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《ネタバレ》 人間にとっての二大フロンティアといえば、宇宙と深海でありますが、この二つはとても似ている部分がある。偉大なる映画監督でありながら、また同時に探検家、ロマンチストでもあるジェームズ・キャメロンにとって宇宙と深海の魅力に取り付かれるのは当然のことでしょう。潜水艇で深海に潜ってみると、本当に驚愕に値する生き物ばかり。でっかいクラゲみたいな半透明のクリーチャー。熱水噴出孔にびっしりと生息するエビちゃん達。我々人間を含めた地球上のほとんどの生物は太陽のエネルギーによって活かされているわけですが、70年代に発見された「太陽エネルギーを必要としない深海の生態系」は、生物学におけるコペルニクス的転回とでもいえるようなものだったわけですね。その生態系の代表的な生き物といえばチューブワームでありますが、この生き物は胃が存在せず、体内のバクテリアによって栄養素をもらっている。またバクテリアもチューブワームから栄養素をもらっている。お互い共生関係にある。そうやって生存しているという、これまた驚愕に値する現象なのであります。さて、太陽エネルギーを必要としない生態系があるとなれば、当然他の天体にも同様の生命が存在してもいい。木星の4大衛星の一つであるエウロパには、氷層下に広大な海があると考えられている。また、巨大な木星の潮汐力を受けて内部は活発に活動し(お隣のイオは特に木星の影響を受けている)、熱水噴出孔みたいなものもあるかもしれない。そうすると、チューブワームみたいなものも、もしかするといるかもしれない。キャメロンは期待してそう話すのに対し、宇宙生物学者は微生物みたいなのならいるかも、と。あのやりとりが面白いですね。ラストはエウロパに潜った潜水艇がエウロパの生命に会い、おまけに海底都市みたいなのをバックにして終わる(おいおい、それはやりすぎ笑)わけですが、こういう、まだ人類が見た事の無い世界に大いなるロマンを持っている人にはお薦め出来る一本です。
【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-04-17 00:39:04)
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