Menu
 > レビュワー
 > 皮マン さんの口コミ一覧
皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 
本作には大勢の役者がカメオ出演する。その顔ぶれと結果を見ると野村監督は佇まいがその役に見える役者をキャスティングしさえすれば、あとはろくに演技指導しなくていいとお考えのように思える。役者の力量の差が思い切り顕わになって、演技レベルがバラバラになってしまっている。総じてベテラン勢がさすがの演技を見せていて、特にみごとな松村達雄・丹波哲郎・山田五十鈴あたりは自分にあわせて適当に台詞をアレンジしていると思われる。若手では鹿賀丈史が特にはまり役で芝居も上手い。千葉県知事の人もボロの出ないチョイ役のせいもあってかなかなかいい。残念なのはまず岩下志麻。得体の知れない人物造形に説得力を持たせるだけの深みはなく、記号的演技に終始している。そして主役の桃井が柄本明や新田昌玄と並ぶ下手の筆頭格なのはまずい。ギャーと叫ぶ大仰な演技からタバコに火を付ける小さな演技まで、よくこれでオーケーが出たなというカットが続出する。彼女の芝居を支持している方々には申し訳ないが、台詞回しに手一杯で身体の使い方に意識を向けることが出来ないように見える。自然な演技が難しい雑な脚本なので全て桃井のせいにするのは酷かもしれないし、そもそも素はあんなヒステリックな人じゃないんだろう。演技指導は黒澤明みたいに厳しければいいってものではないが、主役級のまずい芝居を見ると投げやりな監督の責任はやはり大きいと言わざるを得ない。そして本作には演技指導の問題とは別にシナリオ上の大穴がある。桃井は事故の時のダンナの様子を知っているわけだから、本筋であるダンナの無理心中の線を初めから訴えるのが当然だろう。彼女は六法全書まで持ち出して無実を勝ち取ろうとしているくらいなのだから。岩下が桃井にそこらへんを聞き取る描写がないのもあまりにも不自然だ。時に屋上屋を重ねるもっさりした展開といい美学の無いカメラワークといい火曜ワイド劇場かなんかのテレビドラマみたいな安い造作。よって飯でも食いながら横目で見るのにふさわしい作品と考える。
[DVD(邦画)] 1点(2017-01-02 12:18:14)
2.  巨大アメーバの惑星
これ見たかったんだよ。大昔(30年くらい前)雑誌スターログかなんかで「コオモリグモ」の写真を見ていらい、おおいに気になっていたわけ。しばらく馬鹿高いソフトしかなかったのが、最近低価格のDVDが出たので買ってみた。覚悟していたとはいえ、いや〜、ひどい映画でした。人類初の火星探検というミッションのリアリティがまったくない。宇宙船のインテリアがいやに広い普通の四角い部屋。宇宙服を収納しているのがアメリカの高校にあるみたいな普通のロッカー。そこで肩書きだけは科学者なのに顔つきに知性のかけらも感じられないような人たちが、うだうだと女子隊員を口説いたりしている。緊張感のないこと甚だしい。火星上陸直前にする準備といえば実験器具や武器をただ磨くだけ。その手の科学考証の駄目さに目をつぶるとしても、映画の文法を無視した素人くさい演出と編集には本当に驚いた。窓から火星の景色を見て隊員が「不自然な静けさだ」とか「何者かに監視されているような気が」とかだらだらだらだら言っているのに、決してそれがどんな風景か観客である我々には見せてくれない。これにはほんっとにイライラした。ここらへんの映画の中盤で萎えきって、楽しみにしていたコオモリグモもなんもかんもどうでもよくなってしまったよ!
