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セリフとしても内なる声としてもほとんど語らせずに、表情と音楽だけで主人公の心理を描いていく。音楽はグスタフ・マーラー。原作の主人公はこのマーラーをモデルにしているらしい。そしてヴィスコンティ自身も主人公に被っているように感じる。芸術家であろうが天才であろうが、そして貴族であろうが、しょせん一人の弱い人間でしかないと言っているようだ。繁栄のあとには衰退があり、生あるものには死が訪れる。この儚くも当たり前のことを前作『地獄に落ちた勇者ども』で豪華絢爛な美をもって描いたのに対し、この作品は一人の人間の精神世界に焦点を当てて描いている。なので退屈に感じるという意見も当然あって当たり前なんですが、何度も観るとなかなかに浸れるんですよ。主人公と同じようにタッジオを追っちゃうんですよ。これってヤバイ?
【R&A】さん 7点(2004-05-17 13:03:09)
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