1. スカーフェイス
人生の成功者を目指し野望に満ちてアメリカに渡ったが結局、悪党でしか生きられなかった男の悲しい人生を描いた一部始終の物語。そもそも、元キューバの服役囚には選べるチャンスなどありはしない。だからやること為す事がいちいち犯罪がらみなのだが、そんな仕事を失敗することは即、死を意味する。トニーはまず、とにかく生きる事に必死だった男。でもそんなガムシャラな人生には、ナゼか観ていて魅力を感じる。しかし、そんな稼業ではオンナへの恋愛感情、子供への慈悲、兄妹愛といったごく普通の人間らしい気持ちを抱くことすら許されない…。ことある節目ごとにトニーが垣間見せた、そんな人間らしい性格が破滅を招いたのだとしたら、このあまりにも悲しすぎて残酷な結末に対し、思わず泣けてきてしまいそうになる。結末は悲しいけれど、ある意味青春映画だと思う。 9点(2003-07-18 13:24:14) |