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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2250
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  罪の余白 《ネタバレ》 
オーソドックスな復讐劇の体裁ながら、悲壮感は弱目です。その理由は次の通りと考えます。①娘の死が殺人とまでは言えないこと。 同級生からの虐めを苦にした自暴自棄による事故死ですから、父親にしてみれば“殺された”と感じるのは当然ですが、娘の自己肯定感の低さが根底にあったことも見逃せません。出生時に母の命と引き換えに生を受けたという負い目は強烈なトラウマとなり、娘の命を奪った遠因と捉えることも可能でしょう。事実、父の怒りの矛先は加害者だけでなく、娘の心の傷をケアできていなかった自分自身にも向けられており、異なるベクトルへの激情が“復讐の推進力”を弱めていたと考えます。②加害者が小物過ぎる。 弱者が強者に一矢を報いることが復讐劇の醍醐味のひとつ。というより、ジャンルに関わらず敵役は強くなくてはいけません。本作の場合、加害生徒の『女子高生』という立場は強者に分類されるかもしれませんが、主人公の『大学講師』も決して低いとは言えず、社会的地位によるハンデはさほど感じられません。また、加害生徒はスクールカーストでトップに君臨する女王ですが、あくまで子ども集団の中での話。芸能事務所の面接エピソードからも分かるように、一般社会で通用する人間力ではありません。現時点では、単に自己評価だけは高い(自尊心だけは高い)子どもでした。そんな未熟な子ども相手に、大人が本気で潰しにかかれば、ひとたまりもないのは言わずもがな。父が酒を絶ち反撃体制を整えた時点で、この勝負の結末は見えました。なお、父の復讐プランは、前述したように自分自身と加害生徒両方に向けられたものであり、自罰と他罰両方の性質を併せ持つものでありました。③内野聖陽。 感情移入先として、正直適役とは思えません。彼は最後に勝つ人間の面構えをしています。もっと“弱さ”を体現できる人だったら一緒になって苦しめた気がしますが。 悲壮感弱目の復讐劇は、物足りないとも言えますが、おそらく国民性も影響している気がします。加害者だけでなく自分自身にも非があると考えるあたりが、某隣国映画と決定的に違う点であり、復讐劇の“濃さ”や“強さ”を分ける要因となっているのではないかと。
[インターネット(吹替)] 6点(2021-05-02 16:24:26)
2.  綱引いちゃった! 《ネタバレ》 
外的要因(綱引きで結果を出したら解雇取り消し)と高い目標(県代表に選ばれること)で幕を開けた綱娘の活動は、終盤で内的要因(綱引きが楽しい)に変化し、目標も下方修正されました(大会に参加できればいい)。これは当然の成り行き。餌に釣られて大会に出場したら、優勝してラッキー!なんて筋書きで感動できるはずもありませんから。特筆すべきは競技シーンの短さでした。ハイライトの県大会は、終盤僅か10分程で処理されます。これは競技の特性も去ることながら、明確な『過程重視』の主張と考えます。プロは結果が全て。ですが、アマチュアスポーツは違います。健全な心身を育む『努力の過程』にこそ、本来の価値があるはず。もちろん勝つに越した事はありませんが、勝利至上主義のアマチュアスポーツなど本末転倒もいいところです。でも現実は違いますよね。その点で本作のアマチュアスポーツ観は賛同したいですし、結果を問わなかった点も綱引き競技への敬意と受け取りました(綱娘の対戦相手は体つきからしてガチ。あのチームに初心者マークがマグレでも勝ったら失礼というもの。善戦で十分な結果です)。で、本作で重視された『努力の過程』は、技術や体力より精神面でした。キーワードは「ひとりじゃない」。どんな困難も皆で乗り越えようというメッセージです。残念ながら『給食センター廃止撤回』は叶わなかったワケで、団結しても、努力しても、届かぬ願いはあります。それでも「ひとりじゃない」と思えるだけで救われるのが人間なのだと思います。 実は『白ゆき姫殺人事件』で井上真央さんの演技力の高さに興味を持ち、本作を鑑賞した次第。特別輝いていたとは思いませんが、与えられた役柄を手堅く演じていたと思います。でも、もうちょっとハツラツとしていても良かったかな。一般的に市役所職員のイメージって、あんな感じなのでしょうが。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-10-15 18:56:27)(良:1票)
