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クローネンバーグの作品の中で最もエンターテイナー志向の強い作品で、商業的にも成功している。クローネンバーグの作家としての拘りが減少しているわけでもないこの作品が商業的成功を収めたのは、ストーリーの根底にラブストーリーがあることも前提にあるが、彼の美術センスがけしてマニアにしか受けないものではないということの証明でもあり、作家性を無くさずとも商業映画を作れるということの証明にもなっている。当時はハエの特質を徐々に露にする主人公を見ながらハエの知られざる生態に感心しながら見ていたことを覚えているが、このあたりの丁寧な描写が静かな怖さを演出しB級になりがちな題材を見事に深遠な映画にしたのだと思う。続編はこの作品のグロテスクなところだけが継承されている感があるが、たしかにグロさはなんだかんだ言ってもこの作品の一番の見所かもしれない。
【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-09 13:46:53)(良:2票)
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