[DVD(字幕)] 2点(2015-10-29 14:17:29)
3.  記憶の棘 《ネタバレ》 
パーソナリティ障害のダメ人間を描ききった大傑作。悪魔的なまでに人間心理の深い部分に触れているのだが「分かる人には分かる」といった描き方なので一般ウケはよくないかもしれない。外見とはうらはらに未成熟で馬鹿な主人公アナが、異常に思い込みの強い少年の大胆な行動に翻弄される。婚約者、母親、姉妹の振る合いを見る限り社会的にはともかく心理的にはみな上手く大人になれていないタイプ。そんな親と環境に自分自身でいることを否定されて育ってきたとおぼしきアナも終始思い込みだけで行動している。気持ちに余裕が無く自分をケアすることに手一杯で人の立場を斟酌できない彼女を「私の話わかりづらいわよね(原語ではsorryの一言だが)」という短いセリフでさりげなく表現する知的な脚本がたまらない。子供に暴力を振るう婚約者の本性(彼の幼児性の現れだ)を見てもその問題を直視せずにごまかしてしまうアナの愚かさ。最後に至って少年だけははっきり成長するのに、そんな彼女と周りの大人は誰一人として成長できずに終わるという考えさせられるプロット。脚本、配役、演技、カメラ、演出、編集、どれをとっても申し分なしの100点。無駄なカットがないうえに行間に語らせる非言語的コミュニケーションの巧さ、?と思うシーンも後にはその意味がきっちり読み取れるようになっている構成の妙が素晴らしい。登場人物の心のありようを丁寧に読み解いていくと心理劇としての矛盾もほぼ見あたらなく細部までしっかり構築されている。本筋に関係ない部分は大胆に見る者に判断を任せており、監督の「客の理解力を信じている」姿勢が嬉しい。そしてこの映画を読み解くのにオカルト的解釈はまったく必要ない。更に素晴らしいのが複雑な心の動きを役者の表情と音楽で伝えきるセンス。心臓の鼓動を元にしたテーマ曲は画面と丁寧にシンクロしており、時に現実音と錯覚させるトリックが付されている。対位法を多用しているのも心地よい。ここらへんはPV出身の監督のキャリアが最大限活かされているように思える。エンドクレジットでかかる子供のコーラス曲は名曲で「銀河ヒッチハイクガイド」のテーマ以来の衝撃をうけた。生涯で最高クラスの一本。
[DVD(字幕)] 10点(2015-04-29 12:19:59)
4.  キャビン 《ネタバレ》 
トゥルーマンショーみたいなありえない設定で無理矢理押し切った思い切りの良いドタバタSFホラー。怖さの大元がひたすら「人体損壊」ばかりなのがマッチョでアメリカンでバカっぽい。しかしそのバカも想像を絶するほど派手になっていくのであきれるのを通り越して思わず感心してしまった。物語中9割を占める暴力的なアメリカンホラーの中にあって、それとは全く異質の資質を持つ日本代表の不気味さ・気持ち悪さがいいアクセントになっている。その独創性がちょっと誇らしい。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-05-20 08:48:44)
5.  キャリー(2013)
残念ながらというかやはりというか、オリジナルを超えるという気概の見られない作品だった。いじめられっ子ぽい雰囲気は本作の気の強そうな彼女にはほとんど感じられず、シシー・スペイセクがいかに偉大なキャスティングだったかがよく分かる。クライマックスでのキャリーの目に意志が感じられ、逝っちゃっている感が無い。肝心なところで監督の変性意識に対しての見識の無さが露呈している。そつの無い演出と全体に色彩の美しい点が救いか。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2014-05-08 09:01:15)
6.  桐島、部活やめるってよ
クラスのイケている連中とイケてない連中が平行して対称的に描かれる。そのメリハリの効いたキャスティングと芝居の付け方が素晴らしく、演技を観ているだけでも面白い。加えて不在の桐島についてどのような落とし前をつけるのか気になって最後まで興味が持続する。音楽はあまり使用されておらずほぼ現実音のみなのに、クライマックスではそれが劇的な効果を上げるように設計されている。不意打ち的に涙腺を緩ませるその使い方はちょっとあざとさを感じるものの許容範囲内だ。「エレファント」の先鋭的な手法を下敷きにしながら分かり易いテーマとドラマチックな展開を持つ本作は、娯楽性と文学性を高次元で合体した良作だ。