3.  ツングースカ・バタフライ ―サキとマリの物語― 《ネタバレ》 
『副題が付いている映画に名作なし』が私の持論。外国作品を輸入する場合、副題を採用するのは戦略として理解しますが(でも『一期一会』って何だ?)、自国映画で副題付きは基本的にアウトです。ワンセンテンスでビシッと決めなくちゃ。野比のび太~健やかに大きくどこまでも伸びて欲しい~とか無いでしょ。情報を追加したいなら、キャッチフレーズを利用すればいい話。わざわざ副題で内容を説明するのはカッコ悪いです。で、本作の場合。観客へのプレゼン3点セット(タイトル、ビジュアルイメージ、キャッチコピー)から、亜紗美主演のアクション映画ということが分かります。副題は“ヒューマンドラマあります”のアナウンスでしょう。しかしながら、この情報必要ないのです。ビジュアルイメージ(ポスターデザイン)とキャッチコピーから容易に推測できるのですから。つまり無駄な情報。無駄は嫌いってDIOも言ってましたよね。3点セットで発信できる情報は限られているのに、厳選していない時点で企画の作り込みが不十分と判断します。案の定設定は甘々で、ハードボイルドには程遠い半熟ゆで卵のようなお話でした。脚本メインなら高評価は望むべくもないつくり。しかし、本作の主演はあの亜紗美嬢なのです。B級の中のB級、アクション・ホラー・スプラッター界隈で異彩を放つ一番星。牛丼チェーンのペラペラ駄牛に混じったA3和牛。そんな彼女なら、ポンコツB級映画を特別な映画に変えることが出来るのです。体躯の仕上がりも見事なもの。以前よりずっと鍛えられています。それでいてシェイプされ過ぎずイイ感じの肉付きが素敵。シルエットはまるでミシェル・ロドリゲスじゃないですか。綾瀬はるかやガッキーのような知名度やスター性は無いかもしれませんが、彼女たちに亜紗美譲の代わりも務まりません。要するに唯一無二の存在なのです。そんなB級アクションの女王の主演作であり引退作でもある本作に低い点数を付けられるはずもなく、私お得意の『亜紗美加点』なる下駄を履かせまくって8点献上いたします。あと引退なんていつでも撤回してもらって構わないので(プロレスラーなんて引退復帰は日常茶飯事ですヨ)、また劇場のスクリーンで雄姿を見せてくださいな。
[DVD(邦画)] 8点(2020-08-25 19:47:42)
4.  ツーリスト 《ネタバレ》 
ハリウッドの2大看板俳優、ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーを主役に据えて贈る古き良きサスペンスの香り漂う一作。ジョニー・デップはセレブオーラを封印して一般人モードに、逆にアンジェリーナは女優オーラを全開にして雅さを醸し出します。2人の対照的な演技プランが楽しいです。久々のロマンチックサスペンスを堪能させて頂きました。ただし、あの結末はどうだったでしょう。女の危機を救うべく立ち向かう主人公。武器さえ持たぬノープラン状態。まさに、あるのは愛のみ。最高の感動とロマンスだったのに、ちゃぶ台返しのオチで台無しになってしまいました。サスペンスにサプライズはつきものですが、何でもアリって訳ではありません。フランク=アレクサンダーの可能性を残しつつも、正体は霧の中程度の着地点で十分だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-24 23:27:48)
5.  月に囚われた男 《ネタバレ》 
