リンチ さんの口コミ一覧

1. Love Letter(1995)

岩井俊二の集大成と言える作品。ただ、それは同時に限界とも言えるのではないだろうか。現代のある特定の世代の感性に向けて映画を撮る、ということに関しては、なかなかの力量を持った人だと思う。ただ映画史に残るようなモノ（数十年後に観ても感動し、衝撃を受けるモノ）を撮れる人ではない。

7点（2003-06-03 02:01:32）

2. リリイ・シュシュのすべて

岩井俊二は結局「現在」だけに向けて映画を撮っている。スワロウテイルでもう駄目だと思ったが、それが決定的になった。普遍的な映画を撮れる人ではない。

3点（2003-04-30 02:19:39）

3. CURE キュア

まぎれもない恐怖映画の傑作だ。映像の、スクリーンのいたる所に、禍々しいほどに凶暴なモノが潜んでいる。この映画の怖いところは、全てのシーンが同じトーンで描かれている点である。平凡なホラー映画なら、ここぞとばかりに過剰な演出をしてくるであろうシーンがいくつもあるのだが、黒沢清はどこまでも抑えた演出、引きのショットで描き続ける。潔ささえ感じさせるその態度は、最早見事としか言いようがない。　　　　　　　　　　　「禍々しいほどに凶暴なモノ」＝「恐怖」　　　　　

10点（2003-03-30 01:20:39）

4. カリスマ

個性を生かすために集団を殺すか、集団を生かすために個性を殺すか。こんなことを平然と問いかけてくるこの映画は、まぎれもなく暴力映画の傑作である。これを世に送り出してしまった黒沢清こそ恐ろしい。

9点（2003-03-25 00:45:37）