1. 千と千尋の神隠し
ちょい甘口の感、特に後半部。もっとドギつく世界観を投入してほしかったなー、と個人的に。あとちょっとで日本版(東洋版?)アリスに本当になれたと思います。「あっちの世界」の描き方雰囲気がなかなか良かったから、なお惜しい!と思ってしまいました。後半部のせいで話全体の広がりが一気に縮まっちゃった感じ。でも街の風景、「もしやねじ式?!」やっぱパクりだったのかなぁ。……ただ、もともと宮崎作品は個人的には好きになれなかったり。なんか全般的に説教臭いし、特にヒロイン。作者の(ちょい妄想がかった)女性神聖化像が常にふんだんにつめ込まれてる感じ。たまにだったらいいんだろうけど、毎回そういう女だからなぁ…。ジジ臭い大和ナデシコ像(清く正しく美しくetc)、女はこうあるべきだ。的なモノを暗に感じてしまう(小学校のとき、もののけ姫を見た時もコドモながらそこら辺にウンザリした記憶が)。でも客観的に見て、宮崎駿が現代日本で指折りのクリエーターであることは間違いないと思います。この千と千尋も、オチもストーリーも関係なくただ作者の世界にトプンと身を任せて見てみると楽しいです(誰が感動しただとか、賞を取っただとか、そういう周りの声は全部忘れて)。それは小さかった頃の言語以前の世界、白昼夢に似た匂いがあります。 5点(2003-02-08 15:19:52) |