久しぶりに(?)邦題が内容にマッチしている映画に出会いました。確かに主人公は月に囚われています。家族に会うという希望を抱きながら、地球から遠く離れた月で3年間働く。それだけのために生まれ、それだけのために死ぬ運命。孕むテーマは人間の尊厳や生死観にかかわる重厚なものでしたが、物語は意外なほど淡々と進みました。ドラマチックな展開などありません。まるでシリアスを拒絶するかのよう。この味わいが絶妙でした。なぜ彼らが真実を知っても取り乱さないのか。その理由に思いが届いたとき、物語は深みを増した気がします。個人的な希望を言わせてもらえば、ラスト。ワンカットで構いません。ハワイの風に吹かれるサムの姿を見たかった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-15 18:39:43)(良:3票)
6.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
『自殺サークル』『エクステ』『気球クラブ、その後』で、自分は園監督から脱落しました。今回久々の鑑賞に至ったのは『愛のむき出し』(開始から1時間程度しか観ていませんが)を思いのほか楽しめたから。これなら、今の自分なら、園映画を理解できるかなと。信頼できるレビュワー様が軒並み高評価であった事も鑑賞を後押ししました。確かに傑作と呼ばれるのも頷ける出来ばえ。画作り、脚本、演出。全てにおいて躊躇なく振り切れていました。でんでんの顔は当分忘れられそうもないですし、「透明にしちゃおう」はホラー映画史に残る名台詞でしょう。観客を惹き付ける力は抜群です。映画監督としてのセンスが傑出している事は、映画オンチの自分でも理解できました。凄かった。凄過ぎました。そう、自分には“過ぎた”のです。過ぎたるは及ばざるが如し。極上の料理も食べ過ぎれば苦痛であるように、本作の毒を自分は処理仕切れませんでした。美味しいが故に、毒と知りつつも取り込み続けてしまうのが恐ろしい。ついに自分の心は、動きを止めてしまいました。茫然自失のエンドロール。それは、村田の毒に犯された主人公の姿に重なります。この影響力をもってして賞賛の評価を与えることは可能です。むしろその方が妥当でしょう。しかし、主人公が村田に感謝などしていないように、自分も監督を褒め称える気になれないのです。もしこの映画を受け入れてしまったら、自分が監督の奴隷になってしまうような気がするのです。『冷たい熱帯魚』は完璧なる観客調教映画であったと考えます。以下余談。某入浴剤のCMにでんでんが出演しているのですが、もう怖くて仕方が無いです。生田斗真、透明にされちゃわなきゃいいけど…。
[DVD(邦画)] 7点(2012-01-22 19:26:46)(良:2票)
7.  罪とか罰とか 《ネタバレ》 
ケラといえば『有頂天』世代の自分。氏の笑いの感性に初めて触れたのが日テレ系深夜バラエティ『ギグギャグゲリラ』でした。確か総合演出か何かをしていたと思う。今なお大ファンの伊集院光のテレビ初レギュラーだったので、随分熱心に観た覚えがあるのですが、正直まったく面白くなかった。高校生の自分にはハイブロー過ぎました。時は流れて20年。『グミ・チョコ~』と本作を鑑賞してみて、やっと氏のセンスを理解出来るようになった事に気づきました。面白かった。ばっちりハマったって訳じゃないけど、シンクロ率は69%。Ohエロい。初号機の舌でさくらんぼの茎が結べちゃうレベル。十分でしょう。それにテーマも明確に伝わってきました。罪と罰。いや、責任と覚悟。元カレ、グラビアアイドル、コンビニ強盗、雑誌編集者、警察署員全員(!)。主人公は元より、みんな見事に責任を放棄しています。当然、ペナルティを受ける覚悟もない。確かに面倒なことは誰かに「お任せ」できれば楽でしょう。でも、それじゃ人生の醍醐味は味わえない。だって、やりたいことがやれないんだから。意趣返しでムカつく奴らをブタ箱に放り込んだアヤメ署長。自分の行動に責任を持つ覚悟があれば、世界は変えられる。私のページ以外が全部逆さまだと言い切れる。気分爽快です。これからは大変な事も多いだろうけど、辛さの中にこそ本当の喜びがあるって、団鬼六先生も言ってましたよ(嘘。知らない)。アヤメは“笑わされている”ポスターの世界から飛び出しました。これからは、自分が笑いたい時に笑えばいい。それが“正しく”がんばった成果と言えるかどうかは別ですが。一方トラック男も結婚という罰を受ける覚悟を決めた様子。ひき逃げの罪を贖うくらいの盛大な罰を、どうぞ受けてください。