[DVD(邦画)] 8点(2014-01-04 16:05:49)
7.  キック・アス
大ネタから小ネタまで、いろいろバランスの悪さが目に付きノれない。リアリティラインが思い切りブレるのは意図してのものかと思うが、そのことをはっきりと伝えるメタな視点がない。CGで作った暴力シーンは腹にナイフが刺さる描写など必要以上に生々しいのに、格闘シーン(特に子供の)は物理法則を無視しており両者が整合しない。そんなご都合主義的アクションならフライパンかビール瓶で頭を殴るくらいにしといて欲しいよ。ヒットガールはイヤなガキでまったく可愛げがない、というか気持ち悪い。殺戮シーンに流麗な曲がかったりするが、その根拠がはっきりしないし耽美的でもない。対位法は好きだがここまで安易な使い方をされると不愉快だ。殺すことに葛藤を感じる必要がない、ショッカーの下っ端みたいな単なる殺され役の純粋悪人たちを、何人やっつけてもドラマ的には一向に盛り上がらない。なんだかそのうすっぺらな感じが馬鹿っぽく、気の滅入る作品だった。
[ブルーレイ(字幕)] 1点(2012-10-01 15:29:14)
8.  斬る(1968)
ハードな絵作りには美学と誠意を感じるが、根源的な矛盾をかかえているように思う。思想がないのは別にいいのだが、とって付けたように侍批判なんかを折り込むのがむしろ見苦しい。殺陣をあれだけ活き活き表現しながら「武士なんてつまらない」もないものだと思う。女の登場人物を極端に記号的に扱っていてろくに人格を与えていないのも辛い。侍批判も結構だが、足元に転がる重大な問題についてその意識の低さが透けて見える。以前見たことをすっかり忘れて二度観となった。心に残るものがないのは純粋娯楽作として潔い証拠ともいえるが。
[映画館(邦画)] 4点(2011-02-13 18:21:22)
9.  銀河ヒッチハイク・ガイド(2005)
最近起承転結の“起”ばかり派手で、“承”以降がもちっとも盛り上がらない映画が多いような気がする。残念ながらこの作品もそういうタイプと言わざるを得ない。オープニングタイトルからガイドブックの紹介までの冒頭15分のテンションの高さが次のウォゴン人との絡みで一気に下がってしまいその後多少持ち直すもせいぜい3割くらいだ。超超コンピュータや落下する鯨など乗れるエピソードもちょこちょことはあるのだが、緩急のリズムが悪いというか散漫というか、いちいち乗り切るタイミングをはずされたまま終わってしまう。普通なら「期待させやがってなんだよ」と、悪印象が残るパターンだ。しかし!冒頭の素晴らしさ、特にタイトルバックで流れるイルカの唄の楽しさは尋常なものではなく、その一点でも本作は私にとって唯一無二の宝石のような存在になってしまった。エンディングでも繰り返されるその楽曲のせいで結局全ての不満を許せてしまう一一こんな作品は他にない(次点:大巨獣ガッパ)。
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-28 12:54:37)
10.  禁断の惑星
直訳でも高い完成度の「禁断の惑星」というタイトルと宣材のイメージイラストの醸し出す雰囲気が作品の魅力を表現しきっています。実際にはこんなシーンは無いし、ロビーの目(というかアンテナ)がつり上がっているのも恣意的で反則ぎりぎりなのに全てを許せる気分です。これぞセンス・オブ・ワンダー!感情を誘導するための、おしつけがましい音楽が一切使われていないのも素晴らしい。唯一残念なのはディズニープロに協力を仰いだアニメ部分でしょうか。長い物(この場合MGM)に巻かれるとろくなことがない好例と言えましょう。それでも50年代SFの金字塔であることは疑う余地がありません。
8点(2004-02-24 20:23:02)(良:1票)
0188.00%
1198.44%
2177.56%
3198.44%
4208.89%
5198.44%
6198.44%
7219.33%
82712.00%
92310.22%
102310.22%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS