1. ラストエンペラー
とにかくすばらしい。傑作とはこの映画のこと。完璧に近いと思う。題材・脚本・映像・音楽・演技、どれをとってもすばらしい。威厳ある王朝の様子をすぐそばで見ているような気分になる。多少の勉強はいるだろうが、おおまかな知識さえあればすぐに流れに入っていける。無理に主人公に感情移入させることなく、ただ淡々と歴史上でも最も波乱に満ちた部類に入るであろう男の人生を描いていく。加えて、前半の紫禁城の様子は絵空事のように美しい。ラストの色を控えたがらんとした紫禁城との対比がやるせなく、悲しい。ラストでは本当に胸が詰まる。小さな演出も本当にうまい。ベルトルッチ監督は本当に偉大だ。清朝最後の皇帝、宣統帝溥儀は自身の人生についてどう考えているのだろう。 10点(2001-08-26 22:30:24) |