[DVD(邦画)] 8点(2010-12-09 18:27:30)
8.  椿三十郎(2007)
確か『美味しんぼ』で、「フグの白子」の代用食材探し対決がありました。山岡が用意したのはタラの白子。対して、海原雄山が持ってきたのは本物のフグの白子。タラはフグの偽者に過ぎないと指摘します。この勝負自体はアンフェアもいいところですが、本作を観ると雄山の言い分も頷けます。このリメイクもフグの代わり。最初からオリジナルに近づける事しか考えていない。これでは永遠に本物には届きません。でもフグがタラよりも劣っているなんて誰が決めたのでしょう。タラにはタラの持ち味がある。工夫次第では、フグの白子以上の満足を得られる料理が出来るかもしれないのに。新しい別の“本物”を目指さなかったらリメイクの価値は薄いと考えます。椿を「抜き身」と称するオリジナルの名台詞。でも織田三十郎は、そうは見えません。なら無理してその台詞を使わなくていいのでは?ラストの椿VS室戸のように、オリジナルと勝負しなくちゃ面白くありません。たとえ惨敗だとしても。体裁を保つ判定“負け”狙いでは、観客の心は掴めません。
[地上波(邦画)] 6点(2008-12-29 19:46:15)
9.  憑神 《ネタバレ》 
宿替えで他人に迷惑がかかることを嫌った主人公が、最期に死を選ぶのは当然の成り行きです。死神にも好かれていますし。でもあの選択は無いと思いました。将軍の影武者を代々務めてきた家の者が取る行動とは思えません。影武者は主君の身代わりとなるために在ります。でも、主が望んでもいない尻拭いを影武者の分際で買って出るのは、おこがましいと思いました。武士の本懐を履き違えていると感じます。主体的な選択を望むなら、来るべき新しい世のためにその命を捧げればいいのです。事実、それだけの能力と分別を主人公は備えています。去り行く時代と共にするほど年老いている訳でもありません。手ごろな「死に時」に身を任せただけのように見えました。こういうのは「滅びの美学」とは言わないのでは?『地下鉄に乗って』に続き、浅田次郎原作2連敗。映画の問題というよりも、原作者と相性が悪いのかもしれません。
[DVD(邦画)] 4点(2008-06-02 20:13:27)
10.  ツォツィ 《ネタバレ》 
ツォツィの表情に惹き込まれました。『3年B組金八先生』第2シーズンの最強キャラ、加藤優(直江喜一)を彷彿とさせる風貌。瞳の奥に、諦めと深い悲しみが見えるよう。人を傷つけたときに一瞬だけ見せる不安気な顔。赤ん坊を眺めているときの温かな眼差し。彼がどういう人物なのかよく分かる。ツォツィは赤ん坊に自身を重ねることで、長い間おざなりにしてきた自らの心と向き合うことが出来ました。本当の自分は何を欲しているのか、何が必要なのか。赤子を両親の元に返す時に流れた涙。それは心の扉が開いたしるしだと思います。自分も一緒に泣きました。本作で素晴らしいのは、主役に限らず役者の技量が総じて高いこと。乳飲み子の母、太っちょの親友に“先生”、赤子の両親。みな台詞に頼ることなく、その心情を観客へ届けることに成功しています。外国人の自分にも伝わってくるのだから本物だと思う。シンプルでコンパクトな構成ながら、大満足の作品でした。一つ引っかかるとすればラストカット。尻切れトンボで、もう1センテンス欲しいと感じます。DVD特典の解説によれば、別のエンディング案もあったとのこと。確かに他の結末に比べれば後味はいいです。自分も監督の選択を支持します。ただ、意図して創り出した余白ではなく、結果的に余白が出てしまったような稚拙さも感じます。編集で尻を切るのではなく、このエンディングのためにもう一手間かけたら、もっと素晴らしかった。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-14 19:48:14)(良:3票)
