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《ネタバレ》 すでに大スターだったボガートが自ら設立したプロダクションによってプロデュースされた作品。しかし従来のハリウッド映画とは明らかに異にする作風は、スターありきの映画に嫌気がさしていたボガートと新進二コラス・レイの映画思想が一致したからだろう。若者が暗黒の世界へと転落してゆく様はそれまでの犯罪映画のようなドンパチアクションではなく、後のトリュフォーの『大人は判ってくれない』を彷彿させるような繊細かつ詩的に描かれる。裁判でのボガートの直接的なメッセージがスター映画を引きずってはいるものの、弁護士ボガートに負けず劣らず検事の応酬に迫力があって全然キャラ負けしていないし、判事の背中の汗を映し出すあたりも芸が細かい。判決を受けた若者が執行の日に連れて行かれるときに後頭部が剃られているのも演出の細やかさを象徴している。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-05-22 14:21:43)
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