3. マイノリティ・リポート
誰も助からない、何も解決しない映画。予告編が実によく出来ているため、期待してかかるとがっかりする。未来の高速道路を縦に走る車や、小型精密ロボットスパイダー等のワクワクな仕掛けは一瞬で、それを除けば普通のサスペンスドラマなのです。とにかく人が地味に沢山死んでくし、誰一人笑顔を見せないまま冷たく物語が進行していきます。大変計算されて撮られた画は完璧で非の打ち所がないのですが『美しい画』ではありません。それは感情を押し殺した乾いた世界観を表現されてのことだと思いますが、とにかく色がない。グレーでメタルな印象にこだわった代償として、なにかスクリーンから前に飛び出てくる強さがないのですね。スピルバーグをはじめ携わっている一流スタッフが作る画は完璧です。完璧なあまりエネルギーを感じられない大人の仕事。 5点(2002-12-10 05:42:28)(良:1票) |