11.  机のなかみ 《ネタバレ》 
(ちょっとした驚きでもあった方がお得。未見の皆様はご注意ください。)  男視点で描く前半は、クスクスの連続。下心丸見え男の生態が笑えます。そしてムズ痒い。「私ってそんなに魅力無いですか?」ピュアな瞳で見つめられたら勘違いしちゃう。そりゃする。しますとも。男ですもん。彼女を押し倒した時もそう。一度は涙にうろたえても、ヤッパリ頂けるものは頂きます。この情けなさ!ダメ人間っぶり!恥ずかしながらよく分かる。これが男という生物だと思う。ここで終われば、前作『なま夏』と同じ着地点。後味の悪さだけが残ったでしょう。でも長い前フリでしかなかった。女子高生の視点から描く、物語の裏面が本筋です。彼女が主人公。切ない片思いのお話でした。慕う相手は、親友の彼氏。進めず戻れずの心苦しさが胸を突きます。失意の中、好きでもない男に操を奪われそうになるだけでも十分最悪。オマケに事に及ぶ間際を父親に見られては、万事休すです。扉バーン!で世界は終わる。でもここで濁さないのが吉田監督らしい。更に泥沼に踏み込んでいきます。親友と憧れの彼にもバレて、オケツ丸出しの鼻血ブー。痛々しくて見ていられない。もう絶望するしかない。そんな状況で彼女が交わした口づけは、おそらくファーストキス。半分は錯乱状態のやけくそ。でももう半分は決意の表れだと思いました。彼女は強い。いや女性は強い。主人公も親友も同棲相手も、みんな強かだと思いました。人前で本心を曝け出すのは勇気が要ること。泣くこともまた強さの表れだと感じます。それに比べて男の弱いこと、情けないこと。憧れの彼が言う「今カノのことは好きだけど、君も気になる存在だ」も本心には違いない。でも退路を断った心の叫びと、保身の言い訳とでは値打ちが違う。痛みと惨めさを潜り抜けた主人公と、それを拒否した彼とでは、もはやレベルが違う。主人公は、この彼に見切りをつける時が来るでしょう。最悪の出来事を笑い話に変えられる日もそう遠くないと思う。“振らないバットに球は当たらない”ということを知った主人公。バッテイングセンターのホームラン賞で貰ったタオルで涙を拭きながら、少女は大人になっていく。
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-04 19:59:06)(良:4票)
12.  翼のない天使
ディス・イズ・シャマラン。
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-21 12:32:04)
13.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
僅か100分足らずの尺ながら、物語は充実しています。かといって忙しない印象もありません。動を際立たせる静。緊張を和らげる粋な笑い。その脚本、演出の巧みさには舌を巻きます。登場人物も魅力的。脇役も際立っていますが、やはり主演の三船に尽きます。身分は素浪人。名は椿三十郎。偽名です。“ヒーローは名を名乗らない(名乗ってはいけない)”という大前提が、きちんと守られています。『月光仮面』と同じ。それは見返りを求めないという宣言です。「義を見てせざるは勇なきなり」よりも「君子危うきに近寄らず」が主流な昨今、やはりヒーローはこうでなくては!と思います。おまけに頭もキレます。しかし欠点もある。粗野な振る舞い、独断専行。奥方には「抜き身」と評されます。彼の人物像を見事に言い表している。そんな主人公が、奥方の人柄にほだされたのが本作の肝。奥方は世間知らずです。でも計算がない。飾り無い無垢な言葉だから、世俗にまみれた主人公の心に響いたのでしょう。「人を殺してはいけません。」「本当によい刀は鞘に納まっているものです。」しかし事態は甘くありません。殺生は避けたいが避けられない。奥方の言葉と現実との間で、主人公の心は揺れ動きます。その葛藤は言葉と態度に表れます。だから彼に深く感情移入できる。最後の決闘。もはや何の益もありません。でも武士であるが故に立ち会わざるを得ない。勝利の余韻よりも虚しさが勝ります。「お見事!」と言われて一喝する椿の姿が心に残ります。紛うことなき娯楽時代劇の傑作。思い入れの要素を差し引いても、10点は動きません。
