい。と書いて彼女は演じているうちに現実の出来事と思っていたのではないのか。凄い映画です。 10点(2002-11-03 22:35:42) |
2. アポロ13
この映画はフランス留学しているときにパリの映画館で見まくりました。パリではどの劇場でも最後の生還のシーンでは場内、大拍手、大歓声でした。帰国後日本の映画館で見ましたが、なんと静かなこと・・・。日本人はこのような感動的な作品に対して、心の素直さを表せないんだなあとなんとなく淋しい思いがしました。 10点(2002-10-27 00:52:41) |
3. 十二人の怒れる男(1957)
シドニールメットの大傑作。見たことを誇りにできる映画です。アメリカって凄いですよね。日本の裁判なんて判例という統計データで決まっちゃいますもんね。正義とか自由とか民主主義がもっているひとつの理想がここにはあります。ルメットの密室劇のカット割は演出希望の方々の教材になるほどの完璧さ。ラストシーンの爽やかさも良かった。 10点(2001-06-16 00:30:12) |
4. サウンド・オブ・ミュージック
初めてのとき父と母と見ました。私が結婚したら子供と一緒に見たいと思います。こんな気持にさせてくれる映画って少ないですよね。最近気づいたのですがJアンドリュースってこの映画ではほんと綺麗でした。意地悪な(でも許せる)男爵夫人に貴方はいい修道女になってといわれ一人泣くシーンに大人の女の悩みがわかるようになりました。 10点(2001-04-07 09:34:44) |
5. イージー・ライダー
「君が怖いんじゃない、君が象徴する自由が怖いんだ」というセリフがわかるかどうかの映画でしょう。たぶん アメリカン ニューシネマと同じ時間軸で生きていないとわかりにくい映画になりつつあります。ステッペンウルフの曲をバックに走るチョッパー二台の映像だけであの頃のアメリカの悩みと問題解決のむつかしさを感じさせます。 9点(2001-10-27 23:15:11) |
6. プライベート・ライアン
スピルバーグ偽物設を言張る連中がいます。「シンドラーのリスト」を甘いと言張る連中がいます。しかし スピルバーグの実力はもう本物でしょう。ドイツ兵を助けた理想主義者も結局は銃口をその兵に向けました。残酷な描写も無くは無いのですが、全編からにじむメッセージは「人間愛」です。スピルバーグは人間のやさしさをいつも信じているのです。 9点(2001-10-27 23:01:56) |
7. ファンシイダンス
周防作品のベスト。「お寺さん」というものを、あーいったストーリーで展開させたのがすごい。僧衣をイタカジとかトラデショナルと色分けしたり。お寺の修行に神様のお守り持ってきたり、とどめはお坊さんにクリスマスプレゼントかな。そのくせキッチュになっていないし、人間がえがかれていましたよね。次回作に慎重になりすぎています。どんどんつくってください。 9点(2001-07-16 22:23:58) |
8. がんばれ!ベアーズ
子供のスポーツ物というステレオタイプ化されたストーリーを利用してアメリカ人の理想主義を上手に表現したファミリー映画でした。と、いう感想で終わるべきなのか「今度は負けないからね」といってカメラがZBするとひんぽんと翻った星条旗で終わるのが意味深でどっちが正しい見方だったのでしょうか。公開時ベトナム戦争はどうなっていたんでしたっけ。 9点(2001-06-06 01:19:03) |
9. スミス都へ行く
アメリカがアメリカ映画がすごいのは、こんな映画をエンターティメントとして製作するからである。民主主義の素晴らしさ。正しいことが報われる可能性のある社会。キャプラの理想主義だけでなくこんな映画を製作した人々に感動させられます。日本では、政治家を良民とするドラマは創れません。民主主義が成熟していないのか議会制政治が間違って制度輸入されたからなのでしょうか。 9点(2001-06-06 01:03:44)(良:1票) |
10. アパートの鍵貸します
愛することしかできない駄目男に心が揺さぶられた。しみる。 9点(2001-04-07 08:44:55) |
11. 山の郵便配達
この父親のような日本人がかつてわが国にもたくさんいました。口下手で実直で働き者。子供たちはそんな父にもの足りず反抗します。でも 人生とは、見事でそんな父親を尊敬できる時が来るのです。どこにでもありそうな普遍的なことをサラリと描いた物語が凄い。仕事の帰り一人で劇場へ行きました。劇場を出たとき私はたぶんひとまわり大きい人物になれたと思います。 8点(2003-05-21 22:48:35) |
12. アメリカ上陸作戦
ハリウッドの監督さんってお正月に公開できるような映画を演出するかと思えば小品だけど心に残る映画を撮るものです。どちらの作品がその作家の本質なのでしょうか。この愛すべき映画を六泊七日200円レベルのビデオになっているレタルビデオ店でお暇のときに是非。ノーマン ジェイスンはこんな映画も演出しているのです。 8点(2003-03-04 21:17:42) |
13. ニュー・シネマ・パラダイス
最後のキスシーンは涙ボロボロでした。キスシーンがあんなに感動的なものとは・・・。思春期から青春時代の自分と重なって、なんとなく背中がもじもじしてしまいました。 8点(2002-10-27 00:55:58) |
14. 雨あがる
節度があって凛々しくてかつての日本人の一面を捉えていて好感が持てた。かつてこういった夫婦がいたと思えるしこういった領主がいたと信じたい。時代劇という方法論はこのようなテーマには最適だ。三船史郎の芝居に批判が多いが、一直線な殿様らしく充分だった。演出家の志が読めた。次回作を見たい。 8点(2002-02-07 07:21:06) |
15. 7月4日に生まれて
もう一回見たいとは思わないが「傑作」だ。オリバーストーンの力量が伝わってくる。私はこの人が天才だと感じている。反戦闘士になっていくかつてのガールフレンドとのデートのシーンなどあの時代が伝わってくる。勿論トム・クルーズがいい。欧米の映画俳優は自らスターであることを拒否しているように思える。ほめすぎかな。 8点(2002-02-02 08:34:25) |
16. 麗しのサブリナ
実は、この映画ビリーワイルダーの監督作品とは知りませんでした。するとビリーワイルダーはオードリーの初期代表作を2本も担当しオードリーヘップバーン神話を作った人だったんですね。しかし この映画には不満もあって例えばハングリーボガードとウイリアムホーデンの役は反対だったのではないかと思っています。でも 可憐さではオードリーのベストかな。このどうしようもない台本をここまでにしちゃうビリーワイルダーってすごいな。 8点(2001-06-06 01:39:15) |
17. ペーパー・ムーン
ピーター ボクダノビッチって最初の頃は天才映画作家でした。この作品とあの大傑作「ラストショー」はアメリカ映画大好き青少年に見てもらいたい。しかし その後の低迷は信じられない。 8点(2001-04-07 09:45:28) |
18. アメリカン・グラフィティ
この映画の制作当時はアメリカは政治的にも経済的にも行き詰まっていた。偉大なるアメリカは自信がなくなっていた。その時にルーカスはほら俺たちにはあんな素晴らしい時代があったじゃないかと、示したのがこの映画です。ルーカスにとって青春映画は方法論であったと思います。結構志は高い映画じゃないのかな。ラストシーンのあの手法はその後多くの映画がまねをしました。 8点(2001-04-07 09:11:58) |
19. トレスパス
B級の傑作。荒唐無稽な話をよくぞここまで見せてくれたものだ。映画はワンセット、低予算映画そのもの。女性がまったくでてこない。ラップ風の黒人と白人の対決は只の商業的な理由で気にするな。ストーリーの展開に一時 映画的世界を楽しんだ。映画はやはり演出だな。 7点(2002-11-03 22:48:23) |
20. スパイダーマン(2002)
アメリカンコミックヒーローの多くは、正義を、理想を守る前に多くはたった一人の女性を守る使命をおびている。アメリカの大衆はたった一人の女性に象徴される例えば「家庭」とか「小さな平凡な人生」とかを守る為に働いていたのだ。仲間に馬鹿にされている男の子は弱くとも一人の女の子を守ろうとした。これがアメリカの平均的な男性像なのだ。 7点(2002-11-03 22:15:52) |