[DVD(邦画)] 10点(2007-08-01 18:06:03)(良:3票)
14.  ヅラ刑事
「かつら」という言葉には、意外とポジティブなイメージがあります。パーティーのアフロ。時代劇のちょんまげ。ウィッグなんておシャレな言い方もある。日なたの匂いがします。ところが「ヅラ」と言われるとどうでしょう。とたんに湿度が5%ほど上がります。かつらはサラサラ。でもヅラはムレムレなのです。それは禿げを隠すために真剣だから。ヅラ、豊胸パット、ビガーパンツ…。コンプレックスと共にあるアイテムは、いつの世も日陰の存在です。そこで本作。主人公は自らのヅラを投げるという。堂々と自身のコンプレックスを人前に晒します。これは本来在り得ない行為。ヅラの存在価値を否定することになってしまう。本作ではその大いなる矛盾を、ある“荒業”でクリアします。もはや主人公のヅラは単なる道具ではありません。『トミーとマツ』や『あぶない刑事』などの、名だたるコンビ刑事ものと肩を並べたと言っていいでしょう。(すいません。やっぱり言い過ぎでした。)そういえば、名作刑事ドラマ『太陽にほえろ』にもリアルヅラ刑事がいたとかいないとか。本作はコンプレックスを笑いものにしています。被ってるキャラのイジリーを、デカチンにキャスティングするなんて皮肉もいいところ。でも好意的に捉えれば、コンプレックスを持つ者たちへの応援歌と考えられなくもない。モト冬樹はスタイル抜群ですし、イジリーもメガネがよく似合う。よく考えれば、彼らは悪く描かれていないことに気付きます。さあ、耳を澄ませてみましょう。きっとステキな応援歌が聞こえるはずです。もっとも、自分は最近耳掃除をしていないので聴こえませんが。
[DVD(邦画)] 4点(2007-05-16 17:53:06)(笑:2票)
15.  ツイステッド 《ネタバレ》 
ミスリードあり、どんでん返しありで、つくりは標準的なミステリーだと思います。ただ、あまり出来がいいとは思えませんでした。一番の問題点は皆さんご指摘のとおり、「主人公が犯人では?」と思わせることに失敗していること。“酒を飲んで意識を失う”という状況があまりに不自然でした。せめて極端にアルコールに弱い体質だという設定にする必要がありました。作品のキモとなる仕掛けだけに、もう少し気を配って欲しかったです。また真犯人の動機について。それなりに理解できましたが、何故主人公に正体をばらしたのかが謎。主人公に自分の気持ちを理解してもらえるとでも思ったのでしょうか?ネタばらしは作品のクライマックスです。サプライズが無いのはツライ。主人公のキャラクターも魅力的に感じませんでした。全体的に今一歩の印象です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-12-28 19:23:13)
16.  ツイスター 《ネタバレ》 
命の危険をかえりみず情報収集する科学者。こういう人がいないと科学の進歩もないわけですし、結果的に未来の人命を救うことにもなる、重要で尊い仕事だと思います。ただ、当人の意識の中に、探究心>命という順序が見えてしまい、命を軽く見ているようで、主人公に共感できませんでした。(通常のアクション作品や娯楽作品でこんなことをいちいち考えていたらきりがないですし、またそう感じることもないのですが、本作は何故かひっかかりました。)もちろん娯楽作品ですので、“ありえない助かり方”をしても全然構わないのですが、自分の子供には、普通は死ぬよと教えたいです。巨大竜巻の映像は流石の迫力ですので、大画面で観ることをお薦めします。
[DVD(字幕)] 5点(2006-05-31 18:36:26)
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